戦略的守備で相手をシャットダウン。連勝止まらず

女子バスケットボール

 秋のシーズン開幕からここまで4連勝と快進撃を続けている早大。きょうの対戦相手は、強豪・白鷗大に唯一の黒星をつけた東京医療保健大だ。攻撃パターンに適応したタイトなディフェンスで相手を封じ、オフェンスでは積極的に1対1を仕掛けてスコアを伸ばす。一時逆転を許す場面もあったものの精神面でのタフさを発揮し、勝負所で64−51で勝利を手にした。

 第1クオーター(Q)序盤から、早大の厳しいディフェンスが東京医療保健大を圧倒する。「1週間準備してきた結果」と桂が語るように、ピックアンドロールを得意とするオフェンスに、しつこく食らいついていく守備が機能した。守り切ってボールを奪い、速攻につなげて得点。早大の理想とするバスケットを展開し、課題となっていた立ち上がりの重さをクリアする。しかし東京医療保健大も劣勢のままで黙ってはいない。素早いパスワークでノーマークの選手をつくり、高確率でシュートを決めて応戦。流れは引き渡さないものの早大はセットオフェンスでの決定力を欠き、30−22と突き放せないまま前半を終えた。

攻守でバランスよく戦力になる加藤

 後半開始直後、早大の油断が見えた。前半で機能していたディフェンスに隙が見え、わずか1分15秒で7点を一気に詰められる。タイムアウトで連続失点の流れを断ち切るが、残り7分でついに逆転を許した。しかしここで早大は、続く大接戦を勝ち切ってきた勝負強さを発揮。PG本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)のスリーポイントシュートやF加藤臨(スポ2=山形市立商)のランニングリバウンドシュートで冷静に得点を重ね、43−35と再び8点差に広げて苦しい時間を逃げ切った。またC桂葵(スポ4=愛知・桜花学園)がのびのびとしたセンタープレーで6連続得点の活躍。続く第4Q、本橋からのバックドアパスをG中村和泉(社2=山口・慶進)がアリウープで決め、会場を沸かせる。前半で見せた強力なディフェンスに加えて、全員が1対1で仕掛ける積極的なオフェンス。終わって見れば64−51と最大の差をつけてこの試合を終えた。

桂の1対1は早大の得点源だ

 1週間ごとに対戦相手が変わる今大会では、毎週いかに相手に合わせた対策を準備できるかが大きな鍵となってくる。実力伯仲したチームが相手ならばなおさらだ。きょうはその対策が功を奏して白星を得た。しかし1日で相手がどのような修正を図って来るかは分からない。ここまでの連勝を続けていくためにも、盤石の体制で臨みたいところだ。

(記事 宮西祐香子、写真 角田望)

第64回関東大学女子リーグ戦9月13日(vs東京医療保健大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 13 17 17 64
東京医療保健大 10 12 17 12 51
◇早大スターティングメンバー◇
G#14 神﨑由香(スポ4=福岡・中村学園女)
PG#15 本橋菜子(スポ3=東京・明星学園)
F#11 根岸夢(スポ3=東京成徳大)
F#18 関根彩乃(教3=千葉・昭和学院)
C#25 桂葵(社4=愛知・桜花学園)

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コメント

C桂葵(スポ4=愛知・桜花学園)

――きょうはディフェンスで相手を制し切っていました

1週間準備してきた結果だと思います。オフェンスの形が決まっているチームで、毎回いくつかのパターンがあるので、こうときはこう、こういうときはこう、というふうに徹底的に分析して決めて。そうやって練習してきたことを忠実に守れたかなという感じです。

――逆にオフェンスでは桂選手が中心となって力を発揮していたように見えましたが、ご自身のプレーを振り返ってみていかがですか

そうですね。きょうは先週とかと違ってダブルチームに来なかったので、最初は自分のリズムがなかなかつかめなかったんですけど、途中から本来のプレーというか1対1のプレーができるようになりました。自分が点数を取れていないときに、周りが攻めてくれていて、そういうこともあって、きょうは本当に攻めやすかったです。みんなで1人1人が1対1を狙いながら攻めることができたので、きょうはやりやすかったんだと思います。

――このリーグ戦、試合を重ねるごとに桂選手がレベルアップしているように見えますが

みなさんからいままで「4年生は違うよ、4年生になったら分かるよ」と言われていたんですが、「何が違うんだろう」と本当に恥ずかしながら思っていて。でもやっぱり、4年生になったらことしは違うな、と思って。気持ちというか、懸ける思いが強いですね。それがプレーに表れていたらな、と思います。限られた時間のなかでどれだけ成長できるかということが問題だと思うので。この何ヶ月かの時間のなかでいかにバスケット選手として成長して、チームを支えられるか、というところです。試行錯誤しながら頑張っています。

――チームとしてはこのリーグ戦を通してどのような状態でしょうか

きょうは比較的プラン通りだったんですけど、本当に毎試合毎試合、リーグを通して厳しい試合が続いていて。自分たちのバスケットができているかというとそうではなかったりするゲームでも、ちゃんと誰かしらが力を発揮して、勝ち切るということができているので。上手くいっているというと嘘になるけど、何とか何とかみんなで戦っているという感じは強いですね。みんなで戦っています。

――あすはどのような修正をして臨みますか

オーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)からもあったんですけど、きょうはきょうなので。あした相手も切り替えてくるだろうし、きょう私たちがやっていたことがそのまま通用するかと言ったらそうではないので、きょうしっかりホテルに帰ってみんなでビデオを観て反省して、もう一度気合いを入れ直して頑張りたいと思います。

F加藤臨(スポ2=山形市立商)

――きょうの試合を振り返って

個人的に先週からシュートが入っていなかったので、ディフェンスとリバウンドから自分の波をつくろうと思ってやりました。

――ディフェンスが終始機能していましたが、どの点が良かったのでしょうか

東京医療保健大はピックが多くて特徴のあるオフェンスをするチームなので、それに対して一週間アジャストをして、外回り、ガードのドライブが多いのでそこを止めようということでやってチームディフェンスができました。

――リバウンドも取れていましたね

東京医療保健大の人たちは体が強いのですが、それについても一週間でアジャストして、そういう準備をしていたところで一発目を取れたので良かったです。

――後半開始直後に逆転されてしまった要因は

入りだしでかたちとして受けに入ってしまったところがあったのですが、タイムアウトで立て直すことができました。

――関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)ここまでを終えてご自身の調子はいかがですか

開幕戦は自分の中では7割程度で入れたのですが先週はあまり良くなかったので、2か月という長いリーグ戦で徐々に自分のペースを上げていければと思います。

――あしたへ向けて意気込みをお願いします

あしたも引き続きディフェンスをしっかりとやって、攻撃面ではチーム全体で80点を取れるように頑張っていきたいと思います。