リバウンドを制することができず、連勝ストップ

男子バスケットボール

 前回、王者・筑波大に劇的な勝利を収めた早大。昨年も全く同じ展開で、リーグ戦開幕2連勝で、この第3節を迎えた。しかし昨年はどこか油断があったか、第3節で敗北を喫してしまった。昨年と同じ轍を踏むわけにはいかなかった早大。きょうの相手は、開幕から2連敗しており、巻き返しを図る青学大。第1クオーター(Q)はダブルスコアをつけ、勢いに乗るが、第2Qに簡単に逆転される。第4Qはファウルゲームまで粘るも、惜しくも71-77で敗れ、連勝は止まってしまった。

  出だしこそ、青学大のしつこいディフェンスに苦しめられ不安の残る立ち上がりとなった。それでも筑波大に勝ったという自信の表れだろうか、小気味良くシュートが決まっていく。第1Qでは計4本のスリーポイントシュートを沈める幸先のいいスタートを切った。10-20で迎えた第2Qはガード陣の奮闘が目立つ。まずは、G森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)が鋭いパスカット洛から速攻のレイアップシュートをしっかりと沈める。するとG柳川幹也(スポ2=京都・南)も粘りのディフェンスで相手のPGに食らいつく。柳川はディフェンス、アシストで次世代の司令塔として頭角を現し始めている。リードしたまま終わりたかった前半終了間近、あっさりと逆転されてしまう。早慶戦から尻上がりに調子を上げているC宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)の得点でなんとか取り返し、32-31で前半を折り返す。

次世代のガード・柳川

  この日は審判の笛がいつもに比べ、厳しいものとなった。第3Q残り1分半、森定にアンスポーツマンライクファウルとの笛が鳴り、ここから雲行きが怪しくなる。相手に4連続得点を許し一気に引き離され、第3Q終了。8点ビハインドで最終Qに挑む。F濱田健太主将(社4=福岡第一)が殊勲の一発で、チームを鼓舞する。「ディフェンスリバウンド集中」とヘッドコーチの声もコートに響くが、やはりリバウンドで手こずってしまう。取らなければならないディフェンスリバウンドをあっさりと相手に取られ、セカンドチャンス、サードチャンスを青学大に与えてしまう。攻めの回数が多い青学大は、内外からバランス良く得点を奪い、早大に差を縮める隙を見せない。それでもC富田頼(スポ4=京都・洛南)の先日の試合をほうふつとさせるスリーポイントで、1点差まで詰め寄る。しかしここでもリバウンドの綻びが明らかになる。リバウンドを奪えない早大とは対照的にリバウンドを着実に得点に結びつけてくる青学大。残り1分で6点を追い掛ける厳しい展開に。ファウルゲームまで持ち込むが、時すでに遅し。71-77でリーグ戦初の敗北を喫した。

チームをけん引する主将・濱田

  リバウンドを制する者は試合を制す。それを象徴するような敗戦となってしまった。オフェンスでは互角の戦いを演じた早大。しかし、「ディフェンスリバウンドの部分で相手の方が一枚上手だった」(長谷川暢)というように、敗因はリバウンドを制することができなかった、それに尽きるだろう。手痛い黒星となってしまったが、秋の戦いはまだ始まったばかりだ。この敗戦を糧に、次こそ勝利をつかみにいく。

(記事、写真 小林理沙子)

第94回関東大学リーグ戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

20 12 12 27 71
青学大 10 21 22 24 77
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
コメント

G長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)

――前の試合で筑波大に勝利して、きょうの青学大戦の意気込みは

昨年と同じような展開だったんですけど、昨年も2連勝してその後どう勢いに乗るかっていうところで、気の緩みではないですけど、それに関してはキャプテンを中心にみんなで意識して(試合に)入ることはできたんですけど、やっぱり1試合目という時間的な早さとかつくばという距離であったりとか、そういったところで準備が4年生も含め、下級生は難しかったかなと感じています。良いゲームではあったんですけど、自分たちの中で出し切れなかった部分はちょっとあったのかな、と思います。

――相手のPGに苦しめられた印象でした

そうですね、ガード同士であれば、青学大はディフェンスがすごく上手なチームなので、そこに関して言えばもっと僕が点数を取れるような雰囲気が出せればもっと勢い付いたのかな、と思っていてそこは今後の課題だな、と思いましたし、インサイドの子たちにアシストの部分では結構パスが出せていたので、僕が点数取らなくても周りが取ってくれるような環境ではあったので、そこでやっぱり僕が点数を取らないとチームとしては勢い付かなかったので、そこがきょうの敗因かな、と思います。

――ご自身の調子はいかがですか

 個人的にはもっと上手にシュートまでもっていきたいんですけど、やっぱり高さの部分であったりとか、そういうのは1部の大学では結構レベルが高くてそういった中でも結構落ち着いてコートに立っていることに意味があるかな、という風に思っているので、ディフェンスの部分で一生懸命頑張ったりだとか、声を出して大丈夫だよという風に自分が落ち着いた気持ちでプレーできれば、みんなにも伝染していいかたちにできるのかな、と思うので、自分が活躍することを第一に置くのではなく、チームとして勝てれば一番ベストなのかな、と思います。でも、もう少し調子が上がればいいかな、と思います。

――きょうの勝敗を分けた部分は

ディフェンスリバウンドの部分がずっと課題に上がっているんですけど、相手もサイズもあってフィジカルも強い相手に対して、自分たちが切らさなければ絶対に取れる部分があったと思うので、そこを拾われてしまってゴール下で決められちゃう場面が多々見られたので、そこが勝負所ではあったと思います。そこは4年生がずっと出ていたので、申し訳ないな、という面と小さくても自分たちがしっかりと体を張らないと、インサイドの子たちはもっとサイズが高くて自分たちより大きい相手とやっているので、そこは配慮してあげなきゃいけないな、と思ったので、ディフェンスリバウンドの部分で相手の方が一枚上手だったかな、と思います。

――連戦となりますが、次戦への意気込みをお願いします

今年の目標でもある『一戦必勝』という部分を1ゲーム1ゲーム目の前の試合を、次のことを考えずに全力を尽くしてやりたいな、と思っていて最初2連勝して今回は負けてしまったんですけど、リーグ戦は長くて20試合くらい残っていると思うので、そこでパフォーマンスを落とさずに自分たちも体をケアしながら、総力戦であると思うので、きょうのゲームはいい経験だと思います。次のゲームでしっかり勝てるように頑張りたいです。