開幕戦を白星で飾る

男子ホッケー

 春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)がことしもついに幕を開けた。新チームで臨む初の公式戦。宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)は「個人ではなくチームとして勝ち上がっていきたい」と意気込んだ。早大は立ち上がりから果敢に攻めるも相手チームとの実力が拮抗(きっこう)し、一進一退の攻防が続く。苦しい状況を打破し、試合を決めたのは宮崎主将のシュート。春季リーグ戦を白星で発進した。

 試合開始から鮮やかなパスワークで相手を翻弄(ほんろう)し、積極的に攻めていく。前半17分にはルーキー、FW大野誠弥(政経1=埼玉・早大学院)がゴール前の混戦を制し、貴重な先制点を挙げた。25分にはペナルティーコーナー(PC)を奪い取られる。失点の危機を救ったのはGK戸田翼副将(社4=滋賀・伊吹)のファインセーブ。早大の守護神として大いに存在感を放つ。その後も勢いに乗って攻撃を続けたが、前半終了間際、相手に一瞬の隙をつかれた。同点となり試合はふりだしに戻る。

大野の初得点に喜ぶ選手たち

 変わって後半、開始早々にPCを奪取するなど、早大は攻撃の手をさらに強めた。15分には再びPCを獲得。宮崎主将の鮮やかなシュートで貴重な追加点を挙げ、チャンスを生かした。だが、またもディフェンスが手薄になった隙に得点を許してしまう。なんとか勝ち点を奪取したい早大は猛攻を続けた。FW宮口和樹(スポ3=滋賀・伊吹)は気迫に満ちたプレーで何度も相手ゴールを脅かすが、得点に結びつかない。試合が動いたのは終了間際。宮崎主将が放った強烈なシュートが相手ゴールのネットを揺らし、勝ち越しに成功。「主将としての期待に応えていきたい」と語ったが、早くも期待通りの活躍を見せた。

2得点を挙げ、抜群の存在感を放った宮崎

 「チームには経験が浅い若手が多く、試合で硬くなってしまった」(戸田)、「得点シーンで決めきれなかった」(宮口)。チーム、個人それぞれの課題が見つかった今試合。しかし、新体制での初戦を勝利で飾り、滑り出しは好調だ。次戦は強敵・東農大。宮崎主将は「気持ちで負けないようにしたい」とより気を引き締めた。これからの可能性は無限大。進化を続ける早大のホッケーから、今後も目が離せない。

(記事 榎本透子、写真 加藤耀、中村ちひろ)

春季関東学生リーグ
早大 1-1
2-1
駿河台大
コメント

松本剛毅監督(平6卒)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

新チームになって初戦ということでやはり硬さがあったんですけど、その中で前半は比較的いい動きができていたと思います。ただ後半は慎重になりすぎてしまって悪い面、課題が浮き出されたかな、と思います。

――その課題とは具体的にどういった点ですか

リスタートの次の動き、基本動作が遅い、ところどころでミスが多い、あとは得点能力が低い。このあたりですね。

――目標は

昨年の4年生が大幅に抜けまして、入れ替えが多くなっているのでなかなか目標を立てにくい状況にあります。ただ春と秋にそれぞれ目標を立てようということで、夏までの目標としては王座(全日本大学王座決定戦)出場、そしてベスト4進出です。

――次戦の東農大戦に向けて

ここから非常に強敵(が相手)になるので、難しい試合になると思いますが、きょうは勝って、勝ち点3を取れました。これが勝ち点1だとずいぶん違うので勝ち切れたことが非常に大きいと思いますね。もうあとはぶつかっていくだけです。東農大、その次の明大というのは我々にとって間違いなく格上のチームなので全力でぶつかっていきたいと思います。

FW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

駿河台大戦に向けて先々週からできることはやってきて、自信を持って試合に臨もう、という話はしていました。ですが、緊張していたり初の公式戦の人もいたので、バタバタしたのが課題です。最終的には勝ったので、それは評価できるかなと思います。

――現段階での今年のチームはいかがですか

きょねんまでいたMFの鵜飼さん(慎之介、平28卒=福井・丹生)が抜けてしまって、攻守ともに落ちてしまった部分はあらのですが、それを組織としてみんなの声かけなどでカバーしようという話はしていて、少しずつできるようになってきたと思います。今後も伸ばしていきたいです。

――今後もそのようにチームを作っていく予定ですか

そうですね、組織としてみんなまとまって連携し、個人ではなくチームとして勝ち上がっていけるように頑張りたいと思います。

――ご自身の得点シーンを振り返ってみていかがですか

きょねんからコンスタントに点は決められているのですが、今年は主将としてチームもOBの方々も期待してくれているので、それには今後もしっかり答えていきたいと思います。きょうは点が取れて素直に嬉しいです。

――ご自身の今後に向けての課題は

自分1人で全員を抜いてシュートまでもっていくこともなかなかできなくなってくるし、自分個人の力でゴールまでもっていけたらそれは自分の力だから1番いいと思います。ですが、もっと上手に周りを使って攻め上がっていけるように、個人としては周りを見て頑張っていきたいです。

――来週の東農大戦への意気込みをお聞かせください

東農大には最近は負けていないのですが、メンバーはそろっていて強いので、まずは気持ちで負けないようにします。ホームでの試合なのでまたいい試合ができるように頑張ります。

GK戸田翼副将(社4=滋賀・伊吹)

――初戦勝つことができました。いまの気持ちは

内容の部分では課題が残ったんですけど、とりあえず勝てたという事実があるのでそれをポジティブにとらえて、次に生かしたいです。

――ディフェンスが薄くなった隙を突かれて失点という展開が目立ちましたが

こっちのプレーがあたふたしてミスが出たり、僕の指示が冷静じゃなくなっていたり、というのが多かったです。初戦ということもあって硬くなってしまった、ということが課題だと思います。

――自身のきょうのプレーについては

緊張はあったんですけど、いままで練習でやってきたことをやろうと思っていました。それで最後の方にはセーブもできたんだと思います。

――GKなので他の選手とは試合の見え方が違うと思うのですが、GKから見てきょうのチームはどう見えましたか

初戦ということもあって緊張で力が入っていて、いい感じにモチベーションがあったので、雰囲気はよかったと思います。プレーに関しては硬くなりすぎて、プレーがうまくいかないということが多かったので、自分も含めてですけど。そういう部分では、僕が冷静な目線をもって意見を言っていったほうが良かったのかな、とは思いました。

――新体制になってしばらくですがチームのいいところは

4年生がリーダーシップをとっているということもあるんですけど、1年生が遠慮なくどんどんムードメーカーになって、チームの中心となってプレーしていて、嫌な上下関係がないというところだと感じます。

それに対してウィークポイントは

若手が多い分、まだ経験を積んでいない人が多いので、試合で硬くなってしまうというところですかね。

次戦は東農大ですが、抱負と注意していることなど教えてください

抱負としては僕の出身高校の人が多い大学なんですけど、プライドもあるので負けたくないです。気をつける点としては、相手は勢いに乗るとそれと一緒にプレーも良くなってしまうチームなので、勢いが出る前に先制点を取って相手にペースをもっていかれないようにプレーしたいですね。

――知り合いが多い分、負けたくないということですか

そうですね。高校でいっしょにやっていたやつと3年間違うところにいたのに負けるのは悔しいので、絶対に負けたくないですね。

MF宮口和樹(スポ3=滋賀・伊吹)

――試合内容を振り返ってみて

前半は試合の流れとしては良かったのですが、後半になって守る場面が多く、失点を重ねて危ないシーンもありました。その中でしっかりとみんなで守り切って、勝利を収められて良かったなと思います。

――前半の良かった点について

後ろのDFのアウトレットが上手く回っていて、ボールを周りにつなげてしっかりスクープに対応してDFもマークできていたので、相手の攻撃を止められていたのが良かったと思います。

――チャンスが多くある中、得点に結びつかない場面が見受けられました

自分自身もきょう得点できるシーンが何回もあったのですが、そこが決め切れなかった部分があったので、来週の試合に向けて修正していきたいと思います。

――FW宮崎俊哉主将(スポ4=福井・丹生)率いることしのチームの雰囲気はいかがですか

昨年の4年生はみんなで引っ張ってくれていたのですが、ことしはキャプテンが中心となって周りに色々指示をしてくれています。みんなそれに従って練習もできているので、まとまりのあるチームになったなと思います。

――今季のチームの目標は

まずは王座(全日本大学王座決定戦)でベスト4に入ることが目標なので、まずは関東リーグ(春季関東学生リーグ)でしっかり結果を残してから王座につなげていきたいと思います。

――次の試合はどのように戦っていきたいですか

きょう一勝できたことはやはり大きく、来週の東農大戦が一番の山場になるので、そこをしっかり勝ちきれるようにしたいです。自分も得点できるようにしっかりと走ってチームに貢献したいなと思います。