シーソーゲームを制し6つ目の白星獲得

女子バスケットボール

 きのう見事なディフェンスで相手を下した早大は、東京医療保健大との2戦目に臨んだ。修正をかけてきた相手に対してディフェンスが回らず競る展開となるも、試合中にしっかりと改善。最後の29秒で67−66と1点差まで詰め寄られるも、1点を死守して辛くも勝利を手にした。

 第1クオーター(Q)はテンポよくスタート。PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)やF根岸夢(スポ3=東京成徳大)の3本のスリーポイントシュートやミドルシュートでスコアを伸ばし、20−10と10点差をつけた。しかし続く第2Q、東京医療保健大のシュートが入り始め、開始4分間で一気に同点に追いつかれる。早大はスリーポイントシュートを決め応戦するも、相手の勢いは止まらず。ついに残り2分で逆転を許した。何とか相手に傾いた流れを引き戻したい早大は、C桂葵(スポ4=愛知・桜花学園)にボールを託す。桂は安定したポストプレー、さらにバスケットカウントで5得点。35−32とリードを保って第2Qを終えるかと思われたが、残り13秒、ゴール下で痛恨のファウル。相手にバスケットカウントを返され、35−35と同点で前半を折り返す。

ドライブで攻める根岸

 第3Qは両者拮抗(きっこう)したプレーで接戦に。ここで早大はイージーミスを重ねてしまい、東京医療保健大が一歩前に出る。シュートが決まらず24秒オーバータイムで相手ボールになると、これをスリーポイントシュートで返される苦しい展開。それでもF加藤臨(スポ2=山形市立商)がリバウンドシュートを力強く決め、46−50と4点のビハインドで最終Qを迎える。第4Q最初の5分間は点差を縮めることができない。しかし早大はこのタイムアウトでプレーをしっかり修正した。「横の動き」と本橋が振り返るように、オフェンスに動きを出し、本橋のボールサイドカットに加藤が鋭いアシストパス。修正を確実に得点につなげ、7連続得点で63−62と逆転に成功した。続いて堅固な守備を見せると、相手は24秒オ―バータイム。流れは完全に早大に。しかし東京医療保健大は最後まで手強かった。しぶとく得点を決め、1点差まで食らいついてくる。残り29秒で67−66、早大ボール。時間を使い切って2点、といきたいところであったが、ここを得点できず、3.4秒残して相手ボールにしてしまう。フロントコートからのスタートで十分シュートにつなげられる時間が残され、会場に緊張が走る。ゲームクロックが動き出し、早大は必死のディフェンス。しかしジャンプシュートを打たれてしまう。会場の誰もが息をのんだが、このボールはリングにはじかれ、その瞬間試合終了のブザーが鳴り響く。最後まで手に汗握る展開であったが、何とか勝利をもぎ取った。

緊迫した状況でも冷静に試合を運ぶ本橋

 またもや接戦を勝ち切った早大。幾度もピンチを乗り越え、チームは確実に勝負強さを身につけてきている。しかし選手たちは、この結果に満足していない。根岸は「勝ち切るというのはすごく大事なことだと思います。でも、もっともっと簡単に勝てる」とさらなるレベルアップへの意欲を見せた。ここまで6連全勝で突き進んでいる早大は、単独首位をキープ。無念の2位に終わった関東大学女子選手権大会、新人戦の雪辱を晴らすことができるのか。混戦が続く今大会を制するために、早大の戦いは終わらない。

(記事、写真 宮西祐香子)

第64回関東大学女子リーグ戦9月14日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 15 11 21 67
東京医療保健大 10 25 15 16 66
◇早大スターティングメンバー◇
G#14 神﨑由香(スポ4=福岡・中村学園女)
PG#15 本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
F#11 根岸夢(スポ3=東京成徳大)
F#18 関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)
C#25 桂葵(社4=愛知・桜花学園)
コメント

F根岸夢(スポ3=東京成徳大)

――きのうの試合をふまえ、きょうはどのような意識で臨みましたか

きのうはアジャストができていて、相手が何をしてくるかということが分かっていたんですけど、やはり最後はリバウンドルーズボールだと思ったので、そこを意識していました。

――きのうよりも苦戦した原因はどういったところにあったのでしょうか

相手のピックアンドロールのところが守り切れていなかったということと、あとは相手が止まったときの1対1が守れていませんでした。

――きのう、きょうとオフェンスに関して振り返ってみていかがですか

相手がオープンだったのでフレアをもっと使っていこうとしたんですけど、そこばっかりになって縦の動きが無くて、そこがあまり良くなかったということと、あとはオーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)に言われたことがすぐに表現できなかったということを修正していきたいと思います。

――萩原ヘッドコーチからはどのような指示がなされましたか

やはり横の動きばっかりになっている、と。関根さん(彩乃、教3=千葉・昭和学院)が一回縦のドライブをしたんですけど、そういう動きをもっと上手く使っていきたいです。

――リーグ戦では接戦を勝ち切ることができていますが

やはり一戦必勝なので、勝ち切るというのはすごく大事なことだと思います。でも、もっともっと簡単に勝てるんじゃないかなと。離せるところで離せるように、やることをしっかりやっていきたいと思います。

――来週の順大戦に向けての意気込みをお願いします

プレスでやってくるので、それに煽られて自分たちのプレーができなくなるのではなくて、自分たちのプレーをやりながら相手に対応していけるようにしたいと思います。

PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)

――きのうの試合をふまえて、きょう意識していたことは何ですか

きのうは一週間かけてやってきた東京医療保健大に対するアジャストというのが上手くはまって相手にしっかり対応できたので、それに対して相手がどう変えてくるかということを、先手を打って予測してディフェンスとかをいろいろ変えながらやりました。

――その相手の対策に対するアジャストはきょうの試合で実践できましたか

そうですね。試合のなかで上手くいかないこともあったんですけど、その都度しっかり修正できていたので、良かったかなと思います。

――きのうよりも苦戦したように見えました。その原因は何だったのでしょうか

横ばかりになっちゃって、縦の動きが少なくなっていたので、もうちょっと縦の動きを増やして動きのなかでプレーできれば良かったなと思いました。

――第4Q残り5分、タイムアウト後に一気に再逆転をしましたが、その時はどんなことを話していましたか

ディフェンスのところの修正点と、あとはオフェンスでは、シュートが入っていないだけだ、ということがあったので、そこをしっかり逃げないでやるということです。

――リーグ戦では接戦を勝ち切ることができていますが、その勝因は何でしょうか

やっぱりリバウンドルーズボールで、取られちゃっていたところもあったのですけど、そこを負けないでしっかり粘れたというところが、一番大きいかなと思います。

――来週の順大戦に向けての意気込みをお願いします

今週一週間で、自分たちの役割というのをしっかり全うしてきて週末のこの結果に繋がったと思うので、来週も、一週間のなかでやれることをやって試合に臨みたいと思います。