集中力を切らさず拓大に勝利!

女子バスケットボール

 関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)最終週1日目。ワセダは、強豪で春のトーナメントでは悔しい思いをした拓大と対戦した。序盤はお互いに譲らぬ攻防戦となったが、最終クォーター(Q)まで果敢に攻め続け、最後まで諦めなかったワセダが85-71で勝利し、春の雪辱を果たした。

 第1Q、相手の堅い守りに対し、なかなか点数が入らない。相手の一瞬の隙をつき、シュートを決めていくワセダ。しかし相手も譲らず、第1Q終了時で12-10とロースコアのゲームとなる。続く2Qもお互い一歩も譲らず、シュートの打ち合いに。どちらが有利とも言えない状況のまま前半が終了し勝負は後半にゆだねられた。

 迎えた後半、小さなミスを連発してしまい、相手に3連続で得点を決められてしまう。なんとか流れを取り戻したいが、勢いに乗った相手を止められない。第3Q残り5分のところで32-40と8点差をつけられてしまう。しかしこの日のワセダはいつもと違った。「これまでの自分たちだったらズルズルしてしまうところを、今ここで踏ん張らなきゃいけないんだよってことをみんなが察知して、とどまれた(藤生喜代美学生コーチ、スポ3=福井・足羽)」と語るように、F神埼由香(スポ2=福岡・中村学園女)が果敢に攻め込み次々と得点を挙げていく。第3Qを3点ビハインドで終え、勝負は最終Qへ。第4Qに入っても神埼の勢いは止まらない。神埼の活躍にこたえるように、C丹羽裕美(スポ4=愛知・桜花学園)がバスケットカウントで一気に流れを引き戻す。途中出場したF平田綾乃(社2=長崎西)が2本連続でスリーポイントシュートを決め、ワセダベンチの勢いも最高潮に。残り3分、勝負を決めたのはやはりエースの丹羽だった。もう一度バスケットカウントでフリースローをもらい、着実にシュートを決めていく。これで72-65。ワセダの勢いはとどまることなく85-71で勝利した。

 宿敵だった拓大にやっと勝利できた1戦だった。試合中、苦しいときでも選手の顔からは『笑顔』が見えた。選手全員が暗くならずに前を見ること、それがワセダの最大の強みだろう。あすで長かったリーグ戦もすべて終わる。この2カ月間、どんなにつらいときでも『笑顔』で戦いぬいてきたワセダなら、有終の美を見せてくれるだろう。

(記事 梁瀬智帆、写真 小笠原芳) 


第62回関東大学女子リーグ戦

早大

85

12-10
16-17
19-23
38-21



71

拓大
【スターティングファイブ】
G 森  仁美(スポ3=大阪薫英女学院)
F 神崎 由香(スポ2=福岡・中村学園女)
F 本多 真実(スポ3=愛知・桜花学園)
C 傳田みのり(社4=神奈川・金沢総合)
C 丹羽 裕美(スポ4=愛知・桜花学園)

◆コメント

藤生喜代美学生コーチ(スポ3=福井・足羽)
――きょうの試合を振り返って
みんな本当によく頑張ったな、成長したなって思いながら見てました。
――一番の勝因は
後半になって一回リードされたことがあったと思うんですけど、これまでの自分たちだったらズルズルしてしまうところをディフェンスやルーズボールで踏ん張れて。今ここで踏ん張らなきゃいけないんだよってことをみんなが察知して、とどまれたところが大きかったなと思います。
――精神的な面も関係していますか
そうですね。リーグ戦の中で色々な方に支えていただいたりアドバイスをもらったりしたんですね。みんな考え方が真面目だから、自分を責めたり落ち込んじゃったりするんですけど、そういう失敗したときほどお互いに喋って、次に取り組んで行こうっていうふうに考えていたんです。それがきょうはできたかなと思います。
――試合中に笑顔が増えたような気がします
合言葉で、「にもかかわらず笑う」っていうのをアドバイスしてくださった方がいて、それを再三意識しながらやっていました。
――拓大対策はなにかしていましたか
毎週試合相手のアジャストはするんですけど、オフェンスリバウンドが強いチームなので、それに対してしっかりボックスアウトしようということと、ガードの2人のチームなので、そこをしっかり止めようということはやってきました。
――望月主将(桜子、スポ4=千葉・幕張総合)の調子は
本当にいいキャプテンで、みんなでコートに立たしてあげたいっていうことで、ケガの状態は正直よくないんですね。だけど負傷するリスクを最大限に抑えて、きょうに合わせてきました。きょうなんとか立たせてあげることができたので、あすも是非と思いますね。みんなの信頼の証ですね。
――平田選手の調子は
よかったですね。きょう試合前に「すごく調子がいい」ってことは本人が言っていて、平田は自分で言うと本当に調子いいんで、オーさん(萩原美樹子コーチ、平17二文卒=福島・橘)使わないかなと思っていたら使ってくれたので、よかったですね。
――あすでリーグ戦も終わりですが
さみしいですね。選手にはあとの40分楽しんでほしいなと思うんで、きょうの勝ちは勝ちで喜んで、またみんなで話して、悔いのないように楽しんで思いっきりワセダのバスケットをしたいなと思います。

F神崎由香(スポ2=福岡・中村学園女)
――率直に、いまどんなお気持ちですか
めっちゃ嬉しいです。
――メンタルトレーニングの効果があったと藤生学生コーチは仰っていましたが
自分は最初迷いがあったので上手くプレーできなくて途中すごく怒られて。でも後半みんなが声を掛けてくれて切り換えられました。みんなは最初から笑顔でプレーできていたので、そこはよかったと思います。
――望月桜子主将が出場しましたが
望月さんはリーグ戦を一番大事に思っていて、ケガをしているときもチームのことを一番に考えていて。キャプテンで、一番自分が苦しいのに周りのことを気に掛けてくれていたので、監督(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)の方から、「監督のわがままだけど、望月を交代させたいから」ということで出場しました。みんなも望月さんのフォローをしながら頑張ろうと声を掛け合いました。
――神崎選手は前半不調だったものの後半は要所で連続シュートを決めるなど、上手く切り換えができていましたが、切り換えられた要因は
取りあえず「自分と葛藤するな」と監督に怒られました。自分でも迷っちゃってるな、というところがあったんですけど、そういうときに先輩も同期も後輩もみんな声を掛けてくれて、「いまやらなきゃ」って思えたので頑張れました。
――あすはリーグ最終戦ですが、どのように戦いたいですか
きょうは最初自分の中で迷いとかがあって、自分自身と葛藤してしまったんですけど、あすはリーグ最終日なので、自分のためにプレーをするんじゃなくて勝つためのプレーをしていきたいと思います。