強豪・山梨学院大に1-8で完敗

女子ホッケー

PCのチャンスを生かした荒川

 序盤から王者相手に苦しい展開を強いられる早大。サークル付近の素早く正確なパスワークの前に、開始10分で3本のペナルティーコーナー(PC)のチャンスを与えてしまう。かろうじてこのピンチを脱すると、カウンターで縦パスを有効に使い好機を演出。ところが、山梨学院大の堅い守りに阻まれ、シュートには至らない。その後は、GK堀部晶瑠主将(スポ4=大阪・羽衣学園)のファインセーブやプレスの効いた守りでゴールを死守。幾度も決定的なチャンスを与え、我慢の時間帯が続く。ゲームが動いたのは前半34分。先にゴールネットを揺らしたのは早大だった。相手ファールからPCを得ると、FB荒川知里(スポ3=島根・横田)のショットにFW小澤眞帆(教1=埼玉・飯能)が反応。シュートコースを変え、鮮やかに先制。数少ないチャンスをものにした。しかし、すぐさまPCからゴールを奪われ1-1。後半に望みをつなげる。

 しかし、ここからの山梨学院大の攻撃は圧巻だった。後半に入ると、早大に少しずつ疲れの色が見え始める。さらに部員の少ない早大に対し、層の厚い強豪・山梨学院大は続々とフレッシュな選手を投入。細かいパス回しと鮮やかなスティックさばきで、ディフェンスの隙を狙われ早大は失点を重ねてしまう。2本のPCと5本のフィールドゴールで、7連続失点。後半の体力の差に課題を残した。攻撃では小澤やFW瀧澤育未(スポ1=滋賀・伊吹)の積極的な前を向いたプレーもあったが、ゴール前には持ち込めず。シュートチャンスもないまま1-8で敗北を喫した。

ドリブルで相手をかわす小澤

 スコアを見れば完敗だが、前半善戦したことで収穫も多く、逆に課題も明らかになった。この日の試合を振り返り、堀部主将は「いかに省エネホッケーをするか」を今後の課題に挙げた。そして、次週には全日本学生ホッケー選手権を控えている。初戦の相手はまたしても山梨学院大だ。残された時間は少ないが、どれだけこの差を縮められるか。全員ホッケーで雪辱を誓う。

(記事 田島光一郎、写真 落合修平、三上雄大)

結果

●早大1-8山梨学院大

秋季関東学生リーグ
早大 1-1
0-7
山梨学院大
得点者(早大)
後半34分・小澤
コメント

GK堀部晶瑠主将(スポ4=大阪・羽衣学園)

――きょうの試合を振り返って、いかがですか

前半は良かったのですが、後半は体力がなくなってミスが多くなってきたので、自分たちのミスが結果につながってしまったなと思います。

――相手は山梨学院大でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

秋リーグ優勝という目標をみんなで立てていたので、強豪のチームではあるのですが勝ちにいこうという気持ちで、最初から攻めにいくという話をしていました。

――具体的な作戦はどのようなものでしたか

作戦は攻め中心で、あとはプレスをかけてボールを取れたら、全員で攻めて1点を取ろうという話をしていました。

――前半は粘り強く守れていました。後半は疲れもありましたか

(早大は)交代できる人がいなくて70分間、試合を持たせるのが少しきつかったです。もう少し体力をつけるというよりは、いかに省エネホッケーをするかが今後の課題になるかなと思います。

――来週の全日本学生ホッケー選手権でも山梨学院大との対戦ですが、ここから改善していきたい点を教えてください

前半1-1でしっかり良い試合ができたので、しんどくなったときになるべくミスをしないようにして、全員で声をかけて試合に臨めたらいいかなと思います。

――リーグ戦の3位決定戦は早慶戦ということになりました。特別な想いはありますか

11月10日にも早慶戦があるのですが、私たちと慶応はレベルが違うぞという所を見せつけてやりたいと思います。

FB三柴明日香副将(文4=東京・鴎友学園)

――今日の試合にどのような気持ちで臨みましたか

相手が絶対的な王者なので、もう失うものは何もない、と思い強気で臨みました。

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

あっという間の70分でした。前半は先制点を奪い、同スコアで折り返すことができたのですが、後半に入り相手が選手をどんどん変えてくる中で、集中力が欠けてしまったのかな、と思います。

――山梨学院大の攻めはやはり強力でしたか

積極的に攻めてくるので、自分たちでコースを切っていかないと苦しくなりますね。そこが厳しい部分でした。

――3位決定戦の相手は慶大ですが、どう思われますか

反則でもいいから、サークル外でなんとか止めようと意識しました。

――大学生活最後のリーグ戦も終わりが近づいてきましたね

もう一ケ月切ったな、というのは強く感じていますね。ただ、練習の中でもみんなが集中してくれていて、チームとしてまとまっていきているな、という気持ちはあります。なので、自分がプレーでも言葉でも、何か後輩達に残せたらいいな、と思っています。

――3位決定戦の相手は慶大ですが、どう思われますか

こういう形での対戦は久しぶりなので、ちょっと驚いています。自分たちのホームグラウンドでできる最後の試合なので、勝って笑顔で終わりたいです。

FW小澤眞帆(教育1=埼玉・飯能)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最初から押されるゲームになることは分かっていたので、前半はいい感じでできたのですが、後半で集中力が持たなかったのでちょっと悔しかったです。

――強豪・山梨学院ということで策略など教えてください

全体的には攻め中心で、いつもはMFなのですがきょうの試合ではFWとして試合に臨んで、とりあえず1点を取りにいこうということでした。

――前半は押されながらも、スコア的には拮抗(きっこう)していましたね

押されていたという気持ちが大きかったのですが、みんなもとても集中していて、ミスも少なくていいゲームだったと思います。

――後半は耐えきれなかったという感じですか

体力面の問題と立ち上がりに点数がうまい形で入れられてしまったのでそこをしっかりと防ぐことができれば違った展開だったかもな、と思います。

――次戦に向けての課題は

前半では立ち上がりがしっかりできていたので得点を決められることはなかったのですが、前半の終わりと後半の立ち上がりをしっかりしていくことが重要だと思いました。

――3位決定戦での慶應との試合に向けての意気込みをお願いします

今までの駿河台や山梨学院と違って、攻めることが多くなるゲームだと思うので、そういった得点を取れる機会で点をものにしていきたいです。