リーグ首位の専大に6点差で惜敗

男子バスケットボール

 残り30秒で1点差まで迫ったが、最後は専大にスリーポイントを決められ、最終スコア88−94で専大に惜敗した。試合後、森一史アシスタントコーチ(令4スポ卒)は「勝てた試合だった」と悔しさをにじませた。

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第17節で、現時点で1部リーグ首位の専大と対戦した。前半を29−42で終えると、第3Qはチームディフェンスと星川のオフェンス力が光り、1点差まで詰め寄る場面もあったが、逆転とはならない。その後は常に10点差前後で、第4Q終盤を迎える。攻守ともに足を動かし、少しずつ点差を詰めていく。しかし、あと一歩のところで専大のスリーポイントに阻まれた。4勝目とはならなかったが、試合後は選手たちに大きな拍手が送られた。

 第1Q序盤は専大に先行される展開になったが、すぐにタイムアウトを取って修正を図った。タイムアウト明け、G堀陽稀(スポ1=京都・東山)がドライブから得点し、F星川堅信(スポ3=京都・洛南)もスリーポイントを決めた。少しずつ固さが取れて足が動くようになり、第1Qは16−24で終えた。第2QはF兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)の得点で幕を開けると、続けて兪がスリーポイントを決めて勢いづける。G神田誠仁主将(社4=静岡・浜松開誠館)のルーズボールもチームを鼓舞した。残り3分で星川とG堀田尚秀(スポ1=京都・東山)がスリーポイントを決めて、3点差まで詰め寄った。しかし、第2Qの最後で専大に5本連続でシュートを決められ、29−42で試合を折り返した。

ドリブルする星川

 第3Qはゾーンディフェンスを仕掛けた早大が先手を取った。星川やF小野功稀(社2=新潟・開志国際)のスリーポイントが決まり、開始3分で6点差まで迫る。その後、第3Q残り4分で小野が2本目のスリーポイントを決めて1点差としたが、専大も落ち着いてシュートを決め返し、55−69で第3Qを終えた。第4Qは開始から兪や堀が連続でシュートを決め、すぐに専大の背中が見え始めた。残り3分、岩屋が「(ベンチから声をかけられて)すごくうれしかった」と振り返るバスケットカウントを決めて5点差。さらに残り50秒、G土家大輝(スポ4=福岡大大濠)が獲得した3本のフリースローを全て決めて3点差。そこから、堀がドライブで相手に体をぶつけてファウルを誘い、2本のフリースローをきっちりと決めて、残り30秒でついに1点差とした。しかし、次の攻撃で専大の放ったスリーポイントがゴールに吸い込まれ、4点差。早大はタイムアウトを取って最後の攻撃に望みをつなぐが、最終スコアは88−94。一歩及ばなかった。

フリースローを打つ堀

 前回の第16節で拓大との接戦を制した早大には勢いがあった。リーグ戦首位に立つ専大に「最後のクラッチタイムのところまで競れたことはチームとして大きな成長」。一方で、試合序盤はディフェンスの強度が低く、後半は専大のオフェンスに対して「僕が次の手を出せなかったし、選手も解決策を見つけられなかった」と森アシスタントコーチは敗因を挙げた。次は現在リーグ5位の東海大と対戦する。第16、17節に引き続き次戦でもチームの指揮を執る森アシスタントコーチは「(リーグ上位の相手でも)戦えることは証明できました。もっと磨いて頑張っていければ」と意気込んだ。

タイムアウトを要求する森アシスタントコーチ

(記事 落合俊、写真 落合俊 荒井理沙)

第98回関東大学リーグ戦 10月9日(vs専大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

16 13 26 33 88
専大 24 18 27 25 94

◇早大スターティングメンバー◇
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

森一史アシスタントコーチ(令4スポ卒)

――試合を終えて

勝てた試合だったと思います。僕のミスも結構あったので、そこは選手に申し訳ないと思います。

――敗因としては

試合の序盤ならディフェンスの強度のところです。ディフェンスをしつこくやる、体をぶつけるなどが僕の求める基準に達していないメンバーが何人かいるので、そこは課題としてあります。入りからガツガツやるという部分です。後半はマンツーマンやゾーンなどディフェンスを変えて、仕掛けながらやっていました。うまくいったシーンもあれば、やられたシーンもあって、やられ方もずっと同じだったことに関しては、僕が次の手を出せなかったし、選手も解決策を見つけられなかったです。(解決策を)見つけていても、高い強度で遂行できなかったことが敗因だと思います。

――良かった部分は

2桁に開きそうな場面があった中でも、盛り返せたことが何回かあって。今まで一度も盛り返せずに終わるとか、流れのようなものができたけどすぐ終わるとか、そういう試合があった中で、今回は最後のクラッチタイムのところまで競れたことはチームとして大きな成長だと思います。

――特に何が変わったのでしょうか

楽しくやることが大前提で、そのために工夫はしてきたので、かたちになったと思います。

――具体的にどのようなアプローチをしたのでしょうか

ディフェンス、リバウンド、トーク(試合中のコミュニケーション)が試合に出る大前提です。ミーティングの時にピラミッドを見せました。ディフェンス、リバウンド、トークが土台にあって、その上にオフェンスの各自の強みがあります。「先にオフェンスを極めようとするのではなく、出たいなら土台の部分をやる。そうでないと僕は試合では使わない」ことを伝えてきて。点が取れないかもしれないけど、それを計算できる子たちを出してる感じです。

――チームの雰囲気が良かったですね。試合に出られないメンバーも応援していました

ベンチ外の4年生が2人いるのですが、昨日の試合後、「本当にベンチに入りたかった」と言っていて。そういう雰囲気のチームにすることが自分のおかげでできているのであれば、勝ち負けよりも自分のやりたいことを達成できているのかなと思います。

――次戦に向けて

雰囲気は上り調子で来ていると思うので、結果を伴わせられるように。選手たちやスタッフの準備などいろいろ含めてやれることをやります。(今後は)上位陣にも勝っていかないといけない試合が続くし、戦えることは証明できました。もっと磨いて頑張っていければと思います。

岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

――試合を振り返って

高さが僕らと全然違うということが分かっていました。それでもリバウンドでやられたり、あまり警戒してなかったスリーポイントを後半決められたりしたので、悔しいです。

――試合での役割などは

いつもと変わったことは何も考えていませんでした。相手が大きいので、あまりドライブできないかなと思っていたのですが、最初にドライブに行った時にヘルプがいなくて行きやすくて。前半途中や後半からドライブに行こうと思いました。

――ディフェンスはいかがですか

個人的にディフェンスはドライブでやられたりはあまり感じなかったです。けれど、ボールを取り切れた部分でこぼしてしまって相手ボールになることが個人的に目立ってしまったので、そこのボールを取り切れていたら、もっと勝てる試合になっていたと思います。

――チームの雰囲気については

森さん(森一史アシスタントコーチ)が指揮を執っている時は交代が多くて、みんなプレータイムを貰いつつもベンチワークもしつつという感じです。いつもの雰囲気と違ってみんな出てハッスルできるし、ベンチに帰ってもまた声出してという感じで、チームワークがあったように思います。

――ベンチや観客席からの声は後押しになりますか

ベンチの良いプレーした後の盛り上がりは結構聞こえるのですが、プレー中とかに言われてもあんまり聞こえないですね(笑)。

――バスケットカウントの後はベンチから迎え入れられていましたね

(シュートを打った後)流れていって、ベンチの周りを走っていくと、いっぱい手が出てきて(笑)。すごくうれしかったです。

――次戦に向けて

東海は僕たちよりもサイズがあってシュート力も技術も全然上のチームだと思うのですが、今日の試合でチームとしていい流れをつかめたと思うので、もっと長く自分たちの流れでプレーして勝ちたいと思います!