ことしもこの季節がやってきた。第73回早慶定期戦(早慶戦)。きょねん27連覇を達成し、その圧倒的な力の差を示している『女王』ワセダの強さは、ことしも健在だった。G田村未来(スポ3=愛媛・聖カタリナ女)のミドルシュートで幕を開けた試合は、第1クオーター(Q)から早大が勢いのままに得点を量産する。ディフェンスでも前半だけで相手にシュートわずか5本とフリースロー1本しか許さなかった。後半も1、2年生を中心に厚みのある攻撃を仕掛け、98-37で試合終了。28連覇を達成し笑顔で伝統の一戦に決着をつけた。
圧倒的な強さだった。第1Qの立ち上がりから相手へ積極的にプレッシャーをかけ、スティールから速攻を仕掛けるなど、テンポの良い攻撃を見せる。5分にはスターターの5人を一気にベンチに下げ、1、2年生を中心としたメンバーで臨んだ。C田中真美子(スポ1=東京成徳大)のポストプレーやG砂川夏輝(教2=沖縄・西原)のミドルシュートなどでさらに点差を離すと、ディフェンスでもリバウンドが安定し最小限の失点に抑える。またG長谷川玲子(社1=福井・足羽)やG大西胡桃(スポ1=茨城・水戸第二)などの新戦力も十分に存在感を示し、49-17で前半を折り返した。
ラストイヤーでの早慶戦に出場したF林田副将
後半も早大のペースは崩れず、みるみるうちに点差を突き放す。C今仲杏奈(スポ2=大阪薫英女学院)の連続ポイントやC林靖子(社2=福井・足羽)のポストプレーなどがさく裂し、その選手層の厚さもうかがえた。第4Qでは、この日ケガで出場できなかったPG本橋菜子主将(スポ4=東京・明星学園)以外の4年生5人が同時にコートに立った。「楽しんでやろうという気持ちになれた。」とF林田美里副将(人科4=長崎西)が語るように、最後はコート上の5人だけではなく、ベンチのメンバーも全員が試合を楽しんでいる雰囲気のまま、98-37で勝利し早慶定期戦28連覇を達成した。
表彰式後は笑顔がはじけた
会場にはたくさんの観客が駆け付け、また応援団がいたことなどもあり、いつもとは違う雰囲気での試合となった。そのような状況の中でも普段と変わらぬ力を発揮できたことは、これからに向けて大きな糧となるであろう。次に始まる関東大学新人戦(新人戦)に向けて、再びチームがひとつになるきっかけを、早慶戦は与えてくれたに違いない。
(記事 橘高安津子、写真 藤巻晴帆、東哲也)
※掲載が遅くなり、申し訳ありません
コメント
林田美里(人4=長崎西)
――最後の早慶戦ということで特別な意識などはありましたか
私は4年生ですから、最後の早慶戦でした。やることはいつもと変わりませんが、しっかり練習してきたことをやって、良い形で終われたらいいと思いました。
――応援なども盛り上がりを見せていました
< p>公式戦よりも応援が沢山入っていて、味わったことがない気分でした。多くの方々に応援してもらって、自分たちも頑張らなくてはいけないという気持ちになりました。
――林田選手が出場されていた2クオーター(Q)目のご感想は
2Qの初めはまだ少し動きが硬く、一人一人が一対一を狙えず慎重にやりすぎていた部分がありました。自分も初めからもっとシュートを狙う勢いがあっても良かったと思います。
――4Qの最後には4年生が揃って出場されていましたが、その時のお気持ちはいかがでしたか
毎年、4年生が最後に出してもらえるので、ことしも来るかなと思っていました。4年生が5人で試合に出ることはほぼ公式戦ではありませんから。楽しんでやろうという気持ちになることができました。
――試合内容を振り返って
途中で点数が停滞していた時間帯があり、本来ならもう少し点数がとれたと思います。しかし、一人一人がやろうとしてきたことをやれているところもありましたから、これから始まる夏の練習へ向けて取り組んでいきたいです。
――これからに向けての目標は
今、本橋(菜子、スポ4=東京・明星学園)がケガで抜けてしまい、自分が副キャプテンとしてやっていかなければいけない立場です。しかしリーダーシップという点で自分にはまだ足りていない部分があると思うので、これからの練習ではリーダーシップをしっかりとって、全員で厳しい練習を乗り越えて繋げていけるようにしたいと思います。
G津田真奈美(社4=神奈川・旭)
――早慶戦の雰囲気はいかがでしたか
みんなが出られたということがよかったのと、普段試合に出ていない選手がシュートを決めたときとかにすごく盛り上がれたのは普段一生懸命に練習をしてきた成果が現れたのかなと思います。
――最後の早慶戦への思いは何かありましたか
早慶戦はいままでずっとやってきたことだったので、それをみんなで一緒にできたというのは思い出になりました。
――きょう心掛けたことは
ワセダらしく、自分らしく笑顔でできたらいいなと思ってプレーしました。
――最終学年での目標をお願いします
フラットな関係を築いて、それぞれの個性が生かせるプレーをしていけるように頑張りたいです。