拙攻が目立ち、春の王者に完敗

女子バスケットボール

 台風19号が関東に直撃した影響で、12日の拓大との試合が14日に延期された。この日の相手である拓大はCクンバを中心に攻撃を仕掛けてくるチームだ。早大も日本代表からC中田珠未(スポ4=東京・明星学園)が戻り、部員全員がそろった。高レベルなセンター対決が行われ、白熱した試合になると思われたが、結果は65−93。序盤から拓大に傾いた流れを引き戻すことができず、ずるずる点差を離されてしまう。粘り強いバスケは見られず、今季2敗目を喫した。

 第1クオーター(Q)は一進一退の攻防がつづいた。中田のドライブや細貝野乃花(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)のスリーポイントでシュートを重ねる。一方のディフェンスでは、相手の攻撃の起点であるクンバを止められない。後手に回ったディフェンスはファウルとなり、チーム全体としてファウルがかさむ。チームファウルは5回を超え、相手にフリースローの機会を与えてしまう場面も。特にG船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)が第1Qの始めからファウルが多かったため、フルタイムで試合に出られなかった。第1Qは2点差で終え、粘りを見せた早大。しかし、第2Qではスタメンのガードが長時間不在のため、いつもの攻撃が仕掛けられず、拙攻が目立った。

ゴール下でドライブをする中田

 後半に入っても拓大の流れを止めることはできなかった。第3Qでは拓大のシュート率も落ちてきた。ここで一気に点差を縮めたい早大だったが、リバウンドが取れず、また早大もシュートを決められず点差は離れていく一方だった。クンバを中心としたチームだったが、センター以外の他の選手にもブレイクなど簡単に点数を決められ、沈黙した早大。65ー93と完敗だった。

シュートを狙う中村

 春のトーナメント王者に圧倒的な力を見せられた早大。「練習してきたことよりも相手の方が上だった」(中田)。高さ、スピード、パワーで圧倒された試合だった。外国人選手を相手に抑えるのはなかなか厳しい。しかし、それ以外の4人の選手に簡単にシュートを決められる場面が目立った。ディフェンスから崩れてしまったせいで、なかなか流れをつかめない。きょうの試合は完全に沈黙してしまった。しかし、まだ2回戦が残っている。次の試合では拓大に食らいついていく粘り強いバスケを見せてほしい。

(記事、写真 瀧上恵利)

第69回関東大学女子リーグ戦 10月14日(vs拓大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

19 11 14 20 65
拓大 21 26 21 25 93
◇早大スターティングメンバー◇
F#37 内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)
F#5 細貝野乃花副将(スポ4=愛媛・聖カタリナ女)
C#25 中村美羽(社4=千葉・昭和学院)
C#33 中田珠未(スポ4=東京・明星学園)
G#26 船生晴香(スポ3=新潟・開志国際)

内山未悠主将(社4=愛知・桜花学園)

――拓大はセンター中心での攻撃を仕掛けるチームですが、どのような対策をして試合に臨みましたか

2週間練習できる時間があったので、相手の外国人のところをどう守るかということを練習してきたし、そこ以外のディフェンスもチームで守ることを意識してやってきました。

――実際に戦ってみた感想はいかがですか

センターでくるということが分かっていたのにそれを防げなかったですし、それ以外のミスも目立ちました。リバウンドが取れなかったり、相手に簡単にブレイクを決められたりして最後まで粘り強くプレーすることができませんでした。相手の起点はセンターだったのですが、それ以外のところで余計な点数を取られてしまったので、反省点がたくさんありました。

――第2Qから点差を離された要因は何でしたか

ファウルもそうですが、自分たちのミスが多かったです。ミスから相手に点を取られたりだとか自分たちが点を取れなかったのに失点してしまったりだとか自分たちのプレーがうまくいかなかった時に我慢して守るということができませんでした。そこが相手に流れを渡してしまった要因だと思います。

――現在のチームの雰囲気はいかがですか

けが人はいるのですが、メンバー全員がそろった中で練習でもコミュニケーションを取れるようになっていい雰囲気になっていると思います。でも実際の試合で自分たちが負けている場面や苦しい場面でのチームの姿が本当の姿だと思うので、まだまだなんだなと実感しました。自分がプレーでも雰囲気面でももっとチームを盛り上げていかないといけないと思います。

――今度も強い相手との試合がつづきます。どのような戦いをしていきたいですか

オフェンスやディフェンスの対策はたくさんあると思うのですが、気持ち面で個人でもチームでも強く攻めていくという意識をもう一度持ち直したいです。このまま沈んでいくのではダメだと思うので、ひとりひとりの気持ちを意識し直したいかなと思います。

中田珠未(スポ4=東京・明星学園)

――拓大はセンター中心での攻撃を仕掛けるチームですが、どのような対策をして試合に臨みましたか

クンバのところでくると分かっていたのでダブルチームの練習などをしていました。チーム内では私が一番背が高いので、自分より大きな相手とマッチアップすることができないという点では難しいところもありました。練習でやってきたこともあったけど、相手がそれを超えていたからできなかったという感じです。

――実際に戦ってみた感想はいかがですか

自分自身もそうだし、カバーできてくれた子も高くてびっくりしたと思います。あの大きさでゴール下に入られてしまうと、自分たち日本人だけで守るのは厳しいものがありますね。次やるときはもう少し工夫をした守りができるようにしたいです。

――きょうの試合全体を振り返っていかがですか

早稲田は交代人数が少ない中で、自分も含めてファウルを重ねてしまったことが一番痛いポイントだったと思います。

――第2Qから点差を離されてしまった要因もファウルですか

そうですね。ガードのスタートの子が前半ほとんど出られなかったので、そうなるといつもと違う試合展開になってしまいますし、自分も攻めにくいしどうしようと思いながら試合に入ってしまいました。そういう時こそ自分を含めて4年生が引っ張っていけたらいいなと思いました。

――日本代表から帰ってきてのリーグ戦でしたが、何か新たに得たことはありますか

やるべきは代表でもここでも変わらないのですが、さらに代表でレベルアップして還元できたらいいなと思っています。

――今度も強い相手との試合がつづきます。どのような戦いをしていきたいですか

自分より大きな相手とつかれるので、ドライブを仕掛ける時にはもっとフィニッシュに工夫が必要です。早稲田では練習できないからこそ練習以外のところでスキルアップして勝ちたいです。