東海大九州に大勝し、インカレ初戦を突破!

男子バスケットボール

 12月6日に全日本大学選手権(インカレ)が開幕した。今年のチームにとって、日本一を目指すことができる最後の舞台だ。インカレ初戦の相手は東海大九州。序盤、早大はF宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)のインサイドとF星川堅信(スポ2=京都・洛南)のアウトサイドシュートで着実に得点を伸ばす。第1クオーター(Q)終了時点で34−13と大幅なリードを奪った。しかし第2、3Qで早大のシュートが落ち始めると、相手がリバウンドからの速攻やハーフコートのパッシングで得点を重ね、少しずつ点差を縮められる。第4Qは、早大が持ち味のディフェンスで立て直し、激しくプレッシャーをかけ続けた。すると相手のシュート精度が落ち、早大はそのリバウンドを拾って速攻で得点。そのまま最後まで安定した試合運びを見せ、117−90の大量得点で勝利を収めた。12月8日に行われる2回戦は、日大との対戦となる。

 リーグ戦で課題としていた試合の出だしは、改善できていた。序盤から、「意識してインサイドを攻めようとしていました」と話す宮本のポストプレーで順調に点を取っていく。相手が宮本に対してダブルチームに来る場面では、冷静な判断で外にキックアウトして、星川やF小野功稀(社1=新潟・開志国際)のアウトサイドシュートをアシストした。さらにG土家大輝(スポ3=福岡大大濠)や星川のドライブなど、バランスの良い攻め方を見せた。ディフェンスのリバウンド保持率も高く、相手に得点のチャンスを与えない。第1Qだけで23点の大幅なリードを奪った。しかし第2Qでは、シュートが決まらず、ターンオーバーも見られた。また東海大九州に速攻から連続得点を決められ、徐々に点差を縮められる。一方、早大は土家のアウトサイドシュートと宮本のインサイドを中心に応戦し、これ以上の追い上げを許さない。第2Qは少しディフェンスに緩みが見られ、相手にリズムをつかまれる場面があった。しかし第1Qの大きなリードもあり、13点差を保って試合を折り返した。

チームを鼓舞する土家

 第3Qも拮抗(きっこう)した展開が続く。星川のスリーポイントで最初の得点を奪い、その後は宮本が4連続得点と躍動した。しかし東海大九州も素早いパッシングからズレを突いて、確実に外角のシュートを沈める。両者とも流れに乗り切れない状況だったが、この時に早大ベンチから「ボールマンプレッシャー!」と声がかけられた。そして第3Q中盤からは少しずつディフェンスの強度が上がった。またボールマンへのプレッシャーが激しくなったことで、相手のパッシングを崩すことに成功。さらに「第4Qの入りで(ディフェンスの)強度を上げました」と宮本。ディフェンスで激しくプレッシャーをかけて、相手にタフショットを打たせ、簡単にシュートを決めさせない。オフェンスではG神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)の力強いドライブ、土家や星川のスリーポイントなどで得点を重ねた。中盤以降、早大は持ち味のディフェンスから立て直し、我慢の時間帯を抜け出した。そのまま追いつかれることなく、試合終了のブザーが鳴った。早大は117−90で勝利し、2回戦に駒を進めた。

ゴールを見つめる宮本

 今日の試合を振り返って、「全員がシュートを打つという自分たちのやりたいバスケットが第1Qからできて」と宮本。序盤で大きなリードを奪ったことで、それ以降も落ち着いて早大らしいバスケットができていた。中盤では、ディフェンスの緩みなど課題となる部分も見つかり、収穫のある一戦となったはずだ。また第4QではG萩原圭(先理4=東京・早実)もコートに立った。試合終了後、星川は「4年生と(プレー)できて楽しめました」と笑顔で話してくれた。次戦の相手は、インカレで4年連続の対戦となる日大。因縁の相手を前に、「最後まで我慢して勝ち切りたい」(宮本)と気合いは十分だ。

(記事 落合俊、写真 宮島真白)

第73回全日本大学選手権 12月6日(vs東海大九州)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

34 22 30 31 117
東海大九州 13 30 23 24 90

◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ2=京都・洛南)

F#14 小野功稀(社1=新潟・開志国際)

F#77 石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)

コメント

宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

――試合を終えて、率直な気持ちをお聞かせください

初戦ということで固さが見られるかなと思ったのですが、昨日の練習で自分たちのやりたいことができていて、スクリメージでもうまくやれていたので、それが顕著に出た試合だなと思いました。

――具体的にどのような部分でしょうか

いつも1Qの入りが悪いことをリーグ戦でも言われていました。今日の入りは、相手に身長がないので、僕も意識してインサイドを攻めようとしていました。最初に(星川)堅信がスリーポイントを決めた後、僕のアンドワンぐらいからみんなペースが出てきました。ボールもよく回っていて、全員がシュートを打つという自分たちのやりたいバスケットが1Qからできて、そこはいつもと違って入りがよかったのかなと思います。

――特にご自身のプレーを振り返って、いかがですか

今日はシュートチャートとか見ると、ほとんどペイント内での得点です。スリーポイントのアテンプトもゼロですし、相手にコミットしてインサイドで攻めつつ、寄ってきたところで外に振ったりできました。リーグ戦でうまくいったところもあったのですが、焦ってしまうことがあって。今日はそれが特に良くできたかなと思います。

――第2、3Qでは流れが相手に傾く場面もありました。チームや個人として反省点はありましたか

第2Qのところで、相手チームに隙を見せてしまって、ボールが回り始めて。その中でズレを見つけて、どんどんシュートを打ってくるというスカウティング通りのオフェンスのかたちでした。けれどそこにアジャストできなくて、第2Qは負けていました。あそこはヘッドコーチから修正が入ったり、自分たちでもスイッチの声がうまくいっていないことやボールマンプレッシャーが足りていないからパスが飛んでしまったりと話しました。第3Qで少し修正したのですが、一度リズムを落としてしまうとなかなか止めるのが難しかったです。それで相手のリズムが止まらずに、そのままいってしまいました。

――第4Qでは修正できていました。ディフェンス面で良かった部分はありましたか

第4Qの入りで(ディフェンスの)強度を上げました。相手も少し足が疲れて止まって、タフなシュートが増えたことでシュートが落ち始めて。第2、3Qはリズムをつくられてしまったのですが、ディフェンスでボールマンプレッシャーの強度を上げました。ミドルドライブもやられて、そこから逆サイドに飛ばされたり、そういうヘッドコーチが一つ一つ課題として指摘していただいたところに、アジャストして修正できたことが第4Qの強度につながったのかなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

(2回戦が日大なら)4年連続で当たっている相手です。けれど今日の試合の内容としては、インカレ初戦という難しい状況の中で、自分たちのバスケットを展開できました。また今日の試合をしたことで会場の雰囲気などはつかめました。本当に気負わずに。日大なら留学生もいますが、そこは僕がしっかりと抑えます。今日は外のシュートタッチも良かったですし、いい勝負できるどころか、どこかで勝ちが転がってくるような試合になると思うので、最後まで我慢して勝ち切りたいと思います。

星川堅信(スポ2=京都・洛南)

――試合を終えて、率直な気持ちをお聞かせください

楽しかったです!

――どのような部分でしょうか

4年生と(プレー)できて楽しめました。

――インカレの初戦でした。どのような気持ちで試合に臨みましたか

次の試合を見ずに、今日の試合を頑張ろうと思っていました。それができた部分もあったのですが、ディフェンスが少し緩かったので、また明日練習して、次の試合も頑張ります。

――特にご自身のプレーを振り返って、いかがですか

外のシュートは入ってくれて良かったのですが、ディフェンスが全然緩かったです。ローテーションでミスが起きていました。また修正して、次頑張りたいです。

――次戦に向けて、チームではどのような話をしていますか

次はチャレンジャーとして臨むということをチームとして言っています。昨年もそうですが、1発やってやろうという気持ちで臨もうという話をしています。

――次戦に向けて、意気込みをお願いします

後悔しないように、可能な限りの準備を全てやって、万全の状態で次に臨みたいです。