あと一歩及ばず、王座出場を逃す

男子ホッケー

 春季関東学生リーグ(春季リーグ)の最終戦を迎え、5位決定戦に臨んだ。勝てば全日本大学王座決定戦(王座)出場が決まる運命の一戦。4年連続で王座出場を目指す早大に立ちはだかる相手は慶大。互いの意地がぶつかり合い、両者一歩も譲らず同点で試合を折り返す。しかし、主導権を握った慶大に後半リードを広げられ、早大は終盤に追い上げを見せたが、あと一歩及ばなかった。

 早大のセンターボールで始まった前半。慶大の速いパス回しで攻め込まれ、ペナルティーコーナー(PC)を立て続けに奪われる厳しい立ち上がり。ケガから復帰したDF中嶋練(スポ2=島根・横田)の好守も光ったが、前半5分にPCから得点を決められ追う展開に。早大は反撃を試みるが、相手の素早いプレスに苦しめられ、得点の糸口を掴めずにいた。しかし、前半16分、少ないチャンスからFW関修平(商3=東京・早大学院)の鋭いパスに、FW清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)が綺麗に合わせ同点。その後、激しい攻撃を仕掛ける慶大に幾度となくシュートを放たれたが、ゴールポストに弾かれる幸運に恵まれるなど、ピンチをなんとかしのぎ、同点で前半を折り返す。

ケガから復帰し好守を見せて中嶋

 迎えた後半。序盤から短いパス回しから着実に攻撃のラインを上げた慶大に、追加点を奪われる。早く追いつきたい早大は、左サイドからMF山下翼(スポ1=滋賀・伊吹)が果敢に攻め込みPCを奪うと、サークルエリア内の相手の反則によりペナルティーストローク(PS)を獲得。同点に追いつく好機を掴んだが、右隅を狙ったシュートは枠をとらえることが出来ない。その後も早大はチャンスを作ったが得点には至らず、慶大の好守に攻めあぐねていた。その矢先、一瞬の隙を突かれカウンターで一気に攻め込まれると、サークル中央から強烈なシュートを決められ1-3。なんとしても追いつきたい早大は、MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)がドリブルで突破を試みるが、人数をかけたディフェンスに阻まれ、思い通りの攻撃が出来ず、無情にも時間だけが過ぎてゆく。試合終了間際にPCから1点を返したが、攻めに転じる間もなく試合終了を告げるブザーが鳴り響いた。

敗北を喫し、肩を落とした

 「ここまで練習してきたことが結果に出なかった」と、宮口主将は唇を噛んだ。少数精鋭で今季を戦い抜いた早大。体力面といった課題を抱えながらも、必死にフィールドを走り続けた。4年連続での王座出場は叶わず涙を呑んだ。しかし、この悔しさがバネとなり、さらなる飛躍をもたらすことだろう。

(記事 成瀬允、写真 榎本透子)

春季関東学生リーグ
早大 1-1
1-2
慶大
コメント

原聡監督(昭59卒)

――試合を終えての率直な気持ち

今日勝てば全国大会に出られたのに負けてしまったので、選手も気落ちしていますけど、すごく残念ですね。

――過去の対戦成績では早大の方がやや上回っている印象でした

早慶戦はその時の実力以上のものを出してくるので、油断できないですね。

――敗因については

課題である、限られたメンバーで試合をこなす点ですかね。後半、特に気温が高かったので動きが悪くなってしまって。一方慶大は結構球の回りが速くて、相手に渡ってしまうとこちらもいい形で奪えなかったので、その差が出てしまったかなと思います。

――PCがなかなか決まりませんでしたが、それについてはいかがですか

あれだけとったらもうちょっと決めないと、ゲームとしては厳しいと思います。グラウンドが普段練習しているところと違うというのもあるけど、どんなところでも対応できるようにならないといけない、課題だと思います。きょうに限らずこれまで、そこで決めていれば、という試合はあったので。一方で得点源として自信を持っている部分もあるので、きちんとやっていかなきゃいけないと思います。

――春季リーグ全体を振り返って

正直、厳しいシーズンになると思っていました。昨年の4年生が抜けて、新しく1年生が入ったとはいえ、戦力がそれほど潤沢なわけではないので、キャプテンを中心に色々考えながらやってきました。途中盛り返した部分もあったし、最初の厳しい思いからはちょっと外れてそこそこきましたが、きょうは結局負けてしまったので減点かな、と。

――王座への出場は叶わなくなってしまいましたが、今後の目標をお聞かせください

今回は点が取れなかったので、次の試合は点を取ってチームに勢いをつけたいです。大学生は春と秋の2シーズンありますので、負け惜しみというわけではないですが、秋しっかり戦えれば春のことは忘れてしまうので、明日からまた頑張っていきたいと思います。

MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)

――きょうの試合を終えて率直な感想をお願いします

非常に悔しいです。ここまで練習してきたことが、結果に出なくて後輩たちを全国の舞台に連れて行けなかったという後悔が残る試合だったと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

立ち上がりに足が動かなくて、そこから相手に攻め込まれる場面が多かったので、そこが課題だと思います。毎回のことなんですけど、体力面に課題があって、走りきれなくなるので夏で体力面を強化して、秋リーグに挑みたいと思います。相手はチームプレーで攻めてきたのですが、こっちは個人技で攻めていこうという試合になってしまったので、パスを繋いで攻めるプレーが出来なかったことが慶応さんとの違いだと思います。

――相手の早いプレスは脅威でしたか

相手は体力があったので、素早いプレスを何度も仕掛けられてやられてしまいました。体力面に課題があるので、何度もプレスをかけられないので、相手に自由にパスを回されてしまいました。

――今季の日程が終了しましたが、今季全体を振り返っていかがですか

大差で負けた試合は無くて、最後に詰めが甘くて逆転されたり、1点差の僅差で負けたりという試合だったので、秋リーグに向けて体力面やフィジカル面を強化して結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

――秋リーグへの意気込みをお願いします。

今回は王座に出られないのですが、その分僕たちには練習する期間がたくさんあると思うので、1日1日の練習を大切にして春よりいい結果を残せるための体力作りや、チームプレーを厚くして結果にこだわれる秋リーグにしたいと思います。