全日本学生ホッケー選手権（インカレ）も２回戦目を迎えた。対戦したのは北海道代表の北大。ボールの支配率は、早大の方がはるかに上回っていたが、相手の全員での守備に苦戦し、先制できない時間が続いた。第２クオーター（Q）の終盤に、連続でペナルティーコーナー（ＰＣ）を獲得し、ＤＦ小比類巻周（政経３＝東京・早大学院）が待望の先制点をあげる。勢いづいた早大は、直後にＭＦ山田和輝（創造理工３＝東京・早大学院）が追加点を奪う。攻撃に火がついた早大は、北大ゴールに果敢に攻め込み、第３ＱにＦＷ岩本捷汰（スポ２＝大阪・大阪星光学院）、第４ＱにＤＦ大多田一真（政経３＝東京・早大学院）、ＦＷ伊豆蔵顕心（商２＝東京・早大本庄）が得点を決め今季最多５点差で勝利した。
北大は応援団が集まり声援を浴びる一方で、早大は完全にアウェイムードの中、試合は始まった。第１Qから早大は、相手ゴールに迫り４分に本試合初のＰＣを獲得した。ＦW中島丞一郎（スポ３＝富山・石動）のパスを受けたＦＷ平岩佑利（スポ４＝奈良・天理）が、シュートを打つも、相手GK正面ではじき出されてしまう。12分にＦＷ大島新（商４＝東京・早大学院）がドリブルで相手をかわして、北大陣地にボールを運ぶ際にファウルがあり、ＰＣを得たが決めることができない。第１Ｑで３本のＰＣを獲得したが、無得点で終わった。第２Ｑ、２分にＦW中島がボールを奪って、ＦＷ平岩が北大ＧＫと１対１になる絶好のチャンスが訪れるも、ファウルにより倒された。このプレーにより早大は、ペナルティーストローク（ＰＳ）をつかみ取り、ＦＷ平岩がシュートを打つも相手ＧＫの好セーブにより得点できなかった。早大は、10分にＰＣを獲得し再ＰＣが２回続いた。３本目でＤＦ小比類巻が守備の隙間を抜けるシュートを打ち念願の先制点となった。13分にはＭＦ山田が左サイドから角度のあるシュートを決め２－０となった。このまま前半を終えた。
攻撃に火をつけるきっかけとなった２点目を決めたＭＦ山田
後半も早大は攻撃の手を緩めなかった。第３Ｑ、６分にＦＷ岩本が、バックラインを超えそうになったボールをキープして、ＧＫの隙間を抜けるシュートを決めて３点目となった。最終、第４Qでは、10 分にパスを奪われたことから、速攻をしかけられるが早大の堅い守備によりしのいだ。13分にＰＣを獲得しＤＦ大多田が高さのあるシュートで得点を奪い、４―０となった。試合終了間際には、入部して間もないＦＷ伊豆蔵が、ゴール横で受けたボールを流し込んで公式戦初出場・初得点を飾った。そのまま試合が終わり、早大は５－０で完勝した。
公式戦初出場、初得点を決めたＦＷ伊豆蔵
試合の主導権を完全に早大が握ったため、相手が徹底して守備に回りサークル内に多くの北大選手がいる攻めにくい展開だった。監督が「ワンタッチや外側からの強いボールを意識した」と語ったように、ドリブルやパスによるシュートが少なく、ＰＣを用いた攻撃が効果的な試合だった。５点とも異なる選手による得点で、様々なプレイヤーによる活躍が見られた試合であった。次戦は、昨年のインカレ王者の天理大と対戦する。夏合宿の成果を発揮してベスト４へ進出なるか。早大の金星に期待したい。
（記事 板東萌 写真 大幡拓登）
結果
| ＴＥＡＭ | １Ｑ | ２Ｑ | ３Ｑ | ４Ｑ | ＴＯＴＡＬ |
| 早大 | ０ | ２ | １ | ２ | ５ |
| 北大 | ０ | ０ | ０ | ０ | ０ |
コメント
原聡監督（昭５９理工卒）
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
「各Qで失点なしで１点ずつ取る」という試合をしたかったのだが、立ち上がり攻めるのだけど点が取れない、苦しいというか気持ちのイライラする展開でそこは少しまずかった。ただその後に点が取れたので良かったですけどね。
――５点中３点がＰＣによる得点でしたが、攻撃面で考えていた作戦は何かありますか
この試合で特別にということはないですが、ＰＣを取って点を獲得していこうというのは１つの作戦であって、今回の試合では、相手も引いてきてサークル内にたくさん人がいるので、普通にドリブルとか簡単なパスが入っていけないので、ワンタッチでサークルに入れてとか外側から強いボールを入れるなどは意識していました。
――序盤は、ＰＣを獲得するも点のはいらない時間が続きましたが攻撃面における課題を教えてください
全般的に共通するのが、昨日からなのですがパスが弱いという所があって、弱いと相手に追いつかれてしまって触られてしまうというシーンが多く見受けられた。後は簡単なプレーでのミスの数が比較的多かったのかなと。そこは修正していかないとかなと思ってます。
――次戦の天理大戦に向けて意気込みをお願いします
夏は天理に合宿に行っていて、最初はちょっとやられてしまったのですが、段々相手に順応できた部分もあったので、そこをいかに活かすことができるかなので、自分たちの進化が問われる試合だと思ってます。明日、勝つためにやってきたので、中々強いチームですけど、もちろん簡単じゃないですけど頑張っていきたいです。
小比類巻周（政経３＝東京・早大学院）
――ＰＣが決まらない中、先制点を上げましたが、振り返ってみていかがでしたか
いやもう何か、自分の調子をあげるために１本で押そうとみんなが言ってくれて、ありがたかったなというのが正直なところと、決めてチームを勢いづけたらなと思ってシュートを打ちました。
――ご自身の持ち味や今後の試合で注目してほしいプレーは何だと考えていますか
視野の広さを活かしたパスが持ち味です。フリックを決めるので注目してほしいです。
――次戦への意気込みを教えてください
次は天理戦なので、夏合宿でも対戦した学校なので、そこはしっかりと対策を練って勝ち切れるように頑張ります。
ＭＦ山田和輝（創造理工３＝東京・早大学院）
――２点目を決めましたが振り返ってみていががでしたか
そんなに流れが良くない状況で、得点することができて良かったなという感じです。
――試合を振り返ってみて、良かったこところと悪かったところをそれぞれ教えてください
最初は、流れが悪くて１Qとか点が取れなくて、２QもＰＣを取れている割にはそんあに点が取れてなくて、最終的にはＰＣが決まって初心者の伊豆蔵顕心も得点できて、最終的に５－０というスコアで気持ちよく終われたので良かったです。前半の立ち上がりの流れは悪かったかなと思ってます。あとは基礎的なミスが多かったので、そこは明日に向けて修正してから臨みたいと思います。
――次戦への意気込みを教えてください
勝ったら全国でベスト４でもあるので気合をいれて頑張りたいと思います。