専大に善戦も終盤に力尽きる

男子バスケットボール

 関東大学リーグ一部残留のためにこれ以上黒星を重ねることは許されない早大だが、攻撃の要の一人であるF宮本一輝(スポ2=神奈川・桐光学園)を欠くなどチーム状況は苦しい。そんな中、格上の専大相手に第3Q(クオーター)終了時までわずかながらリードを保つ熱戦を繰り広げた。第4Qで失速し、敗北を喫したが、ディフェンスを起点にリズムを作るという早大のバスケのかたちを中盤までは体現した試合になった。

 C小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)が先制すると、小室、F桑田裕平(商4=京都・洛南)のスリーなどで加点。専大も譲らず第1Qは17-19。第2Qでは前半にG土家大輝(スポ1=福岡大大濠)が続けてスリーを決める活躍。リバウンドや攻撃のスピード感では専大が上回っていたが、前半終了間際にはF津田誠人(スポ2=京都・洛南)が躍動し、37-33と4点リードで試合を折り返す。

第3Q、攻撃に大きく貢献した柳川

  第3段落第3Qも津田の勢いは衰えず、連続して加点。さらに小室やG柳川幹也(スポ3=京都・洛南)のスリーも立て続けにさく裂する。しかし終盤、相手シューターをフリーにする場面が目立ち、点差を詰められて57-56で第4Qへ。第4Q開始早々にバスケットカウントで逆転されると、少しずつ点差を広げられていく。ディフェンスの崩れからオフェンスもリズムを失い、沈黙。津田のレイアップや桑田のスリーで追いすがるも、第4Qの早大の得点はわずか7点にとどまる。再逆転は叶わず、64-76で試合を終えた。 

欠場した宮本の穴を埋めるべく奮闘した津田

 「第3Qまでは自分たちのゲームプランを徹底できて、自分たちのペースで試合を進められた」(柳川)と振り返ったように、ゲーム終盤まで格上相手に一歩も譲らないプレーを見せたが、最後は地力でねじ伏せられた。第3Qまでの戦いぶりは評価に値するが、リーグ戦通じて終盤に突き放される試合が多いことは明らかに早大の課題だ。リーグ戦も残りわずか。2部自動降格を避けるため、「一戦一戦死に物狂いで危機感を持って」(柳川)勝負にこだわった試合を展開したい。

(記事、写真 町田華子)

第95回関東大学リーグ戦 vs専修大
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 20 20 64
専修大 19 14 23 20 76
F#8 津田誠人(スポ2=京都・洛南)
G#12 土家大輝(スポ1=福岡大大濠)
F#17 高坂俊輔(社4=東京・早実)
C#39 桑田裕平(商4=京都・洛南)
F#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

第3Qまでは自分たちのゲームプランを徹底できて、自分たちのペースで試合を進められたんですけど、第3Qの後半くらいから自分たちのやろうと言っていたことを遂行できなくて、結果自分たちのリズムを作ることができずに相手にリズムがいってしまったのかなと思います。

――終盤に引き離された要因は

きょうの試合は具体的にやらせたくない選手、点を取らせたくない選手が決まっていて、それにもかかわらず点を与えてしまったことで、流れができてしまったのかなと思います。

――専修大に対してどのような対策を練っていましたか

中心選手として西野選手と盛實選手が挙げられるんですけど、その二人には徹底してスリーポイントなど好きなことをやらせないようにしようということを心がけていました。でもほかにもシュートが入る選手が多くいるので、その選手に対してはスリーポイントを打たせないようにしようという話でゲームスタートしたんですけど、第3Qの後半から第4Qに打たせたくない選手に打たせてしまって入ってしまったり、リバウンドを取られてしまったりというのが結構離された要因かなと思います。

――オフェンスで意識していた点はありますか

きょうはチームとして走って、リングアタックを増やそうという話をしていたんですけど、前半はよくボールも回っていましたし、自分たちのリズムで点を重ねることができたんですけど、後半ディフェンスがうまくいかない中で自分たちの走るリズムに持っていくこともできませんでしたし、ボールが止まってしまって結局個人が孤立してしまって1対1にしてしまったりとか、難しい攻めを選択してしまったのかなと思います。自分たちはディフェンスからオフェンスのリズムができるので、オフェンスが駄目だったかなってみえるかもしれないんですけど、ディフェンスから修正しないといけない部分かなと思います。

――ご自身のスリーポイントシュートはチームにとって大きな武器ですが、きょうのご自身のオフェンスを振り返っていかがですか

ここ最近スリーが入っていなくてチームに貢献できていなかったので、2本決められたというのは自分としては気持ちを切り替えられるというか、もう一度自信を持ってスリーを打てる分岐点になるんじゃないかなと思いました。でもスリーだけが僕の仕事ではないので、ピックアンドロールで相手を崩して味方にアウトレットパスを出してシュートを打たせるだとか、ディフェンスもハードワークで相手に思うようにやらせないというのが僕の一番の役割だと思っているので、そこを徹底したうえで武器であるスリーポイントを試合の中で決めてチームに貢献できればいいんじゃないかなと今考えています。

――今後に向けて意気込みをお願いします

あと6試合、自動降格が見えてきてしまっていてそうなれば4年生とのこのチームは解散してしまうので、そこだけは避けないといけなので、一戦一戦死に物狂いで危機感を持って全員がしっかり戦っていかないといけないと思います。

F津田誠人(スポ2=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

宮本が脳震とうで抜けてしまっていて、本人も悔しい思いをして、チームメイトもいつも以上に頑張ろうという意識があった中でのこの一戦で、それでも宮本がいない部分のマイナス面が大きくて体力切れとかもしてしまって、徹底するべきところを徹底できなかったのが敗因だったので、詰めるところをもう少し詰めていけたらなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

自分としてはいつももう少し外からシュートを決めることができたんですけど、思うように打てなくてその代わり中でやろうという意識があったので、中でのシュートをコンスタントに取れたのは良かったと思うんですけど、ミドルシュートとかが前半ちょっとアテンプト自体が多くなってしまったので次回からに生かしたいと思います。

――オフェンス面で意識した点はありますか

チームとして練習の時から意識しているのは、ディフェンスからスタートするのが早稲田のバスケっていうのはリーグ戦で一貫して続けていこうと言っている点なので、そこはぶらさずに意識していました。

――きょうの試合で手ごたえを感じた部分はありますか

宮本が4番ポジションにいない試合で、最終的には点差が開いてしまったんですけど、僅差で展開できたことがチームとしてポジティブに捉えたら自分たちの実力がついているということなので良かったなと思います。

――今後に向けて意気込みをお願いします

このチーム自体がオフェンスで絶対にとれるという選手がいないので、その分ディフェンスのリバウンドだったりルーズボールだったり、あとは細かなミスだったり、そういったところをほかのチームができる以上にやらないといけないと思っているので、コミュニケーションや体の当て方など、僕たちには僕たちなりのやることがあると思うので、そこを大事にしてやっていきたいと思います。