関東大学リーグ戦(リーグ戦)2連敗中の早大は「絶対に負けられない試合という気持ち」(F宮本一樹、スポ4=神奈川・桐光学園)で神奈川大戦に臨んだ。第4クオーター(Q)残り8秒で2点ビハインド。神奈川大のディフェンスをかいくぐって出されたパスは、左サイドのコーナーで待っていたF星川堅信(スポ2=京都・洛南)の手に収まった。試合終了のブザーとほぼ同時に放たれたスリーポイントシュートはネットに吸いこまれ、早大はブザービーターでの劇的勝利を飾った。
これまで課題としていた出足は、まずまずの出来だった。G土家大輝(スポ3=福岡大大濠)の2連続得点で先制し、相手に主導権を渡さなかった。しかし、要所でシュートを決めきれず、流れをつかめない。膠着(こうちゃく)状態のまま、第1Qは終了した。試合が再開すると、神奈川大のスリーポイントが当たり、一気に引き離される。早大はF小野功稀(社1=新潟・開志国際)らの連続スリーポイントで食らいつくが、流れに乗ることができない。前半残り4分以降は1本もシュートを決めることができずに、24−36で試合を折り返した。
ディフェンスをかわして、シュートを放つ宮本
迎えた後半。「3Qと、4Qの前半は我慢して、最後の3分で勝負」という倉石平ヘッドコーチ(昭54教卒)の言葉通りの試合展開となった。ゾーンディフェンスで相手にいいシュートを打たせず、オフェンスでは前半よりも強気なプレーで相手のファウルを誘う。早大ペースのまま試合は進み、6点差で第4Qに突入した。神奈川大がスリーポイントを決めれば、早大は宮本のインサイドプレーなど、ペイントエリア内での得点で追いすがる。残り3分45秒でスリーポイントを沈められ、11点差。この勝負所で早大は渾身の力を振り絞り、オールコートディフェンスでプレッシャーをかける。土家のドライブインなどで連続得点、残り1分で星川がスティールから速攻で得点し、3点差。さらにラスト25秒で宮本がゴール下のタフショットを沈め、1点差まで迫った。タイムアウト明け、フリースローで相手に1点を返され残り8秒。星川のブザービーターで、62−61という劇的な幕切れとなった。
笑顔でプレーをする星川
「それまでのプレーがひどかったので、入って良かったなという気持ち」と最後のシュートを振り返った星川。粘りのディフェンスと、強気なオフェンスが功を奏した。次の試合は今週末、中大との対戦だ。宮本は「明日はしっかり休んで、明後日から対策していきたい」と意気込んだ。
(記事 冷水睦実、写真 落合俊)
第97回関東大学リーグ戦 10月6日(vs神奈川大) | |||||
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1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 |
15 | 9 | 19 | 19 | 62 |
神奈川大 | 17 | 19 | 13 | 12 | 61 |
◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)
G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠) F#13 星川堅信(スポ2=京都・洛南) F#14 小野功稀(社1=新潟・開志国際) F#25 宮川丈クレイトン(商3=愛知・千種) |
コメント
宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)
――今日の試合を振り返っていかがでしたか
リーグ開幕から2連敗して、チームとしても絶対に負けられない試合という気持ちで挑みました。他の2試合同様、試合の入りが悪かったのですが、第3Qで長く我慢できて、そういったところが諦めない気持ちにつながったのかなと思います。
――前半のディフェンスを振り返って、反省点を教えてください
僕らはドライブされる時に、ペイントを触らせないというのがディフェンスのコンセプトとしてあります。しかし、どうしてもミドルドライブを縦に切られてしまい、ペイントに侵入されてから、外に捌(さば)いてスリーポイントというのが目立っていました。そこで相手の選手にスリーポイントを決められてしまったので、前半の反省点としてはそこが大きいかなと思います。
――後半追いつけた要因はどこにあったと思いますか
今までの2試合と違って、サイズとスピードのミスマッチがあまりなかったので、「3Qと、4Qの前半は我慢して、最後の3分で勝負できればいいよ」という倉石さんの言葉がありました。それを信じて、3Q、4Qは1桁差でついていって、最後の最後で勝てればいいなという試合展開でした。実際に、最後まで我慢して流れがきて、あのように終われました。
――後半、強気に攻めることができていました。何を意識していましたか
相手のファールがかさんでいたので、強く当たりファウルになったら全部フリースローでした。なので、僕だけではなく、外の選手もドライブにいってファウルをもらうシーンが多かったです。そこが後半のオフェンスとしては良かったかなと思います。
――ベンチからはどのような声をかけられましたか
僕は後半、フルで出ていましたが、ベンチからはずっと鼓舞する声が聞こえていました。最後まで頑張ろうと思ってやりました。
――次の試合への意気込みをお願いします
次の試合は中大が相手で、また中3日で厳しい戦いが続くと思いますが、神奈川大同様、留学生もいないチームですし、負けられない試合です。明日はしっかり休んで、明後日から中大の対策をして、絶対勝っていきたいと思います。
星川堅信(スポ2=京都・洛南)
――最後のスリーポイントを振り返って、いかがですか
それまでのプレーがひどかったので、入って良かったなという気持ちです。
――第4Qに入ってプレーが良くなったように思いますが、ご自身ではいかがですか
プレーの流れを読むほどの余裕もなく、悩みながら(試合に)入ってしまいました。今日はインサイド陣がけがをしていて、僕が4番ポジションで出ることが多かったのですが、対応力がなかったと思います。最後はみんなが喜んでくれたのですが、それまではうまくいかなかったので、日曜日の中大戦はまた頑張りたいです。
――昨年のリーグ戦を経験していないということをどのように感じていますか
リーグ戦が始まって3試合目ですが、まだ満足できる試合がないので、最後に成長できていればいいかなと思います。1試合ずつを大切にしようとする気持ちをもっと出せれば、いいプレーができるかなと思います。
――リーグ戦の目標を教えてください
宇都宮ブレックスを経験させてもらって、自分自身がちっぽけに感じました。リーグ戦は各チームにエースがいると思うのですが、全チームと戦うことができるので、そういう選手たちを1対1で止めたいなというのが僕の今回の目標です。そこはある程度できていたのですが、ディフェンスのことを考えすぎてしまい、(オフェンス面での)自分の役割を全うできていないと思いました。なので、ディフェンスはこれからも続けながら、オフェンスでも役割を果たせたらと思います。
――チーム内でのオフェンスの役割は何だと思いますか
今日の試合の前に監督から30点を目標にと言われていたので、点を取ることが求められていると思います。シーズンが始まった時は、チームとして個人のスキルにフォーカスした練習が多くて、僕自身もドリブルなどからオフェンスをしていました。けれどキャッチしてすぐに攻めるだとか、そのようなオフェンスができていないと思います。僕は1対1でやれるとは思うのですが、それは今のチームスタイルには反しているので、チームの中で僕の良さを出しながら、どうやって攻めたらいいのかまだ分かっていないです。