神戸医療未来大との接戦を勝ち切り決勝トーナメントへ駒を進めた早大は、1回戦で関西2位の京産大と対戦した。試合は序盤から拮抗(きっこう)した展開に。第2Qは相手のスリーポイントに苦しめられつつも、ハードなディフェンスからチャンスを作り、3点リードで後半へ。第4Q中盤に10点差をつけるも、京産大も意地を見せ、試合終盤で2点差に。しかし逆転を狙う京産大のオフェンスを粘り強い守りで抑え込み、接戦をものにした。決勝トーナメント1回戦を突破し、目標とする東海大撃破へあと一歩だ。
第1Q、開始早々に京産大がドライブから得点し先制。すぐにG岩屋頼(スポ2=京都・洛南)が鋭いドライブで得点し返す。続けてG城戸賢心(スポ1=福岡第一)がバスケットカウントを決めて、ベンチを沸かせた。良いスタートを切った早大だが、相手の留学生選手を抑えきれず、リバウンドから失点。点差をつけて一歩抜け出すことができない。16-18と2点を追いかけるかたちで第2Qへ。早速G堀田尚秀(スポ2=京都・東山)がスリーポイントを沈めるが、京産大もスリーポイントを決め返す。その後もG下山瑛司(スポ1=愛知・中部第一)のジャンプシュートやF星川堅信(スポ4=京都・洛南)のフックシュートなどで地道に得点していくが、スリーポイントが好調な京産大がわずかに優勢に。しかし第2Q終盤、一歩リードされていたところを、ディフェンスをきっかけに速攻を仕掛けて追い上げる。早大が流れを取り返し、42-39と3点リードで前半を終えた。
レイアップシュートを打つ下山
迎えた後半戦、連続失点からリードを許してしまうが、星川が連続得点、下山の好調なジャンプシュートが決まり同点に。積極的なディフェンスで相手の攻撃を抑えつつ、G高田和幸(商2=京都・洛南)が2本のスリーポイントを沈める。さらに下山がバスケットカウントを成功させ、64-63とリードを保って第3Qを終えた。勝負の最終第4Q、星川の鮮やかなロールターンからの得点でスタート。続いてG飯島慶記(人3=茨城・下妻一)がドライブから連続得点をもぎ取り、一気に流れを引き寄せる。勢いに乗った早大が得点を重ね、残り5分を切り、ついに10点差。しかしディープスリーを決めて勢いを取り戻した京産大が追い上げを見せ、残り1分で2点差に迫る。直後のオフェンスで早大は得点できず、残り37秒2点差で京産大のオフェンスに。京産大は2点を狙うが、下山が粘り強いディフェンスを見せ、シュートはリングにはじかれた。下山のフリースローで3点差となり、残り20秒で再び京産大のオフェンス。早大はディフェンスでプレッシャーをかける。スリーポイントラインから放たれたシュートはまたしてもリングにはじかれ、早大がリバウンドを獲得。速攻から得点し、これが決定打となった。試合終了のブザーが鳴り響き、最終スコアは87-82。前節に続いて見事激戦を制した。
スリーポイントを打つ高田
関西2位の強敵を相手に、接戦の末勝利をもぎ取った。5本のスリーポイントを含む19得点の活躍を見せた高田は、神戸医療未来大戦ではオーバータイムにもつれ込んだのに対し、「今日はしっかり勝ち切ることができて、良い経験になった」と振り返る。次戦の相手は昨年王者・東海大だ。今回、早大は東海大撃破を目標にインカレに臨んでいる。関東の強豪との一戦を制し、代々木の舞台へ進むことができるか。この大一番で早大の底力が試される。
(記事 権藤彩乃、写真 落合俊)
全日本大学選手権 12月7日(vs京産大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
16 | 26 | 22 | 23 | 87 |
京産大 | 18 | 21 | 24 | 19 | 82 |
◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商2=京都・洛南)
G#4 城戸賢心(スポ1=福岡第一) G#5 堀陽稀(スポ2=京都・東山) F#13 星川堅信(スポ4=京都・洛南) G#18 岩屋頼(スポ2=京都・洛南) |
コメント
飯島慶記(人3=茨城・下妻一)
――試合を終えて、今のお気持ちは
まだ気が抜けないです。目標はベスト8で東海大に勝つことなので、今日は勝ちきれてよかったです。
――試合に向けて準備していたことは
自分のコンディションや食事など、バスケット以外の部分で一番高いパフォーマンスを出せるように準備していました。
――ご自身のオフェンスを振り返って
ドライブにいくべきところはしっかりといけて、レイアップまでいけました。オフェンスが止まっている時間も多かったので、自分がドライブにいけたのは、よかったと思います。
――ベンチからどのように試合を見ていましたか
最終的に盛り返してはいましたが、たまに止まっていると感じていました。なので僕が入ったらドライブにいって、ボールも周りに散らしながら、自分でもゴールを狙っていこうと考えてました。
――ご自身のディフェンスを振り返って
ディフェンスがメインで出してもらっているのですが、出場直後にバスケットカウントを決められてしまいました。その後は相手に好きなことやらせないようにディフェンスしていました。第4Q後半の点差を詰められた時間帯にスリーポイントをやられたのは反省点です。
――ボールマンに対して激しくディフェンスしている印象がありました
早めにボールマンを捕まえようと意識していました。僕がまだファウルが2、3個だったので、そこは僕が止めようと思っていました。
――ご自身の起用について
大会前にディフェンダーとして誰か止めてほしい時に試合で使うことが多いかもしれないと言われていました。劣勢の時や流れが悪い時に、ディフェンスと流れを変える役割で出されると言われていました。なので流れが悪くなると自分の出番だと意識していました。
――ベンチでの行動で気をつけていることは
出ている選手に積極的にコミュニケーションしてハイタッチしに行ったり、戻ってくる選手を一番にハイタッチしに行って戻してあげたり、出ている選手に関わるようにしています。
――次戦に向けて
自分たちの課題はリバウンドとディフェンスだと今日の試合で思いました。そこをもう一度見つめ直して、今日の反省点を明日は修正してやっていきたいです。
G高田和幸(商2=京都・洛南)
――接戦を制しましたが、今のお気持ちは
途中結構焦りましたけど、勝ち切れました。昨日はリードを保っていたのに、最後に追い上げられてオーバータイムに入ってしまったので、「ゲームの締め方をしっかりしよう」っていうのを言われて、今日はああいう点差からちょっと縮められてはしまいましたけど、しっかり勝ち切ることができて、良い経験になったのかなと思います。
――スリーポイントが好調でしたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか
本当に入って良かったなという感じです。予選の2試合はそんなに入っていなかったので、本当に調子が良くて、良かったです。思い切り良く打てたのが、何本か決められた要因だったかなと思います。
――ディフェンスがうまくいったように見えました。チームのディフェンス面についてはいかがですか
(早大の)センター陣がいなくて、相手は留学生がいて、リバウンドだったり簡単なゴール下をやられる場面は多かったですけど、昨日も同じような状況ができていて、昨日の試合の中でディフェンスのイメージをみんなで共有して、やりたいディフェンスをできたというのが今日の試合にもつながったと思います。今日もまだやられたところは多かったんですけど、今日の試合の中でちょっとずつ修正しながら、後半はリバウンドを取れたり、留学生を守り切ったり、相手のスリーのリバウンドを取り切ったりというのができたので、今日はチームで(ディフェンスの)イメージが共有できていたのが良かったなと思います。
――次の東海大戦への意気込みをお願いします。
前にリーグ戦でやった時は勝てたんですけど、やっぱりインカレの東海は仕上げてきているし、この前僕たちに負けたっていうのもあって強い意志を持って向かってくると思います。僕たちもここまで勝ち上がってこれたという自負はあるので、そこを自信にして、気圧されずやるべきことをやって、代々木に行けるように頑張りたいです。