大島新(商4=東京・早大学院)、満留優太郎(政経4=東京・早大学院)、高橋佑瑠(教4=早大本庄)、原崎ひかり(創理4=早大本庄)の4人をお迎えしての第3回。男女部それぞれで最高学年としてチームを引っ張る4人は、早慶戦を前に何を語るのか。
※この取材は11月12日に行われたものです。
「(大島は)やるべきところはやってくれる」(満留)
大島への印象を語る満留
――男女各部でお互いの他己紹介をお願いします
原崎 佑瑠(髙橋)とは高校の部活から一緒だったんですけど、高校の時は私がマネジャーで高橋は選手でやっていて、明るい子という印象でした。今も明るいというのは変わらないですけど、プレイヤーとして一緒にやっているので考え方とかが段々分かってきて、結構しっかり考えていろいろやっているなと思いました。
高橋 高校から変わらない良いところとしては、優しいところ。相手のことを常に考えて行動しているというのがプレーでも分かるし、私生活でも分かるというのがあります。あとはイメージが変わったところで言うと、マネジャーとしてのところしか知らなかったので、一緒に選手をやっていると重複してしまうのですが、結構いろいろ考えてやっているんだなとか、自分に厳しいなというところがあります。
大島 高校で同じ部活で、ただ彼(満留)は途中入部で、1年生、2年生どっちだっけ?
満留 高1の12月から。
大島 12月からか。だから自分より半年遅れでホッケーを始めたのですが、同期とかチームに追い付こうというまじめな性格が結構あって、今でも部活の週2回のラントレや筋トレとかを誰よりもストイックにやっているので、そういうところで自分にストイックな性格なのかなと思います。一方で、めちゃめちゃ変わっているなというのがあって、かなりひん曲がっていますね(笑)。これ以上は言えないです(笑)。オブラートに包んで言ったとしても、ひん曲がっています。
満留 高校から一緒にやっていて、見たら分かるんですけど結構抜けてる感じがあるんですよね(笑)。部活動もそうですし外でもそうなんですけど。でも結構考えることは考えていますし、試合の時とかも本番には決めてくれたりとかミラクルプレーが多いので、やるべきところはやってくれると思っています。
――部内で特に仲の良い選手をあげるとしたら誰ですか
高橋 仲が良いっていうなら学年が違うのですが、3年の小川(紗知、スポ3=東京・日比谷)です。小川は年齢的には一緒で、ここの部に入部していなかったら話すことのなかったタイプだなと最初は思っていました。ただ考えていることとかが似ていて、一個下の学年なのに誰よりもチームのことを客観的に見ていると思うんです。チームのマネジメントについて話したいこともありますし、個人的に教わることや相談することも多いので、そういった面ではとても話しやすいです。
原崎 同じ人になっちゃうんですけど。
高橋 別の人言いなよ(笑)。
原崎 私たち4年の中ではもう一人の同期だと思っていて(笑)。
高橋 もう同期って呼んでます(笑)。
原崎 3年生は結構きゃぴきゃぴしてる感じの子が多いのですが、小川はその中でも私たちと波長が合う感じがしていて。話しのツボが合うのが面白くてしっかりしているのもありますし、会話していて(気が)合うなと思います。
満留 よく外に行ったり話したりするのは周(小比類巻、スポ3=東京・早大学院)です。飲みに行ったりとかします。
大島 後輩で言うとすれば、3年の加藤(航太、政経3=東京・早大学院)です。本当に話しやすいし向こうからも話しかけてくれて、高校の時から仲が良いんですよね。部活以外でもご飯行ったりします。
――オフの日にされることはありますか
原崎 私は趣味でこれといったものはあまりなくて、私は大学がそこそこ忙しいので、大学の課題をやっていることが多いです。
高橋 必ずこれをやるというのはないですけど、部活をやっている時は部活の仲間たちといることが多いので、オフの日は部活とは離れた友人と他の部活のスポーツ観戦に行ったりします。一人の時間を楽しむ時はしっかり一人の時間なんですけど、友達と楽しむ時は友達とっていう、同じオフでも違う面があるという感じです。
大島 自分は何かしら予定を入れていたい派なので、アルバイトを入れたりとか。最近は朝活にハマっていて、甘いものが好きなので朝食べに行ってパンケーキを食べたりしますね。先週も行ってきたんですけど(笑)。なので朝を有意義に使っています。
満留 僕も結構似ていて、オフの日に朝に予定を入れないとぐうたらしちゃうなというのが4年間で分かりました。僕は脳震とうをやってその後に脳脊髄液漏出症という病気になってしまったので練習ができていないんですが、それで通っている病院を朝一に入れたりします。あと最近はひげ脱毛とオンライン英会話を始めたので、そういうことをして朝から頑張っています。
「(天理大戦は)上手な選手から学ぶ、良い機会だった」(髙橋)
全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)を振り返る髙橋
――ホッケーを始めたきっかけは
原崎 私は母がもともとホッケーを大学の時にやっていて、私自身も大学でまたしっかりスポーツやりたいなと思っていました。ラクロスかホッケーかで迷っていたのですが、母に勧められてホッケーを見に行ったら雰囲気が結構良くて始めることになりました。
高橋 私は途中入部なんですけど、最初は米式蹴球部のマネジャーをしていました。どっちも良いところはあるんですけど、なんでホッケー部を選んだかというところはやっぱり原崎の存在が大きかったなと。あとは上の学年とかにも何人か知っている方とかがいたので、特に迷うとかはなく選手として始めるならホッケーだな、とその意志は変わらずに最終的には入部したという感じです。
大島 自分は中学校までサッカー一筋だったんですけど、高校のサッカー部の練習環境とか競争の激しさとかいろいろ考えた結果、サッカー以外の新しいスポーツを始めようと思いました。ちょうどホッケーの体験に行った時にスピード感やダイナミックさといった競技の魅力に惹かれて、先輩方の一緒に全国目指そうよという熱い勧誘にも惹かれて入部を決めました。あと中学校の時のサッカー部の友達が一緒に学院でホッケーを始めたので、それもきっかけとなりました。
満留 僕は元々学院の時に正式な部活には所属していなくて自由に過ごそうと思っていたのですが、部活みたいな組織に所属していないと「自分って何者なんだろうな」と思う時があって。そんな時にホッケー部に友人がいたので、そいつに誘われてきてみたら、グラウンドもきれいで先輩とかも優しく教えてくださったので、絶対ここで頑張ろうと思って入部しました。
――男女共にインカレを終えられましたが、振り返ってみていかがでしたか
原崎 私たちは、インカレの目標であるベスト8進出に関しては達成することはできたのですが、やっぱり天理大戦(11月4日、●0-10)で失点を1桁で抑えたいと話していたのに10失点してしまいました。(失点を)抑えられる場面で抑えきれていなくて、そこはチームとしても個人としても反省が多かった試合だと思います。
髙橋 目標としていたベスト8は達成できたものの、やっぱりそこで終わっちゃったっていうのがあって。その先の天理大戦で失点を1桁で抑えようという目標に関しては、達成できなかったので悔しさがあります。たくさん失点しまって傍から見れば結構なぼろ負けだったと思うんですけど、私としてはすごく強い相手に対してはこんなもんだったんだな、ということを早慶戦前に確認できた良い機会になったと思います。チームの中で天理大戦から学んだことを選手たちも練習で活かしていて、そういった上手な選手から学ぶっていうことに関しては良い機会だったなと振り返ってみて思います。
大島 個人的には、インカレの初戦(東海学院大戦、11月2日、〇3-1)と2回戦は(北大戦、11月3日、〇5-0)シュートチャンスが何回もあったのに点を取れなかったことには後悔が残っています。チームとしても簡単なミスが目立っていて入り方は決して良くはなかったです。ただ3回戦は結果的に3-6で敗れはしたものの、天理大は大会を通して失点数が3点で、そのうちの3点全て早稲田が取るができたことは今シーズン得点不足で悩まされていたチームにとって、大きな収穫だったのかなと思います。一方で全国優勝を目標としてインカレを戦ってきた中でベスト8で終わってしまったので、残された早慶戦と順位決定戦で勝って気持ち良く終われたらなと思います。
満留 僕は最後のインカレをスタンドで見る形になったんですけど、本当に天理大を相手に点を取ったときは昨年のキャプテンである村上(和亮、令4政経卒=東京・早大学院)が立てていたスローガン、「doubters to believers=疑うものから信じるものへ」が1年越しに体現されたなと思っていて。あれを機に自分たちでもやれるんだと自信になりましたし、今シーズンだけでなく来シーズンにつながる良い試合だったんじゃないかなと思います。下級生の活躍が見られた大会でもあって、伊豆藏(顕心、商2=東京・早大学院)が初得点を決めたり、黒田(悠磨、政経1=東京・早大学院)とか大多田(一真、政経3=東京・早大学院)がフリックを決めたりと活躍してくれました。そう考えると4年生はインカレで思うようなプレーが出せていないので、早慶戦で思う存分暴れてほしいと思います。
「今年のチームは下の代から話し合って強くなった」(原崎)
シーズンを振り返る原崎
――春から振り返ってみて、チームや個人として成長した点や最後に課題として残ってることはありますか
原崎 このチームは4年生がフィールドプレーヤーが私と髙橋の2人だけ、あとはキーパーの山口なので、下級生の力がすごく必要になりました。インカレの北大戦(11月3日、〇2-0)でほなみ(野中、教1=宮城・高鍋)が途中で出られなくなった時も、代わりの1、2年生が出てきてしっかりと良いプレーをしてくれて、下の子たちがすごくよく育っていたと思います。これまでは上から言われて伸びてきたチームだと思うんですけど、今年のチームはみんなが下の代から相談して話し合って強くなったチームだと思っていて、そういう風になれたのはすごく良かったです。反省というか早慶戦までにやりたいなと思うことは、ずっとチームとして得点力がないというのが課題で。北大戦でももっと点を取って勝つべき試合だった中であまり取れなかったので、最後早慶戦ではもっと点を取って終わりたいなと思います。
髙橋 振り返ってみて成長したところは個人としてもチームとしてもいくつも挙げられるんですけど、最初から言われていてまだ達成していない唯一のところはやっぱり得点力だと思っていて。やっぱり女子部はPCの本数は多い中で得点率が低いという所もそうですし、フィールドゴールもそうですし。自分たちが勝ちたいと思っているのと同じぐらい、あるいはそれ以上に慶應の人たちも勝ちたい思っているはずですし、最後はその気持ちがどっちが強いかが大事になってくると思います。いつも山口が言っているんですけど、本当に女子部は全然攻撃力がないというわけじゃなくて、本当に惜しい所でボールが抜けちゃったりとかあと一歩伸ばすところで届かないとか、そういう本当にあと少しの細かいところなんです。早慶戦ではそういう細かいところにこだわって、毎日悔いなく練習してきたいと思います。
満留 個人的には、半年くらいずっとベットの上にいたので…。
大島 そんなに?
満留 合計だとリアルにそのくらいだったよ。家と病院のベット合わせるとそのくらいでした。ただその期間にLINEに今日の練習風景とかが送られてくるんですけど、それを見ても本当にみんな上手くなってきたと思います。あとは実際の試合でも練習試合でも逆転勝ちしたりとか、強い相手でもどんどん点を決めたりとか、技術だけじゃなくて精神的な部分も成長したなと思います。
大島 個人としてもチームとしてもまだまだな部分はあるんですけど、かなり成長できたなと思っていて。なぜここまで変えることができたのかなと考えていたんですけど、自分がいた4年間を通して練習の雰囲気が今シーズン一番良いのかなと思うんです。オンとオフの切れ替えが良いというか、オフの時は上下関係なく仲良くしていてるんですけど、実際練習に入ると上下関係なく先輩にも関係なくミスを指摘し合ったり厳しい声掛けができていると思います。アドバイスの声とかもかなり増えていて、そういった日々の積み重ねで成長できてるのかなと思います。
―早慶戦の注目選手を教えてください
原崎 私の注目選手は山下遥(社3=東京・東京国際基督教大校)です。彼女はずっと留学に行っていて、夏に戻ってきて今自主練とかもすごく頑張っています。今本人は結果が残せていなくて悔しい思いをしていると思うのですが、すごくポテンシャルのある選手だし、彼女がゴール前に立った時は何かが起こるんじゃないかなと思います。PC含め得点能力のある選手なので、そこらへんに注目してほしいです。
高橋 私は三宅美由紀(スポ2=埼玉・川越女)を挙げようと思います。普段から面白い子で練習中も奇声ばっかり上げているんですけど、なぜ注目選手に選んだかと言うと、すごく考えている子だからなんです。他の人が思っている以上に色々と考えてやっているなと思っていて、というのも駿河台大戦(10月30日、●0-3)で負けてしまった後に、彼女はずっと涙を流していたんですね。色々その後話したんですけど、自分がそこで話をしなかったら彼女がそこまで強い思いを持っていたんだということや、自分にストイックであるということには気づかなかったと思います。そんな彼女なので、プレーの上手さやスキルとは関係なしに、早慶戦という舞台でその強い思いを発揮して、(ゴールを)決めてくれるんじゃないかなと私は信じています。彼女の涙を見たから余計に信じているし、それがあったから私も頑張ろうと思えたので。
大島 本当は「5番・大島新」に注目してほしいんですけど。
一同 (笑)
大島 ちゃんと選ぶとすると、3番の小比類巻周(政経3=東京・早大学院) に注目してほしいです。彼は今年春季は疲労骨折でなかなか試合に出られていなかったのですが、その間上半身を中心に筋トレを頑張っていて。復帰後はペナルティコーナーのフリックを彼が担当しているんですけど、精度も高いしスピードも乗っていて筋トレの成果が表れているなと思います。実際にこの前の天理大戦でも決めていますし、早慶戦でも決めてくれるんじゃないかと期待しています。
満留 3年生の山田和輝(創理3=東京・早大学院)を挙げようと思います。山田とはこの一年間一緒にリハビリとかをやってて、彼もプレーができないなかしっかりとトレーニングに取り組んでいました。秋季から試合に出られるようになったのですが、天理大戦含めインカレ全体を通して良いプレーをしていたと思います。全体的にスキルも向上しているので、早慶戦も良いプレーを見せてくれるんじゃないかと期待しています。
「最後の一秒まで、全力で走って出し切りたい」(大島)
インカレ2回戦北大戦での大島
――最終学年として最後の早慶戦になると思います。意気込みを聞かせてください
原崎 私はあまり意気込んで上手くいくタイプではないので、当日応援部の方々にも来ていただいて盛り上がるとは思うのですがいつも通りのプレーを心がけたいと思います。慶大の攻めに対してできるだけミッドラインで(ボールを)奪って、すぐに攻撃に転じられるようにということを意識して頑張ります!
高橋 もちろん勝って終わる、優勝して終わるというのが1番の目標です。そのチームとしての目標のために、個人としてはまずディフェンスとして相手にシュートを打たせないことを意識したいです。シュートブロックは自分の得意なプレーでもありますし、最後相手が嫌がるまでディフェンスしてシュートを打たせないというところにこだわってやっていきたいなと思っています。
大島 チームとしてはもちろん絶対に優勝したいです。優勝できれば良いので個人としてはその次になりますが、やっぱり最後の早慶戦ということでゴールやアシストという形でチームに貢献したいと思います。最後の一秒まで、全力で走って出し切りたいと思います!
満留 僕は観るだけにはなってしまうのですが、声出しやメンタル、戦術的な面でチームに貢献できたらいいなと思っています。自分たちは4年間たくさんの劇的な試合をしてきましたし、観てきました。1年生の時の早慶戦(2019年11月24日、△2-2)なんかは、慶大に2点リードされながら追い付きましたし、昨年は学習院大に劇的な逆転をされて負けてしまったこともありました。そう言った色々なゲームからの学びを4年生は体現していく場だと思うので、それをしっかり見せてくれたらいいなと思っています。
――ありがとうございました!
(取材、写真、編集 板東萌、大幡拓登)
早慶ホッケー定期戦に向けた意気込みを書いていただきました!
◆大島新(おおしま・あらた)(※写真右端)
2000(平12)年11月13日生まれ。175センチ。東京都・早大学院高出身。商学部4年。最近は朝活にはまっているそうです。早慶戦のために今年1年、点を取ってこなかったという同期のタレコミも。早慶戦では念願の得点に期待です!
◆満留優太郎(みつどめ・ゆうたろう)(※写真中央右)
2000(平12)年10月2日生まれ。162センチ。東京都・早大学院高出身。政治経済学部4年。冷静にチームを分析する満留選手の姿が印象的でした。早慶戦でも、ピッチの外からチームを支えてくれることでしょう!
◆高橋佑瑠(たかはし・ゆうり)(※写真左端)
2000(平12)年7月14日生まれ。163センチ。埼玉県・早大本庄高出身。教育学部4年。今季早大の公式戦全試合に出場する早大のストッパー。粘り強い守備で早大ゴールを守り抜く。
◆原崎ひかり(はらさき・ひかり)(※写真中央左)
2003(平13)年2月16日生まれ。157センチ。埼玉県・早大本庄高出身。創造理工学部4年。豊富なスタミナと確かな技術で早大攻撃陣から中盤を幅広くカバー。キレのあるドリブルにも期待。