【連載】インカレ直前特集『一致団結』 第2回 齊藤湧大×中嶋鍊×湯本修嗣

男子ホッケー

 インカレ直前特集第2回にはFB齊藤湧大(スポ3=栃木・今市)、FB中嶋鍊(スポ3=島根・横田)、FB湯本修嗣(政経3=東京・早大学院)の3年生に話をうかがった。今シーズン堅い守りを見せている男子部。そんなチームの守りの要である3選手たちに開幕を間近にひかえたインカレについて語っていただいた。 

※この取材は10月7日に行われたものです。

「チャレンジャー精神」(中嶋)

春季リーグはケガに悩まされた中嶋

――春季リーグを振り返ってみていかがですか

中嶋 春リーグは出てません、以上です(笑)。ホッケー技術の低下によるメンバー外という。

齊藤 違うでしょ!ケガでしょ。

湯本 大事な試合からいなかったよね。

中嶋 いやー、本当にベンチから見るワセダは強かったですね。最高でした(笑)。

齊藤 本当かよ(笑)。だけど実際ずっと勝てなかった東農大に勝てたの春リーグだよね。カッコつけている訳ではないけど、どこかで鍊(中嶋)のためにみたいなのはあったよね。

湯本 確かにね。

中嶋 初めて聞いたよ。ベンチでどうにかちょっと王座にって思いながら応援していましたね。

齊藤 本当にかわいそうだったからな。結構な確率で鍊って不幸な事故に合わない?

湯本 長いしね、復帰までが。

齊藤 俺もケガしないじゃん。湯本もケガしてもスって戻ってくるのに鍊ってスって戻ってこれないじゃん。

中嶋 正直メンタル的にはやられてた。毎年毎年ケガばっかりしてこんなのでいいのかなって思って。でも復帰戦の王座(全日本大学王座決定戦)で朝日大に勝てて良かったです。

――現在3戦無敗の秋季リーグはいかがですか

湯本 なんか早かったよね。

中嶋  試合が詰まっていたので。

湯本 考えずに終わっていった感じですね。

中嶋 初戦の東農大戦は悔しすぎましたね。ずっと攻めとったのに2対2という。

齊藤 俺なんてオウンゴールしているし(笑)。

中嶋 今、言ってへんから(笑)。

齊藤 いやー、まじその後勝てて良かったよ。このまま上位リーグ行けなかった俺のせいじゃんと思いながら。

中嶋 でも俺らコンスタントに2点取ってるからね。

齊藤 あの時はもうちょっと入れたいなみたいのはあったけど。

中嶋 順当にいったというかプラン通りというか。

湯本 駿河台大と東農大の試合の結果が一番でかかったんじゃない。

中嶋 そう。法大戦にノンプレッシャーでいけるという。

齊藤 気の持ちようもそこで変わったのが大きかったのかもしれないね。

――上位リーグ進出が決まっていた法大戦というのは

中嶋 チャレンジャー精神ですよね。全然緊張せんかったけどね。

齊藤 確かに緊張はしなかった。

――春から秋にかけて変化されたポイントなどはありますか

齊藤 やっぱり鍊が入ったことですかね。

湯本 そうですね、戻って来たというところが。

中嶋 俺外から見てて中に入ったから変わったとか正直わからん。

齊藤 中にいてもあまり変わったという印象はないですね。ずっと春から秋までモチベーションを落とさずできたのかなっていう感じです。

――印象に残っている試合があったら教えてください

中嶋 俺はベンチからみた東農大戦ですね。最高に面白かったです!やっぱり東農大戦は緊張するやん。だけど俺出んでええわってなったからみんな頑張れよって、当日ベンチから見てて点が入るたびに一色(岳登、国教2=東京・早大学院)と一緒に喜んで楽しかった記憶がありますね。

齊藤 内容的にも良かったよね。

湯本 逆転だったし。

中嶋 今季俺が出た試合を含めてもそれが一番印象に残ってるかな。

齊藤 でも秋っていったら法大戦じゃない?

湯本 なんというか・・・。

齊藤 盛り上がりは東農大の時の方が。

「新しいスポーツないかなって」(湯本)

堅い守りが持ち味の湯本

――そもそもホッケーを始められたきっかけはどういったことだったのですか

中嶋 僕は岡山県出身ののですが、小学校のグラウンドを半分潰してホッケー場にしたんですよ。国体があるからって。その時にホッケー経験のある教員とかが岡山に来て、小学校で放課後ホッケーというのをやっていたので少しホッケーに触れていました。その後小3、4ごろからホッケーチームに入ってやり始めました。そこからはずっと小中高大と。

齊藤 僕は小学3年生の時から始めたんですけどきっかけは僕の父親がやっていて、父親がやっているというのは知っていたのですがどんなスポーツなんだろうと思ってやり始めました。

湯本 一応高1から始めました。それまでサッカーをやっていて、幼稚園のことからずっとサッカーをしてきて飽きてしまって新しいスポーツないかなっていうところで。

齊藤 飽きてホッケーはないだろ(笑)

湯本 結構ホッケー珍しいので。

齊藤 だいぶ変人かもしれない(笑)

中嶋 変人なのは間違いないだろ(笑)

湯本 それで興味を持ってちょっとやってみたというのがきっかけですね。

――大学でもホッケーを続けようと思われたのはいつ頃ですか

中嶋 高校かな。もともと高校でホッケーをやるつもりがなかったですね。

湯本 そうなの!?

中嶋 そう、(中学時代)栃木で食中毒があって悔やみきれないところがあり、高校でもホッケーしようってなって県外の強豪校に行きそのまま大学でもという感じになりました。もともと高校には勉強で進むつもりだったので。

齊藤 食中毒のおかげじゃん(笑)

中嶋 食中毒がなかったら僕は今頃堕落した生活を送っているかもしれないです(笑)。栃木のおかげですね(笑)。

齊藤 僕はもともとずっと看護師になりたくて、高校までホッケーをやったら終わりにしようと思ってました。高校でも看護師になるためのカリキュラムとかを組んでいたんですけど、3年生の7月ぐらいに教育実習できてくれたワセダの先輩に誘われ、行った方が良いなというふうになりました。そこから試験に受かり今に至ります。

湯本 自分は高3の秋とかですかね。インターハイに行けなくて別になんともなかったんですけど、同期の今村(光成、商3=東京・早大学院)くんがやろうぜってめっちゃプッシュしてくるんですよ。高校の頃は僕が今村くんにプッシュして一緒にやることになったんですけど、大学では逆の立場で誘われて練習来てみてそのままズルズル吸い込まれていったという感じですね。

中嶋 あいつそんなにやる気あったのに今ではなんだよ(笑)。

齊藤 あるだろ!比較的あるだろう(笑)。

――他大には負けないワセダの魅力を教えてください

齊藤 上下関係の垣根を超えた信頼関係とか。こんな先輩にラフに話しかけられる部活ってないと思いますよ。

中嶋 いや、俺は敬語をしっかり使って。

齊藤 いや、一番使ってないでしょ(笑)。

一同 (笑)。

齊藤 全部が全部タメ語というわけではないですけど、先輩をいじれるみたいな環境は他にはないじゃないですか。

――後輩の方からはいかがですか

中嶋 僕は全然タメ口使われてますね。

齊藤 使われてないです。(笑)あまり使われてないですけど、実際喋りやすい環境はあると思います。先輩から話しかけにいっているので後々後輩からも話しかけてくれます。

中嶋 でも最近だよね。1年生の時は怖かったていうかそんな対象じゃなかったよね。がっつり先輩だったよね。

――こういった環境はやはり上級生になってからですか

中嶋 そうですね、やっぱり今の4年生がいいキャラ出してますね。チームが強くなったのも今の4年生のおかげだと思います。

齊藤 絶対そう。環境づくりだと思います。

中嶋 2人しかいないですけど絶大な信頼を、糸賀先輩には。

齊藤 関さんも。

中嶋 かっこでお願いします(笑)。かっこ関さんも(笑)。

――お互いの第一印象はどのような感じでしたか

中嶋 湧大(齊藤)は俺高校の時から知っていたいました。強豪校の今市でキャプテンやっていたので大きくて強そうなやつかなと思ったらなんかこんなほんわかした感じで、いい意味ですよ!今市(高校)のイメージは体格がいいって感じだったので。

齊藤 そうなんですよ。僕の周りがでかかったんですよ。

中嶋 俺からした湯本はまじ怖かったです。髪が長かったんですよ。

湯本 それ逆だよ絶対。俺怖かったもん。

中嶋 いやいや、まず何を考えているかわからなくて。湯本まじ怖いんだけどみたいな感じでした。(笑)最初何も喋らなくて、1番喋ってないよ。

湯本 鍊のほうが怖いよ。ヤンキーみたいな感じじゃん。俺は変な方向で怖いみたいな感じだけど、ザ・ヤンキー みたいな感じで。

中嶋 わかりやすい怖さじゃないですか、僕は。こいつは猟奇的な怖さじゃないですか(笑)。

湯本 うちに秘めた怖さ的な(笑。)

中嶋 そうそう(笑)何考えているかわからん。

齊藤 鍊は俺の中で3つだった。最初まじでマエケンだったんですよ。練習風景とかみたらマエケンにしか見えなくて(笑)。高校の時とかもみんなで話してました。

中嶋 写真並べて出していてくれれば、めっちゃ似てるんで!

齊藤 同級生の中でもマエケンの人でした。あとは外見的な怖さ。3つ目はいいスティックをずっと使っていたんですよ、だからこいつ金持ちじゃんって(笑)。

一同 (笑)。

中嶋 いやみんな持ってたじゃん。

齊藤 湯本はあんまり怖いというイメージはなくて。

湯本 最初から喋ってたもんね。なんか高校3年の時天理合宿があって、鍊は来てなかったんですけど。

齊藤 俺と大野(誠弥、政経3=東京・早大学院)と健悟(山本、社3=滋賀・伊吹)と湯本の4人いて。最初にあっていたんですよ。

湯本 同じ部屋で。

齊藤 その時になんとなく、こう人なんだって。最初から優しかったんですよ。だけど学院から来るぐらいだから何かしら絶対頭いいんだよなっていうのを窺いながら最初みてました。

中嶋 まあ、今でも格の違いはあるよな。良識があるというか。

――今はお互いのイメージは変わりましたか

中嶋 湯本を僕は尊敬しています。

齊藤 軽っ!

湯本 けちょんけちょんにされてるから。

中嶋 湧大は最初から部屋も一緒でずっと生活してるんで変わったとかわからんよな。

齊藤 容姿だけじゃね。

中嶋 容姿!こいつ一番変わりましたね。一番最初の写真を見ないと湧大の最初の姿を思い出せないくらい変わってますね。

湯本 ヒゲだけだよ。

中嶋 いやいや、湧大自分で言ったもん。

齊藤 自分で思うもん。老けましたね。

中嶋 湯本の印象・・・、すごくばかにされていたんですよ1年の時。

齊藤 確かに!

湯本 だって一緒にラーメン食いにいった時に漢字が読めなくて。

中嶋 それで湯本に聞いたら「お前あんなのもわかんないの」って言われて。

中嶋 それでひたすら漢字読めないキャラみたいにいじってきて。

齊藤 確かに昔もっといじってた気がする。

湯本 最近逆の立場になっちゃって。

中嶋 湯本が俺をいじると100倍くらいでボコボコにするんで。

湯本 黙っているんです(笑)。極力距離をおいて。

――3年生はどのような学年ですか

中嶋 カオスですね。

齊藤 個性がそれぞれ強いんですよ。だからそれが入り乱れて、まとめる4年生が頑張っていますね。

中嶋 来年が心配だよ。自分たちで思うもん(笑)。

――特に個性が強いのはどなたですか

中嶋 いやもう、キーパー山本健悟ですね。

齊藤 間違いないです。俺1年生の時から思っていましたもん。こいつはすげーやつになるって。

中嶋 最初は大丈夫かと思ったけど気づけば3年目だし。

齊藤 なんだかんだ人間順応するんですよ。

――オフの日は何をされていますか

湯本 基本就活ですね。

齊藤 嘘です。ヴァイオリンとピアノと女の子です(笑)。

中嶋 就活なんて嘘です。

湯本 いや、就活ですね。

中嶋 僕はSPIの勉強と後輩のプッシングを常に心がけて、あとレポートとゼミですね。

湯本 嘘です。

齊藤 あえて言うならタピオカ食ってますね。

一同 (笑)。

中嶋 最近タピオカにはまっているからね。

齊藤 タピオカ食ってたら一日終わっている感じですね。

中嶋 いやほんと!タピオカ食ってみん。ゴンチャ行った方がいいですよ!タピオカに味がするんだよ。味するタピオカ食ったことある?

湯本 ない。

齊藤 俺タピオカ食わないんだよな。

中嶋 いや、本当に!あれ変わる。タピオカ変わるから!

――一緒に部員と遊びに行ったりしますか

中嶋 僕は映画に拓登(清水、スポ2=滋賀・伊吹)とよく行きますね。

――何を観られるのですか

中嶋 マーベル系ですね。アメコミ系を2人で散々語り合っているんで一緒に観に行きますね。

齊藤 遊びに行くという感覚はないですね。あえていうなら翼(山下、スポ2=滋賀・伊吹)とアマゾンプライムを観るという時間は設けていますけど。

一同 (笑)。

湯本 俺は基本的に部活後は依田(星也、商2=東京・早大学院)と一緒に帰って麻雀をしながら部活について話すっていう時間を設けていますね(笑)。

中嶋 部活について話してないだろ(笑)。

――マイブームなどはありますか

齊藤 バイトぐらいしかないな。最近バイトが変わって常連さんの多い店でお客さんとの会話もでき、その中に学ぶものも色々あってすごく楽しです。

湯本 マイブームはファミマの焼き鳥ですね。

齊藤 ハラミ?

湯本 ハラミ大好きなんですよ。半年くらい前から食べ始めて。バイトを池袋でしているんですけど、部活後ちょっと時間があるときにイートインコーナーがあるので焼き鳥を一人で食べています。それで、Tポイントカードがブロンズ会員からシルバー会員に変わりました。

一同 おおー!

湯本 焼き鳥効果で。

齊藤 いいな。俺なったことないよ。

湯本 ポイント2倍だけだけどね。

中嶋 タピオカ以外ないよ。あと服買ったりしますね。表参道の奥入ったところで買ったりします。

湯本 おしゃれですね、彼は。

齊藤 おしゃれ番長です。厳しいです。今村がダサい服着ている時一番最初に言うのは彼です。「お前それソックスとハーフパン色あってなくない」って。

中嶋 言ったことないって(笑)。でも湯本のファッションはめっちゃ言います。

湯本 あーそれは言う。あんま興味ないんで。

中嶋 遊びに行くのに良い服を買いに行こうと言っているのに頑なに行こうとしないんです。

湯本 なんかねえ、洋服にお金かけるよりも他のことに。

中嶋 見た目の8割ぐらいを服が占めているわけで。妥協するんですよ。磨けば良い男なんですよ。

「4年生のためにも」(齊藤)

対談では熱い思いを語ってくれた齊藤

――全日本学生選手権(インカレ)のトーナメント表を観ての率直な感想はいかがですか

中嶋 最高ですね。

齊藤 ベストじゃないかと思いますよ。あの中で1番ベストなところに入ったと思います。

――インカレでキーマンとなりそうな選手はどなたでしょうか

中嶋 キャプテンじゃない。コンスタントに点を決めて結果出してますからね。

齊藤 負けないようにするという点では(GK)山本健悟ですかね。健悟が入れられなかったら僕ら負けることないですよ。実際それで王座めちゃめちゃ攻められていましたけどS Oまで止めちゃって勝ったので、インカレでもスーパーセーブを。

中嶋 ディフェンスとしては依田じゃない?最近ストイックに仕事をこなすようになってきたからね。頑張って欲しいな。

齊藤 俺らはサポート(笑)。

――注目して欲しいプレーなどはありますか

齊藤 急に真面目になりますけど、上下運動です。しっかり上がって帰ってくるという上下動作がインカレでも僕は観ていただきたいです。

湯本 堅実なディフェンスですかね。あんまり見ないで他の人を見て欲しいですね。

――最後にインカレへの意気込みをお願いします

齊藤 1つしかないですね

中嶋、湯本 全日本出場!

齊藤 いや、具体的には山梨学院大に勝つだな。

齊藤 4年生のためにも、引退の時期を伸ばすためにも。

――ありがとうございました!

(取材・編集 新藤綾佳)

インカレへの意気込みを書いていただきました!

◆齊藤湧大(さいとう・ゆうだい)(※写真左)

1997(平9)年10月7日生まれ。174センチ。66キロ。栃木・今市高校出身。スポーツ科学部3年。背番号は18。対談当日が21歳の誕生日だった齊藤選手。対談では的確なツッコミをみせつつ、熱い想いを語っていただきました。そんな齊藤選手の上下の運動は注目です!

◆中嶋鍊(なかしま・れん)(※写真右)

1998(平10)年1月29日生まれ。173センチ。70キロ。島根・横田高校出身。スポーツ科学部3年。ユーモアに溢れた中嶋選手、対談中は笑いが絶えませんでした!インカレベスト4に入ると出場できる全日本選手権は中嶋選手の地元で開催されるそうです。

◆湯本修嗣(ゆもと・しゅうじ)(※写真中央)

1997(平9)年5月8日生まれ。172センチ。63キロ。東京・早大学院出身。政治経済学部3年。新しいスポーツを探している時にホッケーとで出会った湯本選手。中嶋選手とは言い合いをしながらも仲の良さが垣間見えました!堅実な守りに密かに注目です。