いかに1点を奪い、いかに1点を守るか。少ない得点で争われるホッケーというスポーツにおいて、守備を固める選手の重要性は大きい。今回お話を伺ったのは、早大の守備の要であるGK戸田翼副将(社4=滋賀・伊吹)とDF是澤勇志(文3=東京・早大学院)。全日本学生選手権(インカレ)でも活躍が期待される二人に、この一年間の戦いと、今後への意気込みを語ってもらった。
※この取材は10月3日に行われたものです。
試行錯誤の一年間
終始和やかな対談となった
――このお二人での『守護神』対談をやると聞いた時はどう思われましたか
戸田 普段から僕に一番近いポジションにいますが、まだ守護神にはなりきれていないので、これから守護神になれるように(あらためて)より頑張りたいと思いました。
是澤 お互い何話すんだろうって思いました(笑)。そこまでプライベートで一緒にいるわけではないので。ポジション的には妥当かなと思いました。
――練習ではかなりコミュニケーションを取ることは多いですか
戸田 そうですね、他のポジションの人よりは(コミュニケーションを取ります)。
――まずは春の振り返りからしていただきたいと思いますが、春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)全体を通して感じたことはありますか
戸田 僕たちの代になり、部活のルールやポジションの配置なども変えて春シーズンに臨みました。それが成功するかという不安と、(それと同時に)僕たちが築き上げてきたものへの自信もありましたが、結局うまくいかないことが多くて。なかなか勝ち切れるところで勝ち切れない、決められるところで決められないということが多かったので、かなり課題の残るシーズンだったと思います。
是澤 僕も含めてことしから試合に出るようになったメンバーが半分以上と多かったので、楽しみな面もありましたが、実際うまくいかないことが多かったので、苦しいシーズンだったと思います。
――ポジションの配置変更というのは冬の間に行われたということでしょうか
戸田 そうですね。ポジションを変えたというか、春は中盤の糸賀(俊哉、スポ2=島根・横田)を思い切り後ろに下げたりして、後ろからも攻撃ができるようにやってみました。攻撃の厚みが増すかなと思って試してみました。
――是澤選手はことしからスタメンとして試合に出始めましたが、春季リーグ戦の開幕と今とでは試合前の緊張感などはやはり違いますか
是澤 だいぶ慣れましたね。
戸田 最初は試合の感覚が分かっていない人が多くて、試合に向けて毎日練習していますが、試合は雰囲気も違いますし、歓声が聞こえてくることもあるので。その面で慣れていない子が多かったです。
是澤 僕も「3年生だからしっかりしなきゃ」と思っていましたが、どうすればいいんだろうと思うことが多かったです。
――高校時代の試合とどこが違いますか
是澤 高校時代はFWで、チーム内でもうまい方だったので、困ったら自分でどうにかしてやろうくらいの気持ちでいました。でも、今は後ろでチームのことを考えつつやらなくてはいけない立場なので、ただ頑張ろうと思うだけではなく、常に冷静さがないといけないなと感じながらやっています。
――FWからDFに転向したのはいつですか
是澤 2年生の初めです。
――転向のきっかけは何でしたか
是澤 FWをやっていましたが、うまくいかなくて。そこでストロークの強さを買われて「後ろの方がいいんじゃないか」と言われて、変わりました。
――是澤選手のストロークの強さはGKの立場から見てどう思いますか
戸田 一番強いボールが出せるかなと思います。結構いろいろな打ち方もできるし、その面では彼はDFに向いていると思いますね。
――是澤選手が2年生になってから、お二人でより多くコミュニケーションを取るようになったと思いますが、ここまで戸田選手からはどのようなアドバイスを受けてきましたか
是澤 だいたい言われることは基本的なことなので、技術的なことよりは意識的なことを伝えてくださります。
戸田 GKなので、あまりドリブルなど技術的なことは分かりませんが、立ち位置であったりとかはかなり言いますね。
是澤 GKから見てここを抜かれるのが嫌だなどといったアドバイスをしてくれるので、そこは助かっています。
――昨年のDFは4年生主体でしたが、GKから見て昨年とことしの違いを教えてください
戸田 去年はキャプテンの木村さん(浩一郎、平28スポ卒)だったり、チームの柱である鵜飼さん(慎之介、平28スポ卒)だったりが後ろにいて、この人に預けておけば何とかなるとか、この人が起点になって攻撃が始まるとか安心できるところもありました。ことしは若手が多い中で、自分が中心になってやるという人がなかなか出てこなくて、だからと言ってみんな一生懸命やっていないのではなく、もがいていると思います。そこをもっと改善していけたらなと思っています。
是澤 現状は明らかに中盤がチームの中心なので。
戸田 後ろが起点になるようにしたいですね。
――後ろを固めていくチームづくりが必要だと
戸田 そうですね。得点がどんどん入るようなスポーツではないので、いかに1点を取って守るかがカギになっていると思います。なので、後ろが大事かなと思います。
――昨年から大きく変わったDFの一員として試合に出場してみて感じたことはありますか
是澤 戦術的な部分は4年生に任せていますが、自分もあまりプレーの面で引っ張っていけるような選手ではないので。下級生と上級生のバランスをとろうと自分としてはやっていますが、苦しい時はそれができていなかったと思います。
――この春試合に出続けて、成長できたところはありますか
是澤 落ち着いてプレーできるようになったなと思います。昔はボールをもらったら出しどころを探すので精一杯という感じだったので。そこは成長できたなと思います。少し自信になりました。
――戸田選手は4年生として試合に出続けていますが、昨年と違うところはありますか
戸田 上級生の人がいる時はもちろん緊張はしていましたが、4年生が主役と思っていたので、少しでも自分のプレーでサポートできたらなと思っていました。ことしに関しては、全部自分たちの責任ですし、自分たちが全部やらないといけないので、重いものを背負って戦う試合はきつかったです。
――技術面で工夫された点などはありますか
戸田 苦しい場面でペナルティコーナー(PC)を取られることが多くなりました。その時にフリックというシュートを打たれることが多くて、うまい人だと速かったり、コーナーを突いてきたりするので、それに対する練習は多めにやっています。少しは改善されている気もします。
――是澤選手は練習などで特に重点的にこなしていることなどはありますか
是澤 僕は1対1ですね。試合でも結局1対1で負けなければ、だいたい打開はされないので。そこは4年生もよく言っていますし、基本的なことなので、そこを一番重視していますね。
――春夏を通して最も印象に残っている試合は何ですか
戸田 やはり王座(全日本大学王座決定戦)ですね。今までのワセダであれば福井工大に勝つこともできたと思いますが、挑んだ結果あのような結果になってしまったので、これまでやってきたことはまだまだなんだなと感じました。
是澤 僕は王座が決まった駿河台大戦です。特に後半はヒヤヒヤしましたが、FW陣が頑張ってくれましたし、やっていて楽しい試合だったので印象に残っています。
――福井工大戦は序盤に勝っていた中で、後半に逆転を許しました。相手の攻撃陣はどこが強かったですか
戸田 相手にエースがいるわけではありませんでしたが、個人個人がしっかりと仕事をしてくるという印象を受けました。全員が仕事をできるので、こちらもミスはできなかったですし、隙を突いて得点されることが多かったです。特に後半は体力もなくなってきて、失点を重ねてしまいました。
――個人の強さは早大と福井工大どちらが強いと感じましたか
戸田 うちは確立された選手が2人くらいいますが、(チーム内で)レベルの差が広がっているので。平均的な個人のレベルは向こうの方が上だったかもしれないです。
是澤 僕は王座が決まった駿河台大戦です。特に後半はヒヤヒヤしましたが、FW陣が頑張ってくれましたし、やっていて楽しい試合だったので印象に残っています。
――是澤選手は福井工大戦で得点を挙げましだが、その試合を振り返っていかがですか
是澤 一本完全に自分のミスで(相手にシュートを)決められてしまって、本当に申し訳ないと思っていました。全体的に見て、福井工大は個人がうまいことももちろんですが、チームとして堅実に決まりごとをしっかりと守ってやっているチームだなと思って。最後スタミナ切れしたところで点を取られたのはそういうところ(が原因)なのかなと。
――試合途中にDFの中嶋鍊選手(スポ1=島根・横田)がケガをしたのは痛かったですか
是澤 だいぶ痛かったですね。
戸田 湯本(修嗣、政経1=東京・早大学院)もなかなか経験が少ない中でのいきなりの出場だったので。
是澤 でも、最近はだいぶ頑張ってくれていますよね。
――湯本選手はこの秋はスタメンとして出場していますが
戸田 そうですね。でも、(王座の時は)まだあまり試合に出ていなかったと思います。経験の浅い選手が出てもチーム(のレベル)が落ちてはいけないのに、1人選手が代わっただけで崩れてしまうようなチーム力が現れてしまいました。
是澤 毎年ワセダはそういうところがありますね。
――層の薄さが出てしまったということでしょうか
戸田 そうですね、上の選手がいなくなってしまうと急にレベルが落ちてしまうところが良くなかったです。
――それを踏まえての夏の練習はどのようなことを主にやっていましたか
戸田 基本的にランニングトレーニングを中心とした練習を8月半ばくらいから始めました。僕が入学してから一番きつかったですね。自分が指示を出せる立場なのにこの練習をしているのかというくらいで(笑)。あとは個人の技術が足りないと思ったので、基礎練習を重視していました。もう一度自分の体力や技術を見直せということを常日頃から言っていました。
――ランニングトレーニングではどのくらい走りましたか
戸田 少しずつ距離を伸ばしていきました。最初3.6キロで、何日かやったら6キロみたいな感じです。最後は9.6キロですね。
――実際に走ってみていかがでしたか
是澤 もう二度とやりたくないですね(笑)。
戸田 それくらい体力も精神力も鍛えようというのが目的でした。
――ランニングトレーニングで1位になった人は翌日走らなくていいというルールもありました
戸田 そうですね。(1位になった人は)次の日タイムを計る係になれました。
――1位になった回数は誰が一番多かったですか
戸田 だいたい今村(光成、商1=東京・早大学院)です。
是澤 恥ずかしながら1年生が一番早かったですね。
――厳しい夏を乗り越えて迎えた秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)でしたが、ここまでの戦いぶりはいかがですか
戸田 うまくいっていないですね。1対1を強くしようと練習を多くしたり、守りでは2対1をつくろうとか戦術面で話し合ったりしましたが、うまくいかない部分が多いです。
――春先から変えたところは継続して変えようとしているのでしょうか
戸田 変えているというよりは意識をもっと強くしようということを言っています。普段通りやっていても良くないから、声を掛け合ったりして意識していこうとしています。
――GKでは1年生の山本健悟選手(社1=滋賀・伊吹)が出場する試合もありました
戸田 健悟自身かなり上手だと思います。自分も夏くらいから全く調子が上がらなくて、悔しいところはありましたが、キャプテンが決めたことなので納得していました。
――この秋のDFは是澤選手以外全員1年生という布陣ですが、気を付けている部分などはありますか
是澤 春も1年生が2人いたので意識的な部分は変わっていませんが、最近は1年生がしっかりしてきてくれているので、春よりは少しやりやすくなりました。
――1年生のどのあたりを見てうまくなったなと感じますか
是澤 春よりも周りが見られるようになって、多少僕にも指示を出してくれるようになりました。そこで助かる部分が多いです。
――春は是澤選手からずっと指示を出さないといけないところがあったと
是澤 そうですね。GKもそういう感じだと思います。
戸田 主体性が持てていなかったというか、高校と大学では少し違う部分があるので、それに慣れていないところもありました。経験を重ねて慣れてきたなと思います。
――今のチームは1年生が多く出ていますが、期待している選手はいますか
戸田 僕は湯本ですね。(高校よりも)レベルの高いチームに入ってまだもがいている部分もありますが、ホッケーをする上で一番大切な気持ちの強いところが練習中から垣間見られるので。頑張ってくれると思います。
是澤 僕はFWの大野(誠弥、政経1=東京・早大学院)かな。個人技もあると思いますし、そういうFWがいると結構DFとしても助かるので、期待しています。
異なるホッケー歴
是澤
――ここからは少しホッケーから離れたお話を
(お互いが見つめ合い)
戸田 いやいや、俺そんな悪いことしてないから(笑)。
――ホッケーを始めたきっかけは
是澤 学院の仮入部でグラウンドに来て、やってみて楽しかったのでという感じですね。
――早大学院高のホッケー部も東伏見グラウンドで練習されるのですか
是澤 そうですね、借りながらやっています。練習日数は少ないのですが…。
――高校からホッケーを始められる前には何のスポーツをされていたのでしょうか
是澤 中学では野球をやっていました。高校では新しいことを始めてみたいなと思って。
――やはり当てる技術というのは
戸田 (笑)。
是澤 でも、どうなんだろう…。元々僕は左打ちなんですよ。で、ホッケーはこちら側(野球でいうところの右打ち)しかないから。どうなんですかね。
――高校時から始められたということですが、早大学院高ホッケー部での生活は楽しかったですか
是澤 楽しかったですよ。今ほどしっかりとホッケーをしている感じではなかったですけど、同期はたくさんいたし、こんなことを言ったらあれだけどサークルのようなノリで。ゆるくやってましたよ。
――はい、ありがとうございます。さて、一方の戸田さんは小学生の頃に始められたということですが
戸田 小3からですね。学校の友達がホッケーをしていて、かつ近所の方もホッケーをされている方が多くて。そこで一度やってみる?と誘われて体験でやってみたら、すごく良い雰囲気だった気がするんですよね。そのときはホッケーに魅力を感じたというよりも楽しかったということが大きくて、そこからホッケーのクラブに入りました。
――地元はホッケー熱が高いのでしょうか
戸田 そうですね。滋賀県の中でも僕の住んでいた彦根市と米原市というところが盛んです。
――では、小学3年生からスポーツ少年団で
戸田 そうですね。スポ少で。
是澤 大学に入ってから始める人がほとんどなのに・・・(笑)
一同 (笑)。
――ホッケーのスポーツ少年団は珍しいですよね。
戸田 ホッケーもあるんですよ。僕で言うと彦根市立若葉小学校の若葉スポーツ少年団ってのがあって。
一同 (笑)。
――小学時に何かエピソードはありますか
戸田 小学は、うーん…。特にないのですが、中学時は部長をやっていました。
――中学校は部活ですか
戸田 そうですね。
是澤 へえ、すごい。
戸田 そこで部長をやっていました。
――小中高でポジションはいかがでしたか
戸田 ずっとキーパーです。
――始められたときからずっとですか
戸田 そうですね。最初からキーパーでした。なんで最初にキーパーをしたのかはわかりませんが
是澤 試合に出られるからじゃないですか?(笑)
戸田 たぶんそんな感じなんだと思う(笑)。自分からしたいと思う訳がないよね(笑)。なんでかな・・・
――そこからずっとキーパーとしてホッケーを続けられて、高校はホッケーの名門である伊吹高に進まれています
戸田 高いレベルでホッケーを続けたいと思って、そこに進学しました。
――お二方ともホッケー部での期間が長いと思いますが、何か他のスポーツで得意なものはありますか
是澤 小学校のときは水泳と、あとアイスホッケーをしていました。その頃はキーパーだったんですけど・・・
戸田 (笑)。
――なぜアイスホッケーを
是澤 当時はアメリカにいて、親の知り合いの関係でスケートリンクに行った際に「やりたい」と言ったらしくて・・・。
――一方の戸田さんは
戸田 僕、是澤とかは知ってると思うんですけど、運動神経がなくて、とてもひどいです。
一同 (笑)。
――そうなんですか
戸田 そうなんです。「嘘でしょ」と言われるんですけど、何か走っているところだけでも見てもらえるとわかるのですが、本当にひどいです。ホッケーはこれだけやっているからできているほうですが、他はもう・・・
是澤 ホッケー部員で行うサッカーはひどいですよ。
一同 (笑)。
戸田 たまにアップなんかでやるんですけど、ひどいですよ(笑)。
――今度見に行きたいです
戸田 いや、下手だから恥ずかしいです(笑)。
――上手な部員さんはいますか
戸田 いや、いない。
是澤 1年生はまあまあ上手いのもいますけど。上手な人はあまりいないですね。
――普段のホッケーでの足がボールに当たってはいけないという意識があるからでしょうか
戸田 どうなんですかね…でも僕はキーパーなんで普段から足に当たりまくっているはずなんですけどね(笑)。
――さて、話は変わりますがチームの推しメンは
戸田 どういう意味での推しメンですか?
――何でも大丈夫です
是澤 男子部でですか?
――別に女子部の方でもいいですが
一同 (笑)。
戸田 僕はうちのエースである岸本昌樹(教4=鳥取・八頭)ですね。同期ですけど。
――どういった点で推しメンですか
戸田 めちゃくちゃおもしろいです。どんなイジリをしても引き下がらずツッコミを入れるところが素晴らしいですね。
――是澤さんは
是澤 和樹(宮口、スポ3=滋賀・伊吹)で。ホッケーやってて、あいつみたいな選手っていないんですよ。かっこいいというか、ああなりたい。
――実は宮口選手って写真でも本当に写り映えが良くて
戸田 たしかに。それはありそうですね。いつ見てもかっこいい(笑)。
――いつも行っているルーティンはありますか
是澤 特にないなあ(笑)。
戸田 僕、おなかを空かせます。
一同 (笑)。
――満たすのではなく
戸田 全く食べないわけではないですが、例えばパスタだとかそういう重たいものは食べないです。おなかいっぱいという感覚にはしたくなくて、それならおなかが空いているくらいがいいかなと。
是澤 そのほうが調子がいいんですか?
戸田 そうね。
――食べ過ぎると動きにくくなるということですか
戸田 すぐ眠くなってしまうんですよね。
一同 (笑)。
戸田 良いのか悪いのかは分からないですけどね(笑)。あと自分はあまり決まり事を作らないですね。
――この話を聞いたところで、是澤さんは何かございますか
是澤 エナジードリンクを飲むくらいですかね。効果があるのかは分からないですが、気持ちが入るというか。
――試合前に飲まれるのですか
是澤 アップ前ですね。グラウンドに来る前にだいたい飲みます。
――試合前には気合を入れるためのかけ声などはあるのでしょうか
戸田 僕らは割と元気にアップしてるので、皆が声を出しますね。誰かが声を出して気合を入れるというよりかは。
――今は試合などのオンの時の話でしたが、今度は逆にオフの時のお話を伺います。まずは休日の過ごし方を教えてください
是澤 ダメ人間っぷりが…(笑)。
戸田 うーん…(笑)。
――ちなみに休日は週で何日ほどでしょうか
是澤 今は月曜がオフですね。週6で部活があります。
――それでは月曜の過ごし方は
戸田 テレビを見ていますね。そのためにずっと(テレビの前で)構えてます(笑)。
――では、割とインドアなのですね
戸田 そうですね。ちなみに是澤に聞いてもインドアですけどね(笑)。
是澤 (笑)。
――では是澤さんは
是澤 なるべく授業は入れずにしていて、一日中寝る時間にしています。一日中、ベッドの上で携帯をいじりながら過ごすという感じですね。週1でそういう日が欲しいんですよね。
――携帯をいじるというのは
是澤 うーん。ゲームはあまりしないですね。SNSをチェックしたりウェブ小説を読んだりとかですかね。
――なんだか文学部っぽい趣味ですね
是澤 そうですか(笑)。ウェブ小説を読んだり、あとはネット上の動画を見たりですね。
――電車やバスの移動中などでの過ごし方はいかがですか
戸田 これたぶん是澤も同じですけど、僕らはずっとイヤホンして音楽を聴いています(笑)。
是澤 そうですね。音楽聴きながらウェブ小説を読んで…(笑)。
――移動はチームメイトで一緒だと思いますが、そこで仲の良いチームメイトだったり一緒に行動される方はいますか
是澤 基本的に同期ですね。
戸田 僕だったら基本的に関(修平、商2=東京・早大学院)とかですかね。岸本と同じで、何をいじっても屈しないので。
――戸田さんはそのような同期だったり後輩だったりが好きなのでしょうか
戸田 そうなんですかね…(笑)。実際そうですね。いじってそれを見ているのが楽しい。
――是澤さんは誰と仲が良いのでしょうか
是澤 基本的に同期ですね。3人で練習後にご飯へ行ったりとか。
――東伏見周辺なのでしょうが、どこかおすすめはありますか
是澤 自分たちは『タラサン』というナンカレーですね。駅からも近いですし、何よりおいしいと思います。
戸田 『成田屋』さんですね。定食屋さんなんですけど、自分たちも同期でよく行きます。
――今のお話にもありましたが、やはり同期の仲というのは良いのでしょうか
是澤 そうですね。
戸田 僕らもそう思います。
――仲が良いと実際のホッケーでも連携などが上手くいくのではないでしょうか
戸田 そうですね。信頼ができます。よく知っている仲だからこういうことを考えているのだろうと分かりますし、その結果でこういうプレーをしたというのもわかるので。
是澤 考えていることがわかるということはありますね。ただ距離が近過ぎるとなあなあになってしまうので、そのあたりは先輩方に頼っている部分はあります。
――お二人から見て宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)とはどのような人物、キャプテンでしょうか
是澤 下手なこと言えないですよ(笑)。
戸田 えーと、やはり確立されたキングですね。キング・・・正直それはどのようなチームでいくかと年始めに4年生で話し合ったときに、俊哉を王様として、それをあとの3人が支えるというかたちを取ろうということだったので、僕は崇めるではないですけど、この人は王様ですよと同期ですが思っています。
――やはり去年の木村浩一郎主将(平28スポ卒=栃木・今市)とは違いますか
戸田 真逆ですね。キャラクターも全然違いますし、やっぱり真逆。
――学年が違うとまた違うこともありますか
是澤 いや、ないですね。間違いなく王様ですよ。
――それはどういった点で
是澤 テクニックももちろんですし、チームを引っ張る姿勢でもそうですよね。
――キングゆえの近づきにくさだったり下手なことができないなというプレッシャーのようなものはありますか
戸田 後輩はあるかもしれない(笑)。
是澤 僕はないですよ。ただ、どうしてもホッケー的に言いづらいときはありますよね。宮崎さんもどうせ言いづらいだろうからと言ってらっして、他の4年生に伝えてくれればちゃんと共有するようにとしてくださっているので、まあ上手いことできてます。
――そういえば、是澤さんは文学部の心理学コースで学業との両立も大変だと思われますが
是澤 そうですね…。でもプライベートは暇な人間なので、2年時はレポートが多くて大変でしたけど今はそうでもないですね。
――部活で疲れていてもレポートを書かないといけないということは
是澤 それはある。
戸田 (笑)。
是澤 帰って夜中に書いて、という感じで。
――戸田さんは学業の面ではいかがですか
戸田 あまり勉強が得意ではないので、是澤ほど忙しくないですけど自分としては苦労したんじゃないかなとは思っています。
有終の美を
戸田
――それぞれインカレに対する思い入れがあると思います。まず、戸田選手は最後のインカレになりますが、思い入れを教えてください
戸田 小学3年からホッケーを続けてきて、もしかしたらインカレが最後の大会になるかもしれません。これまで先生や保護者や様々な人に支えてもらって今の自分があるので、インカレで勝てるかどうかは分かりませんが、恩返しというか、精一杯戦う姿をみんなに見てもらって引退したいなと思っています。もちろん勝ちたいですし、どこで終わるか分かりませんが、一試合ずつ大事にしていきたいです。
――是澤選手にとってはレギュラーになった初のインカレですが、いかがですか
是澤 入替戦に回らなければ最後の試合になると思います。4年生はことしの結果に納得いっていないと思うので、最後くらいしっかりとゲームをつくって納得するかたちで、気持ち良く引退してもらえるようにできることをやろうと思います。
――戸田選手は卒業後ホッケーを続ける予定はありますか
戸田 就職は関西なので、どこかのクラブチームに入ることもできますが、学生スポーツはここで最後なので。思い入れは強いです。
――インカレに向けて詰めていきたいことはありますか
戸田 やはり1対1ですね。守備は1対1で負けない、攻撃では1対1で抜けてシュートを打つということです。シンプルですが、ここが一番大事だと思いますし、かなり時間を掛けてやっているところです。
――GKとして詰めていきたいところはありますか
戸田 次の駿河台大戦も大事ですが、5位決定戦の相手が恐らく明大になります。明大のフリックはすごく速くてなかなか止められないGKが多いので、普段よりも練習量を増やしてやっています。
――1対1の難しさはどこにありますか
是澤 ホッケーのボールは小さいので、うまい選手は守備側の隙に的確に入れてきます。そこでファールを取られるくらいならまだいいのですが、そこが難しいですね。結局読み合いなのかなと思います。単純に経験を積むしかないと思っているので、日々頑張るしかないですね。
――チームでキーマンとなりそうなのは誰ですか
戸田 自分で言うのもあれですが、僕かなと思います。自分がどれだけ止められるかによってチームの調子が大きく変わると思いますし、それで指揮が上がるか下がるかが決まると思います。4年生なので、僕ができればDFの選手もいい動きができると思うので。流れをこちらに持っていきたいです。
是澤 やはりキャプテンの宮崎さん(俊哉、スポ4=福井・丹生)ですね。あの人の調子次第でチームの調子も変わってくるので、こっちもあの人がうまくやれるようにサポートしていかなければいけませんが、結局あの人次第なのかなと思います。
――見てほしいプレーはありますか
戸田 僕はPCですね。そこでどれだけセービングできるかがカギなので、そこを今対策しています。
是澤 僕以外のDF3人はマークを見ていて、そこが抜かれた時に対応するのが僕なので、そこの守備ですね。抜かれたら終わりなので。
――初戦は朝日大の可能性が高いですが、相手の印象はいかがですか
戸田 対戦したこともないですし、ほとんど試合を見たこともないので、正直分からない部分も多いです。ですが、春に天理大に勝っていたりして、相当技術も高いですし、戦い方もうまいと思います。下馬評では相手が上ですが、それを相手が思っていたらチャンスだと思うので、そこで一矢報いてやろうと思います。
是澤 実際とんでもなく強いと思うので、自分たちがやることをやるしかないです。
――最後にインカレに向けての意気込みを教えてください
戸田 僕のホッケー人生最後の大会になる可能性があるので、一試合一試合を大事にしていきたいですし、これまで支えてくれた人たちに少しでも恩返しができるような試合を見せたいですし、プレーをしたいです。
是澤 入部してから3年間お世話になった4年生のために頑張ろうと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 菖蒲貴司、杉田陵也)
守護神ポーズをとってくださいました!
◆戸田翼(とだ・つばさ)(※写真左)
1994年(平6)7月21日生まれ。身長171センチ、体重67キロ。滋賀・伊吹高出身。社会科学部4年。月曜日のオフでは家でテレビを見ているという戸田選手。月9と深夜の恋愛バラエティー番組を見るのが毎週の楽しみだそうです。オフではない日も映画のDVDを借りてくるなどど意外な趣味をお持ちでした。「僕、めっちゃインドアなんすよね」。関西弁が少し混じる陽気な話し口とは一転、普段の生活では落ち着いていらっしゃるようです。
◆是澤勇志(これさわ・たけし)(※写真右)
1995年(平7)9月29日生まれ。身長176センチ、体重67キロ。東京・早大学院高出身。文学部3年。文学部の心理学コースに所属されている是澤選手。2年時は文系学部にも関わらず多くの実験があり、部活との両立に苦しんだそうです。しかし今では「慣れた」のだそう。キツい練習でも慣れることで上手にこなせると、体育会のホッケー部にいることで身に付いた考え方なのかもしれませんね。