全26試合に及ぶリーグ戦が開幕! 初戦は大東大に一歩届かず

男子バスケットボール

 今年で98回目となる関東大学リーグ戦(リーグ戦)がついに開幕した。昨年度は1巡のみであったが、今年度は2巡するため全26試合というハードスケジュールが予定されている。初戦の相手は、春の関東大学選手権で敗れた因縁の相手・大東大だ。試合序盤は連続得点でリードを奪うも、その後は留学生を中心とした高いリバウンドに苦しんだ。最後に追い上げを見せるも、66-73で惜敗。リーグ戦は黒星発進となった。

 試合が始まると、G岩屋頼(スポ1=京都・洛南)が先制点を奪う。G土家大輝(スポ4=福岡大大濠)も連続でスリーポイントを沈め、流れをつかむ。さらに、相手ベンチから「星川来るぞ」と警戒されながらも、F星川堅信(スポ3=京都・洛南)がスリーポイント、ミドルシュートで順調に得点を重ねる。21-17と4点リードで第1クオーター(Q)を終えた。しかし、第2Qに入ると状況は一変。相手の速攻とスリーポイントから逆転を許す。岩屋がスティールから速攻で食い下がるも悪い流れは断ち切れず。ブザービーターを決められ27-36で前半を終えた。

スリーポイントを放つ土家

 第3Qは開始直後から相手のスリーポイントがネットを揺らす。早大ベンチからは「我慢しよう」の声。懸命なディフェンスを見せるも、5連続得点を許し、点差がこの試合最大の18点に。しかし第3Q終盤、土家のアシストから途中出場のF細溪宙大(教3=東京・早実)がスリーポイントを決める。星川、G神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)もそれに続き41-52で第3Q終了。逆転の可能性は最後の10分間に託された。第4Qでは一進一退の攻防が続く。星川、G高田和幸(商1=京都・洛南)がスリーポイントで点数を重ねると、岩屋が超絶技巧のドライブ。ラスト3分では相手を圧倒するプレスディフェンスから6連続得点で底力を示す。しかし無情にも試合終了のブザー。追い上げるも逆転は叶わず、悔しい結果となった。

パスをうかがう神田

 早大が掲げるスローガンは『一戦必勝』。今試合でも、個人の良いプレーや目標とするテンポの速いバスケットの様子はうかがえた。リーグ2戦目の相手は日大。早大は昨年度のインカレ2回戦で日大に敗北を喫し、先輩を送り出すこととなった。当時のリベンジ、そしてリーグ戦初勝利へ。「楽しみたい」(星川)、「面白いバスケをやっていきたい」(神田)と、“ワクワク”を胸に連戦に挑む。

(記事 宮島真白、写真 落合俊)

第98回関東大学リーグ戦 8月20日(vs大東大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 14 25 66
大東大 17 19 16 21 73

◇早大スターティングメンバー◇
G#5 堀陽稀(スポ1=京都・東山)

G#12 土家大輝(スポ4=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ3=京都・洛南)

G#18 岩屋頼(スポ1=京都・洛南)

F#77 石坂悠月(スポ2=東京・国学院久我山)

コメント

神田誠仁(社4=静岡・浜松開誠館)

ーーリーグ初戦でしたが、意識していたことはありますか

『一戦必勝』という目標のもと、この2ヵ月間でチームが成長するという短期的なものと長期的なものを両方意識しています。とりあえず目の前の試合を頑張ろうという意気込みでチームとして臨みました。

――夏はどのような練習をしてきたのでしょうか

早慶戦があったのですが、あれが1つの自分たちのやりたいかたちでした。個人としてはボールをプッシュする姿勢とリングにアタックしてチャンスをクリエイトするというところです。チームとしてもペース85というところとディフェンスリバウンド80%、パックライン(ディフェンス)と、早慶戦はやらなかったのですが今日からゾーンを足したりだとか、そこらへんを中心的にやってきました。

――今日は相手の高さに対して速いスピードでのバスケットを展開されていましたが、どのような意図がありましたか

ペース85は速い展開にもっていかないと達成しないものです。自分たちは小さくて1対1で崩せるチームではないので、とにかくトランジションでハーフコートではなくオールコートでやるバスケットを目指してきていました。2Qと3Qの頭らへんでペースが落ちてしまったのが敗因の1つだと思うので、明日は1、2、3、4(クオーター)とペースを速くして、「早稲田1番速いよね」と言われるようなバスケをしたいなと思っています。

――今日は神田、土家、岩屋とガードの3人が同時にコートに立つ時間もありました。実際にやってみていかがでしたか

これは早慶戦前からずっと練習しているかたちです。僕、岩屋、大輝(土家大輝)、カズ(高田和幸)、堅信(星川堅信)で、僕かカズが4ポジに入って、堅信が5ポジをやるという形はずっと練習してきて、一つの武器だと思っています。あれは今後もあると思うので、そこで点数をガッと開けるように今後も継続してやっていきたいなと思います。

――今年は1年時以来の2巡あるリーグ戦です。試合数も多いですがいかがですか

本当に長くて、誰がいつケガするかも分からないし、コロナの関係もあるので、全員が準備するということがすごく重要だと思います。ただその分26試合も経験すれば順位関係なく間違いなく成長できると思うので、最後のインカレ(全日本大学選手権)でトップ10を目指せるようなチームをつくるための2ヵ月間にしたいなと思います。

――明日への意気込みは

今日は負けてしまったのですが、後半は勝っています。(大東大は)大学1部(リーグ)でトップに近いチームだと思うのですが、これだけ競れたという状態です。明日の日大はガード2人がケガしてるという状態でチャンスだと思うので、今日の反省を生かしながらとにかく速く、リバウンドを頑張って、面白いバスケをやっていきたいなと思います。

星川堅信(スポ3=京都・洛南)

――リーグ初戦でしたが、何か意識していましたか

あんまり考えずに、気楽に重くならないようにいこうとみんなで話していて。僕らには強烈なインサイドがいないので、早くボールを回して、打てるところで打とうと目標にしていました。2Qで止まってしまい、そこで相手に行かれたので、そういうところを減らしていこうと思いました。自分たちのリズムで打ててはいたので、リーグ戦を通じてそういう時間を少しずつ長くしていって、チームをつくっていきたいです。

――早慶戦を終えてからの期間はどのように過ごしていましたか

台湾のチームと1試合できたのですが、ゲーム経験はあんまりなかったです。ここから少しずつ改善して頑張ります。

――ハーフタイムではどのようなことを話しましたか

僕らはディナイをしない練習をしていて、自チーム内で試合をする時もディナイをしていないです。けれど今日はディナイが厳しく、それに対応できず第2Qで流れが止まってしまいました。第3Q以降は良いシュートも増えてきたので、もっと早くアジャストしていかないといけないと話していました。

――試合の中で課題はありましたか

僕、「40分出るぞ」みたいに言われていて。そう言われるとセーブしてしまって。やりすぎたら後半ヘトヘトになるし、リーグ戦通して出ないといけないと考えると、だいぶ先は暗いというか(笑)。40分出る中でどうやってパフォーマンスするのかは課題です。

――何を意識していきたいですか

要所要所で力を入れるところをつくったらいいのかなと思います。

――ご自身のオフェンスはいかがでしたか

だいぶ外してしまいましたね。僕は3×3(スリーバイスリー)のボールが好きなんです。そんなことは言ってられないのですが(笑)。1回使いやすさは忘れて、シュート決めないといけないですね(笑)。

――ディフェンスはいかがですか

留学生につくことが多かったのですが、もっとハードにできますね。

――コンタクト関してですか

コンタクトしないといけないので、そこはハードにいかないといけないですね。リバウンドのところもたくさん取られたので、もっと体重を増やした方がいいのかなと思いました。インサイドやるなら、もっとご飯食べないといけないかなという感じです。

――今のチームだとインサイドを任されることが多いのですか

小さいメンバーでテンポ良く行こうという感じなので、僕が4番や5番を任されることもあります。そうするとディフェンスで留学生とやらないといけないので、体重増やさないといけないですね。

――終盤の追い上げについては

大東大はだいぶ余裕があるなと思いました。メンバーも多くて、フレッシュな人が入ってくるので、「フレッシュな人来たな」とか思ってました。最後は第2Qのゴタゴタがなければ追いついたかなという感じです。最後は結構うまくいきました。

――何が上手くいきましたか

ディフェンスでプレッシャーかけてました。1、2本リバウンド取られたんですけど、そこを弾けるようになれば追いつくかなと思います。僕らは大きくリードすることはないので、第4Qまで追いついていって、最後に勝負かけていきたいです。なので、最後のプレーの選択はこれから研究していきたいです。

――次戦の意気込み

日大には高校の先輩(飯尾文哉)がいるので、楽しみたいです。さっきもミーティングで倉石さん(倉石平ヘッドコーチ、昭54卒)がもっと楽しもうと言っていたので、楽しみたいです。