オールジャパン三回戦敗退。今季の戦いを終える

女子バスケットボール

 2日の初戦、九州代表の鶴屋百貨店に粘り勝ちを収め、2003年以来となる皇后杯全日本総合選手権(オールジャパン)での白星を手にした早大。迎えた3回戦の相手は、タイトル奪還を狙うWJBL1位のJX-ENEOSサンフラワーズだ。多くの日本代表選手を要する強敵相手に厳しい展開が予想されたこの試合、序盤から格上の相手に試合の主導権を握られ、早大は防戦一方となる。固さの見られた前半に比べ後半は随所で持ち味を発揮するも、結果は67-99で敗戦。最終成績は3回戦敗退となった。

スリーポイントシュートを打つ森主将

 今季不動のスターティングメンバーが、再び代々木第二体育館のコートに立った。開始直後に先制点を決められると、立ち上がりは試合巧者な相手に対し攻め手を欠く。開始2分、C桂葵(社3=愛知・桜花学園)がリバウンドで競り勝ったボールをF本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)が落ち着いて沈め初得点を挙げるも、高さで勝る相手のインサイド攻撃を止めることができず、4分、早大ベンチは1回目のタイムアウトを要求。ここで交代出場したG田村未来(スポ1=愛媛・聖カタリナ女)が持ち前の運動量でルーズボールやリバウンドに積極的に絡む活躍を見せ、7分にはG本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)のスリーポイントシュートを演出するも、第1クォーター(Q)は9-27と大差をつけられる苦しい展開となる。第2Q、G中村和泉(社1=山口・慶進)がスリーポイントシュートを決めるなど下級生がチームを盛り上げると、4分、チームの大黒柱である桂がポストプレーからようやく得点を挙げる。早大はキープレーヤーにダブルチームを仕掛け徹底的なマークを図るも、フリーマンをうまく使われ、相手の勢いをなかなか止めることができない。劣勢の中、6分、森主将とF根岸夢(スポ2=東京成徳大)が連続でオフェンスリバウンドを奪い気迫のこもったプレーを見せるが、これも得点にはつながらず。22-48と点差を縮めることのできないまま前半を終えた。

 「もっと思い切ってやろう、ということを確認して入った」(藤生喜代美学生コーチ、スポ4=福井・足羽)後半の立ち上がり、本多、森、根岸が相次いで得点。テンポの良い攻撃が繰り出され、本橋のドライブがファウルを誘うなど相手に臆しない果敢なプレーがギャラリーを盛り上げる。守備では5分、フルコートのプレッシャーディフェンスを仕掛けると、本橋が自陣で奪ったボールを本多がシュートにつなげてフリースローを獲得。これを2本確実に沈め、反撃の兆しが見えてきた6分、森主将がスリーポイントシュートとバスケットカウントを沈めてチームを鼓舞する。4年生の気迫溢れるプレーで流れをつかむかと思われたが、終盤には相手にスリーポイントシュートなどで6連続得点を決められ、主導権を奪うことはできず。45-78で勝負は最終Qを迎えた。

得点に喜びの表情を見せるベンチメンバー

 泣いても笑っても最後の10分、早大が最後の意地を見せる。このQ4本のスリーポイントシュートで得点を重ね、土壇場での集中力を発揮。田村から本多へのロングパスが得点につながるなど、堅守速攻のかたちが何本も飛び出した。残り2分41秒、早大は最後のタイムアウトを要求し再びコートにスターティングメンバーを揃える。しかし、反撃はここまで。その後は得点を奪うことができず、最終スコア67-99でタイムアップのホイッスルが鳴り響いた。ジャイアントキリングを成し遂げることはできなかった。しかし、第4Qのスコアは22-21。本気で勝利を狙った選手たちの強い思いが、この数字に表れている。

 オールジャパン敗退は、4年生の引退を意味する。4位に終わった全日本大学選手権(インカレ)後、4年生メンバー全員がチームに残り仲間と共に日本一を目指す決断をした。「勝つことだけにこだわるのではなくて、ワセダらしく戦って最後みんなで笑って終わろう」(森主将)。今大会の目標をこう定め、ついに迎えた最後の日。試合後の4年生の表情には達成感が満ち溢れ、そこにはたくさんの笑顔があった。JX-ENEOSサンフラワーズという最大の強敵に持つ力の全てをぶつけ、幕を閉じた4年間のワセダでの競技生活。その経験の全てがかけがえのない「宝物」だと、森主将は言う。「この1年間を通して私たちが残したものを伝統として受け継いでいってほしい」(加藤千尋副将、スポ4=山形市立商業)。4年生の思いは下級生に託された。さらなる飛躍へ――。いまここから、早大の新たな歴史が作られていく。

(記事、写真 巖千咲)

★かつての戦友が、3年の時を経て対決

 早大の本多と渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)、岡本彩也香(JX-ENEOSサンフラワーズ)は、桜花学園高の同期。3人は全国高等学校総合体育大会(インターハイ)、全国高校選抜優勝大会(ウインターカップ)、ともに三連覇を成し遂げた黄金世代の主要メンバーで、高校卒業後、大学に進んだ本多とプロに進んだ渡嘉敷、岡本が3年ぶりに同じコート上で対戦した。試合後には談笑する姿も見られ、本多はかつての戦友との再会を楽しんでいる様子だった。

マッチアップする本多(右)と渡嘉敷(左)

第80回皇后杯全日本総合選手権
早大 67 9-27
13-21
23-30
22-21
99 JX-ENEOSサンフラワーズ
【スターティングファイブ】
G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園)
G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院)
F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大)
F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園)
C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園)
コメント

藤生喜代美学生コーチ(スポ4=福井・足羽)

――オールジャパンはこのチームで戦う最後の大会となりましたが、どのような位置付けで臨みましたか

インカレでは最後に自分たちのバスケットをして終えることができなかったので、4年生も全員残るという決断をしてチーム全員で挑んだ大会でした。相手とか勝ち負けを気にするのではなくて、自分たちがこの1年間取り組んできたバスケットをやって終わることができるような大会にしようと話し合っていました。

――強敵との対戦でしたが、収穫はありましたか

40分の中で、合格の時間帯と全くワセダらしさ、自分たちらしさを出せなかった時間帯と両方あったので、選手たちがその違いというものを感じて経験してくれたらと思いました。力の差がある対戦で何が求められていたかというと、学生らしく元気よく動きまわったり、ひたむきに頑張るとか、声を出すとかそういうことだと思うんですけど、何かどこかできれいにバスケットをしようとしていた時間帯があったので、ハーフタイムに「そうじゃないでしょ」、と伝えました。第3Qでは少しそれができるようになってきたのかな、という感じです。

――後半に入ってベンチの雰囲気も明るくなった印象を受けました

そうですね。ハーフタイムに、もっと思い切ってやろう、ということを確認して後半に入ったので、それがコート上の選手とベンチの選手、全員の意識が変わったきっかけだったと思います。

――4年生はこれで引退となりましたが、4年生について、いま思うことはありますか

バスケットの面では、本当に上手になったと思います。また、人としても日々成長していることを感じながら過ごしてこられました。彼女たちを一緒に過ごすことができた4年間、すごくいい時間をもらうことができて楽しかったですね。

――ご自身にとって、ワセダで過ごした4年間はどのような時間でしたか

選手としては2年間、そして残りの2年間はコーチとしてやってきましたが、後半の2年間は、正直楽しいことしかなかったです。ヘッドコーチ(萩原美樹子ヘッドコーチ、平17二文卒=福島・橘)には苦悩がたくさんあったと思うんですけど、自分はどうやったら選手に技術を伝えられるのか、選手たちを変えることができるのか、いろいろな試行錯誤を試させてもらいながら、同時に自分も成長させてもらえたので、本当にいい選手とチームに恵まれて感謝の気持ちで一杯です。普通、この年になってこんな時間は過ごせないだろうな、と思うので、ここに場所をもらうことができて、本当にラッキーですね、自分は。

――得るものが大きかったということですか

そうですね。指導者としてはまだまだ歩み出しなんですけど、このチームの中でいろいろな経験をさせてもらうことでその面白さを感じさせてもらえたので、これからも続けていきたいなと思います。

――きょうは1年生も含め、下級生の活躍も目立っていましたが

私たちがワセダに入った時と今とでは確実にカラーが変わっていますね。小さいけれどもひたむきに頑張るバスケットができる選手たちなので、ワセダの歴史を変えて言って欲しいな、と思います。ワセダのイメージを覆すような活躍をしてほしいと思いますね。

――今後の進路は

大学院に進んで、コーチングの研究室に入ります。それをしながら高校の非常勤もしつつ、またワセダのチームにコーチとして関わっていこうと思っています。

――では、最後に来季に懸ける意気込みをお願いします

この1年間チャレンジをしてきて、トップを目指すための考え方という面ではかなり成長してきたと思います。でも、本当の意味でトップを目指せるかということを考えたときに、フィジカルの部分とか、バスケットの駆け引きがもっと重要になってくると思うので、バスケットが上手になることと並行して、そこにさらに体の強さという二面性を兼ね備えられればと思います。3年生以下はきょう改めてプロチームと対戦して体の強さやプレーの質の差を感じたと思うので、これはこの機会がなければ感じられなかったことですし、フィジカルも心もこれからさらに鍛えるきっかけになればと思います。自分はそのサポートを頑張っていきたいです。

G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)

――この大会をどのように位置付けていましたか

インカレですごく悔しい思いをして、3位決定戦の時に全然ワセダらしい戦い方ができなかったので、それが悔しくて4年生も全員オールジャパンまで残りました。この大会は勝つことだけにこだわるのではなくて、ワセダらしく戦って最後みんなで笑って終わろう、ということを目標に、この1ヶ月間頑張ってきました。

――きょうの試合でワセダらしさを出すことはできましたか

前半はどうしても守りに入って受身になってしまったんですけど、後半は攻め気でディフェンスも仕掛けることができて、自分たちの持ち味やワセダらしさを出すことができたのではないかな、と思います。

――プレーで会場を沸かせる場面もありました。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

インカレのときみたいに気負うことなく、楽しんでやろうという気持ちの方が上回っていたので、やっていて楽しかったです。

――笑顔が印象的でした

そうですね、すごく楽しかったですね。本当にここまで残って良かったなと思います。

――下級生の活躍について、どう思われますか

プレー面については何も心配することなく、任せた、という気持ちで引退することはできますね。きょう気になったところで言うと、コートの中で話すことができる選手がまだ少ないと思ったので、そこはことしの課題でもあったのですが、引き続き努力して、来季はもっとコート内で盛り上げられる選手が増えてくれればいいなと思います。

――ワセダで過ごした4年間は、森選手にとってどんなものですか

一言で言えば「宝物」ですね。インカレのときもそうだったんですけど、本当にワセダに来て良かったな、と心の底から思っています。得られるものも大きかったし、本当に楽しい4年間でした。

――同期の4年生には、やはり特別な思いがあるのでしょうか

そうですね。これは同期だけに限らないんですけど、みんなに「ワセダに来てくれてありがとう」と言いたいです。

――主将としてこのチームを率いてこられましたが、後輩にメッセージがあれば教えてください

この1年間4年生を中心にしてやってきた泥臭いところ、例えばリバウンドやルーズボールといったところはしっかりと受け継いでほしいなと思いますし、逆に泥臭い部分だけでは勝つことができないということを学ぶこともできた1年間だったと思うので、ことし経験したことを次に生かしてくれることが私たち4年生にとってはこの上なく嬉しいことですね。私たちもそうですけど、代々の先輩たちが教えてくれた事を生かすことでワセダのバスケットがどんどん良くなっていくのかなと感じるので、経験したことを次に生かして欲しいと思います。

――今後、バスケットを続けられますか

バスケットはもう続けないので、きょうで本当に引退です。実は足をケガしてしまって、出られなかったらどうしよう、と最初はすごく不安に思っていたんです。でも色々な方に治療をしていただいてすごく良くなって、きょうこうやってコートに立てたことが本当に嬉しかったですし、色々な方が応援してくださっている中で、きょうこそその気持ちに応えられたのかなと思うので、それがすごく嬉しいですね。「やりきったー!」という感じです。

F加藤千尋副将(スポ4=山形市立商業)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

相手が日本一、優勝候補のチームだったので最初はちょっとビビっていた感じだったんですけど、だんだんワセダらしい形が出てきて、4年生もリン(森主将)とキー(本多)がすごく体を張って頑張ってくれていたので、最後のオールジャパンまで残ってよかったなと思いました。

――きょうの試合で引退となりますが今の心境は

終わったな、という感じです。この1年間は、自分のプレーだけじゃなくてチームのことも考えなくてはいけなかったので、うまくいかないことも多かったんですけど、この代々木で最後にJXという素晴らしいチームとやることができてよかったです。

――今シーズン副将としてチームをまとめてこられましたが、このチームはどんなチームでしたか

ワセダのいいところって層が厚いところなんですけど、出ているスタートだけじゃなくて控えのメンバーも自分の仕事を練習の時からしっかり出していて、試合になったらレギュラーがうまくいかない時に怒ってくれてちゃんと仕事をできる。そういうところをうまくつなげるように、1年間まとめてきたので、ワセダのいいところができたなと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

正直言うと、いつもいいところでケガをしてしまってチャンスを逃していたんです。でもそれ以上にプレー以外に学べることや成長した部分が多かったので、やり切った、と言えると思います。

――監督やコーチに伝えたい言葉はありますか

オーさん(萩原ヘッドコーチ)に指導してもらって、いままでのバスケ人生でできなかったことや苦手だったことを克服できたし、高校の時からポジションが変わったんですけど、また新しい発見というかすごく毎日成長できるように声をかけてもらって、そういう意味ではすごい人の下でバスケットをやることができて誇りに思います。シキさん(藤生学生コーチ)は、レギュラーもそうなんですけど控えの方をすごく大事にしてくださって、いつも声かけて褒めるだけじゃなくて叱咤の方もしてくださったので、シキさんがいなかったら4年間やって来られていなかったと思います。すごく感謝していますね。

――今後の進路は

バスケットは大学で終わりで、社会人としてワセダで学んだことをしっかり活かせるように頑張っていきたいと思います。

――後輩に向けて一言お願いします

ことしは4年生が2人しかスタートで出てなくて後輩の方が多かったけれど、後輩の力がないとチームは成り立たないと思っています。仲は良いんですけど、練習ではもっとやり合うとか、この1年間を通して私たちが残したものを伝統として受け継いでいってほしいなと思います。

F本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

結果的に出られないメンバーもたくさんいたんですけど、コートに立っている人たちがワセダらしく戦えたのがすごくよかったかなと思うのと、あと自分は高校の同期が相手チームに2人いたので、その同期と最後にやって大学生活のバスケットを終えることができたのがすごく悔いがなくてよかったと思います。

――きょうの試合で引退となりますが今の心境は

なんかすごく清々しい気持ちでほっとしている反面、次のステップが控えているので、いまは次に向けて、というよりは頭も心もリフレッシュしたいですね。

――きょうはプロチームが相手でしたが印象はいかがでしたか

学生と違って体の当たりやスピードもすごかったですけど、地味なところをきっちりとしているのが強いチームなのかなと思ったので、学生よりも隙がなかったです。

――渡嘉敷選手(来夢、JX‐ENEOSサンフラワーズ)とのマッチアップはいかがでしたか

手足は長いし動けるし(笑)。お互いやんちゃなところがあるので、楽しんでできたと思います。

――4年間を振り返っていかがですか

1年の時はバスケットが最優先じゃなくなった時期もあったんですけど、オーさん(萩原ヘッドコーチ)が来てから、主力として使ってもらえる嬉しさとか責任感というのをすごく感じた4年間でした。出ていない選手の気持ちも考えて、スタートとして出なくてはいけないということを実感しましたね。同期が(スタートとして)出ている2人と出ていない2人、といいう感じなんですけど、それでも一生懸命チームのことを考えて動いてくれていたので、そういう姿を見ると頑張らなきゃと思いました。

――4年生はどんな代でしたか

すごく仲がいいですよ。バランスがよくて、スタッフ半分選手半分でいろんなところに気が回る感じですね。

――監督やコーチに伝えたい言葉はありますか

自分は本当にオーさんに感謝していて、オーさんが来なければたぶんバスケも続けてないですし、自分の転機にすごく携わってくれた人というか、自分をもう一回バスケットに本気にさせてくれた人なので、すごく感謝しています。シキさんも、自分が1年生の時に腐れかかった時期からずっと見てくれていたので、2人がいなきゃバスケにこんなに打ち込んでいることもないと思います。

――今後の進路は

私はバスケで食べていく世界に入りますけど、でもきょうJX(-ENEOSサンフラワーズ)とやらせてもらってまだまだうまくなれるなと思ったので、向上心を持って一刻でも早くコートで皆さんに見てもらえるようになりたいです。

――後輩に向けて一言お願いします

本当にかわいいんですよね!先輩思いっていうか、すごくこのチームを愛してくれて、4年生も愛してくれて、後輩の力がなければここまで来られていないので、下が慕ってくれるほど上がやりやすいことはないですし、だからこそ自信を持って楽しくやってほしいかなと思います。

F小原みなみ(社4=神奈川・金沢総合)

――今季最後の大会が終わりました。オールジャパンを振り返っていかがですか

ずっと“ワセダらしく戦う”ということを目標にしていました。インカレが終わってからの1ヶ月、4年生が揃わない時期もあったんですけど、確実に昨年よりはしっかりとチームとして目標に向かって練習を頑張ってこれたので、そこの取り組みはすごく良かったと思います。試合に関しては、色々と課題もあったけれど、挑戦できた部分もたくさんあったので良かったと思います。

――きょうの試合にはどのような意気込みで臨みましたか

対戦の組み合わせが決まったときから、結果よりもワセダらしく戦おう、ということをみんなで話し合っていました。あとは、達成はできなかったんですけど得点の目標を決めたり、練習でやった相手へのアジャストをもう一度思い出そう、ということを確認して臨みました。いい取り組みができたと思います。

――ご自身の出場機会はありませんでしたが、ベンチから見ていてどのように感じていましたか

本当に最後だったので…。ちょっと攻めきれない部分もあったかと思うんですけど、ディフェンスで頑張ったりとか走ったりだとか、そういうプレーがでたことはすごく良かったし、4年生の本多と森もすごく頑張っていたので。森は足が痛かったみたいなんですけど、それを感じさせずに頑張ってくれたので、本当に良かったと思います。

――小原さんにとって、ワセダで過ごした4年間はどのような時間でしたか

ワセダに入ったときはそんなに強いチームではなかったんです。1年生のときのオールジャパンは1回戦負けでしたし、チームもバラバラな感じがしていて。でも自分たちの学年には藤生さんもいたし、もっといいチームにしよう、もっと強いチームにしよう、と思ってやってきたつもりなんですね、この学年は。2年のときにインカレ優勝して、結果として優勝は1回しか経験できなかったんですけど、確実にチームの雰囲気は変わってきたと思うし、すごく頑張れるチームになったと思います。4年間頑張ってきてよかったと本当に思いますね。

――同期の4年生にいま言葉を掛けるとしたら、どんなことを伝えたいですか

個性は強いんですけど、いい人ばかりの学年ですね。スタッフであったり、マネージャー、トレーナー、コーチ、そしてプレーヤーでもスタートとベンチと役割はバラバラに分かれていたんですけど、それぞれのやるべきことを精一杯やってきたと思うし、1年生の時から結構発言とかをする学年だったのですごくまとまっていて、いま思うとほんっとにいい学年だなと思います。みんなに「本当にありがとう」と言いたいです。

――これからのワセダを担う後輩たちに伝えたいことはありますか

2、3年生は背が高かったり、キャリアがある人がたくさんいて上手いので、声を出したりとか地味な部分をもっとしっかりやっていってほしいなと思います。3年生はメンバーが5人しかいないんですけど、最上級生になったらしっかりとチームを引っ張っていってほしいと思いますし、それだけに頼らずに、下級生ももっとチームの一員としてチーム作りに絡んでいってほしいなと思います。あと、試合に出ていない子達がすごく頑張っていて、試合に出れないとそのあとに居残り練習をしたりだとか、そういうことがすごくできるチームになったので、そういう子たちももっと試合に絡んで全員で戦っていってほしいと思います。

――今後の進路は決まっていますか

バスケットは続けずに旅行関係の会社に就職します。スポーツの分野に関わっていけたら、と思っています。もちろん後輩の応援にも行きたいと思うので、ちょくちょく顔出します(笑)。

C桂葵(社3=愛知・桜花学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

いわゆる技術的な面では課題もたくさんありましたが、自分たち自身が楽しんでできたので、最後の締めくくりにはいい試合だったと思います。

――高さのある選手とのマッチアップでしたが、印象はいかがですか

センターってこうやってプレーするんだ、と思いました。体の寄せ方とかシールの仕方とか、やっぱりゴール下のシュートを外さないな、とうことも感じたし、そういう一つ一つのことがマッチアップしながら勉強になりました。

――きょうはプロチームが相手でしたが、大学との違いというのは何か感じましたか

何もかもですね。フィジカルも違うしスピードも違うし、意味のないプレーがないというか、無駄なプレーがないというのをすごく感じましたね。

――きょうの試合でプロ相手に通用することやしなかったことなどありますか

通用しなかったこととして、強さはもう抑え込まれて動けなかったですし、自分自身はいつもセンタープレーをしていますけど、それがきょうは全然できなかったですね。通用した部分として、これが、というものはなかったんですけど、チームとして前から引っ掛けてディフェンスで流れを作ることで通用した時間帯もあったと思います。

――きょうの試合で4年生が引退となりますが、4年生に向けて一言お願いします

一言では収まらないんですけど、一言で言えば「本当にありがとうございました」という感謝の気持ちですね。私自身がプレー的にも気持ち的にも波のある選手で、なのにセンターという大事なポジションをスタメンで任されていて、たぶん4年生としても扱いづらいこともあったのかなと思うんです、頼りなかったですし。だけどそういう時も見捨てないでずっと期待してくれていたし、一緒に頑張ってくれたというか成長を見守ってくれた感じがします。私がことし1年間こうやってプレーできたのはやっぱり4年生がこういうチームを作ってきてくれたからだと思うので、とても感謝しています。

――この経験を次のシーズンにどうつなげていきたいですか

次のシーズンでは変わる部分と変わらない部分があると思うんですけど、また新しいシーズンになったら、同じワセダではあるけれどまた新しいチーム作りだと思うので、ことしの課題は引き続き持ち越して取り組んでいくし、ことし負けた悔しさもあるので、来シーズンはまたチャレンジャーとして、ことしの4年生みたいなチーム作りをしていければいいなと思います。