あと1点で昨年の雪辱果たせず・・・

男子バスケットボール

 関東大学選手権2日目のきょうは日体大と対戦。日体大は昨年の同大会で敗れている相手だ。第1ピリオド(P)は若干のリードで終えるも、日体大のスリーポイントが入り始めると気づけば点差は18点に。怒涛の反撃で同点まで追いついたが、最後は80-81で惜しくも黒星を喫した。

 第1P、開始30秒で先制点を許してしまう。しかしすぐにG長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)がドライブで切り込み振り出しに戻した。その後も互いに譲らず拮抗した展開に。日体大には留学生選手がいて対格差がある中で、F濱田健太主将(社4=福岡第一)の「センター陣が頑張ってくれた」という言葉通り、C富田頼(スポ4=京都・洛南)やC小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)を中心にゴール下を守り失点を抑え、2点のリードを守った。第2Pで先に一歩前に出たのは早大。濱田のスリーポイントや小室のリバウンドシュートと、個々の持ち味でリードを広げる。しかし日体大の気迫あふれる声援により次第に流れが傾き始める。5点あったリードを徐々に詰められ6点のビハインドを負ってしまう。なんとか残り1秒で長谷川がスリーポイントを沈め、3点のビハインドに抑え前半を折り返した。

富田は気迫のディフェンスを見せた

 第3P、開始早々立て続けに日体大のスリーポイントシュートがゴールに吸い込まれてしまう。G森定隼吾(商4=岡山・倉敷青陵)のフリースローや富田のリバウンドで必死に食らいつくが、日体大のスリーポイントは止まらない。F桑田裕平(商3=京都・洛南)がパスカットからレイアップを決めたり、ドライブインで2本連続得点を挙げるなど早大もあきらめずに攻撃を仕掛けるが、気づくと得点差は18点まで広がってしまった。しかしF津田誠人(スポ1=京都・洛南)、C宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)のルーキー二人が投入されると1年生らしい思い切ったプレーを見せる。二人とも積極的な攻撃でファウルをもらい、スリーポイントを決めるなどしてチームを活気づけた。第4Pでも引き続きアグレッシブにプレーすると流れは再び早大に。小室、長谷川のスリーポイントも決まり18点あったビハインドは7点のリードへと変わった。このまま早大リードのまま試合終了を迎えるかと思われたが、日体大もそう簡単には引き下がらなかった。2本連続スリーポイントを決められるなど、試合は1点2点の戦いに持ち込まれる。すると残り1分、濱田が主将らしく執念のスリーポイントを沈め、会場からは歓声が沸いた。しかしすぐにオフェンスリバウンドからの得点を許してしまい早大が1点を追う形に。結局1点の差は守り切られ、80-81で惜敗した。

苦しい時間帯に連続シュートを決めた桑田

 昨年のリベンジを果たすことはかなわなかった早大。しかし「18点離されたときに選手たちで持ち直したのは一つ成長」と吉岡修平ヘッドコーチ(平成27スポ卒=広島皆実)が語るように、収穫も得ていた。春の最後の大会である早慶戦でパワーアップした早大が見られるだろう。また、6月に下級生は新人戦が控えている。チームに絶対的な安心感をもたらすセンター小室に加えて、1年生ながらに先発出場を果たしているルーキー津田、宮本と強い戦力を得た早大。各大学に様々な注目選手がいる中、早大の新鋭たちがどのようなプレーを見せるか期待がかかる。

(記事 阿部かれん、写真 小林理沙子)

◇早大スターティングメンバー◇

第67回関東大学選手権
   1Q 2Q 3Q 4Q 合計

早大

16 14 25 25 80
日体大 14 19 33 25 81
C#7 宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)
F#8 津田誠人(スポ1=京都・洛南)
G#13 長谷川暢(スポ4=秋田・能代工)
C#26 富田頼(スポ4=京都・洛南)
F#27 濱田健太(スポ4=福岡第一)
コメント

吉岡修平ヘッドコーチ(平27スポ卒=広島皆実)

――日体大に対しては、どのような対策を立てていましたか

留学生のところは、ものすごく一対一が上手いという感じではないかな、と思っていたので、ある程度一人で守り切るっていうところで、きょうも点は取られましたけど確率でいったらそんなに良い確率ではなかったのでそこは良かったのかなと思います。

――序盤からオールコートプレスのディフェンスが目立っていました

ワセダのスタイルとしてオールコートのプレスディフェンスで仕掛けるっていうのが、持ち味としてやっているので、それは狙っていこうっていう話だったんですけど。やっぱり前半の特に1ピリの最初の5分くらいのところで、仕掛けきれないっていうところがどうしてもあって、相手のリズムで試合やっちゃって、オフェンスもリズムに乗れない、ディフェンスもリズムに乗れないっていうところだったのかな、と思います。

――第3ピリオドで相手に離されてしまったときに、タイムアウトでは選手にどのような話をされましたか

第3ピリオドは2回タイムアウトを取ったんですけど、かなり選手も慌てていて、自分たちでオフェンスもできていないし、ディフェンスも人任せになっちゃっているっていう状況で、18点差は一気には絶対詰まらないので、3ピリでまず10点くらいまで縮めれば、次につながるからっていう話をして。まず一個ずつのオフェンスディフェンスをしっかり丁寧にやろうっていう話をしました。

――きょうの敗因は

やっぱり最後は終盤で、最初のシュートに対しては良いシュートチェックができてた部分も多かったんですけど、結果的に最後は相手の方がリバウンドやルーズボールに対して取ってやろうっていう気持ちが出ていて、うちの選手はそこで受け身になってしまって、取りにきたところに対して受け身になってしまったのが敗因なのかと思います。

――負けてしまいましたが、良かった点などはありましたか

良かった点としては18点離されたところで、一つずつもう一回丁寧にやろうっていう話をした後に、そこから選手が持ち直したっていうのは一個成長なのかな、と。春の東京六大学リーグ戦や、京王電鉄杯では、一気に離されてしまうっていう試合が2、3試合あったんですけど、そのときはもう一切止まることなく負けてしまうっていう状況だったんですけど、きょうはそこが立ち直れたっていうのは一個成長なのかなと思います。

――新人戦と早慶戦に向けて意気込みをお願いします

もう一つずつ成長していくしかないと思うので、地味なところから始めて。フリースローをまずはしっかり決められるようにやりたいと思います。

F濱田健太(社4=福岡第一)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

1点差なので、最後のところがどうこうというよりも、1試合を通して今までやってきたことが徹底できたかというところだと思うのですが、やはり最後シュートチャンスがあった中で僕が決め切れなかったというのが一番の敗因かなと思います。

――日体大は昨年敗れた相手でしたがどのような気持ちで臨みましたか

日体大は個人的にも高校の同期がたくさんいて絶対負けたくない相手で、さらに昨年も負けているので意気込んで臨みましたね

――相手のスリーポイントシュートや留学生選手に苦しめられましたが

留学生選手はある程度しょうがない部分もある中で、すごくセンター陣が頑張ってくれたのですが、相手のスリーポイントなり外のシュートはもっとガード陣がチームで言われていた部分をもっと徹底できれば抑えられたのではないかと思います。

――最後濱田さんがスリーポイントを決められましたがどのようなお気持ちでしたか

最後は最上級生という思いでずっとやってきたので、あの場面で決められたというのはひとつよかったとは思うのですが、その後の最後の逆転のシュートでミスしてしまったというのはまだまだ練習が足りないと思うし、もっとできることはあると思うので、まずは早慶戦までにそれが何なのかを早く見つけて練習していかなければと思います。

――きょうは最後まで粘る早稲田らしいプレーはできたと思いますか

随所で粘れるプレーは見えたと思うのですが、最後相手のディクソン(ジュニア、日体大)くんにリバウンドを取られてしまったところが全てだと思っていて、練習でもよくやっているシチュエーションでよく指摘されてしまう失敗のようなシチュエーションが出てしまうというのは練習がまだ甘いということなので、粘り強さというよりはあの1点だけで全然だなと思います。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

早慶戦は全く別の試合になってくると思うのですが、ここからシーズンを通して尻上がりに上がっていくしかないので、その弾みをつけるためにも、春はあと1試合しかないのであの一戦に全てをかけて臨みたいと思います。

C富田頼(スポ4=京都・洛南)

――昨年の初戦で負けた日体大との対戦でしたがどのような意気込みで臨まれましたか

とりあえず去年の二の舞にならないように出だしからしっかりハードワークして自分たちの流れに持っていくっていうのを意識して試合には臨むようにしていました。

――ディフェンス面ではどのような対策をしていましたか

向こうは黒人選手もいたんですけど、あまり一対一の部分でやられるっていうことはなくて、まあリバウンドの部分でしかやられないので一対一のところは個人個人一人で守ろうっていう話だったので、まあセットとか相手の選手に合わせてちょっとはあったんですけど、これといって特にはやっていないですね。自分たちのディフェンスを一試合を通して展開しようっていうのを意識してやっていました。

――ディフェンスを振り返っていかがですか

ディフェンスは、後半は上手くトラップが引っかかって、良いリズムのときは良いんですけど、やっぱり自分たちがしっかりシュートを決めて相手がスローの展開になれば、まあ良いディフェンスができるんですけど、途中ハリーバックが遅かったり、キャッチアップが遅かったりでそこで簡単なシュートを決められたっていうのと、自分たちがまあ攻めあぐねて良いリズムじゃなかったのが結構あったので、そこさえ改善できれば良いディフェンスができていた時間帯もあったので、それをもっと長い時間帯で展開できれば良かったかなと思います。

――チームとして振り返ってきょうの敗因は

いろいろ細かい部分はあるんですけど、そうですね。リバウンドだと思います。結局きょうも結構オフェンスリバウンドからの得点っていうのがあって、そこを取り切れていれば当然向こうの得点も少なくなりますし、自分たちの攻める回数も増えたのと、後は細かいミス等が主な要因だと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

ちょっとミスが2、3個、普通に意識すれば起きないミスっていうのをやってしまったので、そこのところと、オフェンスはまああんなもんかなと思って、これといった不具合はないのですが、全体的にもっと質の高いプレーができればよかったかなと思います。

――きょうの試合で良かった点は

まあ自分個人としてはシュートが比較的前半はシュートタッチが良くて入っていて、そこらへんは良かったかなと。リバウンドからのシュート等もあって良かったかなと思うので、その後のドライブとかパスとかの精度をもっと今後詰めていければ良くなるかなと思います。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

きょう出た課題っていうのをしっかり早慶戦までに修正して、去年に引き続き二連勝できるように頑張りたいと思います。

F桑田裕平(商3=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

3ピリオド終わりに18点差を開けられた中で4ピリオドでひっくり返したのは良かったのですが、それをまたひっくり返されて、せっかく我慢して逆転したところをそのまま継続できなかったり悪い流れが多かったというイメージです。

――日体大は昨年敗れた相手ですがどのような気持ちで臨みましたか

昨年も同じところで負けて、今年も同じような組み合わせだったのですが昨年は昨年、今年は今年というふうに考えていて、今年のチームで自分たちのバスケができれば必ず勝てると思って臨みました。

――きょうはプレータイムが長かったですがいかがでしたか

前半自分の気持ちがふわふわしたまま入ってしまって、なかなか集中できなくて自分のプレーが出せなかったので不本意な結果だったかなと思います。

――3ピリオドの苦しい時間帯でパスカットから2本連続で得点されましたが

ディフェンスをしっかり仕掛けろと言われていたので、その中でスティールして点につなげられたのは良かったなと思っています。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

春は早慶戦が最後なのですが、負けたままではいけないと思うので、もう一度春やってきたことを見直して必ず勝てるように頑張っていきたいと思います。

C小室悠太郎(社2=石川・北陸学院)

――昨年は初戦で負けた日体大との対戦でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

昨年負けたっていうことでも意味があるし、今シーズン初の公式戦っていうことにも意味があるし、去年は早めに負けてそれを1年間引きずってしまった感がある、というのはスタッフからも言われていて、実際そうなったとしか言いようがなくて結果出せなかったので、春しっかり結果を出して波に乗ろうって話していたんですけど、去年と同じ結果になってしまったので、まあ切り替えて、去年のようにならずに今後の大会でしっかりと勝ち切りたいと思います。

――相手は黒人選手もいましたが、インサイドのディフェンスはどのような対策を立てていましたか

基本は一対一でつくことで、自分が体を張るポジションで、チームの中でも一番体重も重くて、体があると自分が自覚しているので、中でゴリゴリはやられなかったとは思うんですけど、リバウンド面だったり、そうですね。リバウンドですね、リバウンドの面でまだローテーションの後のリバウンドとか黒人に取られて相手の流れにつながっているので。小さいからこそやるべきことはたくさんあったと気づきました。

――チームとして振り返って、きょうの敗因は

前半でワセダの持ち味であるオールコートプレスがなかなか仕掛けられなかったということと、後はシュート数ですね。自分も11分の2で全然入らなくて。ただ前半のディフェンスは33点と抑えられたので、やっぱり追い越したときにスリーポイントを入れられて、我慢すべきところで我慢しきれなかった。我慢できた部分もあるんですけど、すべきこをしきれなかった部分があったので、我慢する力を付けていきたいです。

――きょうは負けてしまいたが、ワセダらしいプレーはできましたか

見ていただいたらわかると思うんですけど、追い上げたときとか、みんな声が出ていてあの一体感というのはやっぱりワセダだと思うので、大抵の試合が最初は負けていて追い返すっていうほとんどそういう試合をしていて、去年のリーグ戦でもそうなんですけど、そこで勝ち切ったり追い越したりできることがワセダの強みだと思うので、そこに頼るんじゃなくてそこも良いけど、じゃあ最初はどうなんだっていう話で、入りをもっとアグレッシブに緊張もあると思うけど、それをはねのけていけたらいいかなと思っていて、良いところも出たけど、だから分かる悪いところもあったので修正していきたいです。

――新人戦への意気込みをお願いします

新人戦は大きな2人が入ってきて、シューターも入ってきてしっかり練習すれば戦えると思うので、自分や柳川(幹也、スポ2=京都・洛南)など2年生で試合に絡む中心メンバーになると思うのでチームを引っ張って、人数少ないですけど、その中で出し切って悔いのない結果を残したいと思います。

C宮本一樹(スポ1=神奈川・桐光学園)

――きょうの日体大戦はどのような意気込みで臨まれましたか

やっぱりワセダの強みは機動力だと思っているのでやっぱり走り負けたら、そこが強みなので、ワセダは負けてしまうと思って、走り勝って、日体大に勝つというゲームプランだったんですけど、それがあまり前半は体現できなくて、あのような感じの悪い試合展開になってしまって、まあでも後半は上手く立て直して良いゲームの流れがあったんですけども、最後は相手に負けてしまったのでそこは修正点だと思います。

――第3ピリオドでは津田選手とのコンビで良いプレーも見られましたが、ご自身のプレーを振り返っていかがですか

3ピリが終わるときにまだ、19点差がついていてベンチも結構押され気味でそんな中で、まだ1ピリ残っているから、3ピリでどうにか点差を縮めておかないと、と思い僕のマークマンはあまりディフェンスが上手くないので僕を起点にスリーだったり、点数にこだわってあの3ピリはやっていきました。

――チームとしてきょうの試合を振り返って敗因

やっぱり日頃の練習の気持ちの入れ方だったり私生活のちょっとしたところだったり、それが相手の方が少し一枚上手だったのかなって思っていて、去年もこのような形で日体大に負けてしまったんですけど、去年のようにならずにこの先シーズンは長いので、頑張っていきたいと思います。

――今後どのような練習をしていきたいですか

新人ということで、少し先輩とかに押され気味になってしまうのはあるんですけれど、ルーキーらしく新鮮な気持ちでやっていきたいと思います。

――新人戦への意気込みをお願いします

新人戦はもちろん優勝することが目標で、個人賞も視野に、僕と津田の2人の1年生コンビで躍動してやっていきたいと思います。

F津田誠人(スポ1=京都・洛南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

離せるところで離し切れなかったですね。

――昨年負けた相手ですが

僕たちは高校生だったこともあってツイッターなどで試合を見ていて、早稲田に行きたいとは思っていたけど自分たちのこととしては捉えていなかったのですが、先輩方がそういう悔しい思いをされているというのは知っていて、そういうのを踏まえて勝っていこうという話だったんですけど、何か足りなくて負けてしまったので、先輩を中心に話して反省していきたいと思います。

――相手のスリーポイントや留学生選手に苦しめられましたが

留学生がいるチームに対して留学生に点数を取られることは仕方ないことだとは思うので、そこのシュートのチェックやリバウンドを取らせないだとか、徹底しているつもりではあったんですけどつもりだったところがあって、徹底し切れなかったことが負けの原因かなと思います。

――宮本さんと津田さんの1年生コンビが苦しい時間帯を打開した印象でしたが

僕たちは1年生ということもあって、2年生とはまた違った意気込みで臨んでいるので、気持ちでプレーするというか考えすぎずにできることだけやるというふうに2人で話していて、上手い具合にシュートが入ってくれたりしたので良かったのですが、それを続けることができなかったのでそこが自分たちにまだ足りないところだと思います。

――新人戦への意気込みをお願いします

新人戦は人数も少なくてポジションだったり変わってくると思うのですが、チームのルールとかを徹底してやっていきたいです。