関東大学女子新人戦(新人戦)優勝から1週間、東京都夏季選手権の初戦を迎えた。前期の集大成であるこの大会、4学年が揃って実戦を行うのは早慶定期戦以来約1ヶ月ぶりとなる。主力メンバーがベンチから見守る中、Bチームの選手が中心となって試合に臨んだ。早大は序盤から相手を寄せ付けず、快勝。112―39で危なげなく初戦を突破した。
シュートモーションに入る平田
第1クォーター(Q)、F小原みなみ(社4=石川・金沢総合)の得点で幸先良く先制すると、その後も連続ポイントを決めて試合開始直後から主導権を握る。コートを広く使ったテンポの速い攻撃で相手を揺さぶり、得点を重ねる早大。アウトサイドからはF平田彩乃(社3=長崎西)が高いシュート決定率を見せ次々とスリーポイントシュートを沈めると、インサイドでは小原がバスケットカウントを決めるなど得点力が爆発。38―10と相手を突き放してこのQを終える。第2Q、立ち上がりこそやや停滞した展開となるが、積極的にメンバーを入れ替えて流れを引き寄せる。終了間際には途中交代でコートに立ったG山田桃子(教1=千葉・幕張総合)が個人技で切れ込み、倒れながらシュート。観客を沸かせたこのシュートが決まり、57―17で前半を折り返した。
後半も早大の勢いは止まらない。新人戦でも活躍を見せたG中村和泉(社1=山口・慶進)のスリーポイントシュートを皮切りに得点を量産し、開始2分で相手にタイムアウトを要求させる。ディフェンスでは相手に自由な攻撃を許さず、カットしたボールを速攻につなげる場面も目立った。中盤にパスミスからマイボールを失う場面も見られたが、良いリズムを崩すことはなく87-30で第3Qを終える。続く第4QではF酒井愛(社2=神奈川・金沢総合)が豊富な運動量で攻守にわたってチームに貢献。要所で確実に得点を決め、リバウンドにも絡むなどオールラウンドの活躍を見せた。終盤、この日7本のスリーポイントシュートを決め、早大の得点源となった平田のシュートが相手のファウルを誘い、これがチームファウルとなる。平田自らフリースローを決め、112―39とし試合終了。難なくベスト8進出を決めた。
抜け出しでシュートする山田
新人戦で経験を積んだ下級生と上級生の力が融合し、ひとつのチームとしてさらに強さを増した早大。慣れないクラブチーム相手に「駆け引きが上手い」(平田)と不安要素もあったが、圧巻の試合運びでその不安をはねのけた。トーナメント戦ゆえ、優勝を目指す早大はこの先ひとつの負けも許されない。きょう得た自信を力に変え、次戦以降も早大らしいバスケを見せてくれることを期待したい。
(記事、写真 巖千咲)
結果
○早大112―39小平クラブ
コメント
F平田彩乃(社3=長崎西)
――きょうの試合はクラブチームとの試合でしたが、試合に入るにあたっての具体的なゲームプランなどはありましたか
どれくらいの強さかというのはわからなかったんですけれど、クラブチームだから駆け引きが上手いという事を最初にシキさん(藤生喜代美学生コーチ、スポ4=福井・足羽)に言われたので、そこを対応していくというよりはプレーしながら、自分たちが学ぼうみたいな感覚でやりました。
――第1Qから平田選手はスリーポイントシュートを積極的に狙っていた印象で、どんどん決めていらっしゃいましたが
そうですね、きょうやっと久々っていう感じなんですけど。トーナメント(関東大学女子選手権)の時に全然入らなくて、ちょっと自信なかったんですけど、オーさん(萩原美樹子ヘッドコーチ)とかにもフォームの修正をしてもらったので。相手も小さかったので、打ったら自分でリバウンド行こうと思って、思い切って打ちました。
――第1Qの終わりにはドライブからの見事なターンも見せていましたが、きょうのご自身の調子は
良かったんじゃないかなと思います。
――小原選手のゴール下での頑張りというのもあったと思うのですが
ソウさん(小原)がすごい中で体を張ってくれるので、外も空くし、リバウンドも行ってくれるので外も思い切ってシュート打てるのですごい頼りにしてますし、みんな信頼してると思います。
――その後は途中で出場し、ゲームを落ち着かせるプレーが目立ちましたが
上級生なんで、先週までが新人戦で優勝してみんなすごいゲームのキャリアを積んでいて。今週から3、4年生も入ったので、スタメンがいない分残りの3、4年生で頑張って。3、4年生が入ったからゲームが落ち着くぞみたいな感じになればいいなと思ってやっていました。
――1、2年生もハツラツとしたプレーを見せていましたね
チームの決まりをみんな分かるようになっていて、その中で自分のプレーっていうのも思い切り出来ていたので。凄くいいと思います。頼もしいです。
――来週は学芸大とブルドックの勝者との試合になりますが、来週に向けて意気込みを
学芸大には春に練習試合で負けたんで、こっちもスタメン居ないですし向こうもちょっとわかんないんですけど、みんなで勝ちに行きたいと思います。
G山田桃子(教1=千葉・幕張総合)
――初戦でしたが、きょうの試合を振り返っていかがですか
チームとして課題とかやるべきことを挙げてから試合に入ったのですが、それをしっかりとやり切ることができたのでよかったと思います。
――具体的にどのような課題ですか
チームオフェンスだったり、ディフェンスでも目的を持ってシュートを打たせないというところです。
――ご自身のプレーについて収穫はありましたか
きょうは(ボールを)持ったら1対1を狙うということを決めて試合に出て、結果的にシュートにつながっていたのでよかったと思います。
――ガードとしてどのようにゲームメイクをしようと考えていましたか
きょうはメンバーがたくさん変わって、普段あまり一緒に出ないメンバーともプレーする機会があったんですけど、それぞれの役割をしっかりと分けて、自分の役割をこなそうということだけを考えていました。
――新人戦の経験は生きていますか
新人戦を良い形で終えることができたのでチームに勢いがついていると思います。1・2年生もいままでは試合に出るだけで終わってしまっていたのが、新人戦を通して「自分たちがやるんだ」という意志を持つことができて、それがいい形でチームに還元されていると思います。――上級生とは久しぶりの実戦となりましたが
やっぱり上級生はしっかりとやるべきことをやっていると思うし、特にディフェンスの上手さが違うので、自分も見習わなければいけないなという気持ちでやりました。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
個人的には試合に出たらしっかりと声を出してチームを盛り上げようと思っているのと、練習でやってきたことを出し切ろうと思います。チーム的には、きょうのようにひとつひとつのプレーを大切にできたらいいと思うので、この勢いのまま頑張りたいと思います。