王者に一歩及ばず準決勝敗退

女子バスケットボール

 全日本大学選手権(インカレ)4日目。ベスト4に進出した早大は、昨年のインカレ決勝の舞台で敗れた大体大と対戦した。リベンジを果たしたい早大は前半、激しいディフェンスを中心に接戦を演じる。しかし、第3Qにミスから流れを失うと最大15点ビハインドを背負う苦しい展開に。第4Q終盤に追い上げを見せ3点差まで詰め寄るも、あと一歩及ばず、65-69で敗戦。昨年のリベンジを果たして決勝に駒を進めることはできなかった。

スリーポイントシュートを放つ森主将

 第1Q、G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)がジャンプシュートを決め先制するも、固さからかシュートをなかなか決めることができない。しかしオフェンスリバウンドに積極的に飛び込みチャンスを作っていくと、激しいディフェンスで大体大に得点を奪わせない。Q終了間際に本橋がスリーポイントシュートを沈め、17-13とリードして第1Qを終える。第2Qに入ると大体大のシュートが決まり出し、試合は拮抗した展開に。終盤、一時リードされるも、すぐさまC桂葵(社3=愛知・桜花学園)のポストプレイで逆転する。しかし相手にブザービーターを許し再逆転され、35-36と1点ビハインドで前半を折り返す。

 「第3Qに相手が一気に来た時に、こっちが受けにまわってしまった」と萩原美樹子ヘッドコーチ(平17二文卒=福島・橘)が語るように、第3Q開始早々に連続ターンオーバー。その隙を王者・大体大は見逃さなかった。リバウンドを支配されると、相手の勢いに圧倒されオフェンスも消極的となってしまう。5分間無得点が続くなどして、このQわずか6得点。大きく点差を離され、41-56とこの日最大の15点差をつけられて第4Qを迎える。何としても点差を縮めたい早大は、途中出場のF平田彩乃(社3=長崎西)のスリーポイントシュートで流れを引き寄せる。さらにG森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)もスリーポイントシュートで続き反撃の狼煙(のろし)を上げると、確実に点差を縮めていき残り2分、F本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)のスリーポイントシュートでついに点差は3点に。しかし粘る大体大も得点を返し、なかなか追い付くことができない。残り20秒で再び本多がスリーポイントシュートを沈め、3点差に戻すことに成功するも、反撃もここまで。無情にもタイムアップのブザーが響き渡り、最終スコア65―69で敗れた。

試合後、肩を落とす選手たち

 『王座奪還』を目標に掲げてきた早大。しかし、昨年のインカレ決勝の舞台で涙をのんだ因縁の相手に勝利はならず、『王座奪還』を成し遂げることはできなかった。「一言で言えば悔しいしか出てこない」と森主将が語るように、選手の顔には悔しさが滲んだ。優勝には惜しくも届かなかった。しかし、まだ3位決定戦が残されている。相手は関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)優勝の白鴎大。リーグ戦での対戦成績は2戦2敗だった相手であるだけに、今回こそリベンジを果たしたいところだ。インカレ最終戦、選手たちの最後の輝きに期待したい。

(記事 東哲也、写真 巖千咲)

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第65回全日本大学選手権
早大 65 17-13
18-23
6-20
14―13
69 大体大
【スターティングファイブ】
G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園)
G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院)
F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大)
F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園)
C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園)
結果

●早大65―69大体大

コメント

萩原美樹子ヘッドコーチ(平17二文卒=福島・橘)

――大体大に惜しくも敗れました。試合を振り返って

第3Qですね。第3Qが全てです。弱いな、と思いましたね。前半こっちがあれだけやって、向こうとしては不本意だったと思うんですよ。そこで第3Qに相手が一気に来た時に、こっちが受けにまわってしまった。そういう意味では、ひとことで言うと弱い、弱いなと思いました。

――弱い、というのは精神的にということですか

そうですね。向こうが攻めてきたときに、もう一度やり返すぞ、というところで、力みもあったしハートが弱いなと思いました。

――第4Qに盛り返しましたが

もちろん「諦めるなよ」ということは言ったんですけど、あそこで盛り返すんだったら、第3Qの出だしのところで必要以上に離されないことの方が大事だったと思うんですよね。あそこでバタバタとしてしまって点差が開いてからどうにかしようと思っても、それはちょっと違うのかな、と。やっぱり競っているときに、しっかりガツンと返すことができないといけないと思うので。弱いな、と思いますね。

――最後のタイムアウトではどのようなことを伝えましたか

3点差なのでディフェンスをしっかりと頑張ることと、ボールを取ったときのオフェンスの指示をしました。あとはファウルをするかしないかの指示をしました。そういうところも含め、追い上げられてもしっかりと自分たちのバスケットをした大体大さんの方が強かったな、と思いますね。

――優勝という目標に届きませんでしたが、チームに今どのようなことを伝えたいですか

インカレを優勝している子達もいるので、彼女たちは「王座奪還」という気持ちでやっていたとは思うんですが、私としてはチーム作りは毎年別のものだと思ってるんですね。そういう意味では、「王座奪還」というよりは「チャレンジ」というつもりでやってきたので、ことしの初めはこの先どうなるのかな、と思った部分もあったけれども、チームになった、という意味ではよくやってくれたと思います。ただ、あしたも試合があるので。3位で終わるのと4位で終わるのでは全く違うので、相手は白鴎大ですし、しっかりと頑張りたいと思います。

G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

一言で言えば悔しいしか出てこないです。やっぱり勝てるところはたくさんあったと思うので、自分たちの力不足だったと思います。

――昨年のリベンジということで、試合前に話し合ったことはありましたか

リベンジという気持ちももちろんありましたが、まずは目の前の相手に負けないということを意識して入りました。

――試合に関しては、第3Qが全てだったのでは

オフェンスが悪かったというのもありましたが、オフェンスが悪い時間帯にディフェンスでもリバウンドのところでやられてしまったのが痛かったと思います。あとはやっぱり、オフェンスで相手の勢いに負けてしまって慎重になりすぎて、みんなの足が止まってしまったと思います。

――第4Qの残り40秒、最後のタイムアウトの時の指示はどのようなものだったのでしょうか

とりあえず、2点でも3点でも早めにシュートを打って、ディフェンスはノーファウルで守ろうということでした。

――マッチアップが奥原選手(左智、大体大)でしたが意識していたことはありましたか

キーマンだったので、そこでやられたら相手の流れになると思ってプレーしていました。相手の得意なプレーを前半は抑えられた思うんですが、後半はやられてしまったので悔しいですね。

――あしたの3位決定戦への意気込みをお願いします

『王座奪還』はできませんでしたが、4位と3位では全然違うと思うので最後のインカレは絶対に勝って終わりたいです。相手も白鴎大でこれまでのリベンジができるチャンスなので、絶対に勝ちたいと思います。

F本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)

――昨年のリベンジマッチとなりましたが、どのような気持ちで試合に臨みましたか

気持ちが入りすぎてしまっていて、自分を筆頭にすこし力が入ってしまったのかな、というのがきょうの反省点ですね。

――前半は互角の戦いでした

前半もそこまで良い雰囲気ではなかったんですが、なんとか下級生が主体となってつないでくれていたので、それを継続しなきゃいけなかったと思います。

――ハーフタイムにはどのようなことを話し合いましたか

相手が大体大だから、とかではなくて、この試合というものはどこの場所であろうと何も変わらないからいつも通りやりなさい、と言われました。

――第3Qに相手に離されましたが

そうですね。あそこが敗因ですね。点数が取れなくて。自分が何もできなかったことが、きょうの負けの原因ですねz。

――優勝という目標には届きませんでした

まだ終わっていないので。あした白鴎大にリベンジする機会があるので、しっかりと勝ち越して終わりたいと思います。

G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

第3Qのところで出だしが悪くて、勝負どころで粘れなかったのがすごい悔しいです。

――大体大へのリベンジということでしたが、意識したことは

個人的に今までの試合があまり良くなくて。だけどもうここまできたら思い切りやろうと思って、昨年のリベンジもあったので攻め気を持って戦いました。

――第1Qの入りが良かったと思いますが、いかがですか

逃げないでシュートまで自分で行けたのが良かったと思います。

――後半の入りが悪かった要因は

今まで通りにできなくて、少し後半で浮き足立っちゃったかなというのがあります。

――最後の追い上げで一歩及ばなかったですが、相手との差はどこにあったと思いますか

最後の追い上げはすごい良かったと思うんですけど、第3Qのところで引いちゃったのが後に響いたのかなと思います。

――あしたの3位決定戦に向けて抱負をお願いします

3位か4位かでは全然違うので、最後勝って終われるように一試合通してワセダのバスケットができればいいなと思います。