今年で創部100年を迎えた早稲田大学ホッケー部。関東学生春季リーグの二回戦は今期初めての早慶戦となった。1Qでは早大の速攻が決まり、ペースを握るも、2Qからは慶大ペースとなる。しかし早大の安定した守備陣は慶大の攻撃を通さず、3-0で完封勝利とし、上位への駒を進めた。
試合開始直後、ゲームはいきなり動き出した。1クオーター(Q)1分、早大の素早い攻めでFW岩本捷汰(スポ3=大阪・大阪星光)がペナルティーコーナー(PC)を獲得。それを活かしてDF小比類巻周(政経4=東京・早大学院)が相手のスキを突くシュートを決めた。流れは変わらず早大のペースが続く。1Q6分。防御に徹する慶大相手にDF小比類巻とFW山田和輝(創理4=東京・早稲田)がサークル内までボールを運び、PCをもぎ取り、DF小比類巻がチャンスを逃さず追加点を得た。その後も果敢な攻めを続け、こちらのコートに入らせないほどの圧倒的なボール支配をした1Qだった。2Qは1分FW黒田悠磨(政経2=東京・早稲田)がドリブルで2人抜き、チャンスを作る好プレーから始まり、1Qの流れを引き継げるかと思いきや、その後慶大ペースへと変わり、早大が守備に回ることが多くなった。ただ早大の守備は厚く、慶大のシュートを許しはしない。ペースこそ慶大であったものの、守備が輝く2Qであった。
相手のディフェンスをかいくぐり、3点目に大きく繋げたFW黒田
休憩を挟んだ3Q。慶大の攻勢が続いたが、早大のターンが増えてきた。12分にFW黒田悠磨が相手ゾーン内までボールを運び、ペナルティストローク(PS)を獲得し、そこをMF中島丞一郎主将(スポ4=富山・石動)が逃さず3点目を決めた。続く4Qでは、早大にボールが回り始めた。3分には連続してPCを獲得する機会もあったが、ファウルを取られ、攻めが途絶えてしまう。追加点が欲しい早大は最後まで攻撃的なプレーを続け、14分にFW戸川晴貴が最後のシュートをするも決まらず、試合終了となった。
慶大にペースを握られる中守備に大きく貢献したMF山田
今シーズン初の早慶戦を白星で飾った早大。ペースを握られても失点はしない守備が光った試合と言えよう。「PCを取られないというチームの目標を達成出来て良かった」と中島主将が語るように、チームとしての目標を達成することがこれからのチームの成長に重要になってくるだろう。リーグ上位へ進むにはここからが正念場だ。次戦の相手は明治大学。公式戦では前シーズンから白星を取ることが出来ていない強敵。のリベンジを果たせるか。
(記事 石崎太一 写真 板東萌)
結果
TEAM | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | TOTAL |
早大 | 2 | 0 | 1 | 0 | 3 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
コメント
原聡監督(昭59理工卒)
――慶応相手にどのようなゲームプランを考えていましたか
客観的に見て相手(慶応)の方が戦力的に見て上だ考えていました。上位へ進むには、今日は勝ってその後の得失点差次第なので得点源であるPCを冷静に決めて得点を重ねていくことが必要だと考えていました。
――ゲームプランと比べて実際はどうでしたか
最初のワンプレーから攻め込み、PCを取り、そこから点を挙げ、そのまま続けて2点目を取れたので立ち上がりは良かったです。ただ、2Qで慶応のペースになり、危ない場面は無かったが、ボールを取っても相手にカットされ、カウンターされると行ったり来たりの展開があり、メンバーの消耗が激しく、後半に向け不安になる様な所がありました。
――次戦は明治戦ですが、どういった意気込みで臨まれますか
ここは強敵なので、簡単に勝ちますとは言えませんが、ここに勝たなければ上位に行けません。前回負けた駿河台大が明治に負けたものの1点差で、プレシーズンも考えると勝ったり負けたりしているので、今日の悪い場面を改善し、自分たちの強みを明治にぶつけたいと思います。
MF中島丞一郎主将(スポ4=富山・石動)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
今日は点数差をつけて勝つということをチームとして掲げていて、3-0で勝つことは出来ましたが、あと1、2点差をつけて勝てたと思います。でも結果として勝てた事はとても嬉しいです。
――3-0で完封勝利となりましたが、守備で意識されたことはありますか
前回の駿河台大戦ではPCを多く取られたので、今回はPCを取られる回数を少なくするということをチーム全体で話し合った中、(今回は)PCを取られた回数が0回だったのでチームが掲げた目標の一つを達成出来て良かったです。
――PSから繋げた3点目のシーンを振り返っていかがでしたか
黒田くん(悠磨、政経2=東京・早稲田)がPSを取ってくれてとても頼もしい存在だと思います。PSも自分が決められて良かったです。
――次戦の明治戦への意気込みを教えてください
とても手強い相手ですが、明治に勝たないと王座への道はないので、残り一週間、短い間で準備して、必ず勝てるようにチーム一丸となってがんばりたいです。
MF黒田悠磨(政経2=東京・早稲田)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
去年の早慶戦の時は脳震盪で出場出来ない中、0-5で先輩達が負けてた試合で何もすることが出来ず悔しかったので、今日はそのリベンジをしようと思い、全力でプレーしました。
――プレーの良かった所と悪かった所を教えて下さい
良かった所は、行くと決めたときにエンジン全開で、抜くと決めたら抜けたことです。中途半端なプレーでボールをロストしたり、最後のシュートをしっから当てられなかった所を次までに練習して、次は点を決めたいと思います。
――3点目に繋げたアシストシーンを振り返っていかがでしたか
ドリブルで仕掛けてチャンスになればいいと思った所でPSを取りました。本当はそのまま抜ききってシュートを打ちたかったですが、最後ジョーさん(MF中島丞一郎主将(スポ4=富山・石動))が決めてくれて良かったです。
――次戦への意気込みはありますか
王座に行くには4点差以上つける必要があり、厳しい戦いになると思いますが、諦めずに応援を力にして最後まで戦い抜きたいです。