ルーキー躍動!新生ワセダが好スタート

男子バスケットボール

 また今年も新しいシーズンが開幕した。この日から始まった東京六大学リーグ戦は各チームが新体制で臨む初の公式戦であり、今後の行方を占う大会になっている。早大は法大と対戦した。G土家大輝(スポ1=福岡大大濠)、G神田誠仁(社1=静岡・浜松開誠館)のルーキー二人がスタートから出場するなど、フレッシュなメンバーで臨んだ早大は積極的なプレーを見せ、76-70で勝利。いい形で新シーズンのスタートを切った。

 まずC小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)がゴール下で体の強さを見せ得点を奪い、その直後の守備で24秒守りきり快調な出だしを見せる。その後も連動した守備からリズムを作っていくと、土家、F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)がアグレッシブなプレーを見せ得点を重ねていき、10点差で第1Q(クオーター)を終える。続いて第2Q、代わって入ったG長谷川仁哉(教4=東京・早実)が鋭いパスで得点を演出していくが、じわじわと点差を詰められる。しかしここで宮本が強気なドライブを見せるなどしてリードを保ち、43—38で前半を終える。

ルーキー土家は大学初戦で堂々たるプレーを見せた

  第3Q、G柳川幹也(スポ3=京都・洛南)がスリーを決めるも前半よりハードなディフェンスを見せる相手からなかなか得点が奪えない。しかし宮本がゴール下で抜群の存在感を見せ、連続して流れるようなパスワークからスリーポイントを沈める。その後も宮本を中心に得点を重ね、最終第4Qへ。点差を維持すべく時間を使う早大だったが、残り5分から法大の猛追にあう。相手の流れを止めることができず、18点差が残り約1分で2点差に。不穏な空気の中、ルーキー土家が魅せた。勝負所でスリーポイントを沈めると、最後は再び集中した守備を見せ、最終スコア76ー70で勝利した。

宮本の活躍がチームを勝利に導いた

 「ミスもあったけどやろうとできた。」(宮本)と振り返ったように、荒削りな部分ももちろんあるがチームの雰囲気の良さも感じられ、これからのシーズンが楽しみになるゲーム内容だった。特筆すべきは大学での初戦にもかかわらず堂々たるプレーを見せた土家、「自分のプレーが思うようにできなかった。」と語るも積極性を見せた神田のルーキー達、昨年のインカレを経てさらに大きな存在感を見せる宮本の3選手だろう。ここに加え安定したプレーを見せる小室、F桑田裕平主将(商4=京都・洛南)など上級生が引っ張っていく、新生ワセダに注目だ。

(記事 森田和磨、写真 小林理沙子、阿部かれん)

第15回東京六大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

26 17 17 16 76
法大 16 12 10 22 70
◇早大スターティングメンバー◇
F#7 宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)
G#12 神田誠仁(社1=静岡・浜松開誠館)
G#27 土屋大輝(スポ1=福岡大大濠)
F#39 桑田裕平(商4=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社3=石川・北陸学院)
コメント

F宮本一樹(スポ2=神奈川・桐光学園)

――新シーズン開幕戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

昨年のインカレが僕の中ではまだ頭の中に残っていて、新シーズンなんですけどあの時の気持ちを今まで切らさずに残していて、僕は新シーズン開幕に向けてすごいワクワクしていました。4年生がたくさん抜けてしまった分、戦力的には劣るんですけど、選手によってやっぱり特徴が違うので新しい戦術とか攻め方ができるので。きょうの開幕戦はサイズダウンはしたんですけど走って走ってどんどん次のフォーメーションにつなげてやっていけたので、ミスはあったんですけどやろうとできて、僕の中ではいい試合だったのかなと思います。

――新チームの雰囲気はどうですか

昨年新4年の桑田さん(裕平主将、商4=京都・洛南)しか試合に出ていなかったので、いい意味で下級生、1つ上の小室さん(悠太郎、社3=石川・北陸学院)や僕が自覚を持ってチームを励ましたりだとか、新1年生に声を掛けてあげたりだとかができるので、雰囲気としては悪くないかと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

初戦なので試合感覚だとかボールも違って、シュートの感覚も違ったんですけど、一個一個堅実にディフェンスから走るというのをモットーにやっていました。レイアップだったらボールとかも関係ないので。きょうは1年生も最初の試合だったので思いっきりやっていこうということでやっていって、途中リバウンドだったりノーマークのスリーとか立て続けに打たれたりしてしまったんですけど、そこはみんなで声をかけながらやっていけたのでよかったかなと思います。

――1年生の出場時間も多かったと思いますが、連携などはどうでしたか

1年生も年明けすぐ練習に参加してくれて、そんなに短い時間でチームを作ったという訳ではなくて、ちょっと時間をかけて作ってこれたので、練習通りに1年生も思いっきりやっていたのでよかったかなと思います。

――宮本選手自身のドライブインなど得点への意識がさらに強かったように感じましたが

困った時に得点を取れるのが、僕か小室さんのピックとかあと土屋(大輝、スポ1=福岡大大濠)は結構点取れるんですけどそこくらいしか頼れないので。ピックだけだとそれによって守られてしまうので、僕のドライブや、ドライブからアシストしたりで点が取れるように意識して試合をしていました。

――最後に2年目のシーズンへの意気込みをお願いします

とりあえず僕もきょうはフル出場で、今シーズン苦しい試合が続くと思います。トーナメント(関東大学選手権)の組み合わせを見ても簡単には勝たせてくれる相手はいないです。例年のように我慢して我慢して最後に走って勝てるのがワセダだと思うので、しっかり走っていきたいです。

G土家大輝(スポ1=福岡大大濠)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

大学初の試合で緊張していたんですけど、きのう練習が終わった後にキャプテンの桑田さん(裕平、商4=京都・洛南)から「1年生らしくエネルギッシュにやることがチームにプラスになるし、1年生が与える影響が大きい」という話をして頂いたので、そこは思い切ってできたかなと思います。

――ご自身のプレーを具体的に振り返っていかがですか

最初は練習でやったことがすごい出ていたし、自分のプレーもできていたんですけど、自分たちがリードしている時に後半の3ピリのいいところで、自分が相手選手にフィジカルで負けてターンオーバーをしてしまって流れを持っていかれたというのは、ガードとして反省すべきだと思うのでそれはあさって以降の試合につなげていきたいと思います。

――進学先に早大を選んだ理由は何でしょうか

下級生のうちから経験を積めるというところと、文武両道で頑張れるというところに魅力を感じたので選びました。

――大学でバスケをしてみて高校との違いはありましたか

バスケのスキルなどはやってみてあまり変わらないのですが、フィジカルで当たりながら判断するという、体をぶつけながら奥にドライブした後にいかに判断できるかというのが高校との差だと思います。

――ご自身の持ち味と早大で求められている役割は何だと思いますか

自分の持ち味はドライブとスリーポイントシュートで、早大で求められているのはトランジションで速いスピードでゲームを作りながら、また周りをアタックさせながら自分でもアタックしながら得点に絡んでいくというのがコーチにも求められていると思います。

――次の試合への意気込みをお願いします

春のこの最初の試合というのは、チームを作って行く過程の中で大切なことだと思うので、今のうちにしっかり挑戦して自分の通用するところと通用しないところを見つけて、春のトーナメント(関東大学選手権)とかにつなげていけるように試合にしたいと思います。

G神田誠仁(社1=静岡・浜松開誠館)

――大学での初戦を終えていかがですか

スピードとか体の強さが違うので、自分のプレーが思うようにできなかったのが第一印象です。

――高校との違いは感じていますか

大分感じています。プレーの精度もそうですし、体もそうですし、シュートの精度が結構違います。

――試合内容を振り返っていかがですか

チームとして勝てたことが良かったことだし、チームで練習でやってきたトランジションのところで先輩方が上手くやっているところを生で感じられたのが良かったです。後はこれからの練習や試合で、自分がそれにどうやって絡んでいけるかを考えていけたらなと思います。

――早大を進学先に選んだ理由は

まずディフェンスをタフに頑張ってトランジションで点数を取るところに魅力を感じました。小さいガードでも試合に活躍されている健太さん(森井、現アルビレックス新潟BB)や卓さん(石原、平28社卒)、長谷川さん(暢、現秋田ノーザンハピネッツ)に憧れを持って、進学しました。

――このチームで自分が求められている役割は

まずはディフェンスで一対一を簡単にやられなかったり、声の部分でチームでうまくコミュニケーションを取って、点数を抑えることが一番大事なことです。ディフェンスをまずやってから、その後にオフェンスでコントロールしたり、点数を取りにいったり工夫していけたらいいと思っています。

――ご自身のプレーの強みは

やっぱりディフェンスです。ディフェンスから、点数を取りにいくのが自分のスタイルなので、まずは一対一をプレッシャーをかけてしっかり守ることが自分の持ち味だと思っています。

――大学での意気込みをお願いします

チームの目標がインカレ(全日本大学選手権)優勝なので、秋のリーグ戦(関東大学リーグ戦)を含めて、インカレまでにチームとして一つになってインカレを制することができるように頑張っていきたいと思います。