残り15秒で再逆転を許し拓大に敗戦、インカレベスト4ならず

女子バスケットボール

 全日本大学選手権(インカレ)準々決勝、関東5位の早大は同3位の拓大とベスト4をかけ対戦した。同点で始まった第3クオーター(Q)、オフェンスリバウンドを立て続けに奪われ、流れが拓大に傾く。9点ビハインドで第4Qに突入すると、ディフェンスから速攻につなげ早大が逆転。残り3分半で4点リードとなった。しかしここから拓大に連続得点を奪われ、残り15秒で再逆転を許し96-97に。その後は得点のチャンスを作ることができず、早大は96-101で敗戦。準々決勝で姿を消した。

 

スリーポイントを打つ中山

 第1Qは点の取り合いとなる。開始早々、G中山桂(スポ4=愛知・桜花学園)がスリーポイントを沈めるが、拓大もすかさず決め返す。その後も、拓大のオールコートディフェンスに対し早大は速い攻撃でゴールを狙う。第1Q終了間際にG西ファトゥマ七南(スポ2=千葉・昭和学院)が2連続得点を決めリードを作るが、またも拓大のスリーポイントが決まり33-33で第1Qを終えた。第2Q、早大はターンオーバーが続き、なかなかリズムを作ることができない時間が続いた。しかしG江村優有(スポ3=愛知・桜花学園)が要所で攻撃の起点となり、拓大を勢いに乗らせない。残り1分、C中野雛菜(スポ3=神奈川・東海大相模)がスティールしてつくったチャンスに、ファトゥマがバスケットカウントを決め、57-57と試合を振り出しに戻した。

 

ゴール下シュートを決めるファトゥマ

 

 第3Qは均衡が崩れ、拓大のペースとなる。「リバウンドの部分でしっかりボックスアウトできていなかったところが一番の今日の敗因」と江村が分析するように、連続でオフェンスリバウンドを取られ失点が続いた。オフェンスではボールが止まり、動きがない攻めとなって苦しい時間となった。しかし、74-83の9点差で第4Qに入ると流れは一転。「プレッシャーディフェンスから自分たちのリズムに持っていくことができた」(中山)と、ハードなディフェンスからオフェンスにつなげることで攻撃に動きが生まれる。G山宮好葉(スポ1=東京成徳大高)のスリーポイントを皮切りに得点を重ね、約2分で同点に戻した。拓大のタイムアウトが明けても早大の勢いは止まらず、残り3分半で4点リード。しかし、今試合31得点の狩野美里(拓大)に2連続でシュートを決められ流れを拓大に譲り、残り15秒で再逆転を許す。その後は得点のチャンスを作ることができず、96-101で敗戦した。

 早大は準々決勝で敗退となった。悔しい終わり方となったが、「ディフェンスはチームディフェンスで、オフェンスは自分の持ち味を生かしてというところが本当に良くなった」(江村)と早大は1年間で大きく成長を見せた。チームを引っ張ってきた4年生の中山は「全員がチームにとってかけがえのない存在なので、日本一を目指して団結したら絶対日本一を取れるワセダになる」と日本一という目標を後輩に託し、大学バスケを舞台に戦った4年間に幕を下ろした。

(記事 冷水睦実、写真 濵嶋彩加)

全日本大学選手権 12月8日(vs拓大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

33 24 17 22 96
拓大 33 24 26 18 101

◇早大スターティングメンバー◇
F#1 菊地実蘭(スポ1=愛知・桜花学園) 
G#13 山宮好葉(スポ1=東京成徳大高)
G#21 中山桂(スポ4=愛知・桜花学園)
G#23 江村優有(スポ3=愛知・桜花学園)
F#32 江頭璃梨(スポ3=宮崎・小林)
コメント

江村優有(スポ3=愛知・桜花学園)

――最後、一歩及びませんでしたが、今日の試合振り返っていかがですか

 チームとしては後半から良くなってきたディフェンスの部分で、インカレまでの間でも強化してきたのですが、1年間を通して成長が見られて良かったなと思います。オフェンスの部分でもチーム全体で自分たちの強みを理解した上で、持ち味を生かしながらストロングポイントで攻められたのが良かったと思います。でも相手のリバウンドの部分でしっかりボックスアウトできていなかったところが一番の今日の敗因かなと思うのと、オフェンスの部分でも途中で自分たちで難しくしてシンプルなシュートが打てていなかったので、そこは改善点かなと思います。個人としてはチームの中のエースだと思うのですが、エースとして得点を決めるべきところで決めきれなかったところが不甲斐ないと感じたので、そこはこれからも相手が絶対に自分のところにはダブルチーム、トリプルチームで来ると思うのですが、そういったタフな部分でもシュートを決め切れるようにしたいと思います。あとは周りを生かしながらストロングポイントで回せるように強化していきたいと思います。

――テーマなど、試合前にチームで話していたことはありますか

 本当に今までの練習でやってきたことを全て出し切るだけなので、それをコート上で表現するというところで、一番はディフェンスの部分、ボックスアウト、ルーズボールをしっかり最後まで取り切るというところと、またオフェンスでも一人一人がスコアをする、アタックをする意識を持って攻めるというところを話して今日の試合に臨みました。

――相手のプレスについて、チーム内でハーフタイムなどで話したことはありましたか

 1試合を通してずっと言っていたのはリバウンドのところです。相手は留学生もいるのですが、自分たちよりも相手の方が大きくて上から取られてしまうところもあるのですが、やはりボックスアウトを徹底したり、ボックスアウトして周りがリバウンドで絡んであげたりすれば、もっとリバウンドを取れていたと思うのでそこは改善しようという話をしました。

――最後まで戦い抜いてみて、今試合の早大の良かったところはどのようなところだと感じますか

 全員がディフェンスからしっかり頑張って、オフェンスにつなげていたところが良かったと思いますし、中での声も増えて、全員が声を出しながら、ディフェンスはチームディフェンスで、オフェンスは自分の持ち味を生かしてというところが本当に良くなったと思うので、来年はもっと精度を上げて、1年生も入ってくるのでそこはプラスして、もっともっと良いチームを来年は作っていきたいと思います。

 

中山桂(スポ4=愛知・桜花学園)

――今の率直な気持ちを聞かせてください

 悔しかったです。私は声をかけることぐらいしかできなかったんですが、下級生が頑張ってくれてそれぞれの役割を徹底しようとコートの中で表現してくれたのでうれしかったです。でも、最後足らなかった点数は4年生の力のなさだったかなという風に思います。

――チームとして、個人として今日の試合で良かったところを教えてください

 個人としてはスリーポイントを打ち切るということを考えてずっとこの1年間やってきたので、決まらなくても打ち切るという部分では良かったのかなという風には思います。チームとして良かった部分は相手に離された時間帯もあったと思うんですけど、それでも食らいついて4ピリでしっかり盛り返して逆転まですることができたということはすごかったなという風に思います。

――4Qで追いつけた要因は何だと思いますか

 ハードなディフェンスをやろうという風に話してきていて、プレッシャーディフェンスをかけることができて逆転できたと思います。4Qからにはなってしまいましたが、そこから自分たちのリズムに持っていくことができたのかなという風に思います。ディフェンスはもちろんなんですが、オフェンスの部分で江村に頼るというわけではなく、全員がシュートを狙ってるという時はワセダのリズムですごく良かったなと思います。

――この試合で4年生は引退となります。4年間を振り返って、どんな4年間でしたか

 仲間に恵まれた4年間だったなという風に思います。 同期の3人が責任感強く、しっかり言いたいことを言い合える関係だったということが、すごく恵まれたなという風に思っています。あと、4年生になって私は怖い先輩だったと思うんですが、下級生の子たちが逃げることなく前向きについてきてくれたというところで、下級生たちにも恵まれたなという風に思います。

 インカレに臨むにあたって、ヤヤ(フェスターガードヤヤ、スポ4=宮崎・小林)とふみ(浅沼富美、スポ4=東京・普連土学園)がいなかったんですけど、2人から言葉をもらって、とにかく暴れてこいという風に背中を押してもらったので、今日は全然自分のプレーをすることができなかったんですけど、昨日は自分のプレーをすることができたなという風に思います。そういう姿を多分配信で見ててくれたかなと思ったので、そこは良かったかなと思いました。

――下級生へメッセージをお願いします

 一人ひとり個性があって、全員絶対チームにとってかけがえのない存在なので、日本一を目指して団結したら絶対日本一を取れるワセダになると思います。来年は雪辱を果たして日本一をとってもらいたいです。