大量10得点で快勝!いざ『プレ早慶戦』へ

男子ホッケー

 今シーズン2度目となる東京・駒沢第一球技場。前日からの雨の影響でグラウンドは滑りやすく、ベストコンディションとは程遠い様相を呈していた。学習院大との順位決定予選に臨んだ早大。昨年の秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)はここで敗れ、入替戦に回ることとなった。ことしは何としても回避したい。気合は十分だった。試合は無失点に抑えることこそできなかったものの、積極的に敵陣にきり込み得点を量産。力の差を見せつけ、危なげなく5、6位決定戦へと進んだ。

 前半開始のブザーが鳴る。その直後、試合が動いた。開始1分が経たないうちにFW倉田登志矢(スポ4=静岡・伊豆中央)が左から切り込み先制点を挙げる。早すぎる得点に好調さを感じさせた。しかし10分、相手FWにDF陣が続々と抜かれ、ボールがするりとゴールへ吸い込まれる。試合はあっという間に振り出しに戻った。一瞬の出来事に焦りも見られたが、まだ時間は十分にある。ここから怒涛(どとう)の攻撃が始まった。2分後にはFW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)がゴール前で体を翻し、鋭いシュートを決める。17分にはFW大野誠弥(政経2=東京・早大学院)が自ら運び、押し込んだ。33分には再び糸賀がネットを揺らし、前半終了。追う学習院大を一気に突き放した。

ハットトリックを達成した糸賀

 後半、早々にピンチが訪れる。3分と4分立て続けにPCを献上。無失点での勝利が叶わなくなった今、ここで追加点を取られるわけにはいかない、と守備が奮起する。GK山本健悟(社2=滋賀・伊吹)の好守に。その後早大の猛攻が始まる。6分には倉田が追加点を決め、9分には糸賀が3点目を決めてハットトリックを達成した。途中、大野にイエローカードが出され、10人で戦う局面も見られた。しかしMF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)やMF山下翼(スポ1=滋賀・伊吹)の得点やDF依田星也(商1=東京・早大学院)の右クロスなど、人数不足を感じさせないプレーでゴールを量産し、終わってみれば大量10得点。昨年の二の舞を演ずることなく5、6位決定戦へと駒を進めた。

追加点を決めた宮口

 快勝とはいえ格下相手に零封とはいかなかった点について、選手たちは「修正したい」と口をそろえる。また糸賀は課題として「シュートの精度」を挙げた。次戦の相手は春季リーグ戦で敗れた宿敵・慶大。11月6日にきょうと同じ駒沢第一球技場で行われる早慶定期戦に向けた『プレ早慶戦』となる。春季関東学生リーグ戦5、6位決定戦では慶大を前に苦杯を舐め、全日本大学王座決定戦の出場権を逃した。また4年生にとっては最後のリーグ戦となる。「春の雪辱を果たしたい」(山下)という言葉通り、今度こそ慶大を下し5位を奪取したいところだ。そして迎える早慶定期戦、願わくはこの地で再び慶大を倒し、「紺碧の空」を響かせたい。

(記事 榎本透子、写真 喜柳純平、成瀬允)

関東学生秋季リーグ
早大 10 4-1
6-0
学習院大
コメント

MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)

――きょうの順位決定予選はどのような心構えで試合に臨まれましたか

きょうは相手が格下だったので、勝つということが最低条件で、それに加えて大量得点をして勝つことが出来たらいいなと掲げて挑んだ試合でした。

――10―1というスコアで戦いを終えました

二桁得点を取れるとは思っていなかったのですが、前半からいい流れで点数を取ることが出来たので、非常に良いゲーム展開だったと思います。

――完封勝利とはなりませんでした

失点は防げたと思うので、こういったことを無くさないと、今後格上の相手と戦う時に失点につながってしまうと思うので、修正が必要かなと感じました。

――反則で人数不利の状況での戦いで意識されたことはありますか

今回は中盤の選手が抜けてしまったので、FWから一人カバーしてもらって後ろをしっかり固めておけば、チャンスはありますし個の力が光ったのではないかと思います。

――得点シーンを振り返っていかがですか

自分も点を取りたいという強い気持ちがあったので、前線に駆け上がってしっかりと冷静に決めることが出来て嬉しかったです。

――次戦の順位決定戦への意気込みをお願いします

順位決定戦から早慶戦、インカレと大事な試合が続くので、順位決定戦でしっかりと勝利を収めて次の早慶戦、インカレにつながる試合をしたいと思います。

FW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)

――試合を振り返って

春に学習院大と戦った時は8-0で勝ったのですが前半25分ぐらいまでは点を入れることが出来ていませんでした。今回は早い段階で点を決めることができて勢いに乗った結果10点を入れられたので非常に良かったかなと思います。

――個人としては3点得点を挙げましたがいかがでしたか

結果的には3点入りましたがシュート数的にはもっと2倍ぐらい打っていました。上位のチームと戦う時は、1本のシュートをしっかり決めるということが大事なのでもう少しシュートの精度を上げていけたらいいです。

――春よりは決定力が上がっているようにみえました

春は元々DFの練習をしていて急遽FWになりましたが、今回は夏から秋にかけてずっとFWの練習をしてきたのでずっとシュート練習もしてきてその成果が結果に現れているのかなと思います。

――チームは試合中1人少ない状態で相手と戦いましたが

1人少なかったですがFWを1枚下げて1人少ない時間帯はなるべく守備的なフォーメーションをとって失点を防ぐということで意識を統一してやれていたのでその時間帯は失点がなかったので良かったです。

――次の試合まで期間が空きますが

いままでと特に変わりなくプレスやベースを使った攻めにもっと磨きをかけて次の試合でも大量得点ができるように練習を行いたいです。

――次戦はリーグ戦最終戦にもなります。

そうですね。4年生とやる最後のリーグ戦となるのでなんとしてでも勝ちたいと思います。

MF山下翼(スポ1=滋賀・伊吹)

――今試合の意気込みは

予選で2敗していて、ここで勝ったら次5、6位決定戦に進めて、負けたら昨年同様入替戦に回ることになるので、それは避けたいと思っていました。

――試合全体を振り返って

全体的に動きがよくて、僕自身も駿河台大戦より動きがよかったと思います。

――2得点それぞれを振り返って

どっちも拓登(FW清水、スポ1=滋賀・伊吹)がいいボールを出してくれて、僕のシュートは弱かったのにたまたま入っただけなので。コースはよかったんですけど、威力が弱かったのでそこは次戦までにしっかり修正していきたいです。

――10点目はアシストもされていました

そうですね、あれはPCでしたが練習でも止めがしっかりできていました。きょうも2、3本あったPCすべてで止めることができたので本当によかったと思います。

――序盤に1点を返され追いつかれる場面がありましたが、それについてはいかがですか

そうですね。1点取った後に取られてしまって、取られてはいけない点だったと思います。あそこはしっかり守らなきゃいけなかったんですけど、芝のせいか分からないんですけど滑りやすくて、普段とは違うコンディションでした。これも含めて次戦までに修正すべきかなと思いました。

――前回に比べてグラウンドのコンディションが変わっていたようですが

そうですね、前より砂が減っていました。でも前と変わらずボールは結構はねて、さらに雨なので滑りました。

――次戦、5、6位決定戦に向けての意気込みをお願いします

春季リーグ戦では慶大に負けてしまったので、その雪辱を果たして、いい気分で勝ちたいと思います。