春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)の成績はここまで1勝1敗。現在Bプール3位である早大が順位決定予選で上位リーグに上がるためには得失点差も考慮に入れ、3対0で勝たなければならない。さらに全日本大学王座決定戦(王座)への出場権を獲得するために、絶対に負けられない戦いとなった。相手は格上の明大。試合は一進一退の攻防が続く中、終了間際にFW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)のシュートで先制点を獲得する。しかし後半に入り立て続けに3失点。悔しい敗戦を喫した。
試合は開始から激しい攻防が繰り広げられた。前半3分には相手にペナルティコーナー(PC)を許すが、GK戸田翼副将(社4=滋賀・伊吹)がスーパーセーブで失点を回避。鮮やかなプレーが光った。早大も負けじと積極的に攻撃。MF宮口和樹(スポ3=滋賀・伊吹)はドリブルからサークル内にボールを押し込み、相手ゴールを脅かす。しかしなかなかチャンスを決めきれず、前半はこのまま折り返すと思われた。試合終了が近づく32分、PCを奪取すると宮崎主将が華麗に決め、先制点を獲得。1対0でリードし前半を終えた。
早大の守護神、戸田副将が活躍を見せた
後半に入っても両チームの勢いは衰えない。開始直後、相手にPCをとられたが、守護神戸田副将の活躍によりピンチを回避した。しかし後半4分、一瞬の隙を突かれ失点。試合は振り出しに戻った。何とかして勝ち越しの点が欲しい早大だが、攻撃が実らない苦しい展開となる。さらに11分にはゴール前の混戦から点を決められ、逆転を許した。立て続けに2得点を挙げた明大の勢いは止まらず、17分にはだめ押しの1点を追加。2点差の苦境に立たされる。DF糸賀俊哉(スポ2=島根・横田)やDF中嶋鍊(スポ1=島根・横田)も積極的に攻撃に参加し、相手ネットを揺らそうと試みるも得点にはつながらず、1対3で試合終了。白星を挙げることはできなかった。
勝利は叶わなかった
予選リーグを3位で終えた早大。敗戦こそしたものの、格上の明大から先制点をとり、脅威を与えることができた。王座出場への条件は5位以内に入ることであり、そのため順位決定戦で黒星は1つも許されない。それぞれの課題、チームとしての課題を今後に向けて修正し、挑む先は負けられない戦い。さらなる成長に期待がかかる。
(記事 榎本透子、写真 篠原希沙)
春季関東学生リーグ | ||||
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早大 | 1 | 1-0 0-3 |
3 | 明大 |
コメント
松本剛毅監督(平6卒)
――きょうの試合を振り返って
個人的な能力は相手の方が格上なのでどのように戦えるか、ときょうの結果のみにこだわらず夏、秋につながるような試合をしたいと思って挑みました。前半1対0でリードできたので収穫もあったのかなと思います。
――監督から見て成長が感じられる選手は
関(修平、商2=千葉・早大学院)や倉田(登志矢、スポ3=静岡・伊豆中央)などの選手が能力を上げてくれて、いわゆるユースで入った選手たちと遜色ないような動きをしてくれているのは大きな成長だと思います。
――次戦への意気込みをお聞かせください
2つ勝たないと王座に出られないのでとにかく結果にこだわって、2試合きっちり勝って王座に出場して、きょうの借りを返したいです。
FW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)
――きょうの試合を振り返って
明大に勝たないとリーグ戦で上位に上がれないのでとりあえず死に物狂いで戦って勝とうという話をして、いろいろな対策もしてきました。ですが後半になってやっぱり明治も一生懸命来るなか自分たちも受身になってしまう部分があって、それがうちの弱みだと思うし今後の課題も見つかりました。負けてしまって悔しいですがいい収穫のある試合でした。
――先制点で流れをつくりましたね
毎試合、点を決めているので、チームのみんなや監督、OBの方々も期待していると思います。それには絶対応えていかなければならないし、キャプテンとしてみんなを引っ張っていくためにはプレーでみせなければならないので、点を決められて素直に嬉しいです。
――今試合での自身の収穫とは
個人の力がもう少しのびていかないといけないなと思います。個人でやるスポーツではないのですが、1人で点を取るような力をつけないと引っ張っていけないので、今後の課題としては個の力を高め、磨いて、もっとみんなから信頼されるような選手になりたいと思います。
――「個の力」についてはチーム全体にも当てはまりますか
そうですね。僕だけではなく1人1人が成長することによって、1対1や2対1の局面で力を発揮できて、チームとしてまとまりベースが上がるのでチームとしても必須だと思います。これからも個の技術を磨いていきたいと思います。
――順位決定戦への意気込みは
東農大の結果次第ですが、おそらく下のグループで5位決定戦に向けて争っていくことになると思います。負けたら終わりなので、1つ1つ勝ち上がっていけるように1戦1戦全力で取り組んでいきたいと思います。
GK戸田翼副将(社4=滋賀・伊吹)
――今回の試合を振り返ってみていかがでしたか
1勝1敗の中で、3対0で勝たないといけないいうプレッシャーがあって、その中で勝たないといけないけれども、相手は強豪という苦しい中での試合でした。結果だけ見れば1対3という敗戦になったんですけど、今日の敗戦は絶対に、いい部分も見つかりましたし、僕らでもこんだけできるというのも見つかったんで、次につながるのではないかと正直に言うとポジティブにとらえています。悔しいですけど。
――試合の序盤で好守連発されてましたが、ご自身で振り返ってみていかがですか
4年生という責任があったので、なにがなんでも入れられないという気持ちではいたので、前半はやっぱり、周りにも助けられた部分があったので、それが好守につながったんじゃないかという風に思います。
――今回の試合で見つかったチームとしての課題は
前半は1対0といういい形で折り返して、後半で3失点という形で、同じ試合で、いい内容を続けられない、継続できない。前半にできたことが、後半にできない。集中力であったり、体力っていうのが今回の課題だったのではないかと思います。
――今回の試合でよかった点というのは
相手選手がペナルティーコーナー(PC)が上手な選手だったんですけど、そのPCが0失点だっていう点では、抑えるべきところで抑えたかなって思います。後、全然こっちも相手が上手いと言われた中でも攻められたし、得点シーンを何回でもつなげられたのは自信にもつながったのではないかと思います。
――次の試合への意気込みをお願いします。
ほとんどの確率で下位リーグに下がることが、決定しているとは思うんですけど、まあ、僕自身も今年で最後になると思うのでホッケーが、絶対悔いの無いような試合がしたいし、あと2戦は2勝して、王座につなげたいという風には思います。
MF宮口和樹(スポ3=滋賀・伊吹)
――きょうの試合を振り返って、いかがですか
前半は攻めのペースも良く、先制できて、前半だけを見たら良いゲームでした。でも、後半、ディフェンスが崩れてから失点を重ねてしまったので、そこがきょうの課題かなと感じました。
――個人としての課題はありますか
後半に一度、自分に得点するチャンスがあったんですが、そこで決めきれなかったのが大きくて、決めていたら試合の流れを変えられたのかなと感じています。しっかり得点を決めるということを今後の課題にしていけたら良いと思います。
――個人として良かった点はありますか
相手にボールをとられて失う場面がいつもよりは少なくて、しっかりとボールを散らすことができ、何回かアシストができるようなシチュエーションを作れました。得点には結び付かなかったんですが、それまでの過程としては良いボール運びができたのではないかなと思います。
――次の試合への意気込みをお願いします
上位グループではなく、リーグでは3位・4位なので、次の試合、その次も勝たないと王座には行けないので、しっかりと次の試合にも勝って、あとの2試合も勝ち越して王座をつかみたいです。そのために、チーム一丸となってどこが悪かったのかを話し合い、次の試合に臨みたいと思います。
DF中嶋鍊(スポ1=島根・横田)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
前半はワセダのペースでパスをまわせていたんですが、後半に入って最初の流れが良くなくて、自分たちの流れにできずにズルズルと相手のペースに飲まれて失点ということが多かったので、前半のゲームを後半に入っても続けられたら勝てる試合ではあったんじゃないかなと思いました。
――きょうの試合で見つかった課題は
個人的には相手のロングボールが多くて、自分はもっとインターセプトとかも狙わないといけなかったし、相手は技術があるのでボールがフリーになってるところでチェックとか狙っていけたらいいなと思います。チームとしては後半の得点力や、全員で守って、全員で攻めれるという走力、体力面での強化も必要かなと思いました。
――明大戦に向けて、どのような対策をしていましたか
相手選手がスクープを飛ばしてくるんですけど、それを処理してからのディフェンスとか、明大のペナルティーコーナーが素晴らしいのでラクロスのラケットを使って練習したりとかしていて、きょうはペナルティーコーナーでの失点はゼロだったのでそこは練習した成果がでて、良かったんじゃないかと思います。
――大学リーグはいかがですか
最初の方は緊張してて、何もできなかったんですが、今回3試合目で、だんだん大学の試合にも雰囲気にも慣れてきたので、これからもっと自分のプレーを出せるように頑張ります。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
絶対勝たないといけないので、泥臭いプレーもして、自分はディフェンスなので、死ぬ気で守るっていう意識を持って、あとはチーム全員で守って全員で攻めれるようにしっかり声出して、1年生とか関係無くやっていきたいです。