ワセダらしいバスケットで、接戦を制する

男子バスケットボール

  秋の関東大学リーグ戦まで2週間と迫った今日、関学大を迎えて今年で89回目となる伝統ある早関定期戦が行われた。前半は相手のタイトなディフェンスに攻めあぐね、拮抗した試合となった。しかし、後半は早大の持ち味であるオールコートプレスを随所で機能させ、第4クオーター(Q)で相手を突き放した。終盤で点差を一気に離すお決まりの試合展開を見せ、早大らしいバスケットで第1戦に勝利した。

 第1Q開始早々、関学大に3連続でスリーポイントシュートを沈められる。G長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)が「重たいゲームだと感じた」と言うように、早大はなかなかリズムに乗れない。それでもチームファウルによるフリースローを着実に決め、相手に食らいついていく。5点リードで迎えた第2Q、C富田頼(スポ4=京都・洛南)がゴール下でパワーを見せ、連続して審判の笛を鳴らす。勢いに乗りたい早大は、ここぞという時に、得意のオールコートプレスを仕掛け相手のミスを誘発する。しかし、関学大のシューターの勢いを食い止めることはかなわず、点差は変わらず前半を終える。

インサイドの要・富田

 迎えた第3Qは内外でバランス良く攻撃し、G森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)の3連続シュートなどで相手を突き放しにかかる。しかし、関学大も引き下がらず、勝負は最終Qにもつれ込む。第4Qは早大にとって狙い通りの展開となる。ここまで何度もオールコートプレスを仕掛けてきたことにより関学大の体力は削られ、第3Qまでのようにはシュートが決まらない。対照的に早大は、尻上がりに調子を上げたエース長谷川暢の勢いが止まらず。自らカットインし、レイアップシュートを決めたと思えば、次は芸術的なアシストで一気に畳み掛ける。最終スコアは74-63で見事、接戦を逃げ切った。

チームに欠かせないエース・長谷川暢

 夏の練習で「一番重点的にやったのはディフェンスの部分」と試合後に富田は語ったが、その成果を十分に発揮できた一戦となったのではないだろうか。きょうの試合では、オールコートプレスを皮切りに、守りで奮闘し相手のミスを誘発する場面が多く見られた。「自分たちはディフェンスのチーム」(長谷川)というように持ち味であるディフェンス力を武器に、後半で相手を突き放す早大らしいバスケットで見事勝利をつかんだ。この流れのまま、あすも勝利を挙げてほしい。

(記事 小林理沙子、写真 下長根沙羅)

第89回早関定期戦
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

21 17 19 17 74
関学大 16 17 20 10 63
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#27 濱田健太(社4=福岡第一)
コメント

G長谷川暢副将(スポ4=秋田・能代工)

――きょうの試合の位置づけは

関東大学リーグ戦(リーグ戦)に向けて、良いゲームをしよう、と考えていて、韓国に行って合宿も終わってその中で、自分たちのチームとして何をしなきゃいけないのかというのを考えなければならないゲームだな、と思っていました。

――きょうの試合を振り返っていただきたいです。前半は攻めあぐねている印象もありましたが、いかがですか

相手もフィジカルにディフェンスをしてきて、ファウルもなかなか鳴らなくて自分たちの中で思うようなプレーができなかったんですけど、点数はあまり離されることもなくて、自分たちはディフェンスのチームなので、点数を後半までずっと付いていくようなかたちで、最後ポンと離れるようなゲームができれば、ベストゲームだと考えています。オフェンスはミスが目立ったのがちょっと気になったんですけど、それ以外はみんな強気で向かっていってたし、スリーポイントが入らないのも仕方ない部分もあると思うので、そこに関しては前半は、あんなもんなのかなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

前半は自分の中でも上手くいかないな、と思って、点数をもっと離したかったし、そういった中でも重たいゲームだなと感じていて、イライラしていた部分もあったんですけど、後半はちょっと切り替えながら、なんかやれるなと感じたので。スリーポイントも思い切り打ったら入ったし、仲間がアシストしたら決めてくれていたので、そこで一気に流れをつかもうと思ってディフェンスも頑張ってハッスルしてやろうという気持ちにはなりました。やっぱり、自分がやらなければいけないな、という自覚も出てきたし、こうやってやればうまくいくんだな、というのも早慶戦を終えてなんとなく自分の中でつかめてきたので、そこは意識しながら最後までブレないで最後はやりきろう、絶対勝ちたいっていう気持ちで、やりました。

――オールコートプレスの出来はいかがでしたか

前半は結構、引っ掛かっていて、自分たちのボールにはならなかったんですけど、相手のミスが出ていたりだとか、相手の思うような簡単な攻めではなかったと思うので、オールコートはすごく機能していた、と感じています。自分たちはメンバーもいるので、交代でずっとフルコートでディフェンスをできるチームだと思っているので相手の体力を削った分、相手も前半よりはシュートが落ちてきたと思うので、そこは自分たちの狙いなのですごく機能はしていたと思います。

――9月にはリーグ戦も始まります

リーグ戦に向けてみんな心も身体的もすごく成長していると思うし、4年生は今、Aチームには4人しかいないんですけど、その中でもしっかりとコミュニケーションを取りながら、リーグに向かってやっていく中で、今年は2部に降格するチームも出てくると思うので、そこで良い緊張感もあるし、その中でも、勝ち負けばかり考えても仕方ないのでしっかり楽しんで良いチームになれるように、リーグ戦を通して成長できるチームになってまたインカレに向かえたらいいなという風に思っているので、このゲームもすごい大事なんですけど、一つ一つ階段を上っていくイメージで、そんな一気にうまくなったりしないので、しっかりとチームでまとまって9月の1発目に照準を合わせられればいいな、と思います。

C富田頼(スポ4=京都・洛南)

――この定期戦はどのような位置付けでしたか

本来なら関東大学リーグ戦が1週早く始まる予定だったのでリーグに向けての最終調整という感じでした。でも延期されて、このあと練習試合が何試合かあるんですけど、この定期戦を皮切りにもっと質の高い内容を突き詰めようということで臨みました。

――夏の間はどのようなことを強化されましたか

チームプレーであったりとか、意思の疎通とかはもちろんなんですけど、一番重点的にやったのはディフェンスの部分です。誰が出ても常にハードなディフェンスをやり続けるというところを意識しています。

――前半は少し攻めあぐねる場面もあったと思うのですが

相手がラッキーシュートを決めていたというのもあると思います。自分たちがディフェンスリバウンドを取りきれなかったりとか、オフスクリーンの部分でハードなディフェンスができなかったところが突き詰められていなくて、自分たちが疲れていたところでやられてしまったと思います。

――後半はいかがでしたか

後半の入りを失敗してしまって、最初の数分間で同点まで持っていかれてしまって。4ピリで粘り勝ちみたいになったんですけど、後半は出だしから突き放して3ピリで勝負を決められたら良かったです。

――あすまでにどのようなことを修正しますか

きょうやってみて、オフスクリーンとかシュートのうまさとかの特徴は分かったので、きょう達成できなかったディフェンスとかリバウンドの部分を突き詰めたいです。1ピリと3ピリのゲームの入りのところで勝負を決められるように頑張りたいと思います。

――リーグ戦に向けて一言お願いします

リーグ戦に向けて練習試合が何個かあるので、しっかりとリーグ戦にピークを持っていけるようにしたいと思います。