接戦ものにし、首位に並ぶ

女子バスケットボール

 第6週目を迎えた関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)、早大は5週目を終えた時点で首位に立っていた松蔭大と対戦。試合は前半からリーグ戦上位校同士らしい接戦となったが第4クォーター(Q)終盤に早大が突き放し74-67で勝利。リーグ戦通算8勝3敗とし首位タイとした。

 試合序盤は上々の滑り出しだった。早大はゴール下での競り合いに負けずリバンドで主導権を握る。相手のシュートがこぼれている間に順調に得点。ディフェンスもリズムをつかみ第1Qの松蔭大の得点を8点に抑えた。しかし第2Qの終盤リバウンドが取れなくなってくると早大のリズムが狂い始める。センターへのパスミスが目立ちシュートまでなかなか持っていくことができない。逆にペースをつかんだ松蔭大に残り2分で一気に点差を詰められ2点差。かろうじてリードを保ち35-33で前半を終える。

 後半に入ると一進一退の攻防が続く。早大は相手のファウルを誘い得点するも、松蔭大のエース・篠崎澪に攻め込まれリズムがつかみきれない。早大2点リードで迎えた第4Qも相手のタイトなディフェンスがガード陣を苦しめた。しかし、C丹羽裕美(スポ4=愛知・桜花学園)からのアシストパスなど、センターが起点となったプレーでシュートが決まり始める。ラスト5分までどちらに転ぶかわからない状況だったが、F神崎由香(スポ2=福岡・中村学園女)の連続得点で波に乗った早大が最後にリードを奪う。2本のスリーポイントなどで逃げ切り、最終スコア74-67。強豪相手に貴重な1勝を手にした。

 きょうの勝因はリバウンドだろう。特にディフェンスリバウンドでは松蔭大23本に対し、早大は31本。「試合が決まるのはリバウンドとルーズボール」(神崎)というように、全員で体を張ってボールを取りに行った結果が出た。混戦のリーグ戦、優勝のために1敗も許されない早大。あすもチーム一丸となって優勝への望みをつなぎたい。

(記事 穂積麻衣、写真 小笠原芳、巌千咲)


第62回関東大学女子リーグ戦

早大

74

18-8
17-25
17-17
22-17



67

松陰大
【スターティングファイブ】
G 森  仁美(スポ3=大阪薫英女学院)
F 神崎 由香(スポ2=福岡・中村学園女)
F 本多 真実(スポ3=愛知・桜花学園)
C 傳田みのり(社4=神奈川・金沢総合)
C 丹羽 裕美(スポ4=愛知・桜花学園)

◆コメント

萩原美樹子コーチ(平17二文卒=福島・橘)
――きょうの試合を振り返って
とても苦しかったですけど、選手が本当によくしのいでくれたなと思います。
――2Qで崩れてしまった原因は
少しメンバーを入れ替えたんですね。4Qで競ってくることは分かっていたので、そこで戦えるように主力を休ませたかった。それでリズムが少し崩れちゃったかなと思います。あとはディフェンスですかね。一気にいけそうなときにタイムアウトとられて、逆に相手に一気に行かれちゃったので。
――スリーポイントについて対策は
普通について、手をあげて、ドライブしてきたら周りが助けなさいというのは今週練習しました。
――優勝も見えていますが
うちももう落とせないので、私たちは私たちのできることをひとつひとつやっていこうと思います。
――あすに向けて
あすはもっと相手が向かってくると思うので。ここにきて本多がすごくよくなっているので、本多と丹羽を中心にできることをしっかり、相手のディフェンスを嫌がらないでいきたいです。

C傳田みのり(社4=金沢総合)
――きょうの試合を振り返ってください
第1ピリオドで点差を開けたのに第2ピリオドで追いつかれてしまったので反省しています。でも最後までみんなで粘れたのでよかったです。
――試合前にチームでどのようなことを話し合っていましたか
相手は最近、調子がよくていい流れで来ているけれど、自分たちはそのようなことを気にせずにチャレンジャーの気持ちでむかっていこうと話していました。
――勝因はどこだと思いますか
ほとんどの場面でリバウンドを取ることができたので、そこがよかったかなと思います。あと、最後の最後までコートとベンチ、応援してくれるひとたちが諦めないで戦ったことも勝因かなと思います。
――丹羽さんのアシストで得点するシーンが印象的でした
こんしゅうはその練習をよくしていてお互いの意思疎通ができていたので、コートで実際に使うことができてよかったです。練習の成果が出たと思います。
――あしたにむけて
きょうは第1ピリオドでつけた点差を詰められてしまったことが反省点だったので、あしたは波のあるプレーをしないようにしたいと思います。あしたは相手のボックスアウトはきつくなると思いますが、きょうのようにみんなで飛び込んでいってリバウンドで勝ちたいなと思います。

C丹羽裕美(スポ4=愛知・桜花学園)
――きょうの試合はゴール下のプレーだけでなく、アシストもさえていましたが振り返って
連戦をやっていく中で自分のところにボールがくることも分かっていたし、ディフェンスが寄ってくることも分かっていたので、そのための練習はしてきていました。
――練習通りできたということでしょうか
そうですね。練習でできなかったところをチーム内で改善し直したりしたので、それが出たかなと思います。
――松蔭大は長年因縁の相手ですが、きょうの一勝をどのように受け止めていますか
終わったばかりなのですごく嬉しいという気持ちが強いんですけど、連戦が続くので喜びだけに浸っていられないというか。あすは何かしら変えてくると思うので、構えすぎずにやることを全う出来たらいいなと思います。
――出だしは非常によかったと思いますが、第2Qで詰められてしまった要因は何だと思いますか
自分は(相手の)ディフェンスのつき方が弱冠変わったように感じました。それまでは接触プレーでずっときていたんですけど、間を開けられたときにどうしたらいいかというアジャストが取れなくて。でも交代した桂(葵=社2、愛知・桜花学園)が走ってだいぶかき乱してくれたので、自分も助かったし、頭を冷やすという意味でも場をもたせてくれて本当に助かりました。
――「今日はチーム力で勝った」と萩原コーチも仰っていました
そうですね。いつも接戦になると一人一人の視野が狭くなってしまうんですけど、きょうはみんな声が掛けられていました。試合中、1点差2点差というようにずっと接戦が続いていたと思うんですけど、「いまはリバウンド!」「いまはディフェンス!」とか、声掛けができていました。私たちのチームは、「崩れないためにはディフェンスとリバウンド」って言っているんですけど、きょうは全員が声を掛け続けられて、それに対して反応もできていたので、チーム一丸となって最後まで戦えたかなと思います。
――きょねんと比べて丹羽さんの笑顔が増えたと思いますが、どういった心境の変化がありましたか
いまメンタルトレーニングに取り組んでいるんです。簡単に言うと「笑顔だったらいいことが増える」っていう。後輩と話していても、私が顔をしかめると不安になると言われたので。いまオーさん(萩原コーチ)は私で(チームを)つくってくれているので、私が崩れるとみんな何かしら心に引っかかりができるんじゃないかなと思います。私ができることは笑顔で声を掛けることぐらいなので、それは全うしようと決めています。4年生だし、私が下級生だったときも、先輩が笑っていていたり、ミスをしても「いいよいいよ」と言ってくれていた方がやりやすかったので。少しでもみんながやりやすくプレーできたらいいなというのはあります。
――あすは松蔭大との2戦目ですが、どのように戦っていきたいですか
1戦目勝つと2戦目は受けて立ってしまうということが多いので。きのう監督にも言われたんですけど、『1戦1戦強くなっていく』ということを目標に、あしたはあしたで切り換えてみんなで戦っていきたいと思います。

F本多真実(スポ3=愛知・桜花学園)
―― きょうの試合を振り返って
第1Qで思いのほか点数を離せてこのままいけるかなってちょっと思ったんですけど、そういうわけにはいかなくて…。あの前半離せるところでしっかり離しておきたかったなというのが課題で、最後接戦を戦い抜けたといのは良かったと思います。
――勝因はどこでしょうか
リバウンドですかね。
――追い上げられた場面ではやはりリバウンドが取れてなかったように見えました
そうですね、ディフェンスで崩れてしまったのでオフェンスも良い流れができなかったので。
――松蔭大の篠崎澪選手は警戒していましたか
そうですね、5番(篠崎)と8番ですね。みんなで守ろうというのがありました。
――8勝3敗で首位だった松蔭大に並びました
自分はあまり周りのチームの勝敗を気にしていても仕方ないので、自分たちが負けてしまったら優勝の可能性は途絶えてしまうので1戦1戦、しっかり勝てば優勝が見えてくるので他のチームがどうとかはあまり考えてないです。
――リーグ戦も終盤ですが成長は感じますか
思います、すごく。あの白鴎の負けがいまの勝ちに本当につながっているなって思ってます。あの負けでやっぱりこのままじゃリーグ戦ダメだなってことで1日1日の練習もすごく変わってきて、本当に成長してるんじゃないかなって思います。
――あすに向けては
出たしの勢いのまま飛ばしていけたら自分たちのリズムでできるので、そのためにはディフェンスとリバウンドを集中してやっていきたいです。

G森仁美(スポ3=大阪薫英女学院)
――きょうの試合はいかがでしたか
最初は自分たちのバスケができて、いい感じで展開できたんですけど、追いつかれて厳しい試合でした。だけどしっかり気持ちで負けないで攻められたので良かったです。
――2Qで追いつかれてしまった原因は
タイムアウト後の、相手のやってこようっていう気持ちに対してこっちが構えられていなかったことですかね。
――スリーポイントに対しての対策は
基本的なことなんですけど、ハンズアップしようっていうのは徹底していました。
――森選手自身の調子は
シュートは入ったんですけど、センターに入れるパスとかがもうちょっと工夫できたらなと思います。
――あすに向けて
あしたもしっかり勝ち切りたいと思います!

F神崎由香(スポ2=福岡・中村学園女)
――きょうの試合を振り返ってどうでしたか
きょうはチーム的には最初の出だしが良かったんですが、途中で追いつかれた時にリバウンドやルーズボールの細かいところが出来てなかったのはダメでした。でも、最後に立て直せたのは良かったです。
――後半からはシーソーゲームでしたが勝負を分けたのはどこだと思いますか
監督からここで踏ん張ることがこれまでやって来た課題だということと、試合が決まるのはリバウンドとルーズボールと言われて、最後ディフェンスリバウンドも取れていたのでそこで勝てたと思います。
――マッチアップは得点力のある篠崎選手(松蔭大)でしたがディフェンスで意識していたことは何かありますか
持たせる前にディフェンスでしっかりつくことと、抜かれた時に諦めるのではなく最後までついていくことです。そうすればシュートも外れるとアドバイスをもらっていたので、そこを意識していました。
――あしたに向けての意気込みをお願いします
きょうの出だしは相手にビビっていたので、あしたは攻め気を出して頑張ります。