明大を撃破!春の雪辱を果たす

男子ホッケー

 秋季関東学生リーグ(秋季リーグ戦)も残り2試合。関東制覇を目指すワセダは順位決定予選に臨んだ。相手はここまで負けなしで、予選Aプールを1位通過してきた明大。春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)決勝で敗戦した(●1-5)因縁のチームだ。試合は先制点を許す苦しい展開となるが、前半終了間際に2点を奪い1点リードで折り返した。後半の早い段階にも追加点を奪うと、優位にゲームを進めていく。終盤は怒涛(どとう)の攻撃を受けるも全員で守り切り、春のリベンジを果たす結果となった。

 序盤から前線でボールを回して積極的に攻撃を仕掛け、FW宮崎俊哉(スポ3=福井・丹生)を中心に好機を狙っていく。しかし逆に前がかりになったところで一瞬の隙を突かれ、カウンターから失点。なんとか追いつきたいワセダは23分、宮崎のパスからMF倉田登志矢(スポ2=静岡・伊豆中央)がゴールを狙うも、点には結びつかなかった。32分にはペナルティーコーナー(PC)を獲得。「PCをとったらしっかりと決めようと思っていた」と語るように、宮崎が放った痛烈なシュートはゴール上段へ。課題としていたPCからの待望の得点だった。さらに34分には混戦状態の中、FW佐藤良(政経4=東京・早大学院)からのパスを受けたMF岸本昌樹(教3=鳥取・八頭)が押し込み逆転に成功。2-1で前半を折り返す。

チャンスメイクをした宮口

 迎えた後半は、激しい攻防が繰り広げられた。「最後まで足を動かすことが重要という話をしていた」とFB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)。ロングボールだけでなく、中盤を使いながらチャンスメイクをしていく。すると後半8分、パスがつながると最後はFW川原悠雅(社4=佐賀・伊万里商)が落ち着いて決め、2点をリードする展開に。その後もMF中村拓郎(社4=富山・石動)やMF宮口和樹(スポ2=滋賀・伊吹)を中心に攻め立てていく。しかし関東2連覇を狙う明大も黙ってはいない。24分に技ありのゴールを奪われ1点差となり、徐々に相手のペースとなる。幾度となく自陣に攻め込まれるも、ここはワセダの集中力が勝った。必死の守備でボールをはじきだし、同点弾は許さない。そのまま逃げ切り3-2で勝利。あすの決勝戦へと駒を進めた。

3点目を奪い喜ぶ選手たち

 選手層も厚く個人のスキルも高い明大相手に、一歩も引かない姿勢を貫いたワセダ。「中盤のカットインは意識してやっていた」と中村が振り返るように、課題としていた中盤を使ったプレーも多く見られた。また守備面ではPCを1本も奪われておらず、サークル内での正確なプレーについても評価できるだろう。あすに迫った決勝は山梨学院大との戦いとなった。今シーズンはここまで3試合を戦い、1勝2敗。秋季リーグ戦の予選リーグでは2-3で敗れており、きょうに続いて雪辱を果たす機会が巡ってきた。春季リーグ戦での悔しい2位から5か月。強豪・山梨学院大を倒し、今季初タイトルを手にするまであと1勝だ。

(記事 大森葵、写真 杉野利恵、加藤耀)

秋季関東学生リーグ
早大 2-1
1-1
明大
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コメント

松本剛毅監督(平6卒)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半に最後でリードをできたことと、後半の2点差の時間が長かったことが良かったと思います。

――最後は猛攻を受ける場面もありましたが

そうですね。簡単には勝たせてくれないと思っていたので、こういう展開というのは想定済みでした。ですが、2点差があったことで1点を返されてもまだ余裕があったので、やはり2点差があったことが大きかったですね。

――個人のスキルも高く層の厚い相手ですが、どのような戦略を立てていましたか

明大は個人技もうまく自陣でのゲームになると不利になるので、できるだけ高い位置でプレーするように心掛けました。

――あすの山梨学院大戦に向けて

タイトルが欲しいですね。相手は非常に強いですし、連戦ということで我々も疲労が溜まっていますけれど、やるからにはことし初のタイトルをとりたいですので、全力でぶつかっていきたいと思います。

FB木村浩一郎主将(スポ4=栃木・今市)

――準決勝の明大戦ということでどのような意気込みで試合に臨みましたか

明大には本当に勝ちたいと思っていました。前回は負けていて、リベンジをしたかったので全力で勝ちにいきました。

――3ー2という試合結果でしたが試合を振り返っていかがですか

先制点を取られてしまったのですが、少ないチャンスを決め切ることができたので、そういう点ですごく良かったと思います。最後の方は危ういシーンも結構あったので、そこはあすに向けて修整していきたいです。

――先制点を許しましたが前半のうちに逆転できたことは大きかったでしょうか

そうですね。タイミング的にも前半終了間際だったので、良い雰囲気で後半に入ることができました。

――気持ちの入ったプレーも多かったですね

そうですね。最後まで足を動かすことが重要だと話していたので、自分から声を出したりすることはやっていこうと思っていました。

――きょうは中盤を使った攻撃がいつもよりも多い印象がありました

いつもは鵜飼(FB慎之介、スポ4=福井・丹生)と俊哉(FW宮崎、スポ3=福井・丹生)ラインだったのですが、それはもうほとんど色々なチームに知れ渡っているので、周りのサポートというところを重点的にということをミーティングでも話していました。それを意識していたので、かたちになってよかったです。

――木村選手自身も前でプレーする時間帯が多かったと思いますが何か意識はしていましたか

できるだけボールを前で扱いたかったというのがあります。後ろだと一つのミスでやられてしまう可能性があるので、できるだけ前でという意識はありました。

――きょうは明大相手にペナルティコーナー(PC)を一本も奪われませんでしたね

確かにそうですね。サークル内のディフェンスについては練習でもしっかりやってきているので、そういう成果が出てきたことはすごく良かったと思います。

――あすは山梨学院大との決勝戦ですがどのように戦っていきたいですか

ここまできたら気合いでいくしかないと思っています。向こうは人数が多いですけど、しっかり最後まで足を動かして、くいついていきたいと思います。

――最後に意気込みをお願いします

あした勝って、優勝します。

MF中村拓郎(社4=富山・石動)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

みんな足が動いていて守りがしっかりしていたことが、きょうの良かったところだったと思います。勝ててよかったです。

――一方で課題があったら教えてください

終盤になると、全然攻められなくなってしまい相手のペースになってしまったので、そういうところを次の山梨学院大戦では修正していきたいです。

――中盤を使ったプレーが多いように見えましたが、それに関してなにか意識したことがあったのですか

いつもは後ろからのロングボールが攻撃のメインになっていたので、相手もそれを読み始めていました。逆に僕ら中盤がしっかりカットインすることで、攻めの幅も広がりますし、鵜飼(FB慎之介、スポ4=福井・丹生)のボールにもまた切れ味が出るかな、と思っていました。中盤のカットインは意識してやっていましたね。

――次戦の山梨学院大戦に向けて意気込みをお願いします

勝って優勝して、インカレにつなぎたいと思います。頑張ります。

FW宮崎俊哉(スポ3=福井・丹生)

――きょうの試合の意気込みを教えてください

明大には春リーグの決勝では1―5で負けたのでその雪辱を秋リーグで果たすために、またインカレ(全日本学生選手権)でも明大と戦うことになるので、戦術通りに戦って良い試合の流れや雰囲気をつくって勝とうとみんなで決めていました。自分もチームが勝てるようにできることをしようと意気込んでいました。

――ペナルティコーナー(PC)から1点目を獲得されましたが、その場面を振り返ってみていかがですか

PCをとったら1本目は自分が打つ、ときのうの練習の時から決まっていました。責任が重く重要な役割を任せてもらったので、しっかり得点を決めようと思っていました。

――課題としていたPCの収穫は

PCがホッケーで最も得点源になると思うのですが、(きょうは)PCが3本あって1本しか決められなかったので、3本のうち2本は決められるようにチームとして成長していきたいと思います。

――個人技で攻め込む場面が多く見られましたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがでしたか

自分がリズムをつくらないと周りも勢いに乗ってこないと思っていたので、チームを勢い付けるようなプレーを心がけました。きょうのようなプレーを継続していきたいと思います。

――相手の強力なFB陣には手こずりましたか

守備が上手く、1対1になると勝ったり負けたりするような選手でした。ですが、インカレで戦う関西の大学は日本代表クラスの選手ばかりなので、個の力で勝ち上がっていけるように頑張ります。

――次はあすの山梨学院大との試合ですが、意気込みをお聞かせください

山梨学院大には秋リーグの予選では2―3で負けているのですが、内容としてはそれほど悪くなく、絶対に勝てないような相手でもないので気持ちを切り替えてあしたの試合に全力で取り組みます。

MF岸本昌樹(教3=鳥取・八頭)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

相手チームに先制点を取られて危ないかなと思ったのですが、前半の終盤に1点を返して、さらにまたもう1点返し2ー1で終わらせることができ、そこで波に乗ることができました。後半も勢いそのままに追加点をとり、そのままいけたのが良かったなと思います。

――2点目を決められましたが、どのような状況でしたか

FW佐藤良選手(政経4=東京・早大学院)からパスを受けてすぐにシュートを打ってみようかなと思って打ったら、たまたま入ったという感じです。

――パスカットをされる場面も多く見られましたね

きょうの相手は明大ということで春には負けていて、今回こそは負けないようにと思って走って精度を高めようと思っていました。きょうはよくできたかなと思います。

――きょう良かった点は

とても良く走れたところが良かったと思います。

――課題は見つかりましたか

もう少しボールをもらいにいく姿勢や、自分自身がプレーを支配するようなプレーができればよかったと思います。

――あすは山梨学院大と優勝をかけた戦いになりますが意気込みをお願いします

王座(全日本大学王座決定戦)と秋リーグで負けている相手なので、あしたこそ勝って優勝を目指します。