攻撃の糸口つかめず東海大に敗戦 それでもチームは成長を見せる

男子バスケットボール

 拓大に逆転負けを喫してから一夜、関東大学リーグ戦(リーグ戦)第8節で挑んだ相手は、大学バスケ界でスター軍団とも評される東海大。ここまで4連敗している早大にとって、これ以上の黒星は避けたい。その思いのままに、第1クオーター(Q)から走るバスケットを見せ、6点のリードを奪った。しかし第2Qに入ると、強度の上がった東海大のディフェンスを前に、シュートを決めきれず、逆に速攻を食らうかたちとなる。迎えた後半戦、F宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)やF小野功稀(社1=新潟・開志国際)の得点で応戦するも、「僕たち(の気持ち)が切れてしまった」と宮本。少しずつ東海大の背中は遠のいていき、49−85でタイムアップ。今大会の戦績を1勝7敗とした。

 前日で課題としていた出だしの弱さを克服し、試合は最高のスタートで始まった。序盤からゾーンディフェンスで先手を取ると、東海大の落としたシュートを確実にマイボールにして攻撃回数を増やす。F星川堅信(スポ3=京都・洛南)のミドルシュートで最初の得点を決めると、その後も中外バランス良く得点を積み重ねていく。第1Q終盤には、G土家大輝(スポ3=福岡大大濠)、F宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種)、宮本が立て続けにスリーポイントを沈め、21−15 の6点リードで終えた。しかし第2Q、土家が「なかなか中に入っていくことができず、中に入ってもパスを出すのが難しかった」と話す、東海大の真骨頂である堅いディフェンスを前に、ここまで順調に重ねてきた得点が停滞する。このクオーター、早大の得点はわずか4点。攻撃の糸口がつかめないまま大きく離され、25−41で試合を折り返した。

積極的な攻めを見せる宮本

 後半戦に入ると、オールラウンドに攻撃ができる宮本が積極的にドライブを仕掛けて得点する。アウトサイドでも、小野がスリーポイントを決めて食らいつく姿勢を見せた。しかし、東海大のディフェンスは「ガード以外はほとんど190センチメートル近い選手がいるというところで、サイズだけでも結構プレッシャーを感じる上に、5人交代で出てくることもあり運動量もあった」と宮本。ディフェンスを崩せず、早大オフェンスにターンオーバーも目立ち、徐々に点差を離されていった。最後まで反撃は叶わず、リーグ戦7つ目の黒星となった。

勝負所で得点する小野

 第1Qではリードしていただけに、選手たちにとって悔しい敗戦となったはずだ。試合中盤に逆転された時、相手のディフェンスを崩せず、早大が外角からの攻めに偏ってしまったところに勝負の分かれ目があった。一方で、土家は「チームとしての成長を感じることのできた試合だった」とも振り返った。特に試合の出だしの部分を修正することができたのは大きな進歩だ。次戦は11月4日の専修大との戦い。東海大に引き続き手強い相手だが、一つ一つの成長を重ねていくことで、勝利への道は拓けてくる。

(記事 落合俊、写真 五島彩花)

第97回関東大学リーグ戦 10月31日(vs東海大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 11 13 49
東海大 15 26 19 25 85

◇早大スターティングメンバー◇
G#1 神田誠仁(社3=静岡・浜松開誠館)

F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

F#13 星川堅信(スポ2=京都・洛南)

F#14 小野功稀(社1=新潟・開志国際)

F#77 石坂悠月(スポ1=東京・国学院久我山)

コメント

宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

――東海大との一戦を終えて、率直な感想をお願いします

これまで7試合を終えて、残り4試合ということで、後が無い中で負けてしまったのはすごく悔しいです。昨日の入りが悪かった中で、今日の1ピリ、2ピリのような良い入りができたのは今後4試合に向けてチームが一つになれるチャンスだと思います。今日の入りが良かったことはチームとして良かったかなと思います。

――試合の出だしについて意識していたことはありますか

昨日の試合の終わりに、コーチスタッフやキャプテンと、入りでやられてしまって追いつくのにエネルギーを使って、最後に体力切れで負けてしまったという話をしました。入りを取ることによって、今日は足がつる人も出なかったですし、余計なエネルギーを使わずに自分たちも軽いタッチでシュートを打てました。そういったところは入りが良くできたから生まれたことなので、そこは良かったかなと思います。

――第2Q以降はあまり得点が伸ばせず東海大にリードされる時間帯も多かったですが、どのような心境で攻めていましたか

相手が堅実にインサイドを狙いつつ、ピックアンドロールも絡めつつ、中外バランス良く取ってくるのに対して、僕たちは点数が入っていた時はトランジションで走りながら中外を取れていたのですが、点数が取れない時間帯はスリーポイントばかりで単発になってしまいました。自分たちのリズムで打つシュートではないからオフェンスリバウンドも全然取れずに10点、15点と開いてしまいました。なので、そこは次戦に向けての反省として挙げました。

――東海大と戦う中で、攻めづらい部分はありましたか

ディフェンスの守り方が、小さくペイントを守るようなスタイルで、なおかつハンズアップをしていました。ガード以外はほとんど190センチメートル近い選手がいるというところで、サイズだけでも結構プレッシャーを感じる上に、5人交代で出てくることもあり運動量もありました。そこで3ピリで僕たち(の気持ち)が切れてしまったという感じですかね

――リーグ戦も残り3試合となりました。これ以降、どのような試合にしていきたいですか

これから3試合で全敗してしまうと、インカレチャレンジマッチにまっしぐらだと思います。今日、東海大相手にあのような入りができたことはチームとしての成長と捉えていいと思います。1試合、2試合と確実に勝ちを取るために、木曜日まで3日間ほどしかないですが、さらに修正して次戦に挑みたいと思います。

――その中で宮本選手はどのようなプレーを心がけていきたいですか

今日、途中で15点差、20点差開いてしまった時に、自分も昨日から30分、40分と出場して疲労も溜まっている中でなかなかみんなに声をかけられませんでした。その中でどんどん点差が開いてしまったのは、半分くらい僕の責任だと思っています。周りへの声かけというのは絶対にやっていかなければいけないところだと思っているので、チームの核となれるような声かけをしていきたいと思います。

土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

――東海大との一戦を終えて、率直な感想をお願いします

負けてしまったけれど、チームとしての成長を感じることのできた試合だったので次に繋がるゲームだったと思います。

――東海大のガード陣とのマッチアップは、どのような印象でしたか

東海大学はガード陣だけでなく他の選手も上手で穴のないチームだと思います。けれど、やりたいことをやらせないという風にチームとしてディフェンスを徹底して挑めたので、そこが良い流れを持ってくることができた要因かなと思います。

――第2Qでは、なかなか得点が伸びない中、東海大に少しずつ離されていきました。どこに原因がありましたか

自分たちがリードしている中で、ペイントタッチせずにスリーポイントシュートで逃げて受け身になってしまった部分がありました。そこでシュートが落ち始めたり、自分達のミスが続いたりして相手に走られてしまったのが反省点です。

――東海大と戦う中で、攻めづらい部分はありましたか

フィジカルもサイズも全然違うので、他のチームと違って留学生はいませんがピックアンドロールを使ってもなかなか中に入っていくことができず、中に入ってもパスを出すのが難しかったと感じました。

――リーグ戦も残り3試合となりました。これ以降、どのような試合にしていきたいですか

残り3戦で、1つでも多く勝つというのがチームにとって大事で、3試合とももちろん勝ちにはこだわるのですが、試合を重ねる毎にチームとしてレベルアップして、やるべきことを全員がやるという風していきたいです。そうすれば、インカレチャレンジマッチの時には良いチームになっていると思うので、残り3試合を通して、今までのリーグ戦で出た自分たちの課題をしっかり克服して戦っていきたいです。