勝負所の一本が決まらず、白鷗大に惜敗

男子バスケットボール

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)第16節、 この日の対戦は現在5位の白鷗大。現在6位と順位は下の早大であったが、1巡目には勝利した相手であり十分に勝機はあった。前半から、ディフェンスリバウンドの徹底や執拗なスティールで勝利への執念を見せる。しかし第4Q、白鷗大に追い上げられ逆転を許すと、同点に持ち込めず。内容だけを見れば白鷗大に引けを取らない充実した試合内容となったが、勝負所の一本が決まらず。惜しくも敗戦となった。

 試合開始から激しい走り合いの試合が展開された。まずは、2メートル強の外国人センターの高いカベに屈せず、C富田頼(スポ4=京都・洛南)がゴール下をねじ込む。続いてF濱田健太主将(社4=福岡第一)もスリーポイントを着実に沈める。しかし、「周りのカバーやチェックができていなかった部分がある」(富田)というように、ダブルチームを仕掛けた後のチェックが甘くなり、白鷗大にフリーで外角のシュートを打たせてしまう。第1クオーター(Q)終了間際、濱田が負傷により退場というアクシデントに見舞われる。得点源を欠いた早大であったが、第2QにはG森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)、C宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)が奮起。連続スリーや、森定の得意とするスティールで好機を生み出し、逆転に成功する。ボールに食らいつく泥臭いプレーの連続で、リードして試合を折り返す。

チーム最多のリバウンドを奪った桑田

 迎えた後半も一進一退の攻防が続く。その中でも、本来の力を取り戻した宮本の内外での活躍が光った。第3Q終了間際には、前節でもここぞという場面でスリーポイントを沈めた小室の殊勲の一発により、点差を5点に広げる。命運を分けた最終Q、白鷗大の速攻で一気に1点差まで詰め寄られる。 残り6分で逆転されるも、F桑田裕平(商3=京都・洛南)の気迫あふれるディフェンスリバウンドや、パスカットで早大も食らいつく。しかし白鷗大のオールラウンダー星野が投入されると、流れが相手に傾き始める。連続スリーを浴びせられ差を広げてしまう。危機一髪の状況で森定がボールを奪い、桑田がゴール下を押し込み、沸き立つ早大サイド。そして残り20秒、ワンゴール差の局面で、桑田が相手の隙をつきスティール。しかし、これが決まれば逆転の場面で小室、森定が放ったスリーポイントは無情にもリングにはね返される。勝負所での弱さが出てしまった。ファウルゲームまでもつれ込むも、最終スコアは68-72で敗北を喫した。

しつこいディフェンスで好機を生み出した森定

 この黒星で通算8勝8敗、リーグ戦での順位は一つ下がって7位となった。それでもシューター濱田、ルーキー津田ら主力を欠くチーム状況ながら、上位校に善戦した早大。僅差での惜敗となったが、「自分たちは詰めが甘い部分があるということを、マイナスではなくポジティブに捉える」と富田が語ったように、選手たちはこの日の敗北を前向きに捉えている。「自分たちのバスケットを見直して、今後につなげられるような試合だった」(森定)。リーグ戦は残すところ6試合、まだステップアップのチャンスは残されている。この日の敗戦を糧に躍進する姿を、早大は見せてくれるだろう。

(記事 小林理沙子、写真 安岡菜月)

第94回関東大学リーグ戦 10月14日(vs白鷗大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

14 23 18 13 68
白鷗大 17 15 18 22 72
◇早大スターティングメンバー◇
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
C#41 小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)
F#39 桑田裕平(商3=京都・洛南)
◇主なスコアリーダー◇
得点  富田頼:21得点
リバウンド  桑田裕平:7リバウンド
アシスト  長谷川暢:6アシスト
関東大学リーグ戦1部順位表(10月14日時点)
順位 校名 勝率 得点 失点
大東大 13 0.867 1120 935
東海大 13 0.813 1236 1100
青学大 10 0.667 1088 1040
専大 10 0.625 1251 1175
白鷗大 0.6 1174 1180
筑波大 0.533 1173 1108
早大 0.5 1120 1112
日大 0.4 1078 1139
明大 11 0.313 1164 1252
10 中大 11 0.267 1053 1132
11 神奈川大 12 0.25 1104 1192
12 拓大 13 0.188 1230 1426
コメント

G森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

ディフェンスがキーになる試合で、第3、4Qで徹底しきれない部分が出てしまって、あとすこしの所で取りこぼしてしまった試合かなと思います。

――第3Qまでは戦えていたと思うが、そこまでを振り返っていかがですか

そうですね、留学生のところにトラップを仕掛けて、全員がスペースをとってしっかり守り切るというテーマで試合に入っていたので、前半はそういう所が徹底できていて、ディフェンスリバウンドも取れていて、上手くいっていたとは思います。でも、第3、4クオーターでそれが上手くできなくて巻き返されたところが敗因かなと思います。

――自身のプレーを振り返って

濱田(健太、社4=福岡・福岡第一)がケガをして、長谷川(暢、スポ4=秋田・能代工)と僕のガードの4年生がチームを引っ張っていかなければいけないという中で、困った時に今日はガードが点を取れなかったという点では、少し不甲斐ない結果だったのかなと思います。

――きょうの敗戦をどのように捉えていますか

上位に行けるかというところで今は戦っていて、これから落とせる試合は無いと思って取り組んでいたところでの敗戦だったので悔やまれるんですけど、こういった敗戦が無いようにもう一度自分たちのバスケットを見直して、今後につなげられるような試合だったと思います。

――次の中大戦に向けての意気込みをお願いします

きょうとは打って変わって留学生もいなくて、身長の低いチームなんですけど、今の僕たちはどこが相手かというよりも自分たちのバスケットをできるかというところが成長の鍵にもつながってくると思うし、それを40分間体現できればしっかり勝ちにもつながってくると思うので、もちろん中央大学という相手にもフォーカスするんですけど、それ以上に自分たちのバスケットというのをまた来週1週間突き詰めてやっていきたいなと思います。

C富田頼(スポ4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

前半はリバウンドなど、自分たちが徹底すべきところを徹底できたんですけど、第4Qの最後のところで少し詰めが甘くなってしまった部分があるので、全員一試合戦う気持ちというのは持っていたんですけど、もう少し詰められる部分があったんだと思います。

――リバウンドはかなり取れていた印象を受けました

全体を通してだと取れていたかもしれないんですけど、勝負所でリバウンドを取られて、そこからイージーにシュートが決められるっていう部分があったので、そこはまだ課題としてあるのかなと思います。

――第4Qで勝ち切ることができなかった要因は

ポストでダブルチームを仕掛けたときに、逆サイドのローテーションのところまでいききれなかった部分と、向こうがスリーが当たっていたのもあるんですけど、周りのカバーやチェックができていなかった部分があります。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

速攻から走れていて、トランジションでの得点もあったのでそこは良かったと思うんですけど、勝負所でもう少し前半と同じような仕事ができれば、もう少しチームの助けになれたんじゃないかなと思います。

――きょうの敗戦はどう捉えていますか

昨日出た課題はある程度クリアできていたので、まだまだ自分たちは詰めが甘い部分があるということをマイナスではなくポジティブに捉えて、そこさえ突き詰めればまだレベルアップできると思って、きょう出た課題は来週克服できるように頑張っていきたいと思います。