インカレ終幕、ワセダの力を取り戻し5位に

女子バスケットボール

 6日間にわたる全日本大学選手権(インカレ)がついに幕を下ろした。前日にダブルスコアで東海大九州を下した早大はこの日5位決定戦に挑む。対するは関東大学女子リーグ戦でも戦った東京医療保健大。序盤は相手にリードを許すも後半からディフェンスを修正。連続得点で一気に逆転すると、最後まで試合の主導権を握り続けた。ワセダらしいバスケットを取り戻し、66-54でタイムアップ。悲願の連覇には届かなかったものの、5位でインカレを終えた。

 ことし最後の試合となる東京医療保健大戦。今大会で引退を考える4年生がいるため、全員で挑む最後の試合だった。前半は相手にインサイドで押される展開に。リバウンドが思うように取れず、セカンドチャンスにつながらない。一進一退の攻防を繰り広げるが、第2クオーターでは6分半もの間フリースローを除く得点が止まってしまった。波にのれない中、G田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)が残り3秒でスリーポイントシュートを沈め、31-35。なんとか離されずに前半を終える。

この日チーム最多となる27得点を挙げ、底知れぬ勢いを発揮した田村

 このままでは終われないとディフェンスを修正して臨んだ後半。田村が2本のスリーポイントシュートを含む3連続得点で逆転に成功する。さらにディフェンスでも相手の連続ターンオーバーを誘発する。もはや試合の流れは完全に早大に傾いた。PG本橋菜子主将(スポ4=東京・明星学園)を筆頭に全員で攻める姿勢を崩さず、第4Qへ。リバウンドもしっかりと確保し、ドライブやポストプレーなど多彩な攻撃の手を緩めない。9分にはF加藤臨(スポ3=山形市立商)が連続オフェンスリバウンド、ヘルドボール、スティールと八面六臂の活躍を見せ、最後まで気持ちの強さを見せつける。そのまま点差を広げて66-54で全日本インカレ5位を決めた。

最後は笑顔で試合を終え、互いの健闘をたたえ合う本橋主将(左)と酒井

 現チームでの集大成となったこの試合。「最後までワセダのバスケットを見せることができたらいい」と本橋主将が語るように、早大はチーム一丸となって最後まで戦いぬいた。悲願の全日本インカレ連覇はならなかったが、らいねんの1月には皇后杯全日本総合選手権(オールジャパン)が待ち受ける。前回は3回戦で敗れたが、今回もチャレンジャーとしての意識を持って臨めるか。女王ワセダのさらなる活躍を見逃すな。

(記事 丸山美帆、写真 黒田菜々子、橘高安津子)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

第67回全日本大学選手権 11月28日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 14 22 13 66
東京医療保健大 19 16 10 54
◇早大スターティングメンバー◇
SG#31 酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)
G#22 田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)
F#18 関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)
F#7 加藤臨(スポ3=山形市立商)
C#24 今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)
◇主なスコアリーダー◇
得点  田村未来:27得点
リバウンド  田村未来、加藤臨、萩尾千尋:5リバウンド
アシスト  本橋菜子:3アシスト
コメント

PG本橋菜子主将(スポ4=東京・明星学園)

――最後のインカレで5位という結果についてはどのように受け止めていらっしゃいますか

日本一を目指して戦ってきたので、この結果はすごく悔しいです。

――ベスト8敗退からのこの2試合は、どのように戦っていこうと思っていましたか

負けたときには本当に何も気力が湧かなくて、すごく落ち込んでいました。でもせっかく残された2試合があるので、最後に自分が後輩に残せるものは何かなって考えたり、負けても応援してくださる人たちがいるわけで、そういう人たちに最後までワセダのバスケットを見せることができたらいいなと思ってやっていました。

――きょうの試合も序盤はリードされる展開でしたが、流れが変わった要因は何だとお考えですか

コートの中からも外からもしっかり盛り上げてくれる人たちがいたということと、中の人たちがしっかり踏ん張れてみんなで戦えたかなと思います。

――1月のオールジャパンが4年生最後の大会になりますが

インカレですごく悔しい思いをしたので、最後はこの悔しさをプレーに出してぶつけていきたいと思います。

F林田美里(人科4=長崎西)

――最後のインカレで5位という結果についてはどのように受け止めていらっしゃいますか

日本一を目指して今まで練習してきたし、日本一になれるメンバーだったと本当に思うので、正直すごく悔しい思いですけど、負けたあとの2試合を全員で色んな気持ちと葛藤しながらも、最後までワセダらしく戦えたのは良かったかなと思います。

――大会を通してもコートに立つ機会が多かったと思いますが

インカレまでも主力の相手チームとして練習してきたんですけど、そこで結構自分の調子も良くて、インカレでもし試合に出れたらエネルギーのあるプレーをしようという風に考えてインカレに臨みました。シュートが結構入らない場面もあったんですけど、ディフェンスやリバウンドは自分でも徹底してやろうと思っていたので、そこは実行できたかなと思います。

――この4年間は副将として何を意識しながらやってこられましたか

まずはキャプテンのサポートが一番大事だなと考えていました。自分にとって一番予想外だった出来事が本橋(菜子主将、スポ4=東京・明星学園)のケガで、自分が本橋の役割も担わなきゃいけないってなったときにすごく不安な気持ちとかあったんですけど、本橋も周りから声かけてくれたりだとか、周りの同期が支えてくれたのでここまでやってこれたと思っています。あとは試合に出ない子たちへの声かけというのを、副将として意識してやっていました。

――最後に1月のオールジャパンに向けての意気込みをお願いします

インカレ5位という結果で非常に悔しい思いをしましたけど、最後にもう一度チャレンジできる場があるということで、もう一回チーム全員で実業団にも勝てるような練習をして、頑張りたいと思います。

SG酒井愛(社4=神奈川・金沢総合)

――最終戦をどのようなお気持ちで臨まれましたか

絶対勝とうという気持ちで、筑波大に負けて本当に悔しかったので絶対に負けないという気持ちでやりました。

――第3Qで流れが一気に変わりました。どの部分が良かったからだと思われますか

自分は出ていなかったのですが見ていて、相手のやりたいことに対してしっかりアジャストしてディフェンスでしっかり対応して、そこから走れていたのが良かったのかなと思いますね。

――インカレを総括して、どのような印象を持たれますか

自分のプレーを出し切りはしたのですが。やはり(筑波大に)負けてことが悔しすぎて、悔しすぎたなという印象しかないです。悔しいです、本当に。

――これで一区切りとなると思いますが、オールジャパンには出られますか

迷っています。

――4年間を振り返っていかがですか

レベルの高いところでやれて、悩んだこともあったのですが実のある充実した毎日だったなと思います。だからすごくあっという間で、ワセダ入って良かったなと思います。

――後輩のみなさんに伝えたいことはございますか

筑波大戦でみんな負けて本当に悔しかったと思うのですが、らいねんリベンジだとか筑波大かは分かりませんが日本一にリベンジしてほしいですし、この負けて思いを絶対忘れないで毎日毎日その気持ちでもっと強くなって優勝してほしいです。

F関根彩乃(教4=千葉・昭和学院)

――本日は5位決定戦でしたが、どのような気持ちで試合に臨まれましたか

最後だったので、皆で勝って笑って終わりたいという気持ちと、試合を楽しんでやりたいと思ってやりました。

――関根さんはオールジャパンには出場されるのでしょうか

私は出ます。でも全員そろってやるのはこの試合が最後でした。残らない人も中にはいるので。

――前半は相手にリードを許す苦しい展開でしたが

前半は苦しい場面もあったんですけど、後半にディフェンスから修正できたのでそこは良かったと思います。

――後半に流れをつかんだきっかけは

ディフェンスで、ちゃんと中から守って、リバウンドをとりきって、ワセダのオフェンスで点をとれるという時間が続いきました。ディフェンスとリバウンドが徹底できていたから点差を離せたんだと思います。

――ご自分のプレーを振り返っていかがですか

チャンスがあったら積極的にシュートを狙っていこうと思っていたのですが、もう少し周りと絡みながら攻めた方が良い時間帯もあったというのが反省です。第3Qあたりで、チャンスをつこうつこうと思いすぎて逆に空回りしてしまったので、チャンスを見つつ、周りと絡みながらやっていけるように修正していきたいと思います。

――チームとしてはいかがでしたか

コート内外も一つになって最後まで戦えていたので、ワセダらしく戦えて良かったと思います。

――オールジャパンへ向けての意気込みをお願いいたします

筑波戦はワセダのバスケットができずに負けてしまって悔しい思いをしました。まだまだ自分たちにはやれることが残っていると思うし、それをしっかりオールジャパンで表現していけるようにまたチーム一丸となって頑張りたいと思います。

G津田真奈美(社4=北海道・旭)

――最後のインカレとなりましたが、どのようなお気持ちで臨まれましたか

目標にしていたのが優勝だったのですごく悔しい思いはしているのですが、最後はみんなでワセダらしく戦いたいなという感じで臨みました。

――インカレを総括していかがですか

負けてしまった筑波大戦が一番心残りではあるのですが、最後までベンチに入っている人もいない人も試合に出ているに関係なく、みんなが勝とうという気持ちで戦えたのは良かったなと思います。

――オールジャパンには出られますか

悩んではいたのですが、やっぱりきょうさみしいなと思って出ようと思いました。

――4年間を振り返っていかがですか

個人的にはケガで苦しい思いとかあったのですが、みんなと一緒にできたっていうのが最高の思い出だなと思います。

――4年生はどのような代でしたか

4年生はみんなで何かをわいわいやるというのがほとんどない学年なのですが、心のどこかでいつもつながっているっていうのを感じていたので、最高の仲間です!

――オールジャパンには出られますか

悩んではいたのですが、やっぱりきょうさみしいなと思って出ようと思いました。

――オールジャパンに向けて意気込みをお願いします

本当に本当に、バスケを続けるわけではないので最後になります。楽しんでやりたいなと思います。

――後輩のみなさんに一言お願いします

バスケ自体を楽しんでほしいし、仲間を大切にチーム一丸で頑張ってほしいなと思います。