全員バスケで今季初タイトル獲得!

女子バスケットボール

 2011年、全日本選手権(インカレ)での優勝以来、昨季の関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)、インカレ、今季の関東大学女子選手権(トーナメント)とすべて2位。あと一歩届かず、悔し涙を流した日もあった。そんな早大が1、2年生のみで臨んだ関東大学女子新人戦(新人戦)。準々決勝では拓大に雪辱を果たし、準決勝ではトーナメントの決勝リーグ戦で痛い敗戦を喫した白鴎大を逆転勝ちで退けた。迎えた決勝戦、東京医療保健大に対してもディフェンスからリズムを作り、リードを奪う。後半は点差を詰められるも、第4クォーター(Q)で再び突き放した早大。71―51で勝利を収め、悲願の新人戦初優勝を飾った。

MVPを獲得した本橋

 はつらつとしたプレーで観客を魅了した。第1Q序盤、早大は早いパス回しから得点を狙うも、ボールはリングに嫌われリズムを作れない。一進一退の攻防の中、G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)が積極的なドライブインから得点を奪う。すると徐々に試合の主導権は早大ヘ。リバウンドから確実に得点を重ね、21-12と9点のリードを奪う。第2QではG田村未来(スポ1=兵庫・聖カタリナ女)がコート右端からドライブで切り込み、華麗なレイアップシュート。田村は直後にもスリーポイントシュートを沈め、連続ポイントで流れを作り出す。ルーキーの活躍も光り、早大は39-27とリードを広げて前半を終える。

 課題としていた後半も、全員でしっかりと守り切った。第3Q、早大は東京医療保健大の追い上げにあう。F根岸夢(スポ2=東京成徳)が8得点の活躍を見せるも、ディフェンスリバウンドを奪えない。3連続ポイントを許すなど、最大18点差あったリードを8点差とされこのQを終える。何とか逃げ切りたい第4Q。「コートを広く使おう」というベンチからの指示通り、パスやランを幅広く使いながら相手を揺さぶっていく。本橋、根岸、田村の3連続ポイントで一気に点差を広げると、最後まで自分たちのバスケを展開した早大。71-51で勝利を収め、笑顔の初優勝を手にした。

シュートをするG酒井愛(社2=石川・金沢総合)

 「苦しい場面でもみんな一人一人責任をもって粘れた」と本橋はこのチームでの収穫を口にする。苦しい試合も多くあった中、早大は最後まで諦めないバスケを見せてくれた。今大会で得た自信と経験を糧に、さらに多くの下級生がレギュラーを脅かす活躍を見せてくれることに期待したい。切磋琢磨(せっさたくま)していくことでチームはまた一歩、日本一へと近づいていくだろう。天に向け、高く掲げた人差し指のその先へ。彼女たちの挑戦は続く。

(記事 市川祐樹、写真 巖千咲)

表彰式後の選手たち

結果

○早大71―51東京医療保健大

個人賞

最優秀選手賞 G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)
ベスト8賞  F関根彩乃(教2=千葉・昭和学院)

コメント

G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)

――初優勝ということで率直な感想を聞かせてください

すごく嬉しいです。

――前半からリードを奪いながら、それを少しずつ詰められる展開になりましたが

前半いい感じに終われて、後半、拓大戦の時もだったのですけれど、後半追い上げられて自分たちで効率悪くて苦しい展開になってしまうところがあるので、そこはもう一度気を引き締めてやろうという事は話していたんですけど。でも詰められた時もそれぞれ粘って追いつかれなかったのでそこは良かったかなと思います。――第4Q(クォーター)の開始直後にベンチから「コートを広く使おう」という声がかけられていましたが

自分たちの癖として悪くなると狭くなっちゃうのがあって。そういうのがあったのでもっと広く使って攻められれば上手くパスランとかそういうのをうまく作れるという事で意識していました。

――その言葉がかけられた後の第4Qはリズムもよく、良い攻撃ができていましたね

本当ですか、良かったです。

――本橋選手自身も最優秀選手賞という事ですが

自分一人の力で貰ったわけではないですけれど、すごく嬉しいです。

――この2週間余り1、2年生のチームで戦って、得た収穫などはありますか

思ったよりみんな気持ちが強くて。苦しい場面でもみんな一人一人責任をもって粘れるすごく良いチームだなと改めて思ったので。そこはリーグ戦やインカレでも、3、4年生とからんだ後もつなげていきたいです。

――逆に3、4年生が入った時にこのチームと比べて足りないと感じる部分は感じましたか

技術的な面ではまだ3、4年生には及ばないので。1、2年生のチームでできていたことを3、4年生が入っても、もっと出せるように。遠慮しないでやることが一番大事かなと思います。

――秋のリーグ戦に向けて意気込みを

夏の練習をしっかり頑張って、リーグではまた優勝を目指して頑張りたいと思います。

F関根彩乃(教2=千葉・昭和学院)

――優勝していまの気持ちはどうですか

とりあえず嬉しいです。

――きょうの試合を振り返ってみて、どうでしたか

医療(東京医療保健大)は2部なんですけど、練習試合でも勝ったことなくて、でもきょうは出だしがすごい良くて、途中もみんな気を抜かないで、ちょっと詰められたりもしたんですけど、みんな気を抜かないで最後までやれたのが良かったかなと思います。あと、今大会全部なんですけど、みんなが攻め気を持っていて、全員で攻めて、ディフェンスも全員でやるっていうところが良かったと思います。

――どのようなゲームプランで臨みましたか

守り方とかもあったんですけど、自分たちのプレーをすれば結果はついてくるねって話してました。

――個人として良かった点はありますか

早稲田は小さくて、センターがいないんですけど、他のチームは180以上のセンターがいるので、自分が5番だったので、とりあえず前で持たせないように意識していて、それができたのが良かったです。

――今大会をどのように次につなげていきたいですか

今回1、2年生のチームで、2年生が最上級生としてやって、責任感も生まれたので、これからのリーグ戦も3、4年生に頼らないで責任感を持ってやっていけたらいいなと思います。

F根岸夢(スポ2=東京成徳)

――優勝を決めたいまのお気持ちは

嬉しいです。

――きょうの決勝戦を振り返っていかがでしたか

私前半は全然シュートが入らなくて、正直焦っていたんですけど、自分の中でリバウンドに切り替えようと思って。リバウンドとかディフェンスとかでつなごうと思っていたので、それができたのは良かったです。

――3Q追い上げにあいましたが、チームでどのような声かけをされていましたか

リバウンドを取られたら負けちゃうと思うので、そこと、ディフェンスを頑張ろうとみんなで言っていました。

――相手ディフェンスも厳しかったと思いますがいかがでしたか

そういうディフェンスでくるというのはわかっていたので、結構みんな対応できていたのかなと思います。

――早大のディフェンスはいかがでしたか

リバウンドは取れていたし、相手が大きいので中はみんなで守ろうというディフェンスだったのですが、そこでできていたところがあったので、勝ちにつながったのかなと思います。

――新人戦を通して、苦しい試合もあったと思いますが振り返っていかがでしたか

苦しい試合もあったのですが、そこを勝ってこられたというのはみんなの経験にもなったと思いますし、これから先輩たちとやっていく中で、ここで得たものをみんなが出していけたらと思います。

――今後に向けて

自分は攻めることをもっとしっかりやっていって、リーグ戦に向けてチームでもレベルアップできた状態で迎えられたらいいと思います。