12月2日に開幕した全日本大学選手権(インカレ)。早大は3校による予選リーグの初戦で東海大九州に快勝。続く神戸医療未来大との再延長にもつれこむ接戦を制し、決勝トーナメントへ進出しました。1回戦で京産大に見事競り勝ち、2回戦で東海大と対戦。昨年王者の壁を破ることはできず、今シーズンの戦いを終えました。このインカレをもって引退となる4年生6名のコメントをご紹介します。
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昨年王者・東海大に完敗し2回戦で敗退 今シーズンに幕を下ろす
F細溪宙大主将(教4=東京・早実)
――今日の東海大戦を終えての感想をお願いします
やっぱり、関東1部の壁は高かったなと思いましたね。東海は今後も長い期間1部にいるだろうし、トップ選手たちがいる中で、外から見ていても差は明確にありましたし、コートの中でプレーしていた人間も感じたところだと思います。
――トーナメント2回戦まで勝ち上がりましたが、インカレ全体を振り返っていかがですか
「東海に勝ちたい」、「代々木に行きたい」という目標を掲げていて、最後東海には敵わなかったですけど、東海大九州も、(神戸)医療(未来)も、京産も、どこも全部弱いチームではなかったので、しっかりそこを勝ち切れたっていうのは、チームとしては良い大会の過ごし方だったと思います。
――入学してから今まで、どんな4年間でしたか
ネガティブなことと、ポジティブなことを一つずつ言うとしたら、一つは後悔しかないような4年間だったなというのがあります。下級生の頃は、「絶対俺が試合に出てやる」という思いがありましたが、だんだんバスケットに対して、「自分がやってやる」とかじゃなくて、「キャプテンとしてチームにどう声をかければいいのか」などと変わっていきました。最終的にコートに立って引っ張っていけていたらどれだけ良かったかなと。そこに至らなかった自分の練習不足だったり、そういう後悔が残る4年間でした。でもこういう後悔だったりとか、それこそこの1年間キャプテンを経験させていただいて、しかも関東1部にいろんなチームがあって、いろんなキャプテンがいる中で、こんなに試合に出られないキャプテンもあまりいないと思っていて(笑)。多分、試合に出た方がチームを引っ張るのは簡単なんですよ。そういう中で、こういう経験ができたっていうのは、他の大学生じゃできないことだし、良い経験をさせてもらったなと思っています。
――一緒に戦ってきた同期や後輩に伝えたいことは
後輩には、来年またこのインカレの舞台に帰ってくることを願っているということを伝えたいです。同期は、いつの間にかこんなに少なくなっちゃったんですけど…(笑)。ここまで残ったやつらは本当に、しんどいことの方が多かったんじゃないかっていう4年間で、苦しいことの方が多かったってみんな言っていますけど、こんな思いを一緒にする人間って今後出会えないと思っていて、ここまで残った5人との関係は一生ものなんだろうなって思っています。
F星川堅信(スポ4=京都・洛南)
――今日の東海大戦を終えての感想をお願いします
今日はもう完敗です。だいぶレベルの違いが出たなぁっていう感じかな。フィジカルから始まり、プレーの精度やディフェンスの強度など、差を感じました。
――試合後にチームで話したことは
引退なので、最後に4年生一人ひとり挨拶をする場が設けられて、それぞれみんなへの感謝とか、同期への思いとか、森さん(森一史アシスタントコーチ、令4スポ卒)への感謝とかを伝えました。僕は、早稲田って東海とか筑波とかと違って、プロになりたい人が集まっているわけじゃないから、みんな就活もして、バスケは大学卒業で終わりっていう人が多くて、そういう中で、バスケットをする楽しみを感じて、いろんなものが選べる中でもあえてバスケットを選んでほしいなっていうのを伝えました。俺とか、去年だったら大輝さん(土家大輝、令5スポ卒=現福島ファイヤーボンズ)とか、その前だったら一樹さん(宮本一樹、令4スポ卒=現滋賀レイクス)とか、プロを目指してバスケットに取り組んでいる人たちからは、引退の場のコメントで、「俺みたいにならないでほしい」みたいな言葉が出ないわけ。去年も、クレイさん(宮川丈クレイトン、令5商卒)は自分のバスケットへの取り組みを後悔して、「俺みたいにならないで」って言って、引退していきました。今日のみっちー(細溪)も結構それに近いかたちで。そういう、バスケットに気持ちを燃やせずに引退になるのは、卒業と同時にバスケットは終わりだと決めている人たちなのかなと思います。
――トーナメント2回戦まで勝ち上がりましたが、インカレ全体を振り返っていかがですか
みんなで勝てるのはやっぱりおもしろいなって、純粋に思いました。スポーツは勝つことに一番の喜びがあるなって感じたかな。予選リーグ最初の東海大九州戦は大差で勝てて、その後東海大九州が(神戸)医療(未来)に勝ったので、医療に負けても、点差次第ではグループリーグを勝ち進めるかたちだったけど、予選の2試合目も勝つことができました。京産大戦も接戦だったけど、無事に勝てて、そうやって勝ちを重ねるごとに、チームが結束していく感触もあったし、勝つことに喜びとか楽しさがあるなと感じました。
――入学してから今まで、どんな4年間でしたか
勝率で言っても、楽しいことと苦しいことの割合で言っても、負けたこととか苦しかったことの方が多かったかもしれないけど、それでもこのチームでプレーできて、このチームの一員としてバスケットができて良かったなと思えているし、高校の時よりも、みんなのおかげでバスケットができているんだと感じてプレーできた実感があります。そこは、自分で言うのもなんですけど、良い過ごし方ができたかなというか、良い学び方ができたのかなと思っています。みんなのおかげで。
――一緒に戦ってきた同期や後輩たちに伝えたいことは
ありきたりなことを言わないとしたら、さっきもミーティングで言ったんですけど、自分の好きなことをあえて選ぶっていうのが、自分にとって良い材料になると思っていて、今はポチれば動画が見られて、食材が届いて、みたいな、簡単に趣味が楽しめたりする世の中で、一見無駄に見えるようなものでも、自分が好きだと思えたら、やっていくべきだと思います。あとは最近、みんな日本語を話しているけど、その人によって言語体系みたいなものが違っているなというのを感じるので、その自分ならではの、言葉を発声する感じを形成していってほしいって思います。名言とか格言とか、いいなと思える言葉たちはたくさんあるけど、自分の中から出そうと思ったら出てこないことが多くて。これだけは真実だと思える、自分ならではの言語体系を形成してほしい。何言ってるかわからないよね。俺も何言ってるかわからない(笑)。本を読んでいると、こういう言葉がどうやって出てくるんだろうなって思います。本を読んでください。あえて、この時代に。
田口聖和学生トレーナー(スポ4=愛知・松陰)
――インカレを終えての感想をお願いします
特にこの1カ月は個人のこと含め様々なことが重なり辛かったですが、一旦区切りがつき、やり切ったなという感覚です。あとは、最後に東海大学さんとやれてよかったです。個人的に4年間、フィジカルデータだったりを東海大学さんから引っ張ってきて、比較対象にしてきました。最後にあれだけの強度と完成度を見せられて圧巻でした。僕は進学までチームにもう少し残らせていただくので、もう一度出直しだなという感覚です。
――入学してから今まで、どんな4年間でしたか
入学の頃はトレーナーの実習をできるからという感覚で入部をしましたが、4年間でそんなスキルよりも大切なものを何個も学ぶことが出来たと思います。それぞれの人との関わり方であったり、組織運営の面であったり、人として大切なことを考えることができたなと思っています。こんなこと言っていいかわかりませんが、トレーナーのスキルという面はこの部活で学んだことの一割にもいかないんじゃないかっていうくらい(笑)。特に上級生になるにつれて考えることが沢山出てきて楽しかったです。個人的な話になれば、正直きつかったなという感想です。精神力はとてつもなく進化したかなと。特に2、3年のときには朝7時から10時までバイトして2限から所沢で授業受けて、4限終わって部活行って帰宅が11時とかだったり。オフの日も1~4限にプラスしてトレーナーの実習を別の場所で行ったりしていて、今考えると自分でもすごいなと思います(笑)。部活を理由に様々なことができなかったり、部活をいい理由にして逃げていた自分がいるので、これからはもっといろんなことに触れられたらと思います。これから少し時間が増えるので、部活だけでなく家族や友達との時間と沢山過ごしたり、新たなことをしてみたりできればなと思います。
――同期へ伝えたいことは
同期が減っていく中で、それぞれにたくさんの役割が増えたり、試練があったと思います。そんな中このメンバーだからこそ一緒に乗り越えれたと思います。それぞれ道は違いますが、今後に活きる、一生残る4年間を作ってくれてありがとうと言いたいです。
――最後に後輩へメッセージをお願いします
こんな4年生でしたが、4年生のために頑張ると言ってくれてありがとう。学生ミーティングでも話しましたが、誰かのために頑張ることは素晴らしいことだけど、誰かのために頑張るという形ではなく、自分が頑張った結果それが誰かのためになっていると思います。自分は、みんなのチャレンジする姿を見てもう一度自分の夢を諦めずに頑張ろうと思うことができました!そんなふうにみんなの頑張りが誰かのパワーになっているよ!これからも僕はもう少し残りますが、みんなで出直しだな!一緒にもう少しだけ一緒に頑張らせてくれ!
井ノ山琉人学生コーチ(スポ4=東京・豊多摩)
――インカレを終えての感想をお願いします
これまで応援してくれた両親や、お世話になった方々、そして、今シーズン、2部に落としてしまったにも関わらず最後までついてきてくれた後輩に感謝の気持ちでいっぱいです。2部降格になってしまった中、インカレで最後までチームとして戦い切れたのは、周りの応援してくださる方々や、チームメイトのおかげだと思っています。リーグ戦は本当に不甲斐ない結果となってしまい、非常に悔しい思いをしました。そんな中、幸運にもインカレに出れることになり、少しでも来年のチームに残せるものはないかと考えていたので、インカレで東海にチャレンジできる機会を得られたのは本当に良かったです。インカレ期間を通して、自分たちが通用する武器を再確認できたことに加え、東海の強く、堅実なバスケに対し、歯が立たなかったことなどから、自分たちに足りなかったものを改めて突きつけられた気分です。この経験を後輩たちは必ず活かして、来年2部を戦い抜いて欲しいです。
――入学してから今まで、どんな4年間でしたか
入学してからはこれまでの生活と全てが変化しました。自分はこれまで何も経歴がないただのバスケ好きだったので、最初は、画面で見た人やネットで名前を聞いたことのある人と一緒に活動していることに不思議な感覚を覚えました。下級生の頃は、全てが初めてのことばかりで、なかなか気持ちが追いついてこなかったように思います。上級生になってからはチーム全体を見られる余裕も生まれ、これまでぶつかったことのないような悩みもでき、自身の成長につながったかなと思います。4年間通して、本当にたくさんの経験をさせていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
――同期に伝えたいことは
たくさん辞めていく中、残った同期は4年間戦い抜いた本当に大切な人たちだと思っています。これからも仲良くしてください。
――最後に後輩へメッセージをお願いします
今シーズン通して自分たちについてきてくれてありがとうございました。最後、後輩のみんなとインカレの舞台で戦えて良かったです。来年1年で1部昇格して、自分たちの力でインカレの舞台を掴み取ってきてほしいです。本当に1年間ありがとうございました。
春日裕樹学生コーチ(文構4=東京・国学院久我山)
――インカレを終えての感想をお願いします
「東海を倒して代々木第二の舞台に立つ」というのが一番の目標で、それは達成することはできませんでした。しかし2部降格前に爪痕を残すということは達成できたと思います。去年のインカレでは叶わなかったグループステージを突破し、関西2位の京都産業を倒し、東海と前半いい勝負ができた、という内容だけで来年につながる大会にできたと感じています。
――入学してから今まで、どんな4年間でしたか
一言で表すと「この部に入って良かった」です。元々選手を志望していたことや、コーチとして思うように成長できなかったことなど、振り返ると後悔ばかりの4年間でしたが、それを上回るほどの貴重な経験ができたと思います。自分の実力では到底立てないような舞台に立たせてもらったり、かけがえのない仲間ができたりと、あげればキリがないほど「この部活に入ってよかったなあ」と思うことばかりです。
――同期に伝えたいことは
まずはみんな本当にありがとう。堅信(星川堅信)も言っていたけれどみんなとはただ仲がいいだけではない真の意味での仲間になれたと思う。この六人で最後までやれて本当によかった。(一人ひとりへの感謝は部員日誌(早稲田大学男子バスケットボール部のnoteにて掲載)で書かせてもらおうと思うので楽しみにしていてください。)
――最後に後輩へメッセージをお願いします
まずはこの1年間、本当に頼りない4年生だったと思うけれどついてきてくれてありがとう。2部降格という重い責任を残してしまったけれど、みんななら1年で必ず1部の舞台に戻ってこれると信じています。陰ながら新生早稲田応援してます!
大倉隆太学生コーチ(教4=東京・早実)
――インカレを終えての感想をお願いします
まずはこのチームをつくりあげてきた先輩、同期、後輩に心から感謝したいです。今まであった辛いことや楽しかったことが色々よみがえりましたが、本当にこの部で4年間頑張ってきて良かったなと思えました。最後の1カ月Aチームを見させてもらえて、いろいろ刺激にもなりましたし、「バスケットを続けてきて良かったな自分」と思いました。ハマケンさん(濱田健太、平31卒=現東京海上日動)の「バスケ最高!」の言葉に尽きると思います!
――入学してから今まで、どんな4年間でしたか
数え切れないくらい、失敗とチャレンジの繰り返しでした。でもそうして試行錯誤を繰り返してきたことが自分を大きく成長させてくれたんだと思います。特に上級生になるにつれてチームの重要なポジションを任されたり裁量が大きくなったりして、責任感はとてつもなくデカいですが、やり切ってチームが勝った時の喜びがとてつもなく大きかったです。特に4年生ではBチームのヘッドコーチを任せて頂いて春日や雅明(村上雅明 学生コーチ、スポ1=愛知・愛工大名電)と共にチームを作って行ったことが一番の思い出です。本当に結果が付いてきたこと、チームが成長していると感じられたことが良かったなと思います。
――同期に伝えたいことは
最初は13人いたメンバーが次々に辞めていき、残った癖の強いやつらが僕達です!本当に多くの時間を過ごしたし、何度も本気で話し合ったり、ふざけあったりしてきて、本当に心の底から感謝しています。4年目が特に話す機会増えたなと思います。「自分たちがチームを作るんだ!」、「自分たちがチームをより良くするんだ!」という気持ちがみんなあったからこそ、ここまで本音で語れる仲間になれました。歳をとってもお酒飲んであんなことやこんなこと語り合える存在です。みんな大好きだぜ!
――最後に後輩へメッセージをお願いします
言わずに後悔するよりも、言って後悔する方を選んで欲しいと思います。長い間一緒に過ごすからこそ言ったら仲悪くなるかなと思って躊躇するよりやっぱりお互いの意見を出し合いながら時にはぶつかり、つまづきながら前に進んでいって欲しいと思います。それから、ほぼ毎日一緒にいたであろう小野(功稀、社3=新潟・開志国際)のラストシーズンにも心から期待したいと思います。一緒に遊んだり、コンビニには行けなくなるけど沢山活躍してな!シュート決めまくれよ!応援行きます!あと、残り1カ月の間ずっと一緒にワークアウトしてきた城戸(賢心、スポ1=福岡第一)にも期待したいと思います。爆発力とディフェンスを武器に、ひたむきに頑張ってほしいです!
(編集・写真 権藤彩乃、落合俊)