序盤で引き離されるが、粘りのバスケットを見せる

女子バスケットボール

 9月上旬から始まった関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)も残すところあと2試合となった。後半戦は苦しい戦いがつづいているが、最後に待ち構えるのは白鴎大。Cシラ・ソハナを中心とした攻守ともにレベルの高いチームだ。試合は前半に相手のペースに持ち込まれ点差を離されるが、第4クオーター(Q)には驚異の粘りを見せる。最大25点差あった点差は、11点差まで縮まった。試合には敗れてしまったが、あすの最終戦につながる試合となった。

 序盤の出だしは快調だった。オフェンスではC中田珠未(スポ4=東京・明星学園)やC中村美羽(スポ4=千葉・昭和学院)がいつもと変わらずミドルシュートを決める。そして、きょうのディフェンスは一味違う。ボールマンへのチェックが速く、簡単にフリーを作らせない。また、ボールマンへの厳しいディフェンスで、センターのソハナにパスコースを絞らせたところを中田と中村がカットをする。理想的なディフェンスができていた。しかし、第1Qの後半からは、流れが一気に白鴎大へ向かい、その理想的なプレーができなくなった。「自分たちの流れのいいバスケットができている時とできていない時があった」(中田)。ディフェンスで一瞬でも気を抜くと、簡単にシュートを決める白鴎大。第2Qもいいプレーをところどころ見せたが、前半で13点差をつけられ、後半へ向かった。

確実なシュートを決める中村

 第3Qではディフェンスの足が一歩遅れていた。ディフェンスがうまくいかないとオフェンスでも攻めあぐねた。白鴎大はどんどん得点を重ねているが、早大は攻めながらもシュートが決まらず苦しい展開に。4分間その状態がつづき、ベンチはタイムアウトを要求する。その後は少しずつ得点するが、第3Qで点差は22点差となった。しかし、きょうの早大はここで終わらなかった。そのきっかけの一つとなったのは、G岩田千夏子(社4=岡山・明誠学院)の全力プレーであろう。試合に出場すると、相手のガードに対して厳しいディフェンスをし、オフェンスではドライブを決めた。4年生の必死なプレーでベンチも盛り上がり、一気に勢いに乗った早大。強い気持ちで攻めた結果、白鴎大のチームファウルは5回以上となり、ファウル毎に早大はフリースローのチャンスを与えられた。そこでじりじりと点差を縮めていく。最後は57ー70でタイムアップとなったが、その粘りはすさまじかった。

ベンチからチームメイトを鼓舞する選手たち

 「気持ちでプレーは変わる」(岩田)と言うように、最後のプレーは選手全員の気持ちが前面に出て、いい方向へつながっていた。今までの試合では、一度点差がつくと、離される一方だったが、きょうは違った。負けてしまったが、次へとつながる試合となった。あすが泣いても笑ってもリーグ戦の最後の試合。「流れのいいバスケットを40分間つづけることができないと勝てない」(中田)。きょうの第4Qのようなプレーが序盤からできれば、強敵・白鴎大に勝つチャンスは大いにある。早大にはいい選手がそろっている。自信をもったプレーで、最後は勝って笑顔でリーグ戦を締めくくりたい。

(記事、写真 瀧上恵利)

第69回関東大学女子リーグ戦 10月26日(vs白鴎大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

10 18 20 57
白鴎大 24 17 18 11 70
◇早大スターティングメンバー◇
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
C#25 中村美羽(社4=千葉・昭和学院)
C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園)
G#26 船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)
コメント

G岩田千夏子(社4=岡山・明誠学院)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

チームではリーグ戦の後半から苦しい試合がつづいていましたが、「この2試合で最後だから強い気持ちで戦っていこう」と声を掛け合って試合に臨みました。今までよりひとつ乗り越えられた試合だったかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

試合に出られるチャンスがあったら強い気持ちでチームに勢いが出るようにプレーしようと心がけていました。ドライブで得点を決めたり、ディフェンスで粘り強く守れたりしたので、良かったなと思います。

――見事チームに勢いをつけられましたね

そうですね。それが目標だったので、少しでもチームのためになったのであればうれしいです。

――第4Qで一気に点差を詰めていきましたが、ベンチからどのように見ていましたか

チームメイトの気持ちが前面に出てて、しっかり相手と戦えていました。最後は気持ちの部分でプレーが変わるんだなと改めて思いましたし、あしたも戦っていけるなという自信につながりました。

――あしたがリーグ戦最終戦となります。どのような試合にしたいですか

とにかくきょうみたいに気持ちの面で絶対に負けないということを大前提にプレーしたいです。そして最後は勝って終わりたいです。そのためにひとりひとりが自分の役割をして、最後はみんなで楽しんでプレーしたいです。

C中田珠未(スポ4=東京・明星学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

攻守どちらもピリオドごとで自分たちの流れのいいバスケットができている時とできていない時がありました。ディフェンス面で特に相手が嫌がるぐらい守れている時と守れていない時がありましたね。流れのいいバスケットを40分間つづけることができないと勝てないので、またあした頑張りたいです。

――ディフェンス面ではパスカットが多く見られましたが、前回の試合から何か変えたところはありますか

自分がチームに戻ってきたことで、自分に任せっきりのゲームの流れになってしまうことが多かったです。自分があまりボールを持ちすぎないほうが良いのかなと考えている時期もありました。そういったことも全部乗り越えて、いい意味で好き勝手にプレーできるようになりましたね。周りのことも信じて、自分がダメな時には周りの人がやってくれるからと思って、自分が強く攻めようと思うようになりました。

――オフェンス面でのご自身のプレーを振り返っていかがですか

自分の強みはドライブだとどのチームも分かっているので、ディフェンスが下がってくるのは分かっていました。そこで積極的にシュートを狙おうと思って、そこができたのは良かったと思います。でももっ率よくきめていかなきゃいけないと思いました。でも分かっていてもドライブを仕掛けていって相手のファウルを誘ったりして、自分の持ち味を消すのではなくそれ以上のことをやっていきたいなと思います。

――第4Qで一気に点差を詰めていきましたが、どのような声を掛けながら試合に入っていましたか

順位的に得失点差はないのですが、あしたのことを考えると最少失点で終わりたいという思いがありました。最初から20点以上離されて終わるよりは10点差ぐらいだったらこちら側がリードできるチャンスがあると思います。いきなり「逆転しよう」と声を掛けても無理があるので、「まずは15点差にしよう」、「一桁の点差にしよう」と実現可能な目標を言ってました。結果全員で戦えた試合になりましたね。

――あしたがリーグ戦最終戦となります。どのような試合にしたいですか

優勝の可能性はないのですが、次のインカレにつなげていけるような試合にしたいです。相手も大きいですが、自分の強みをしっかり出して守りきります。そして全員が楽しんでプレーできたら一番いいと思います。笑顔で頑張るので、応援よろしくお願いします。