83―57と大差をつけ、きのうの筑波大との第1戦をものにした早大。前日に比べスコアは落ちたものの76-63で相手を下し、関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)最初の山場と思われた筑波大との2連戦を制した。これで白鴎大、松蔭大とともにリーグ戦いまだ無敗、開幕6連勝とした。
ドリブルで相手ディフェンスをかわす本橋
第1クォーター(Q)、筑波大攻略のキーワードであるプレッシャーディフェンスで流れをつかむ早大。開始早々G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)が連続ポイントを奪うと、G森仁美主将(スポ4=大阪薫英女学院)がスティールしたボールを速攻につなげF根岸夢(スポ2=東京成徳大)が華麗なレイアップシュートを決める。冷静なプレーで着実に得点し、19―12で第1Qを終えた。しかし続く第2Q、序盤にパスミスや不要なファウルを重ねてしまう。ここでベンチがすかさずタイムアウトを要求。落ち着きを取り戻した早大は、F加藤臨(スポ1=山形市立商業)とF本多真実(スポ4=愛知・桜花学園)が連続でスティールから得点を決め、流れを引き寄せる。その後、攻め急ぐあまりパスの精度を欠く場面も見られたが、点差を縮められることはなく37-25で前半を折り返した。
第3Q、C桂葵(社3=愛知・桜花学園)が爆発的な得点力を見せる。「きょうの後半でやっと修正できた」(桂)と振り返るように、前半は厳しい相手マークの前に攻めあぐむ様子も見られたが、後半に入り覚醒。このQ15点を奪う活躍でチームをけん引し、相手を大きく引き離して64-42で最終Qを迎えた。第4Qも早大の運動量が落ちることはなかった。根岸がオフェンスリバウンドに何度も絡み攻撃チャンスを増やすと、守っては本橋が徹底したボールマンプレッシャーで相手にボールを運ばせない。攻守がかみ合い余裕が生まれたところで、早大は続々とベンチメンバーをコートへ送り出す。勝利へラストスパートをかけたいところであったが、単調な攻撃が続き5分から得点が止まると、相手に5回ものフリースローを与えるなどファウルも連発。終盤には相手の追い上げにあうが、リードを守りきり、最終スコア76-63で6つ目の白星を手にした。
囲まれながらもシュートを狙う桂
サイズで劣る筑波大に対し早大の強みを生かしたバスケットで2連勝を収めたものの、思うようなプレーができなかった第4Qについて、本橋は「来週に向けてもう一度気を引き締められる良い経験になった」と厳しい言葉を残した。この勝利に浮かれることなく、選手はすでに先を見据えている。悲願のリーグ戦制覇へ――。戦いはまだ始まったばかりだ。
(記事、写真 巖千咲)
★関連記事
結果
○早大76―63筑波大
第63回関東大学女子リーグ戦 | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 76 | 19-12 18-13 27-17 12-21 |
63 | 筑波大 |
【スターティングファイブ】 G 本橋 菜子(スポ2=東京・明星学園) G 森 仁美(スポ4=大阪薫英女学院) F 根岸 夢(スポ2=東京成徳大) F 本多 真実(スポ4=愛知・桜花学園) C 桂 葵(社3=愛知・桜花学園) |
コメント
C桂葵(社3=愛知・桜花学園)
――きのうと比べてきょうはどのようなゲームでしたか
きのうは第2Qでディフェンスが成功してみんなのシュートも入って相手を離すことができたんですけど、きょうは自分自身が前半すごく調子が悪くてなかなか点差が離れないなかで、我慢の展開で焦らずに1点ずつ取って最終的に勝てていればいいという試合でした。
――2試合を通して得た収穫はありますか
相手に同じ高校の同級生の白(筑波大)がいて、大きいし強いし5番で同じポジションということで対戦するとやりづらさがありました。自分自身それが原因で攻めあぐねていて葛藤していたんですけど、私がうまくいかない時にみんなが頑張ってくれて、自分があまり機能していなくてもチームとしてうまくできたと思うので。2試合かかってしまったんですけど、きょうの後半でやっと修正できたというかみんなに追いつけたので、同じ相手と戦う中で自分自身で修正できたことが良かったのかなと思います。
――第3Qで得点を量産していましたが、前半と後半でなにか心境の変化があったのでしょうか
前半、守られていて全く攻められなかったんですけど、ハーフにオーさん(萩原美樹子コーチ、平17二文卒=福島・橘)が怒ることなく励ましてくれたり、シキさん(藤生喜代美学生コーチ、スポ4=福井・足羽)も一対一の相手をしてくれたり、同期の神崎(由香、スポ3=福岡・中村学園女)もアドバイスをくれたり、それですごく気持ちが落ち着きました。やるしかないな、と思いましたね。インサイドで得点を取らないとリズムが生まれないなと思ったので。二日分の得点だったと思います。(笑)
――来週に向けて課題はありますか
国学院大のセンターも大きいので、どうしてもオフェンスに目が行きがちなんですけどディフェンスを意識して頑張っていきたいです。
G本橋菜子(スポ2=東京・明星学園)
――筑波大との2連戦を振り返っていかがですか
今週、筑波大戦に向けてボールマンプレッシャーとトラジションを速くしようということを決めてキーワードでやってきたんですけど、それをこの試合でしっかりできたので良かったかなと思います。
――今後につながる収穫はありましたか
点差が離れてベンチメンバーの人もたくさん出られたんですけど、そこでちょっと点差が縮まった部分があったので、そういう展開になってもしっかりディフェンスで守る、ディフェンスでは絶対にやられない、ということを来週に向けてもう一度気を引き締められる良い経験になったかなと思います。
――ディフェンスがキーワードとして挙げられていますが、具体的にどのような狙いを持ってプレーしましたか
相手のチームの普段出ているガードがけがをしていて控えの人がスターターで出ているんですけど、そこに対して早く捉えて、ボールマンプレッシャーを前から当たって相手のミスを狙おうというディフェンスをやっていました。
――オフェンスについて狙いはありましたか
筑波大はセットプレーが多くてどうしてもロースコアな展開になってしまうので、相手のセットプレーのリズムに合わせないで、決められても自分たちがトランジションで早く展開するバスケットをして、80点代ぐらいのバスケットをしていこうと話していました。
――来週の国学院大戦に向けて、どんな準備をしていきたいですか
国学院大にも特徴があるので、チームでなにをやるべきかをまたしっかりと考えて、そこをキーワードにして重点的に取り組んでいけたら勝てるかなと思います。