序盤のビハインド追いつけず、筑波大に敗戦

男子バスケットボール

 大学バスケの秋がやってきた。全11試合に及ぶ長丁場となる関東大学リーグ戦(リーグ戦)がついに開幕した。リーグ戦は2年ぶりの開催となったため、リーグ戦を経験したことがない選手は多い。このような状況の中、一つでも多くの勝利をつかみとりたい早大が初戦で対戦したのは、代表選手やけがなどで主力を欠きながらも春の関東大学選手権(トーナメント)で3位という好成績を残した筑波大。序盤、上背を生かしたプレーから筑波大にリードを奪われる。第2クォータ(Q)以降は、早大もディフェンスからの速攻を中心に反撃を見せ、拮抗(きっこう)した展開となる。しかし終盤、試合巧者・筑波大にディフェンスとリバウンドで封じ込められ、最終スコア49―81で敗戦を喫した。

 序盤からインサイド陣を中心に試合を組み立てる筑波大。対する早大はリバウンドを取ることができず、何度もセカンドチャンスからの得点を許し、試合のペースを握られる。G土家大輝(スポ3=福岡大大濠)を中心にオフェンスを展開するが、「普段の練習では体験できない高さの相手なので、シュートチェックでも気にしてしまう部分があった」(土家)と語る筑波大を前に、シュートを決めきれないまま10ー23で第1Qが終了。続く第2Q、早大オフェンスが機能し始めると、今大会でけがからの復帰を果たしたF宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)がスリーポイントを沈め、一気に6点差まで詰め寄る。その後も土家のカットインや宮本のポストプレーを中心に得点を重ねるが、筑波大のスターティングメンバーを相手に思うような得点ができない。終了間際に、土家の速攻やF津田誠人主将(スポ4=京都・洛南)がゴール下での合わせプレーから得点し、27―36と1桁差まで追い上げを見せた。出だしの不安定さが目立った早大だが、その後は立て直すことに成功し、後半戦へ。

要所でチームを鼓舞した津田主将

 後半戦開始早々、早大はディフェンスからの速攻などテンポの早い試合展開から連続で得点し、このまま勢いに乗るかと思われた。しかしその直後、津田が膝の負傷により、ベンチに下がると、筑波大はその隙を突いて得点を重ねる。早大は落ち着きを取り戻そうとタイムアウトを要求。その後は両者得点を取り合う一進一退の展開となり、開始時の9点ビハインドのままで最終第4Qへ。しかし、ここで試合が大きく動いた。津田が欠けサイズがなくなったことや疲労から足が止まったことで、筑波大の堅いディフェンスを崩すことができない。そのまま速攻につなげられ、開始3分で18点差まで開いてしまう。タイムアウトで修正を図りたい早大だが、筑波大の加速した勢いを止めることはできない。宮本が「追いかける立場である自分たちは力んでしまって得点できなかった」と話すように、残り2分まで早大は1本もシュートを決めることができず、最終スコア49―81と大差をつけられ、敗北した。

けがからの復帰後、大きな活躍を見せた宮本

 この試合を振り返って、「やっぱり試合の入りというところが大事だなと再認識させられました」と宮本。序盤からビハインドを背負い続けたプレッシャーで、最後は力尽きてしまったことが敗因として挙げられる。リーグ初戦を悔しい黒星で迎えてしまった早大だが、高さのあるチームに対するオフェンスの面で、大きな収穫があったように思える。次戦の相手は留学生選手にゴール下を支配されトーナメントでの敗戦を経験している日体大。「しっかり修正してきたのでそれを発揮して1勝を挙げられれば」と、土家は自信を持って次戦への意気込みを話してくれた。気持ちを切り替え、まずは1勝をつかみにいく。

(記事 落合俊、写真 小澤慶大)

第97回関東大学リーグ戦 10月2日(vs筑波大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

10 17 17 49
筑波大 23 13 17 28 81

◇早大スターティングメンバー◇
F#8 津田誠人主将(スポ4=京都・洛南)

F#7 宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

G#12 土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

F#13 星川堅信(スポ2=京都・洛南)

F#14 小野功稀(社1=新潟・開志国際)

コメント

F宮本一樹(スポ4=神奈川・桐光学園)

――試合を振り返って、感想をお願いします

自分個人としては、昨年けがをしてから1年ほど試合に出ていなかったので、1年ぶりの試合に対して少し緊張していたのですが、1本決めてからリズムに乗ってきて感覚をつかむことができました。チームとしては、入りで筑波大のリバウンドの高さであったり、速さのある選手に対してうまく対応できていなかったりなどして点差が開いてしまい、その差を埋めるために第4Qまでエネルギーを割かなければならなかったため、途中で力尽きてしまいました。やっぱり試合の入りというところが大事だなと再認識させられました。

――久しぶりの試合でしたが、どのような心境で望まれましたか

以前までは試合に対して緊張しやすかったのですが、今年に入ってからは何度か練習試合もしてきていたので、昨年ほどは緊張せずに試合に臨むことができました。いつも通りにプレーすれば通用するとは思っていました。

――今日の試合の敗因はどこだと思いますか

試合の入りの悪さが一番だとは思うのですが、それでも途中ではかなり差をつめることができたのに捉えきることができなかったので、試合巧者としては相手の方が上だったのかなと思います。

――高さのある相手インサイドに対して、リバウンドをとるために意識したことはありましたか

チームとして相手選手をペイントエリアから押し出すということを徹底しているのですが、相手選手とのミスマッチのところではボックスアウトしているけれど点を取られてしまうシーンがあったので、今後修正していければと思います。

――第4ピリオドは大きく離されてしまったと思いますが、何が要因でしょうか

筑波大は点差があったので気負わずにシュートを放つことができていたのですが、追いかける立場である自分たちは力んでしまって得点できなかったため点差が開いてしまったという印象です。試合の入りが悪かったことが最後まで影響してきたのだと思います。

――チームとして成長を感じた部分はありますか

チームとして味方のために動くように心掛けていて、オフボールの動きを意識して攻めることができていたので良かったと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

主将の津田がけがしてしまったのですが、相手の日体大のバム・ジョナサン選手(日体大)もけがをしてしまったみたいなので両チームとも厳しい戦いにはなると思います。4年生で試合に出ているのは僕しかいないので、コート上で先導して引っ張っていき、粘り強く試合を進めて勝利できるように頑張りたいです。

G土家大輝(スポ3=福岡大大濠)

――今日の試合を振り返って、感想をお願いします

筑波大は身長があってリバウンドをしつこく我慢しないと今日のような展開になると分かっていたのですが、チームとして津田さんがけがをしてしまってサイズがない中で戦っていくうえで点を取られてしまい、最後の第4Qでは足が止まってしまったのでそこが敗因かなと思います。

――春のトーナメントからスタートメンバーが少し変わっていましたが何か変化はありましたか

宮本さんや津田さんがけがから帰ってきて人数も増えたので、トーナメントが終わってから練習試合や遠征の中でいろいろなメンバーを試しながら戦った結果として今のメンバーになっています。

――筑波大は身長が高い選手が多かったですがオフェンス面で意識していたことはありますか

筑波大といえばピックしたときにインサイドの選手がハードにディフェンスしてくるので、それに対して果敢にアタックしていくということと、自分たちは強みとしてスリーポイントがあるのですが、スリーポイントばかりだとどうしてもオフェンスリバウンドを取ることができなくなってしまい流れが相手にいってしまうので、しっかり中をアタックした上でスリーポイントを生かしていこうと考えていました。

――試合の中でドライブが多かったことについては戦略だったのですか

自分がワンガードで出るシーンも今までより多くなったので、そういった時にしっかりとピックを使ってスピードのミスマッチを狙って仕掛けていったのですが、相手選手の身長が高くてパスを出しにくく、もう一つ工夫しないといけないということは勉強になりました。

――試合を通してやや決定率が良くないように感じたのですがどうでしたか

普段の練習では体験できない高さの相手なので、シュートチェックでも気にしてしまう部分があったため、シュートの確率が良くなかったのかなと思います。

――この試合を通してのディフェンスの振り返りをお願いします

二上選手(筑波大)のところにミートでダイレクトドライブされたということがいたかったなと思います。自分たちは小さく小さく守ってるのですが、1対1の部分でやられてしまったことがチームとしての反省かなと思います。個人的には勝負所でプレッシャーをかけたつもりではあったのですが、1試合を通して序盤から継続して行うができなかったので、まだまだ足りない部分だなと思います。

――第4Qで大きく離されてしまいましたが、要因はどこにあるとお考えですか

オフェンスもあの時は単発になっていましたし、集中力が切れて相手に速攻を出されてしまったことが原因だと思います。自分たちがもっとオフェンスリバウンドに絡んでいき、ペイントタッチできていたら違う展開になって、大差にはならなかったのかなと思います。

――明日の日体大戦に向けて意気込みをお願いします

春のトーナメントで負けている相手なので、その試合でダメだったリバウンドと留学生の守り方を自分たちは一度経験し、しっかり修正してきたので、それを発揮して1勝をあげられればなと思います。