春季覇者を打ち破れず、3位決定戦は『早慶戦』に

男子ホッケー

 関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)順位決定戦が始まった。勝てば決勝への切符を得られるこの試合の相手は明大。明大は関東学生春季リーグ(春季リーグ)の王者であり全日本学生選手権(インカレ)ベスト4の強豪だが、春季リーグでの対戦時は0-1の接戦を繰り広げ、決して勝てない相手ではないと思われた。しかし、第1クオーター(Q)からペナルティコーナー(PC)を取られ先制を許すと、その後も明大のペースで試合が進む。後半には敵陣でのプレーが増えたものの点を奪うことはできず、0-3で敗北。3位決定戦へ進むこととなった。

 冷たい風が吹きつける中、早大のセンターパスから試合が始まった。第1Q開始早々に明大がPCを獲得。一度目のシュートはGK山本健悟(社4=滋賀・伊吹)が見事に止め、ゴールライン直前に転がったボールもMF大野誠弥主将(政経4=東京・早大学院)が冷静にはじき出す。しかし、相手が放った二度目のシュートは弧を描くようにゴールに吸い込まれた。先制点を奪われたものの、その後は山本の好セーブやDF陣の粘り強い守備が光り明大の攻撃を水際で防ぐ。攻められがちな展開を覆したい早大だが、中盤でパスを回してもサークルまで持っていくことができない。「消極的になるな!」と鼓舞する声が上がった第2Q。約14分、ドリブルで駆け上がったFW今村光成(商4=東京・早大学院)が早大のエース・FW清水拓登(スポ3=滋賀・伊吹)へとパスをし、この試合最大のチャンスが生まれた。しかし、清水のシュートは惜しくもゴールネットの外側を掠める。得点はならなかったが、失点を序盤の1点に抑え後半へと希望を繋げた。

ドリブルでボールを運ぶFW今村(中央)

 第3Q開始約1分半、明大の主将が右サイドからGK、DF陣を引き付けゴール前が空いた隙にすかさずシュートを決められる。さらに約8分半、相手に再びPCを献上し失点、点差は3点に広がった。その後、度重なる相手のPCに耐えながら反撃の機をうかがう早大。前半と比べ攻撃の機会は増えたものの、巧みなディフェンスに阻まれゴールに繋げることができない。第4Q約9分、大野からFW平岩佑利(スポ1=奈良・天理)、そしてDF齊藤湧大(スポ4=栃木・今市)へ絶好の位置にパスが通る。ゴール前の守備が比較的薄くなったタイミングでの大チャンスだったが、得点ならず。健闘むなしく、0-3で試合を終えた。

第3Q、明大の追加点を阻止するGK山本

 この試合の結果により、早大は翌日の3位決定戦で慶大と対戦することが決まった。次週には早慶定期戦(早慶戦)を控えており、現体制でのラスト2試合はくしくもともに早慶対決となる。大野は「しっかり勝って来週に弾みをつけられるように、3位を狙えるようにやっていきたい」と意気込んだ。慶大は今季に入り力を伸ばしており油断できない相手である。早慶戦へ向けて、そしてリーグ最終戦として、絶対に負けられない戦いが始まる。

(記事 小出萌々香、写真 渡邉彩織、新藤綾佳)

結果
TEAM 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
早大
明大
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コメント

MF大野誠弥主将(政経4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

終始明治のペースでやらせてしまいました。それゆえになかなか自分たちのやりたいことができずに結果、点も取れなかった試合で結構苦しい展開が続いたなという印象でしたね。

――相手は明大と強豪校でしたがどのようなゲームプランを考えていましたか

自分たちとしてはやはりいつもロングボールを取られてカウンターをくらってという展開が基本的に多かったので、しっかり短くパスをつないで組み立てて攻撃をしていこうというプランでやっていこうとしました。しかしなかなかそれを出せずに残念です。

――明大とは春季リーグでも対戦していますがなにか変化はありましたか

相手が変化したというよりかは、自分たちの最後の泥臭い部分が出せずに失点を重ねてしまったのかなという印象があります。

――きょうの課題や収穫は

足が動いていなかったためになかなかパスがつながらないなどの細かい部分のミスが出てしまいました。そのせいで相手のペースにのまれてしまったので、そこをあしたの試合では改善していきたいと思っています。

――あすは早慶戦となりましたが意気込みをお願いします

来週も早慶戦を控えているのですが、その前哨戦ということでしっかり勝って来週に弾みをつけられるように、3位を狙えるようにやっていきたいと思います!

DF依田星也(商3=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返ってみていかがでしょうか

自分が1クオーターの前半で相手にペナルティーコーナーを与えてしまい、流れが持っていかれたかなという感じです。

――想定していた試合展開がありましたら教えてください

山下翼(スポ3=滋賀・伊吹)を一枚上げて攻撃的な布陣でいきました。ですが相手の攻めが予想以上に強くて守備的になってしまいました。

――春季リーグでも順位決定戦予選で明大と対戦しましたが、その時と比べていかがでしょう

(春の時は)明治は個人プレーが多かったです。今回は二人で組んだりとかが多くて崩されてしまった感じでした。

――ディフェンス陣としては相手の攻撃はどうでしたでしょうか

先々週対戦した山梨学院大よりは複数人で攻めてきていました。2対1とかの状況に追い込まれてしまい上手く崩されたかなと思います。

――チーム全体の動きとしてはどうでしたでしょうか

前半で1点取られて流れが悪くなってしまい、後半もその流れを戻せなかったと思いました。

――あすの慶大戦へ向けての意気込みをお願いします

あした慶応で来週も早慶戦なので、きょうの反省を生かしてしっかりとしたディフェンスをしていきたいと思います。

DF山下翼(スポ3=滋賀・伊吹)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

予選で山梨学院に負けてしまって2位通過で明治大学さんと(対戦)、ということだったのですが、ここで勝つか負けるかでチームの流れ的にも、今後の早慶戦にも関わってくると思ったのでそこはしっかり勝ちたい気持ちでいったのですが、やはり明治さんはインカレでも成績を残されていたし強いな、と思いました。

――敗因はどのようなところだと思いますか

やっぱりマークのずれかな、と思っていて。前から課題にしていたのですが、意志疎通といいますか、仲間のマークのずれとかをもう少しコーチングすべきだったのではないかと思います。

――春季リーグで対戦した時と比べ、明大に変化はありましたか

春リーグよりも時間が経っているので、組織の力が強くなっているなという印象だと思います。

――早大には春季と比べて成長したと感じる点はありましたか

そうですね……。春リーグに比べて攻めのクオリティーが上がったかなというのはあります。前半は全然攻められていなかったのですが、後半は細かいパスを意識していこうとハーフタイムの時に(話が)あって、そこの点に関してはできたかなと思います。

――今季残りの試合で、山下選手個人としてはどのようなプレーをしていきたいですか

個人としては、今はDFでやっているのですが、DFとして相手のFWからボールを取って仲間に繋げるというのも大事ですし、僕個人としてはおととしの早慶戦で点を決めているので、もう一回点を決めて自分が点を取って活躍してチームを鼓舞するプレーができればな、と思います。

――あすの慶大戦へ向けて意気込みをお願いします

やっぱり4(位)と3(位)だと大きな違いだと思うので、ここもしっかり勝って春リーグと同じように3位で終われるように頑張ります。