鍛錬の8月を終え、迎えた関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)初戦。関東学生春季リーグで3位の好成績を残し、春の直接対決では1-4で敗北を喫した東農大が相手となった。幸先良く先制に成功した早大は、着実に得点を積み重ね3点のリードで前半を折り返す。しかし、後半に東農大の猛攻で点差を詰められると、相手の勢いを止めることができず逆転負け。秋季リーグ白星発進とはならなかった。
前半4分、FW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)が果敢にサークル内に侵入し、豪快なシュートを放ち先制に成功。勢いに乗った早大はその後も、FW倉田登志矢(スポ4=静岡・伊豆中央)が、倒れ込みながら意地でボールを押し込み、追加点を獲得する。攻撃の手を緩めない早大は、相手ゴールに襲いかかる場面が続いたが、一瞬の隙を突いた東農大のカウンターアタックで点差を縮められてしまう。点差を広げたい早大は、FW清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)が敵陣で攻撃を仕掛けると、ペナルティーコーナー(PC)を獲得。この好機でMF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)がタッチシュートを決め3-1。さらに前半31分にもPCの場面で、FB中嶋練(スポ2=島根・横田)のアシストから糸賀が冷静にシュートを決め、3点のリードで前半を終えた。
2得点の活躍をみせた糸賀
迎えた後半。前半と様相が一変する。後半開始早々に強烈なシュートを放たれ1点返されると、終始相手にボールを支配される厳しい展開に。勢いの止まらない相手にPCから得点を許しリードは1点。相手の猛攻をGK山本健悟(社2=滋賀・伊吹)の好守でしのぐが、ペナルティーストローク(PS)の権利を献上。この好機から同点となるゴールを決められ、後半開始から15分程でリードを失った。反撃に転じたい早大は、FW今村光成(商2=東京・早大学院)が敵陣に攻め込みPCを獲得。この好機をものにしたかったが、相手の堅守に阻まれ得点には至らなかった。その直後、スピードを武器に中央からの侵入を許すと、鋭いシュートを叩き込まれ4-5。激しいプレッシャーに苦しめられ攻めあぐねた早大は、試合終了間際に宮口が相手ゴールに襲いかかったが一歩及ばず、白星を逃した。
後半、東農大の堅守に苦しんだ
「PCを取って得点につなげたので、その辺は狙い通り」と、原聡監督(昭59年卒)は振り返る。夏の強化ポイントとして取り組んだPCの精度が高まり手応えを感じた。しかしその一方で、「後半に体力が持たず攻められる機会が多くなった」(宮口)と、少数精鋭の早大にとって毎年課題となる体力面の向上がさらに求められる結果となった。次戦の相手は春季リーグ2位の強豪・明大。春の雪辱を果たすため、上位リーグに進出するためにも、負けられない試合がこれからも続く。
(記事 成瀬允、写真 曽山優海、金澤麻由)
秋季関東学生リーグ | ||||
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早大 | 4 | 4-1 0-4 |
5 | 東農大 |
コメント
原聡監督(昭59卒)
――秋季リーグ戦全体の目標は
春季リーグ戦は6位ということで下位に甘んじてしまいました。秋季リーグ戦は上位のトーナメントに入って1つでも順位を上げようという感じですね。
――今試合の意気込みは
春も負けているので実力は正直、東農大の方が上位だと思うんですけど、夏もトレーニングを積んできて、自分たちの良さを出していけば勝ちにつながるかなと思いました。
――前半得点を重ねていましたが、その要因についてはどのようにお考えですか
自分たちの良さというか、うまく外側を使って敵陣にボールをつないでいけたかなと。ボールを中に入れるとごちゃごちゃしてしまうので、外につないで、仲間同士もうまくフォローできたと思います。結果として得点、特にPCを取って得点につなげたので、その辺は狙い通りでした。
――夏の練習で特に強化した点はどこでしょうか
PCですね。春はそこまで得点につながらなかったのでバリエーションを増やしました。それから自陣から安定させて、前につなぐ練習ですね。敵にカットされることなく確実に入ることです。サークルに入るためには23メートルのラインからどう入っていくか、というのは繰り返し練習していたところですね。
――次週は春季リーグ戦2位の明大との対戦ですが、意気込みをお願いします
2連敗してしまうと上位トーナメント進出が厳しくなってしまうので、きょうと同じように実力は上位のチームですがきょうの前半と同じことを1試合やりきりたいと思います。
MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)
――初戦を迎えるにあたって、どのような心構えで試合に臨みましたか
リーグ戦の初戦ということで、初戦を落としてしまうと残りの試合を勝たないといけないという危機感があったので、どうしてもきょうは1勝を獲得したかったのですが、結果敗北してしまい、次は絶対に勝たなければならないということで、非常に悔しい試合だったと感じています。
――夏の強化点はありますか
特にペナルティーコーナーのセットプレーの決定率をもう少し高めようということで、夏にしっかりとバリエーションを増やして取り組んだ結果、実際にきょうの試合もペナルティーコーナーの決定率も高まったなと自分自身も感じたので、夏のチームの課題だった得点面で大きく繋がったかなと思います。
――後半に相手に追い上げられた要因は
毎年男子ホッケー部の課題なのですが、前半はどのチームともいい勝負をできるのですが、どうしても人数不足という面で、他のチームさんと劣ってしまい、後半に体力が持たず攻められる機会が多くなってしまい、失点に繋がることが毎年課題にされていたので、それがきょうはしっかりと出来なかったと深く反省しています。
――試合前にはどのような言葉を選手にかけましたか
まずは先制点を取りにいこうということで、先に自分達が決めて、いい流れを作ればいいゲーム展開が出来ると思っていて、失点をしても下を向かずに直ぐに切り替えろということを、チーム全体に伝えられたらいいなと思い、積極的に伝えていきました。
――ご自身の得点シーンを振り返っていかがですか
いつもタッチシュートをする選手が交代をしていて、やる選手がいなかったので、自分がやってやろうと志願していった結果、いつもは練習でしていないのですが、しっかりと決めることが出来て非常に嬉しかったです。
――次戦への意気込みをお願いします
きょうの東農大戦を落としてしまったことは、チーム全体として反省しないといけないことなのですが、1週間しかないということで、直ぐに切り替えて次の明大でしっかりと勝って、上位リーグに行けるように頑張りたいと思いますので、今後とも応援よろしくお願いします。
FW倉田登志矢(スポ4=静岡・伊豆中央)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
秋季リーグ上位4チームが進出することができる上位リーグに進出することをチームの目標にしていて、そのためには絶対に勝たなければいけない試合でしたし、試合展開としても前半はほぼ完璧と言っていいほどの展開でゲームが出来ていたのにも関わらずこのような結果になってしまい非常に悔しいです。
――倉田選手は2点目を決められましたが
興奮していてあまりよく覚えていないんですけど、自分に与えられた仕事は点を取ることなのでゴール前で相手チームのディフェンスがボールを持ったときに少し、相手チームのディフェンスに迷いがみられたのでここで取りにいくしかないな、と思い突っ込んでいきました。それ位のことしか覚えていませんね。
――前半で4点を取ることができた一方で後半は無得点という結果に終わりました
フォワードとしては交代を上手く使えたことで疲労感というのは昔ほどはなかったと思いますし、他のフォワードのみんなもそんなに体力的に厳しいとは思っていなかったと思うのですが、やはり相手の勢いにのまれてしまったことでボールがフォワードまでまわってこない、ディフェンスからの1本を相手チームのフォワードに当ててしまうなどのシーンが多かったことが原因で得点に結びつかなかったのかな、と思います。
――最近フォワードに変更になったそうですが意識されていることなどがあれば教えて下さい
僕は他のフォワードの後輩達に比べてフォワード歴が短いですし、フォワードとしての動き方などもいままだ教わっている状況なのですが、チームで決めたフォワードとしての動きなどの面は誰よりも理解を深め、率先して他のフォワードを動かすことができるように声かけをしたり、また中盤のときよりも周りをみる余裕ができたのできょうの試合はチームとしての声かけを心がけて頑張りました。
――秋季リーグの目標、また次の試合への意気込みを教えて下さい
先程も言ったようにこのリーグでの目標は上位4チームに残ることなのでそのためには明大が駿河台大に勝っているので我々も明大に勝つというのが絶対条件としてあるのでこの一週間、きょうの大量失点の原因を突き詰めていい結果になるようにがんばっていきたいと思います。
FW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)
――夏合宿で強化した点、目的などありましたか
主に夏休みの間は体力強化を重点的に行いました。あと、ベースラインを使った攻撃を結構練習していたので、その練習の成果を発揮するのが目的でした。
――初戦を迎えるにあたって何か目標や意気込みはありましたか
初戦は勝たないと波に乗れないと思っていたし、東農大や明大に勝たないと上のリーグには上がれないと思っていたので絶対に勝ちたいという気持ちで試合に臨みました。
――実際に初戦を終えてどのようなお気持ちですか
率直に悔しいです。最初に4点をとっていたので勝てるという驕りが出てしまった。
――きょうの試合で2得点を挙げられましたが、それぞれの得点を振り返っていかがですか
春リーグの途中からFWになってキャプテンからも点を取るように期待されていたので先制点をとれてよかったです。
――次の試合にむけての意気込みをお聞かせください
次の試合に負けてしまうと上のリーグに上がれなくなってしまうので、今回の5点の失点で出たDFの課題を一週間で強化して失点を抑えて勝利に繋げたいです。