最終回はこの1年最上級生としてチームのトップに立ってきたFW糸賀俊哉主将(スポ4=島根・横田)、MF関修平副将(商4=東京・早大学院)そして3年生のまとめ役でもあるMF大野誠弥( 政経3=東京・早大学院)に話をうかがった。チームの『攻』を担う3選手は3年ぶりの上位リーグ進出を決めた春、プール1位通過を決めた秋をこえて全日本学生選手権(インカレ)にどのような意気込みで臨むのか。
※この取材は10月3日に行われたものです。
「満足できたシーズン」(糸賀)
これまでを振り返る糸賀
――春リーグはどのようなシーズンでしたか
糸賀 結果として3年ぶりのベスト4に入れたので結果としては結構満足しています。内容的にも自分が主将になったことでチームをまとめる面で不安はありましたが、チームの皆がしっかりいうことを聞いてくれたのでチームも上手くまとめられて3年ぶりのベスト4という結果にもなり満足できたシーズンだったかなと思います。
関 新チームが始まった11月ごろからずっと僕たち4年生としては東農大に勝ってベスト4を目指そうということを話していたので、東農大戦に向けてずっとモチベーションを高めながやってきてそこで勝つことができたということでとても嬉しかったです。目標達成できたのでとてもよいシーズンだったのかなと思います。
大野 関さんもおっしゃってたとおり春休みは本当に東農大戦へ向けてチーム一丸となって練習を行い、いざリーグ戦になった時に初戦の強豪・明大といい感じで引き分けられたことが結果的に東農大にも勝ち、4位という結果に繋がったのかなと個人的には思いました。
――現在秋季リーグ3戦無敗ですがいかがですか
糸賀 初戦が東農大だったのですが、春に勝ったということで負けられないというプレッシャーがありました。途中まで2対1でリードしていたのですが結局引き分けてしまい最初のスタートとしてはあまり良くない感じでした。駿河台大戦はしっかり勝つことができ法大戦でもチャレンジャーとして挑んで勝ち切ることができたので今チームの雰囲気も良く順調に行っているかなと思います。
関 2季連続でベスト4に行けるかどうかということで不安な気持ちを持ってスタートして、東農大に引き分けたことで「あーどうなるかな」という感じだったのですが春の優勝校でもある法大にも勝利し1位で通過するということで非常にチームも良い状態です。
――春からチームとして変化したポイントなどはありますか
関 春に結果を残したことでチームとして自信を持って戦えているというのはすごく大きいのかなと思います。
大野 チームとして戦術とかそういったことが共通意識を持って特にディフェンスとかでプレーできていると思います。そういった点で安定していると最後糸賀さんとかが(ゴールを)決めてくれて楽な展開で試合を進められているなという感じがします。
「ホッケーが楽しく思えた」(大野)
――4月からの中で印象に残っている試合はありますか
関 俺は春の東農大戦ですね。
大野 僕は引き分けた明大戦ですね(笑)。
関 なんで?
大野 やっぱり自分としては1年、2年を通して勝てない相手として位置付けていたところで、あわよくば勝てる試合になって自分が上級生になってそういったレベルまでいけたのでよりホッケーが楽しく思えた試合でもありました。
――東農大戦はどういった理由ですか
関 やはり半年間東農大戦への思いしかない状態で練習してきて、勝利するということが達成できたので喜び爆発でしたね!
大野 そこで決めたのが大きかったですもんね。
――関選手と大野選手からみて糸賀主将はどのような主将ですか
糸賀 どうですか?
大野 糸賀さんとは2年間後輩としてお付き合いしていて割と消極的な方かなと思っていたんですけど、いざ主将となった時にズバズバ言ってくれるし、そこにまとめ役の関さんがいてこの2人がペアだからこそ今のチームがうまく回っているかなと思います。
関 最初は不安だったんですけどいざやってみると主将の自覚を持ったのかしっかりみんなの前で良いこと言ってくれたり、2人で話し合う時もチームのことを考えてたりだとかグイグイ引っ張るタイプではないですけど割と今は頼りになっているなと思います。
糸賀 ありがとうございます。
大野 言葉の重みがありますね。普段言ってなかったからこそ糸賀さんがパッていうとなんか真剣にやらなきゃなって思います。
――チームの練習はどのように行っているのですか
大野 今年は4年生主導で練習メニューを考えててくれて、もちろん後輩の意見も取り入れてくれているんですけど基本的には4年生が仕切っています。
関 (糸賀主将をみて)喋んないと使われないよ。
一同 (笑)。
糸賀 去年のみんなで練習を考えるというやり方の反省点として練習の中で強化するポイントが絞りきれていなかったのかなと思ったのである程度4年生が主導でやってきたのが良かったのかなと思います。もちろん4年生だけで決めているわけではなくミーティングなどで下級生の意見を汲み取ってます。
――理想とする選手像があれば教えてください
関 俺たち去年言ったもんな。
大野 今中盤をやっているのですが自分に似ているプレーヤーってなかなかいなくて、普通中盤の人ってなんでも器用にこなすイメージがあるのですが僕はドリブル1本なのでそういった意味だとそういう中盤に理想の選手像っていうのはないですね。でもやっぱり各代のキャプテンの方のプレーをみていつも技術を盗もうってやっているので、そういった面では宮崎さん(宮崎俊哉、平29スポ卒=現福井ホッケークラブ)、宮口さん(宮口和樹、平30スポ卒=現彦根ホッケークラブ)、糸賀さんこの3人ですかね。
関 おお〜、持ち上げるね(笑)
糸賀 嬉しいな。
――お互いのプレーの持ち味はありますか
関 糸賀は今年は決定力じゃないですか。
大野 そうですね。糸賀さんに集めればなんとかしてくれると思っているので。
関 よくわからない角度からもたまに(シュートを)決めるんで。
糸賀 大野とかはすごくドリブルが上手いので中盤でボールを持つと前線まで運んでくれて、逆に自分はそういう仕事はせずにゴール前に張り付いていて大野とか関とかがくれたボールをしっかり決めるということを集中してやっています。お互いに長所を活かしながらできているのかなていう感じですね。
――ワセダの魅力はどんなところですか
関 まとまりじゃないですかね。やっぱり人数も少ないので、下級生から上級生まで上下関係とかもゆるくて結構自由にやれる環境があるのかな。
大野 いい意味で風通しが良くて。
関 チーム全員が一つの目標に向かってやっていけている、そういったチーム力が今年は他のチームに比べても秀でているのかなと思います。
――お互いの他己紹介をお願いします
関 大野は私生活何しているか全然知らないんですけど、なんかすごく性格が真面目だなって高校の時からずっと思っています(笑)。
大野 ありがとうございます。
糸賀 関は1年生の時からずっと先輩に可愛がられるし、後輩からもいじられるのでそういった意味ではチームをうまく和ませているというか下級生と上級生を繋いでいる役割をやってくれているのかなと思います。
――関選手はムードメーカーなのですか
関 俺を超えるムードメーカー山本健悟(社3=滋賀・伊吹)とかいるのでちょっとそれは言えないですね(笑)。
大野 糸賀さんは・・・。
関 私生活ズバッと明かしたれ(笑)。
大野 彼女さんと仲がいいなって。そういう私生活があってこそ練習中は真面目にオンとオフの切り替えができていてキャプテンとして。
関 それは褒めすぎですね(笑) 。
――関選手からの評価はもう少し厳しいですか
関 いやー、切り替えができているように見せて全然できていない!ちょっと株が上がっちゃうんで(笑)。
――オフの日は何をされていますか
大野 アウトドア、インドアどっちにもなれます。インドアって決めた日には本当に家から出ないし、ひたすら音楽流して歌いながら携帯いじってる感じです。
糸賀 さみしいなお前。
大野 インドアの日はですよ!外で遊ぶ日は普通に友達と飯行ったりとかします。
糸賀 学校の友達が多いの?
大野 大学の友達はそんな、むしろ地元とかですかね。
鴨木(同席していたホッケー部広報) でも馬場駅で見ましたよ。
関 入ってくんなよ(笑)。
一同 (笑)。
糸賀 有力な情報が。
関 俺は基本外で遊びたい人なので、飲みに行くか最近だと箱根行きました。なんかオフを寝るだけで終わらしたくなくて。
糸賀 自分は1人でいるのは寂しいタイプなので誰かと一緒にいたいと思います。
関 一人しかいないでしょ!!
糸賀 最近はちょっと。1年生の時はホッケー部の友達が多かったんですけどね。
関 後輩が飯に連れて行ってくれないって文句を言っています!
大野 いつおごってもらえるんですか?(笑)
糸賀 そこのバランスも考えなくてはと反省しています(笑)。
――一緒に遊びに行くような部員はいますか
大野 同期で遊びに行こうみたいなのは最近ないですね。
関 俺は最近1年生の大地(本橋、スポ1=埼玉・飯能南)を可愛がっていて、すごいおっとりしているというか、ボケているというかなんかそうい子なんですけどそれをいじるのが面白くてよく一緒にご飯行ったりしています。
糸賀 自分は寮で翼(山下、スポ2=滋賀・伊吹)と同じ部屋なので昼飯食べに行ったり、部屋の中でも一緒にいることが多いのでいろんな話をしますね。
関 本当に一緒に飯行ってんの?
糸賀 それは行ってる。翼とは多いな。
ミスチルについて話す大野
――今自分の中であついモノなどはありますか
大野 僕はミスチル(Mr.Children)しかないですね。
――よく聴かれるのですか
大野 夏休みの最終日にライブがあって、スタンディングだったんですけど十数メートル先に桜井和寿がいるんですよ!目の前にスピーカーとかがあって上がってしまいましたね!アルバムも買って、きょう届いたので、きょう聴いてきました。
関 俺はずっと携帯ゲームのパワプロくんのアプリですかね。
大野 何年前からやってるんですか(笑)
関 ハマってるんです(笑)。最近課金とかも許容範囲が広がってきて、課金とかしちゃったりしてます。でも英語の勉強とかもしなくちゃいけないのにそれがパワプロのせいでできなくて、最近の悩みですね。
――野球もお好きなのですか
関 スポーツ全般好きですね
――糸賀選手ははまっているものなどありますか
糸賀 自分はTikTokですね。
関 初めて聞いたよ今。
糸賀 他には最近焼き鳥屋でアルバイトを始めたのでその影響で結構夜飯焼き鳥行ってますね。
――好きな焼き鳥の部位はありますか
糸賀 好きな部位はぼんじりですね。
一同 おおー。
糸賀 昔は全然脂っこいのが好きじゃなかったんですけど、歳をとるにつれて。
関 逆じゃない!?(笑)。
一同 (笑)。
糸賀 油ものが好きになっちゃって。ラーメンもこってりなのが好きですし。来年から運動をやれるかわからないのでそこは心配ですね。
大野 抑えていかないと。
――チーム内での皆さんのキャラクターはどのような感じですか
大野 関さんはいじられ役ですよ。
関 やだ、こんなこと書かれるの(笑)。頼れる副キャプテンって書いてください。
――結構後輩からも言われるのですか
関 それは俺が敷居を低くしてあげているんです。仲良くしてあげてるんです(笑)。
関 大野はさっきも言ったように真面目なんですけど、練習中とか少し腑抜けたプレーをすると声をかけてくれてありがたいなというふうに感じています。
大野 ありがとうございます!
関 糸賀は普段あまり喋ったりしないんですけどみんなで集まってキャプテンがしゃべるぞっていう時に急に良いことを言い出しますね。
大野 言葉選び上手ですよね。
関 そう。良いこと言うやんって思うんですけど、アドリブ振られると全然喋らないので本当は3時間前ぐらいから考えていたんじゃないかって思います。
糸賀 やっぱりみんなが集まっている中でテキトーなことを言ってしまうと一気に場の雰囲気が悪くなってしまうのでそこはある程度責任持って発言しなくてはと思っています。でも3時間前から考えていないです(笑)。
――競技と学業との両立は大変ですか
関 大変じゃないです。
一同 (笑)。
大野 関さん単位が厳しいんじゃないですか?(笑)
関 大丈夫です!卒業してみせます。
糸賀 自分はもう卒論しかないので。
関 大野は大丈夫でしょう?
大野 1年の時はつまっていたので大変だったんですけど、今は全然余裕ですし今期も週2回しか学校行かないので。
関 僕週5ですよ。大変です。
糸賀 学校がなくて部活までの時間がすごく退屈なのでそこの時間にやれることを探したいですね。バイトでもしたいんですけどなかなか良いのが見つからなくて。
関 だから俺はこう暇になるのを危惧して、じゃあ勉強しようと思って。
一同 (笑)。
関 単位は足りているんですけど、あえて(授業を)入れたという(笑)。
――試合前のルーティーンはありますか
関 今年は伏見で第4試合の時、11時ぐらいに三晃庵に行ってうどんを食べるというのがルーティーンです。
「ジャイアントキリングを」(関)
インカレでも目標を語る関
――全日本学生選手権(インカレ)のトーナメント表が発表されましたがいかがですか
糸賀 率直な感想はチャンスだなという感じですかね。
――初戦の武蔵大とは対戦経験はありますか
関 あまり記憶にないですね。
大野 昔練習試合をしたぐらいだと思います。
――2回戦の大阪大はいかがですか
関 関西のチームなので1回も戦ったことがなく強いかどうかもわからないのですが、油断しないようにしっかりと勝ち進んで準々決勝の山梨学院大戦でジャイアントキリングを起こし、二十数年ぶりの全日本選手権(全日本)出場を達成できたらなと今はそこを目標に頑張っています。
――インカレでキーマンとなりそうな選手はどなたでしょうか
糸賀 自分はやっぱり健悟(GK山本)だと思っていますね。
関 先に言われた。
糸賀 山場がやはり山梨学院大戦になると思うのですがそこで2、3点失点してしまうとなかなか3点4点とる力が自分たちにはないと思っているのでなるべく最少失点でということが勝つためには絶対条件だと思っています。その上でゴールキーパーはすごく大切ですし、ここまでの試合を見ても失点の数が去年と比べ圧倒的に少なくそれは健悟のおかげかなと思います。インカレでも健悟のスーパーセーブに期待しています。
大野 僕は糸賀さんだと思いますね。春、秋を通して結構先制点とか苦しい場面でしっかり点をとってくれてチームを勢いづけてくれるので、欲を言えば山梨学院大戦では先制点を奪ってノリに乗って勝利できたら良いなって思っています。
――最後にインカレへの意気込みをお願いします
糸賀 インカレでしっかりベスト4に入って全日本に出場するというのが自分たちの夢でもあり、目標でもあるのでそこを掴み取るチャンスが来てると思います。チャンスをものにしてベスト4に入り全日本出場できるように頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 新藤綾佳)
インカレへの意気込みを書いていただきました!
◆糸賀俊哉(いとが・しゅんや)(※写真左)
1996(平8)年4月19日生まれ。179センチ。70キロ。島根・横田高出身。スポーツ科学部4年。圧倒的な決定力を武器に秋季リーグでは3試合連続得点を挙げている糸賀選手。客席からも歓声が上がるほどの華麗なゴールをインカレでも見せてくれるでしょう!
◆関修平(せき・しゅうへい)(※写真中央)
1996(平8)年11月5日生まれ。165センチ。64キロ。東京・早大学院高出身。商学部4年。副将という立場で主将を支えながら、後輩にもフレンドリーでチーム内の懸け橋でもある関選手。フィールドでは誰よりも大きな声を出しチームを鼓舞しています。実は写真で背伸びをしているとかしていないとか。
◆大野誠弥(おおの・ともや)(※写真右)
1997(平9)年8月24日生まれ。170センチ。60キロ。東京・早大学院高出身。政治経済学部3年。自他ともに認めるドリブルが持ち味の大野選手。インカレでも大野選手のドリブルに注目です!