昨秋王者に競り負け黒星スタート

男子ホッケー

 昨秋王者の山梨学院大との対戦となった春季関東学生リーグ(春季リーグ戦)初戦。早大は先制点を許し、序盤から追いかける展開となる。後半開始早々に3-3の同点に追いついたが、土壇場でペナルティーコーナー(PC)から勝ち越し点を喫して競り負け。3-4で開幕戦は黒星スタートとなった。

 前半9分、早大がペナルティーストローク(PS)から先制されると、ここから試合は点の取り合いに。同じくPSをDF田中智大(社3=福井・丹生)が落ち着いて決め、同点に追いつく。すると同20分には、右サイドを崩されシュートを放たれる。これを一度は阻んだが、こぼれ球を決められて失点。その後も追加点を奪われ、リードを2点に広げられる。それでも前半終了間際、サークル内にいたFW川原悠雅(社2=佐賀・伊万里商)からのパスをFW宮崎俊哉(スポ1=福井・丹生)が押し込み、ゴール。点差を縮めて前半を終えた。

落ち着いてPSを決めた田中

 前半の追い上げムードそのままに、立ち上がりに思わぬ形で得点が入る。サークル外から打ち込まれたボールが、相手選手のスティックに当たりゴールへ。オウンゴールで同点となり、試合は再び振り出しに戻った。しかしその後は早大側にファウルで一時退場者が出たのに乗じられ、山梨学院大ペースとなる。連続してPCのピンチを迎えながらもGKコグラン・ショーン(政経4=東京・早大学院)を中心にしのいでいたが、この試合9本目のPCを右隅に決められ万事休す。二度追いつきながら最後に手痛い一撃を浴びた。

思い切りのいいプレーで貢献した宮崎

 「無駄にPCを与えてしまった」(小野田泰良副将、スポ4=奈良・天理)と振り返ったように、試合を通じて10本もPCを与えてしまったことで流れをつかむことができなかった。その一方でプレスのかけ方に手応えを口にする選手も多い。次戦ではプレスで奪ったボールをどれだけ得点につなげられるかがポイントとなりそうだ。初戦を落としたことで全日本大学王座決定戦出場に向けて負けられないが、春季リーグ戦はまだ始まったばかり。ここから巻き返しを図りチームの目標である優勝へと突き進む。

(記事 塩澤毅志、写真 浦井拓也、加藤恵)

結果

●早大3-4山梨学院大

【得点者】(早大) 前半13分・田中 前半34分・宮崎

コメント

松本剛毅監督(平6卒)
――今季初めての試合でしたが、どのようにこの試合に臨まれましたか
僕もことしから新チームを預かって、チームスタートの時から目標を立ててそれを達成するためにはどういうプロセスが必要かということで、戦う準備をして挑んだつもりです。初戦は強豪の山梨学院で、今後を占う上でも大事な一戦になるので、全力を尽くしたのですが、勝つことができずに残念に思います。
――このチームを率いることになってどのようなことを意識されていますか
いままで漠然とやっていたところがあると思います。たとえば、交代のタイミングだとかローテーションだとか。その足りないものを放置しない、戦略を明確にする、というところを意識しています。
――きょうの試合を振り返ってはいかがですか
内容的には悪くないと思いますし、ポゼッションも五分五分か、うちの方がまだ持っていたのかなと思いますし、気持ちも前面に出ていたと思いますが、何かが足りなかったんだなとは思っています。
――昨年の4年生が抜けた穴はやはり大きいでしょうか
大きいですね。ことしの目標の一つに、リスクがあっても点を取りにいこうというのがありますが、昨年の4年生で主将をやっていた吉川(竜、平25スポ卒)が得点能力の高い選手だったので、そこが抜けて誰がポイントゲッターになるかというところでいろいろまだ試している段階ですけれど。やはり抜けた穴は非常に大きいですね。
――逆に新しく入ってきた1年生についてはいかがでしょう
きょうは宮崎が出ていますが、これから十分戦力になってくれると思います。
――春季リーグ戦を通しての目標をお願いします
初戦を取って、優勝を目指していましたが、残念ながら黒星スタートになってしまいました。けれど1点差ですし、リーグ戦なのでまだ何が起こるか分からないので、引き続き次の試合に全力で臨んで、優勝目指して頑張りたいと思います。

DF羽田康佑主将(教4= 奈良・天理)
――試合を振り返って
前半はみんなしっかり声も出ていて走れていたんですけど、カードで退場者が出てからそれがなくなってしまって。一人ひとりが声を出していかなければいけなかったと感じました。
――追いかける展開が続きましたが何と声をかけていましたか
やはり点を取りにいかないといけないので、前からプレッシャーをかけるように指示しました。
――チームで意識していたことは
スタートからしっかり点を取りにいくということです。結果としては点を取れなかったですけど、前半と後半の最初はみんなでプレスをかけていい試合運びができたと思います。
――PCを取られるシーンが目立ちましたが
やはりPCの守備は苦しかったんですが、GKを中心にしっかり守れている部分もあったのでそこは評価できると点です。
――開幕までにチームで取り組んできたことは
25ヤード内やサークルの中でどうやって点を取るか、得点に対してこだわりを持った練習をしてきました。
――次戦へ向けて意気込みをお願いします
もう負けられないので勝つのは当たり前で、大量得点を取って得失点差を意識して勝ちたいです。

MF小野田泰良副将(スポ4=奈良・天理)
――きょうの試合を振り返ってどうだったでしょうか
立ち上がりは例年と比べてよかったと思うんですけど、その流れで点取れなかったのがあとに響いたかなという感じです。
――初戦から山梨学院大でしたが
プレスのかけ方を結構話し合っていて、プレスは効いていたと思いますが、何がいけなかったかというと、無駄にPCを与えてしまったので、そこが今後の課題ですね。
――後半の終盤はかなり押し込まれる場面が多かったように見えましたが
その時間帯は相手の流れで何とかこっちの流れにしたいと思っていたんですけど、そこで流れを持ってくることができなかったんでそれで点が取れなかったと思います。
――ことしは副将になられましたが、意識していることはありますか
副将だからどうっていうのはないんですけど、とりあえず中盤としての責任は果たそうと思ってやっています。
――最後にこのリーグ戦での抱負をお願いします。
優勝目指しているので頑張ります。

GKコグラン・ショーン(政経4=東京・早大学院)
――リーグ初戦を振り返って
リーグ初戦ということもあって、チームを勢いづかせるためにも重要な一戦だったので、絶対に勝とう挑んだ試合だったのですが、退場者も出してしまい、自分たちの思い通りのホッケーができなかった試合でした。
――相手の印象はどうでしたか
中盤で寄せてこられるので、それに対しては後ろから見ていてケアできていたと思います。一人足らなかったことは大きかったと思います。
――PCを取られるシーンが多かったですが
PCはそこで失点すれば、試合が終わってしまうという気持ちで、セーブを続けていたのですが、決勝点はいいコースに飛ばされてしまって、絶対に止めやろうと思っていたのに悔しい思いをしました。
――次の駿河大戦に向けて
負けてしまったことは、もう切り替えるしかないので、次の試合勝てば、王座に行けると思うので、明日からの練習をしっかりとやっていきたいと思います。

DF田中智大(社3=福井・丹生)
――初戦ということでしたが、試合前はどのような意識でしたか
開幕戦ということで、ここで勝って弾みをつけようと思っていました。
――相手は強豪の山梨学院大ということでしたが
昨年の秋の優勝チームということで、1回この春に練習試合を行なったんで実力も分かっていたので、それを超えて弾みをつけられるようにと考えていました。
――結果、3-4という結果でした。全体的に振り返って
最初失点した後、自分が得点するなど、点の取り合いで。自分が退場したのもあるんですけど。もう一つ踏ん張りが足りなかったなと思います。
――常にリードをされる展開でしたが
やはり不意な形で先制点を取られたので、ディフェンス力が足りないのかなと思います。
――後半はPCを多く与えてしまいました
自分が退場していたのでちょっとあんまり言えないんですけど、PCを取られても得点にはあまりつながっていないですが、1点取られたので、そこを止めて0で抑えられたらチャンスにつながったのかなと思います。
――次戦の駿河台大戦に向けて
まだどんなチームなのかよく分からないですけど、評価を聞くにだいぶ良いチームらしいので、負けてしまった反省を生かして、勝って次につながるようにしたいと思います。

FW宮崎俊哉(スポ1=福井・丹生)
――きょうの試合の率直な感想を
攻撃もディフェンスももうちょっと丁寧にやって、決めるべきところで決めて、守れるところをしっかりと守れれば勝てる試合だったので、悔しい思いでした。
――大学に入って初めての試合でしたが、今までとの違いとは
そんなには感じなかったです。(先輩方がいて)背負うものがなかったので思い切りできたのがよかったと思いました。
――試合内容を振り返って
いつもの練習試合に比べたら、内容的には良かったのですが、ミーティングで話し合った決め事とかを守れなかったのが次の課題だと思いました。
――次の試合の具体的な目標とは
プレスのかけ方やボールのビルドアップのし方を話し合って、チーム全体で試合を動かしていけるように、チームの一員として自分も頑張りたいですし、また、声掛けも積極的に行っていきたいと思います。
――大学4年間のこれからの目標とは
絶対に一戦一戦を勝って、春季リーグ、王座、インカレも全部優勝することです。