拓大の猛攻を振り切り、3勝目を挙げる

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第16節、早大は1巡目に接戦の末敗れた拓大と対戦した。前半は攻守ともに力を発揮し、十分なリードを作って折り返す。第3Q開始後、拓大に立て続けに得点されてしまうが、早大は持ち直して再び点差を広げた。第4Q後半、再び拓大から猛攻を受けて同点に並ばれるも、最後にファウルを誘発してフリースローで1点を追加し、72―71で試合終了。リーグ戦3勝目をつかんだ。

 G土家大輝(スポ4=福岡大大濠)のスリーポイントで先制した早大は、G飯島慶記(人2=茨城・下妻一)がターンオーバーから得点を奪うなど勢いをつける。ディフェンスもよく機能し、選手は時折笑顔も見せながら19―12とリードして第1Qを終えた。第2Qも、F兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)を中心としたインサイドでの攻撃や力強いディフェンスで相手を翻弄(ほんろう)。「今までの試合の中で一番良い展開だった」とG神田誠仁主将(社4=静岡・浜松開誠館)が振り返ったように、前半は終始主導権を握り続け、38―21で折り返した。

ペネトレイトする兪。高さを生かして攻守で活躍した

 しかし第3Q序盤、拓大が3連続でスリーポイントを沈め、一気に点差を縮められる。だが早大は、「いつも通りやってきたことをやろう」(神田)と冷静に立て直し、G堀陽稀(スポ1=京都・東山)の鋭いドライブからの得点などで点差を守った。迎えた第4Q、兪や岩屋頼(スポ1=京都・洛南)がスリーポイントでベンチを沸かせながら再びリードを広げていく。しかし、終盤にかけて拓大が次々とシュートを決め、残り1分を切った時点で71―68と3点差にまで追い上げられる。その後、さらに拓大がスリーポイントを決めて同点に。会場には一気に緊張感が漂った。だが残り19秒、ファウルを奪った堀がフリースローを1本決めて、スコアを72―71とする。そのまま逃げ切り、早大は貴重な一勝を手にした。

ドライブで果敢に攻め入る堀

 今試合を終えて戦績は3勝13敗。苦戦が多い中で、「この勝ちは本当に大きい」と神田は前を向く。次戦は10月9日、日体大世田谷キャンパスで専大と対戦する。この勢いそのままに、勝利をつかめるか。

(記事 大滝佐和、写真 田島璃子)

第98回関東大学リーグ戦 10月9日(vs拓大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

19 19 17 17 72
拓大 12 22 28 71

◇早大スターティングメンバー◇
G#3 高田和幸(商1=京都・洛南)

G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

コメント

G神田誠仁主将(社4=静岡・浜松開誠館)、F兪龍海(スポ3=神奈川・桐光学園)

――今試合に向けて、どのような準備をしてきましたか

神田 このチームを作った頃から言っていた「人数を多く使った早い展開で、ディフェンスを頑張ってその後の展開を作っていく」というスタイルにもう一回しっかり戻すことを森さん(森一史アシスタントコーチ、令4スポ卒)が中心にやってくださりました。この1週間、ディフェンスとリバウンドとゾーンの3つを集中して練習してきました。

――その練習の成果は発揮できましたか

ぼちぼち。ゾーンはあまり良くなかったかな。

神田 前半に関しては、ほぼ完璧(かんぺき)に近いというか、今までの試合の中で一番良い展開だったと思います。3ピリの頭でゾーンを一度やりましたが、そこは良くなかったです。そして4ピリの締め、この2点が課題だと思っています。

――3ピリの序盤に連続得点を奪われた後、どのように立て直したのですか

そんなに特別なことはやっていないです。

神田 特別なことはなく、いつも通りやってきたことをやろうと言っていました。

――4ピリの終盤に猛攻を受けたときは、どのような心境でしたか

相手は前半にシュートが入っていなかったので、いつか(シュートが)入り出すだろうと思っていました。3ピリの最初に気持ちよく打たれてしまって、4ピリの最後はコートにいる選手もベンチも「やばいんじゃないか」という雰囲気があったのですが、なんとか、堀がよくファウルもらってくれたなという感じです。

神田 徹底し切れない詰めの甘さが課題です。またオフェンスの終わり方も、「常に攻撃的でいよう」と話しているのですが、少し受け身になってしまったかなと。久しぶりのリードした展開だったので、難しかったと思います。その反省を生かして、明日も頑張りたいです。

――久しぶりの勝利ですが、率直な感想を教えてください

神田 めっちゃうれしいです。この勝ちは本当に大きいですね。

――ベンチの雰囲気も非常に良かったですね

あんまり気にしていないです。

神田 すごく良い雰囲気で、ベンチの外からもクレイ(宮川丈クレイトン、商4=愛知・千種)や剛(ホセイン剛、教4=東京・早実)を中心に良い声掛けをしてくれて、ベンチが選手を作っているシーンは何度もありました。

――1巡目では拓大に敗れていますが、何か修正をしたのですか

神田 相手の中心選手が2人いなかったという面はあるのですが、それにしても前半の出来はすごく良かったです。ディフェンスの安定感やリバウンドの安定感、前半に関してはリバウンドは70%以上取れていたので、そこが前回の対戦から変わった点ですね。

――お二人とも久しぶりの出場となりました

神田 率直に言うとめちゃくちゃ緊張して、入り方はうまくいかないところがありました。でも、リバウンドを頑張ってファウルをもらって、フリースローもちゃんと2本決められたので、そこは一つ仕事をしたかなと思います。

最初は緊張して、いつも入るシュートがボードに当たり、口の中がパサパサになりました。少しやればリズムを取り戻して、最後はみんなドタバタしていたけれど、なんとか勝てて良かったです。

――兪選手は、試合に出られていない間はどのような練習をしていたのしょうか

好きなことを好きなだけ。バスケ自体は好きなので、いくらでも自主的にやっていて。

神田 自分の好きなことを自主練で磨きながらも、試合ではブロックショットやリバウンドも頑張ってくれました。やるべきことをやってくれる選手に成長していると思います。

――今の神田主将の言葉を聞いて、いかがですか

うれしいです。キャプテンに花丸あげます。

――最後に、明日の試合への意気込みをお願いします

今日できたことを明日できるかどうかが重要だと思います。また勝ちを目指して、みんなで頑張っていきたいと思います。