大東大相手に大金星! チームのバスケを体現

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)も今週末の2試合で終わりを迎える。今日の相手は前回大会王者の大東大。「このような展開にできて良かった」というF宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)の言葉通り、試合序盤から立て続けに得点を重ねると、流れは早大に。第2Q以降は大東大も底力を見せ、危うい場面も見られたが、早大は流れを手放さない。勢いそのままに点差を守りきり、ジャイアントキリングを成し遂げた。

 試合は宮本の得点で幕開けとなった。その後も、F小野功稀(社1=新潟・開志国際)、F星川堅信(スポ2=京都・洛南)がスリーポイントを沈める。速攻も決まると、大東大は思わずタイムアウト。しかし、早大の勢いは止まらない。星川がドライブ、ミドルシュートと多彩な攻撃を見せ、21-7という理想的な展開で第1Qを終えた。迎える第2Q、早大にファウルが重なり、スリーポイントも落ち始めると、相手は高さを生かしたプレーで攻めかかり、一時は7点差に。しかし、G土家大輝(スポ3=福岡大大濠)が「チームのバスケットを徹底できた」と振り返ったゾーンディフェンスが功を奏し、スティールからの速攻が成功。すると、勢いづいた早大は第2Q終盤に5連続得点。再び流れを引き寄せ、41-23で前半を折り返した。

積極的なオフェンスでチームをけん引した星川

 第3Qに入ると、暗雲が立ち込める。大東大のスリーポイントやバスケットカウントであわや流れは傾くかというところ、断ち切ったのは「成果が出て良かった」と述べる小野の2連続スリーポイント。そこからは互角の攻防が続き、このクオーターは19-19の同点、両者は最後の10分に臨んだ。第4Qには、「いつもやっていたポストプレーができ」たと語る宮本の活躍が光った。大東大のファウルが溜まると、1対1やミドルシュートで果敢に点数を奪う。チーム全体でも次々に良いプレーが見られ、安定感のある試合運びでそのまま勝利を収めた。

スリーポイントを放つ小野

 今リーグ、早大は1カ月前の神奈川大戦以降、厳しい戦いが続いていた。負けが重なっていただけに、今日の勝利の喜びはひとしお。試合後には、チームから笑顔が溢(あふ)れた。今日の結果で今リーグの戦績は2勝8敗となった。明日の相手は青学大、勝てば順位は9位まで上がる。来週のインカレチャレンジマッチに向けて弾みをつけたい早大、2連勝を目指し気合は十分だ。

(記事 宮島真白、写真 落合俊)

第97回関東大学リーグ戦 11月6日(vs大東大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 20 19 21 81
大東大 16 19 16 58

◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ2=京都・洛南)

F#14 小野功稀(社1=新潟・開志国際)

F#77 石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)

コメント

宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

――試合を振り返って、いかがでしたか

神奈川大に勝ってから、6連敗していました。ここ3試合くらいはチームとして通用する時間が増えてきた中で、今日結果として残せたのは、率直にうれしいです。

――相手のシュート率が総じて高くなかったように思えるのですが、いかがでしたか

大東大さんは、ここで1勝してもあまり順位に影響はなく、けが人もいました。僕たちは絶対に負けられない試合だったので、気持ちには差があったと思うのですが、その中でも自分たちが終始ペースを握って、相手はずっと追いかける側だったので、すごくエネルギーも使いますし、追いかけるときはシュートもなかなか入らないのだと今日分かったので、このような展開にできて良かったです。

――相手の留学生に対する対策はしてきましたか

正面に入って守れるところでは体を張っていたのですが、ロングパスやフリーのゴール下などは相手に2点をあげてしまうので、無駄なファウルはしないように、守れるところは守るように差をつけてディフェンスしていました。

――特に第4Qでは大活躍でした。ご自身のプレーを振り返って、いかがですか

相手のスタメンがほぼ下がっている中で、190センチメートルくらいの4番ポジションと(マッチアップ)でした。相手はファウルが溜まっていることもあり、アタックするだけで何もできない状態だったので、いい意味でリラックスしながら、いつもやっていたポストプレーができました。そこは自分の自信になりましたし、次につながるかなと思います。

――明日でリーグ戦は最終日となります。意気込みをお願いします

明日負けてしまうと、今日勝った意味はなくなってしまうし、順位も変わりません。明日は前ヘッドコーチの吉岡修平さんがいる青学大なので、1、2年の時に教えてもらった恩もありますし、そういう意味でも負けられない試合なので、明日絶対に勝ちたいと思います。

土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

――試合を振り返って、いかがでしたか

チームとして成長を感じてきて、それが結果につながった1試合だったので、すごくうれしいです。

――ディフェンスでの成長を感じた部分はありましたか

いつも出だしが悪いというのがチームとしての課題だったので、まずワンポゼッション目のディフェンスの強度をみんなであげてやろうとしていて、そこで流れをつかめました。自分たちガード陣は前から当たって、センターがボックスアウトを頑張って、僕たちが取って走るというチームのバスケットを徹底できたので、そこが今日は良かったと思います。

――そういった部分は試合前から話されていたのですか

相手にフォーカスするのではなく、自分たちのスタイルを貫くという面で、毎試合話し合っているので、それが体現できた試合でした。

――ご自身のプレーを振り返って、いかがですか

シュートタッチは良くなかったのですが、星川、小野、宮本さんであったりいろいろな人にボールを散らしながら、相手の弱点を突くことができました。けれどガードとしては全然だめなので、ターンオーバーだったりゲームコントロールだったりという面をしっかり頑張っていきたいと思います。

――明日でリーグ戦は最終日となります。意気込みをお願いします

青学大に勝たないと今日の勝利は意味がなくなってしまいます。明日負けると11位、勝つと9位と全然変わってくるので、今日勝ったからと満足せずに、しっかり明日に向けて準備して、勝ちたいと思います。

神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)

――試合を振り返って、いかがでしたか

本当に負けが続いていたので、大東大という上位校に勝てたのはすごくうれしいです。

――積極的に攻めている印象でした。ご自身のプレーを振り返って、いかがですか

オフェンスでは行けるところは行くという判断だったのですが、それ以上にディフェンスからトランジションで走るということを強調していたので、ディフェンスの強度を上げていこうということを意識していました。

――ゾーンディフェンスについては、いかがでしたか

ゾーンディフェンスを前半で少しやった時に、大東大の8番の石川(晴道)選手にスリーポイントを決められてしまい、ほぼマンツーマンでやっていました。流れが悪い時間でも、強度を落とすことなくプレッシャーをかけて、ディフェンスリバウンドまで集中してできたのは大きな収穫だし大きな成長だと思っています。

――チームとして、リーグ戦を振り返って、いかがですか

チームとして大きく向上したのは、ボールマンプレッシャーとリバウンドです。今日の1試合を通して、そこは丸々よかったと思うので、チームとして成長できたと思います。

――明日でリーグ戦は最終日となります。意気込みをお願いします

明日は青学大で、リーグ戦最終日ですし、勝てば9位となります。(インカレ)チャレンジマッチに向けて、いい流れでチームとして盛り上がっていけるように頑張っていきたいと思います。

小野功稀(社1=新潟・開志国際)

――試合を振り返って、いかがでしたか

ここまで神奈川大戦から勝てていなくて、今日やっと勝つことができて、まずはうれしいです。僕たちがやろうとしてきたバスケットスタイルというのがずっとできていなかったのですが、それが今日初めて体現できたというのが、特にうれしいです。

――シューターとしてリーグ戦でのご自身のプレーを振り返って、いかがですか

リーグ戦の最初の方は、強豪校が相手ということもあり、緊張してあまり積極的に打てていなかったです。けれど中盤らへんで、僕がけがをして休んでいた時があったのですが、その時に外からチームを見ていて、(土家)大輝さんや(宮本)一樹さん以外が消極的になっている気がしました。それで僕が積極的に行くしかないと思って、復帰してからは積極的に行きました。今日、その成果が出て良かったです。

――ディフェンスではボールマンに積極的にプレッシャーをかける場面もありました。どのような姿勢で望んでいましたか

今はガードの方とマッチアップすることが多いのですが、僕はスピードがあるわけではなく、 普通に1対1をしたら負けてしまいます。なのでプレッシャーをかけてスリーポイントを打たせないこと、そして抜かれた後にヘルプに行ってすぐ戻ったり、他のところのカバーに行ったりすることを意識していました。

――明日でリーグ戦は最終日となります。意気込みをお願いします

今日勝って、明日負けたら意味がないので、明日も勝って、いいかたちでリーグ戦を終えて、(インカレ)チャレンジマッチに望みをつなげたいと思います。