後半の出だしで拓大を突き放し、リーグ戦5勝目をつかむ

男子バスケットボール

 連戦が続く関東大学リーグ戦(リーグ戦)、この日の相手は昨年のリーグ戦王者・拓大。拓大は主力選手を欠き、リーグ戦2勝7敗と苦戦しているが油断できない相手だ。第1クオーター(Q)から「自分たちのディフェンスができた」(G長谷川暢副将、スポ4=秋田・能代工)という堅い守りでスタートダッシュに成功。第3Qには20点差をつけるも、拓大の猛追にあう。それでもリードを守り逃げ切り、リーグ戦5勝目を挙げた。

  試合開始早々に、好調のシューター・F濱田健太主将(社4=福岡第一)のスリーポイントシュートがゴールネットを揺らした。両者とも守りが光り、早大はポストに攻め込めずアウトサイドからのシュートばかりの攻めとなる。一方の拓大もより一層磨きがかかった早大のディフェンスにより第1Qをわずか7得点に終わった。10点リードで迎えた第2Qもなかなか攻めきれず、外でのボール回しを余儀なくされる。それでもC富田頼(スポ4=京都・洛南)がこぼれ球に食らいつき、第2Q初得点を奪う。すると濱田もキャプテンの意地を見せ、連続でスリーポイントを沈め、チームを鼓舞した。35-26とリードした状態を保ち、前半を折り返す。

安定感が魅力のG森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)

 第3Qも早大ペースで試合が続く。現在リーグ戦のアシスト数では、トップの数字をたたき出している長谷川暢の華麗なアシストパスを受け取った、C小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)、富田がゴール下をねじ込む。守りでも本領発揮し、拓大に5分間得点を許さない。みるみるうちに点差は20点にまで開く。しかし盤石の試合運びから一転、「どうしてもみんな安心してしまって、気持ちの入ったプレーが出来なかった」(長谷川暢)と拓大の追い上げを許してしまう。開き直った拓大の思い切りのいいプレーで57-47と再び10点差まで詰め寄られる。この日一番の盛り上がりを見せる拓大ベンチとは対照的に重い空気が立ちこめた早大ベンチ。それでもこのまま終わるわけにはいかない。「もう一回仕切り直した」(富田)と第4Qで早大がもう一度主導権を握る。激しいターンオーバーの繰り返しとなった第4Qを制し、72-62と逃げ切った。

チームを支える主将・濱田(左)と副将・長谷川暢

 第3Q後半の失速で一時は勝利が危ぶまれたが、後半出だしの貯金を守り切り3連勝を飾った早大。きょうの試合で奪った得点の7割以上は4年生のゴールと、最上級生がチームをけん引する姿が目立つ。しかし、一方でF津田誠人(スポ1=京都・洛南)、C宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)ら下級生はこのリーグ戦、いまひとつ波に乗りきれていない。ここからの戦いには、彼らの爆発力が不可欠だ。長丁場のリーグ戦も次戦でついに1周目が終わる。この日の勝利でリーグ戦通算5勝5敗となり、勝率をイーブンに戻した早大。上級生と下級生の力がかみ合い、良いかたちで前半戦を締めくくれるかーー。

(記事 小林理沙子、写真 森田和磨)


第94回関東大学リーグ戦 9月22日(vs明大)
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

17 18 22 15 72
拓大 19 24 14 62
◇早大スターティングメンバー◇
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
コメント

G長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうのゲームでは3連勝もかかっていましたし、勝ちが続いている中で自分たちの走るバスケットを展開していこうという話をしていた上で勝てたというのはよかったかなと思います。3Qで途中20点差ついたところからまた10点差に戻されてしまった要因としてはどうしてもみんな安心してしまって、気持ちの入ったプレーが出来なかったというところが今後の課題かなと思います。

――7失点に抑えた第1Qのディフェンに関してどうでしたか

今シーズンディフェンスに関してはとても出来が良くて、相手にたくさん点を取られることがあまり無いのでそこは自分たちのディフェンスが出来たらここくらいまで守ることが出来るんだなと思いました。

――前半カットインなど中に攻めていくことがあまりできなかった印象なのですが、オフェンス面を振り返っていかがでしたか

オフェンスがあまり得意なチームではないので、スリーポイントが入ったらどんどんリズムが良くなって流れができる思うんですけど、そういったカットインとかももっとしたいんですけどそこはまだまだみんなの力不足かなというところもありますし、でもその中でも我慢したゲームで後半よかったのでよかったかなと思います。

――第3Qで9点差まで詰められた要因を具体的に教えてださい

相手が20点差ついたことで思い切りのいいプレーをしてくる中でそこに対して自分たちが受身になってしまったのもありますし、自分自身ずっとコートに立っていたんですけどミスも続いてしまいましたし、僕がもっと引っ張れれば15点とかで抑えられたのかなと思うのでそこは自分の力不足かなとも思います。チームとしてやるべきことはみんな理解できていたと思うので、そこはまぁ長いリーグ戦だったらどこかしらでこういう展開にはなってしまうのかなと思います。

――きょう勝敗を分けた一番の原因はどこだと思いますか

後半の入りですかね。8点差くらいで始まった点差が一気に20点までいけたっていうのはみんなが走ろうっていう意識を持てましたし、出てる4年生みんながリーダーシップを発揮して常にディフェンスからだというふうに声を掛け合ったところで実際勝負は決まっていたのかなと思いますし、最後まで粘り強く戦えたのもそういった要因があるのではないかと思います。

――次節でリーグ戦1周目が終わりますが、次節への意気込みをお願いします

神奈川大学が相手だと思うんですけど、相手もすごく頑張るチームだと思うのでワセダも自分たちのバスケットをして、サイズもあまり変わらない中でルーズボールやリバウンドの所でやっぱり負けないように、オフェンスでは自分たちがリバウンドを取って走るっていうバスケットが出来れば勝てると思うので、締めくくりとして4連勝して最終的に何連勝もすればいいんですけど、目の前の1試合だけ集中して相手がどこだろうと関係なしに自分たちのバスケットをやりたいなと思います。

C富田頼(スポ4=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

自分たちの良いところが出せた時間帯もあったんですけど、その反面悪い部分が出てしまった時間帯もあったので、もっと波っていうのを少なくできればさらに良い試合になったかと思います。

――きょう出てしまった良い部分と悪い部分を教えてください

3ピリの出だしのところで一気に20点まで離せたっていうのは、各クオーターの出だしという部分で、良いスタートが切れたかなと思うんですけど、その後点差が開いてリバウンドであったりシュートのチェックであったりそういうところが緩くなってしまって結局3Qの終わりに10点まで詰められるっていうところがあったので、そこはそういったところで点差が開いても油断しないというところができればもっと良かったかな、と思います。

――第1Qは相手を7点に抑えました、出だしの守りを振り返っていかがですか

向こうがスリーポイントシュートやドリブルからのジャンプシュートが得意っていうのはあらかじめみんな知っていたので、最後までしっかりチェックにいくっていうところが、アウトサイド陣がしっかり頑張っていてくれてリバウンドもしっかり絡んでくれたおかげで、そこまでやらずに済んだのかな、と思います。

――前半はなかなかポストで攻められなかった印象を受けました

向こうの寄りがちょっと速かったっていうのもあるんですけど、もっと落ち着いてやれば周りを見ながらできたのかな、と思います。

――きょうの勝敗を分けた部分は

3ピリの出だしで20点まで開けて貯金ができたおかげで、詰められてもなんとか逃げ切るっていうことができたので、3ピリ向こうに勢いを与えてしまって点差を詰められたんですけど第4Qその流れが向こうにいっている中でも、もう一回仕切り直して、戻りを速くするであったりリバウンドを修正できたので、その修正力という部分ではちょっとずつ毎試合成長しているのかな、と思います。

――ブロックなども目立ちましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

ゾーンを敷かれたときに、もうちょっと中の起点になって良いパスをつなげられれば良かったのかな、と思います。ちょっと周りを見すぎて、何回かミスしかけたりミスになってしまったところもあったので、もっと苦しい時間帯に声を出したり、自分のプレーでももっとできる場面があったんじゃないか、と思います。

――リーグ戦1周目の最終戦となる次戦への意気込みをお願いします

きょう勝ててようやく勝率を五分五分に持ってこれたので、この勢いを落とさずに来週もしっかり勝ち切ることを意識して、良い流れをこのままキープできればいいかな、と思います。