掴み取った、今季初白星

男子ホッケー

 開幕からの連敗で今季は、いまだ勝ち星を掴めていない早大。順位決定戦に大きく影響する大事な一戦を迎えた。両チームの意地がぶつかりあう中、早大は先制に成功。その後も得点を重ね2点のリードを奪い前半を折り返す。後半に入っても攻めの姿勢を続けた早大は、駿河台大に5-2で快勝。体力強化のために行った地道な練習が実を結び、全員で白星を掴み取った。

 早大のセンターボールで始まった前半。試合開始早々、MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)が巧みなスティックさばきで敵陣に攻め込み、宮口のパスにFW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)が綺麗に合わせ先制点をあげる。勢いそのままに攻撃の手を緩めない早大。前半20分、宮口が放ったシュートのこぼれ球を糸賀が叩き込み追加点を奪う。しかし、その直後に左サイドから仕掛けた駿河台大に一点を返され、リードを縮められた。点差を広げたい早大は、短いパスを丁寧に繋ぎチャンス窺うが、駿河台大の早いプレスの前に、得点の糸口をつかめずにいた。それでも前半31分、FW清水拓登(スポ1=滋賀・伊吹)がチャンスメイクし、最後はDF是澤勇志(文4=東京・早大学院)が強烈なシュートでゴールを決め、早大リードのまま前半を折り返した。

2得点の活躍を見せた糸賀

 スタミナ面に不安を抱える早大。勝負の後半が始まった。後半2分、この試合初めてのPC(ペナルティーコーナー)を奪うと、清水が冷静にゴールを決め4-1。さらに後半4分、宮口が体勢を崩しながら放ったシュートは、ゴールに吸い込まれ相手を突き放す。しかしその直後、一瞬の隙を突かれ1点を返されると、徐々に相手がボールを支配する場面が目立った。少ないチャンスを掴もうと、FW関修平(商3=東京・早大学院)が果敢に攻め込むが、好守が光った駿河台大ディフェンス。さらに相手に激しい攻撃を仕掛けられ、再三のピンチを迎えた。しかし、この危機に全員が体を張った守りでしのぎ、粘り続けた早大はこのまま逃げ切り、今シーズン初白星を手にした。

追加点に笑みがこぼれる選手たち

 「連携を多くしたので最後まで走りきることが出来た」(宮口)と、課題のスタミナ面をチームワークで修正し、勝利を掴んだ。少数精鋭のチームだからこそ、連携には自信がある。次戦からは順位決定戦。全日本大学王座決定戦(王座)の出場権を獲得するためにも負けられない試合が続く。勝負の5月はもう目の前だ。

(記事 成瀬允、写真 榎本透子)

春季関東学生リーグ
早大 3-1
2-1
駿河台大
コメント

MF宮口和樹主将(スポ4=滋賀・伊吹)

――今日の試合を振り返っていかがですか

きょうは、グループリーグの最後の試合ということで、下位になることは決まっていましたが、グループの中で3位と4位を決める大事な試合だったので、グループの3位と4位では次の決勝ステージで、対戦相手も変わってくるので、きょうは勝ちにいこうとチームで意識統一をして、試合に臨みました。

――得点に絡むシーンを振り返っていかがですか

自分はキャプテンということもあるのですが、自分のプレーでしっかり周りを引っ張っていかないといけないと思っていたので、チャンスを作って周りの選手を輝かすことが自分のモットーだったので、自分が運んで点を決めてもらうという理想の形が出来ていたと思います。

――プレーの連携はいかがですか

一人でドリブルをしてしまうと、一人の体力がもたないことがあるので、何人かで崩した方が一人分の走る量も少なくなるので、きょうは連携を多くしたので最後まで走りきることが出来たと思います。

――後半に粘れた要因は

後半に弱いチームなので、体力面を強化しようということで、いままでしていなかったラントレをここ1、2週間はラントレを入れて1試合走りきれる体力をつけられたから、後半粘れたのではないかと思います。

――順位決定戦への意気込みをお願いします。

残り2試合勝たないと、王座には出場出来ないということで、今のチームの状況としてはまだケガ人がいて、しっかりメンバーが揃っていないのですが早くケガを治してもらって、全員で1試合1試合に臨んで、王座の切符をみんなで掴みにいきたいと思います。

DF是澤勇志(文4=東京・早大学院)

――今季初勝利を手にしましたが、今試合を振り返って

糸賀を前に上げて前でボールを収めようという方針だったので、それが特に前半はよくはまって、狙い通りで良かったかなと思います。

――駿河台大戦に向けて対策はしましたか

駿河台大はうちと同じで打ち込みが多いチームなので、打ち込みの対策を重点的にやりました。あと糸賀が前に上がった分、後ろのメンバーが変わるので、そこの連係やパス回しを練習しました。

――ご自身の得点シーンを振り返って

和樹がいい形でボールを奪ってくれて、一番後ろだったんですけど頑張って上がって、ダッシュが報われて良かったと思います。

――これまでの2試合に比べて、後半粘れていましたね

そうですね。今までだとFWのボールの当たり方が、真ん中の関の負担が大きすぎて、形として非効率だったので、そこを意識するようにFW陣に言っておいたのでそれがはまったのとみんながちゃんとマークについてくれたので、向こうも球の出しどころが無くて困っていたなという感じです。

――順位決定予選に向けての意気込みをお願いします

王座に出るためには当然勝つしかないので、相手がどこであろうと気が抜けないように、最上級生として気を引き締めて頑張りたいと思います。

FW糸賀俊哉(スポ3=島根・横田)

――今日初勝利を挙げました。試合前はどういった心境でしたか

これまで2連敗していたので。最終戦だったのでそうしても勝ちたいという気持ちでしたね。

――1点目を振り返っていかがでしたか

練習からFW1人はファーポスト側に入っていこうという練習をしていたので、そこに入っていたら和樹さん(宮口)いいボールを出してくれて、綺麗に合わせることが出来たので良かったです。

――2点目はいかがでしたか

2点目はディフェンスが触ってそのこぼれ球だったのですが、トラップしてから打とうか迷ったんですけど、ディフェンスも来てたのでそのまま。難しい体勢でしたがうまく合わせられました

――宮口選手と絡んで攻撃の起点となる場面も多くありました。攻撃の流れというのはどうでしたか

うちのチームは和樹さんが貰ってから攻撃が始まるというのが多いので、和樹さんがボールを貰った時に、自分がもらえる位置にいようという思いが強くて、そこで和樹さんから貰ってから、自分で行くだけじゃなくてまた和樹さんに戻すとか、常に和樹さんを見ながらという攻撃を意識してやっています。

――きょうの糸賀選手のポジションは

今日はFWでしたね。前2試合はDFだったんですけど、失点の数が多くて、練習でディフェンスの対策をするのですがなかなか失点の数が減らなかったので、それなら自分がFWにいって得点の数を増やして勝とうという考えに至って今回FWに入りました。

――代わりにDFに入った選手は

湯本(修嗣、政経2=東京・早大学院)ですね。初めて先発で出たと思います。

――次戦は順位決定戦です。2連勝で王座出場というところですが、意気込みをお願いします。

王座は毎年出ていて、なんとしても出ないといけない大会だと思うので、自分はFWなので何が何でも点を取って勝てるように頑張りたいと思います。