課題の残る勝利となった。関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)第4週2日目。リーグ戦前半を締めくくる国学大戦で、ワセダは87-50と大差をつけ白星を挙げた。しかし第2クオーター(Q)では点差を5点までに詰められるなど本来のワセダのバスケットが展開できず、勝ちはしたものの選手たちにとって納得のいく1勝とはならなかった。
「相手が攻めたいように攻めていた」(藤生喜代美学生コーチ、スポ3=福井・足羽)。イージーシュートを落とし、ディフェンスでも試合の流れをつかめない試合序盤。第2Qでは得点差を詰められ、完全に受けに回っていた。「具体的なプレーどうのこうのというより、できるものをやらないのはだめなんだ」。ハーフタイム、萩原美樹子ヘッドコーチ(平17文卒=福島・橘)からのげきが飛ぶ。その言葉に奮起し、第3Qからはワセダの巻き返しが始まった。C傳田みのり(社4=神奈川・金沢総合)やF本多真実(スポ3=愛知・桜花学園)の積極的なプレーで、試合は次第にワセダペースに。タイムアウト時にはG浅原三友(社4=福岡・中村学園女)やF小原みなみ(社3=神奈川・金沢総合)などベンチメンバーからの声も聞かれ、本来のチームの雰囲気を取り戻した。第4Qは34-10と相手を完全に抑え、最終的には約40点差をつける圧勝。リーグ戦6勝目を挙げた。
毎週末の連戦で疲労がたまり、時にはチームの雰囲気や勢いに勝敗が左右されるリーグ戦。地力の差だけで勝負が決まらないのがこの大会の怖さであり、醍醐味(だいごみ)でもある。全国の強豪高校から選手が集い個々のレベルが高いワセダでも、一度流れが相手に渡るとそこから切り換えすことが難しい。大事なのは、試合の流れが相手にいきかけた際いかに自分たちのバスケットを展開できるか。「コートの中で対応する力を持っている子たち」(藤生)と本来の力を出し切ればどんな相手とも渡り合えるはずだ。そのためにもチームの士気を高める雰囲気や、コートにいるプレーヤーだけでなく、控えの選手、スタッフの声も必要不可欠となってくる。
2カ月間におよぶリーグ戦も折り返し地点。ことしはどの大学も実力が拮抗(きっこう)しており、リーグ最終戦まで勝負の行方の分からない激しい戦いが予想される。来月に控えるは強豪・筑波大、松蔭大、拓大との対戦だ。10月末、笑顔でコートに立っているのはどのチームか――来月からの6戦が本当の勝負だ。
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◆コメント
土橋比呂志監督(昭59年卒)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
出足はそんなに悪くなかったんですけど、終盤上手く展開しないところがあって、そこをチームで課題としてやってきたところだったので、マズイなっていう感じはありましたね。
――2Qで点差を詰められてしまった原因は
当たりに対してひいちゃってるところですかね。前は出足が悪かったんですけど、今回はいい感じでこれて、2、3Qで伸び悩んでいて競るケースが多かったので、その辺を修正する練習をしている中できょうみたいな展開になってしまったので、チームとして危機感はありますね。
――きょうで折り返しですが
出足で白鴎大に負けてるので、勝たないと次に繋がらないですからね。結果をみれば6勝2敗で優勝できるラインにいるので、優勝するためには、後半も激しい戦いが続くと思うんですが一戦一戦しっかりチャンスを逃さないでいきたいです。
藤生喜代美学生コーチ(スポ3=福井・足羽)
――試合を終えたいまの率直な感想は
後半は自分たちのやりたいバスケットができていたので一気に離すことができたんですけど、それを最初からどんな相手にでもできないとチャンピオンにはなれないのかな、と思いました。
――第2Qで相手に詰められた要因は何だと思いますか
だいたいディフェンスなんですけれど…。ボールマンプレッシャーで簡単にボールをキープさせないだとか、ドライブにいかれてもカバーがいるとか、そういったチームディフェンスで対抗していくのがうちのスタイルなんです。きょうは、ボールマンプレッシャーもない、マイマンにくっつきすぎてカバーもいない、と、相手が攻めたいように攻めていたので、その辺ができなかったことが詰められた要因かなと思います。
――ハーフでどんな指示を出されましたか
監督には、「具体的なプレーどうのこうのというより、できるものをやらないのはだめなんだ。どれだけ言えばわかるんだ」と言われて。自分たちでもそれを受け止めたのが一つと、あとは選手同士で「具体的にプレーをこうしよう」と話せていたので、それはすごくよかったんじゃなかったと思います。
――イージーシュートを落とす場面も見られました
常日頃のことでしかないですね。やはり、ああいうばたばたっとしたシチュエーションの練習ができているかを振り返ったときに、今週の練習はちょっとできていなかったかな、と。リーグ戦が始まったら出ていないメンバーが相手チーム役になって練習してくれるんですが、その動きがちょっと上手くできなかったので。練習でそういった点が準備できなかったのもあるかなと自分自身では思っています。でも準備できなかったとはいえ、コートの中で対応する力を持っている子たちなので、もっと自分たちでどうにかして乗り越えようという空気を出せたらよかったのかなとは思います。
――ことしはどの大学も実力が拮抗(きっこう)していて来月以降の戦いが非常に重要になってくると思いますが、次戦の筑波大戦はどういった点に注意して戦いたいですか
筑波はずっと安定して落ち着いたバスケットを展開しているチームなんですけれど、セットが多いんですね。だからその辺は準備をして入っていけると思うので、準備をした上で相手に合わせるのではなくて、自分たちがどういうバスケットを展開していくかだと思います。ディフェンスはプレッシャーをかけて、アグレッシブに守る。オフェンスは丹羽(裕美=スポ4、愛知・桜花学園)だけではなくて色んなところを起点にして、色んな選手が得点できるようなバスケットをする。2週間くらい空くので、そういうバスケットをもう一度練習して臨みたいと思います。