強敵・東海大を撃破! 「チームの一体感」でつかんだ待望の勝利

男子バスケットボール

 3日間にわたって行われたアダストリアみとアリーナでの試合も最終日を迎えた。関東大学リーグ戦(リーグ戦)1巡目最後の相手は強豪・東海大。試合の立ち上がりから接戦を繰り広げ、42-37で試合を折り返す。試合終盤には東海大が追い上げを見せるもG堀陽稀(スポ2=京都・東山)の連続得点で悪い流れを断ち切り、10試合ぶりの待望の勝利を手にした。

 F星川堅信(スポ4=京都・洛南)が先制点を奪うと、すぐさま東海大も取り返し、試合の立ち上がりから拮抗(きっこう)した試合展開となった。東海大がバスケットカウントに成功すれば、直後にG岩屋頼(スポ2=京都・洛南)もバスケットカウントをもぎ取る。東海大が3ポイントシュートを決めれば、F三浦健一(スポ1=京都・洛南)も3ポイントシュートで応戦。第1クオーター(Q)を25-22で終え、第2Qへ。G高田和幸(商2=京都・洛南)の3ポイントシュート、G下山瑛司(スポ1=愛知・中部第一)のアシストやシュートが光り、リードを広げる。三浦がチームを鼓舞し、第2Q終盤になっても早大は集中力を切らすことなく、42-37で前半を終えた。

スリーポイントを打つ三浦

 続く第3Qも早大が主導権を握ったままゲームが進んだ。試合を通してリバウンド数で勝った早大は、粘り強いディフェンスで東海大を抑え込むと、オフェンスリバウンドからも得点を重ね、さらに点差を離す。第3Q終了間際には三浦が3ポイントシュートを決め、63-53で最終第4Qへ。堀のバスケットカウントや、ルーズボールの取り合いを制した三浦のシュートで75-58、早大は17点にリードを広げた。しかし試合残り5分、東海大の猛攻が始まる。たまらず早大が取ったタイムアウト後、悪い流れを断ち切ったのは堀だった。堀のアシストやフリースローで得点を重ねる。さらにディフェンスに絡まれながらもタフシュートを決め切り、東海大の猛攻を抑え切った。東海大に追い上げられたピンチの状況でも、一人一人が焦らずプレーし、ターンオーバーにつながらなかったことも、勝ち切った要因だろう。強敵相手に待ち望んだ勝利を手にし、選手たちは歓喜の声を上げた。

ボールを保持する堀

 勝ち切れない苦しい時期を乗り越え、待望の勝利を手にした早大。「チームで戦うということを今年の目標として立てていたので、やっとチームの一体感や団結した姿が見せられた。」と三浦は今試合を振り返る。下級生の選手中心の早大だが、「4年生ともうちょっとバスケをしたい。」(堀)と、全員が同じ気持ちを持ってこのリーグ戦を戦っていることが、「チームの一体感」につながったのだろう。チームとして成長した早大から、2巡目も目が離せない。

ガッツポーズを見せる三浦

(記事 渡辺詩乃、写真 権藤彩乃)

第99回関東大学リーグ戦 10月9日(vs東海大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

25 17 21 24 87
東海大 22 15 16 26 79

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商2=京都・洛南)

G#5 堀陽稀(スポ2=京都・東山)

F#6 三浦健一(スポ1=京都・洛南)

F#13 星川堅信(スポ4=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ2=京都・洛南)

コメント

G堀陽稀 (スポ2=京都・東山)

――東海大という強敵に勝利しました。率直な感想は

 うれしいです。

――プレッシャーがかかる場面もありましたが、どんな気持ちで戦っていましたか

 たしかにプレッシャーのかかる場面が多くて、嫌だなと思いながらやっていました(笑)。でも気楽にやっていました。(シュートが)たまたま入ったので良かったです。

――今回の勝因は

 リバウンドです。早稲田の方がリバウンドの数が多くて、そんな試合は初めてだと思うので、リバウンドが勝因だと思います。

――追い上げられる中、続けて得点して流れをつかみました。ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 タフショットでしたが、たまたま入ったので、ラッキーと思っていました(笑)。あとフリースローが意外と入りました。

――リーグ戦2巡目に向けての意気込みをお願いします

 インカレに出場するためには、全部勝つくらいじゃないとだめだと思うので、全部勝って4年生ともうちょっとバスケをしたいと思います。

F三浦健一(スポ1=京都・洛南)

――強敵東海大に勝利しました。率直な感想は

 自分たちはずっと負けていて、自分も人生で初めて負け続けているという状況の中でつらかったです。周りから見たらたかが1勝かもしれないですが、自分たちからしたらやっとつかめた1勝でした。日本人相手だけで、強敵の東海大に勝てたのはとても大きい1勝だなと思います。

――負け続けてた時は苦しい部分がありましたか

 苦しかったです。人生で初めての感覚で。何をしたらいいのか分からないのもありましたし、接戦で負けたとき時はもっとメンタルをやられていたので、今日は勝てて本当に良い形で次の2巡目に進められるかなと思います。

――今回の勝因は

 みんなリバウンド頑張って、相手は留学生がいるのでしっかり抑えるべきところを抑えて、みんなでリバウンドを取っていました。相手よりリバウンドの数も上回ったと思うし、ルーズボールも競り勝っていました。チームで戦うというのを今年の目標として立てていたので、やっとチームの一体感や団結した姿が見せられたかなと思います。

――三浦選手のリバウンドやルーズボールを取る場面では気迫溢れるプレーが印象的でした。個人のプレーを振り返って

 試合中自分はあまり叫んだりしないんですけど、テンションが上がって叫んでました(笑)。あまり(自分のプレーは)覚えてないんですけど、ほんとにチーム一人一人がよく頑張って耐えて、追い上げられた時も焦らず粘り強く耐えてたという印象が強かったです。ああいった時間が来るのはわかっていたので、そこをどう乗り切るか、苦しい中で打開策を見つけないといけないなと思っていました。

――最後追い上げられた場面はどのような心境でプレーしていましたか

 自分たちは今までずっと負けていて追いかける側だったので、今日の試合はリードしている場面が多かったのですが、追い上げられた場面で焦らずという声は大事なのですが、そういった声が逆にプレッシャーになってターンオーバーにつながってしまう恐れがあったので、相手がガツガツ来るのも分かっているから、そこにビビらず思い切ってシュートを打ったり、ドライブだったり、最低でもファールをもらうという掛け声をチーム全体でしていました。

――掛け声というところで、三浦選手がチームを鼓舞する姿が見られました。

 4年生が2人しかいなく、その内キャプテンがベンチに座っている状況で早稲田は下級生が試合に出ることが多いので、下級生がチームを引っ張るというなかなかないことかもしれないですが、そういうチームであることを実感し始めて。自分も試合に出ている限り1年生とか関係なく、ベンチに座っている4年生もいるのでそこはチーム全体で頑張らないと思って(自分も)声を掛けていました。

――2巡目への意気込みをお願いします

 1巡目で負けたチームももう一回対戦できるので、しっかりと東海に勝った良いイメージを2巡目につなげて、負けたチームには勝ってリベンジしてインカレに出られるように頑張りたいと思います。