首位・東海大の背中は遠く、苦しい3連敗

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)も終盤となった第18節、早大は首位・東海大と対戦した。ここまでわずか3敗の東海大に対し早大の戦績は8勝9敗。層の厚い相手に対し万全の状態で挑みたいところだったが、ケガ人の影響でスタメンを含む7人だけがコートでプレーする厳しい戦いを余儀なくされた。第3クオーター(Q)までは東海大の徹底した攻守に手も足も出ず、大きく出遅れる。最終Qにやっと勢いのあるプレーを見せたが、点差を縮めるにとどまりまたも黒星を喫した。

 試合開始から東海大が首位チームの貫禄を見せ、早大は5分間無得点に終わる。G長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)のカットインでやっとこの試合初得点をマークするも、依然として試合の主導権は東海大に握られたまま。前半戦でも苦しめられたタイトなディフェンスに、全く攻めの手を繰り出せず7-17とダブルスコア以上の点差をつけられた。反撃に出たい第2Q、東海大のスピーディな守りを逆手に取る。ボールマンに対する素早いダブルチームでフリーとなったC小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)が2連続でスリーポイントを沈めやっとスコアを二桁台にのせる。しかし、それ以上得点を生み出すことができない。G森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)、G長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)の得意とするカットインも東海大の守りに阻まれる。内がダメなら外から、とアウトサイドシュートを何度も打つが、リングに嫌われ得点の気配がない。22-40と大きなビハインドを背負ったまま試合を折り返す。

桑田の活躍が、この日の好材料だ

  小室がディフェンス2人の上からゴール下シュートを押し込み、後半が幕を開けた。しかし依然として試合は東海大ペースで進んでいく。24点差と大きく離され、第3Qが終了。「自分たちのやりたいことをやらせてもらえなかった」と試合後にF桑田裕平(商3=京都・洛南)が語ったように、ここまでは良いところがないまま試合は進んだ。前回の対戦と同じく最後まで「早大らしいバスケット」ができずに試合終了のブザーが鳴ってしまうのか。一矢報いたい第4Q、やっと攻撃の形をつくりだすことに成功する。桑田がスリーポイントやレイアップでの連続得点で精彩を放つと、エース長谷川暢も得意のカットインなどで追い上げる。しかし残り6分で、インサイドの要である小室が痛すぎるファウルアウト。小室を欠きながらも決死のディフェンスで相手のミスを誘発し脅威の反撃を見せたが、前半で背負ったビハインドが重すぎた。一勝は遠く、60-74で試合終了のブザーが鳴り響いた。

森定は得意のスティールで好機を生み出した

最終Qに猛追するも首位の背中は遠く、3連敗となった早大。次は1巡目では勝利している拓大との戦いに挑む。最下位のチームではあるが、ここ何試合かは上位校に対して僅差の戦いを演じており復調の兆しを見せている。今の早大のチーム状況も念頭に置くと、簡単に勝利できる相手ではない。この日の敗戦でチームの順位は一つ下がり8位となった。リーグ戦も残すところ4戦。12月に控える全日本大学選手権に向けても、「もう負けられない」(桑田)。

(記事 小林理沙子、写真 村上萌々子)

第94回関東大学リーグ戦 10月20日(vs中大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

15 25 17 13 70
中大 25 19 11 16 71
◇早大スターティングメンバー◇
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
G#15 森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵))
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#39 桑田裕平(商3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  桑田裕平:13得点
リバウンド  富田頼:8リバウンド
アシスト  森定隼吾:2アシスト
関東大学リーグ戦1部順位表(10月20日時点)
順位 校名 勝率 得点 失点
東海大 15 0.833 1405 1243
大東大 14 0.824 1276 1091
専大 12 0.667 1339 1310
青学大 11 0.647 1248 1189
筑波大 10 0.588 1321 1241
白鷗大 0.529 1307 1337
日大 0.471 1268 1278
早大 10 0.444 1250 1257
明大 12 0.333 1312 1405
10 中大 12 0.294 1192 1281
11 神奈川大 14 0.222 1225 1361
12 拓大 15 0.167 1400 1610
コメント

F 桑田裕平(商3=京都・洛南)

――人数が少ない中で、首位東海大に対してどのように戦っていきたいと考えていましたか

相手が首位を走るチームということで、とにかくチャレンジャーな気持ちで思い切ってプレーしようと話して臨みました。

――3Pまではなかなか中へ攻め込めない場面が続きました

前半、相手のディフェンスに受けてしまって、自分たちのやりたいことをやらせてもらえなかったことが、なかなか攻めにつながらなかったなと思います。

――4Pでは追い上げを見せ、いいプレーも多く見られました

時間もなかったので、とにかく早くシュートまでもっていこうという話して、攻める人がどんどん攻めてアタックしていこうということで、結果的にいい形が出たのかなと思います。

――チーム全体でアウトサイドシュートが不調である印象を受けました

そうですね。なかなかシュート入る日もあれば入らない時もあるのですが、入らなかった日に違うところで打開するということが大切だと思うのですが、それがなかなかできなかったのかなと思います。

――ご自身のプレー振り返っていかがですか

自分も打ち続けたのですが、最後まで入らなくて、悔しい結果になったと思います。

――この3連敗どのように受け止めていらっしゃいますか

昨日も先週も勝てる試合を落としたことは仕方がないと思うので、次に切り替えて残り4試合しっかり勝てるように、気持ち切り替えていきたいと思います。

――来週への意気込みをお願いします

もう負けられないと思うので、試合の出だしからワセダらしいバスケットができるように頑張っていきたいと思います。